
リフォームとリノベーションの違いを、専門家が徹底解説!4つの特徴やメリットデメリット、費用相場の観点から、2つの施工方法の違いをわかりやすく紹介していきます。自分のニーズに合った施工方法が知りたい方、改修方法にお悩みの方は必見です。
目次

株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
リノベーションとリフォームは、それぞれ異なる目的と範囲でおこなわれる施工です。これからお家の改修工事をしようと考えている方の中には、リノベーションとリフォームの違いが気になっている方も多いのではないでしょうか?
「リフォームもリノベーションも同じじゃないの?」
「リフォームとリノベの施工の違いとは?」
住宅に手を加えて新しく、住みやすい家を作りたいと考えている方なら、一度は感じる疑問ですよね!
そこでこの記事では、リフォームとリノベーションの違いについて、それぞれのメリット・デメリットを交えながらご紹介します。 リフォームとリノベーションの違いを把握して、自分の家に最適な工事はどちらかを正確に捉えられるようになりましょう!
リノベーションとリフォームの違い

リフォームとリノベーションには、具体的に以下の違いがあります。
- 特徴の違い
- メリット・デメリットの違い
- 費用相場の違い
まずは、リノベーション・リフォームの違いをハッキリさせるため、上記3つの観点から詳しくみていきましょう。
特徴の違い

リフォーム・リノベには、それぞれ以下の特徴の違いがあります。
- 言葉の意味の違い
- 工事の規模の違い
- 設備の性能の違い
- 築年数での違い
以下は、上記の違いについて端的にまとめ、具体例を示したものです。
リフォーム | リノベーション | |
---|---|---|
意味 | 悪い状態を元に戻す(改修) | 新しい価値を付与する(刷新・革新) |
規模 |
住宅の一部のみの小さい工事 短期 |
一部から全体を含む大きい工事 中長期的 |
性能 | 新築時と同程度にまで戻す | 新築時にも無かった新しい性能の付与 |
築年数 | 築浅物件が妥当 (築古物件だと不十分) |
築20年以上の物件向け (築古物件の場合はフルリノベ) |
具体例 |
壁紙の貼り替え ユニットバスの入れ替え |
部屋の増築 間取りの変更 バリアフリーへの移行 |
詳しい内容については後述しますが、リフォームは、老朽化した箇所を修復し若返らせて新築時のような価値を再び取り戻す工事です。そのため、「古くなった浴槽を新しくしたい」「汚れた壁紙をきれいにしたい」という時に適しています。
一方リノベーションは、既存の建物に対して新たな機能や価値を付け加える改装工事です。「子どもが生まれた」「親と同居することになった」「介護が必要になった」など、ライフスタイルの変化に合わせた工事をするなら、リノベーションが適しています。
メリット・デメリットの違い
リフォームとリノベーションは、メリット・デメリットにも違いがあります。
リフォーム | リノベーション | |
---|---|---|
メリット |
工期が短く費用が安い 引越しや仮住まい費用がほぼ不要 完成をイメージしやすい イメージとの乖離が少ない |
工事の自由度が高い 物件の選択肢が豊富 安い費用で新築と同程度にできる |
デメリット |
工事の自由度が低い 住宅性能の大幅な向上が難しい 根本的な改修にはならない デザインを重視しづらい |
工期が長く費用が高い 築古だと耐久性に難がある ローンの金利が高くなる |
リフォームリノベのどちらが適しているかは、「何を優先するか」で変わってくるでしょう。また、どちらを選択するにしても、事前にデメリットを知っておくことが大切です。
施工前からデメリットを把握し、適切な対策・準備をして施工に臨むことが、失敗しないリフォームリノベへとつながります。
費用相場の違い

リフォームとリノベーションでは、費用にも違いが生じます。
国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、リフォームにかかった平均資金額は206万円、資金の借り入れ返済は30年未満です。一方、リノベーションは、40㎡の場合は600〜850万円程度、80㎡なら900〜1,700万円程度が費用相場でした。
特に、リノベーションの費用相場は、建物の延べ面積や採用する建材、設備のグレードによって変動します。費用は施工内容でかなり差が出るため、自身が希望するリノベーション内容を早めに把握して、資金準備することが大切です。
以下は、リフォーム・リノベーションの費用相場を合算し、施工箇所別に掲載したものになります。施工を希望する箇所の費用相場についても、事前に把握しておけるといいでしょう。
【リフォーム・リノベーションにかかる費用の目安一覧】
施工場所 | 施工内容 | 費用相場 |
---|---|---|
水回り | お風呂・トイレ・洗面所・キッチン | 10万〜400万円 |
内装 | 床や壁・間取りの変更 など | 6万〜400万円 |
外装 | 屋根や外装、基礎 など | 20万〜2,500万円 |
その他 | ウッドデッキ・オール電化・太陽光発電 など | 10万〜300万円 |
参考:国土交通省「事業者団体を通じた適正な住宅リフォーム事業の推進に関する検討会第1回配布資料「部位別リフォーム費用一覧」
また、リノベーションの費用については以下で詳しく解説しています。
【リノベーションとリフォーム】言葉の意味の違い

以下は、リフォームとリノベーションの「言葉の意味や定義の違い」を明確にしたものです。
リフォーム | リノベーション | |
---|---|---|
単語の意味 | reform=悪い状態を戻す(改良) | renovation=刷新・革新・修復 |
施工目的 | 新築時の価値を取り戻す | 新たな性能や価値を付け加える |
このことから、リフォームはマイナスをゼロに、リノベーションはゼロに「プラスアルファ」する目的があることがわかります。ここからは、リフォーム・リノベーションそれぞれの意味と定義についてみていきましょう。
リフォームの意味

「リフォーム」は悪い状態や古いものを元に戻すという意味合いを持つ言葉です。
リフォームの施工には、老朽化などでダメージを受けた部分を、新築時のような状態に「戻す」という目的があります。古くなって住みにくくなった家に、最新の設備を搭載することで、住みやすさを取り戻すといったイメージです。
そのため、主に住宅の内装や設備の修理・改修などがリフォームに該当します。壁紙の張り替えやキッチンの取り換えなど、比較的小規模な修繕はすべてリフォームです。
リノベーションの意味

リノベーションは英語で「刷新」を意味する言葉であり、既存の機能や設備に元々はなかった「新たな価値を加える」ことを目的とした工事です。
弊社株式会社ユニテでは、これまで約30年間の営業実績における豊富な経験から、数百件のリノベーションをおこなってきました。多くの方が、以下のようなライフスタイルの変化に伴った住宅をリノベーションされています。
✓リノベーションの理由例
|
このことから、ライフサイクルや状況に合わせて、現状の家を暮らしやすくするためには、付加価値を付けるリノベーション工事が役立つということがわかるでしょう。
リニューアルの意味

似ている言葉に「リニューアル」という英語もありますが、これはリフォームやリノベーションとは少しニュアンスが異なります。リニューアルは、「もとのものに手を加えて新しくする」という意味を持つ言葉です。
「建物の一部または全体を改修して、性能や機能を高める」という点ではリノベーションと似ています。しかし、リニューアルの目的は、「既存の建物におけるデザインや機能面を、現在の社会的水準まで引き上げる」ことです。
そのため、リノベーション・リフォーム・リニューアルには、以下のような違いがあることがわかります。
リフォーム | リニューアル | リノベーション |
---|---|---|
悪い状態を元に戻す(改修) 新築時と同様の性能に戻す |
現在の社会的要求水準までデザイン・性能を引き上げる(改修寄り) |
新しい建物に生まれ変わらせる 根本からの刷新・新しい性能や価値の付与 |
【リノベーションとリフォーム】工事の規模の違い

リフォームとリノベーションでは、工事の規模感も異なります。
リフォーム | リノベーション | |
---|---|---|
規模 | 比較的小さい | 比較的大きい |
内容 | 設備交換・壁紙の貼り替え など | 間取り変更・ライフラインの交換や移動など |
工期 | 当日〜1か月程度 | 3〜4か月程度 |
リフォームの規模

リフォームは、主に住宅の「原状回復」を目的にしています。古くなった設備や内装を新築に近い状態まで修復する施工なので、設備の部分的な変更や修繕がメインです。そのため、具体的には以下の小規模〜中規模の施工がリフォームに該当します。
- 壁紙の張り替え工事
- キッチン・バスルームなどの水回り設備交換
- 和室を洋室に変更(畳の張り替え)
リフォームとして扱われる工事は、クロスの張り替えや設備交換などが中心です。施工規模や内容が少ないことから、工期も短く、数日〜数週間で完了します。そのため、変化も最小限に留まるのが一般的です。
リノベーションの規模

リノベーションは「住宅全体の性能・価値向上」が目的であり、利便性やデザイン性を高めるために大規模な改修工事もおこなわれます。そのため、一般的に施工範囲が広くなり、工期も長くなる傾向です。
- 間取り変更を含む工事
- バリアフリーが目的の工事
- 配管移動を含む工事
- 耐震性向上を含む工事
- 断熱性向上を含む工事
リノベーションにかかる工期は、少なくても数ヶ月、長くて半年以上です。特に、建物全体を施工する「フルリノベーション(フルリフォーム)」では、上記すべての施工が含まれるケースが多く、工期もより長くなります。
また近年では、内装や外装をすべて撤去して、建物の躯体だけを残す「スケルトンリノベーション(スケルトンリフォーム)」も注目されている傾向です。
スケルトンリフォームとフルリノベーションの違い

「スケルトンリフォーム」とは、建物の構造体部分である柱や梁だけを残し、それ以外のものをすべて解体してから施工する方法です。この状態は「スケルトン状態」と呼ばれており、内装や間取りをすべて撤去することから、自由度の高い施工ができる特徴があります。
また、「建物全体に最新の耐震基準や断熱性を付与したい」というときにも採用されるため、築年数の経過した建物に対しておこなわれることが多いです。
一方、建物全体のリノベーションをおこなうことを「フルリノベーション」と言います。フルリノベーションは、スケルトンリフォームよりも工事の種類や範囲が広い傾向です。そのため、スケルトンリフォームはフルリノベーションをおこなう際の1つの手段だと捉えましょう。
詳しい内容については、以下の記事で解説しています。
「【基礎知識】スケルトンリフォームのメリットデメリット!費用相場と後悔しないためのコツ」
【リノベーションとリフォーム】設備の性能の違い

リフォームとリノベーションでは、住宅設備の性能のレベル感も異なります。日本において、新築時と同等あるいはそれ以下の場合は「リフォーム」、改修の結果新築以上の性能が付与される場合は「リノベーション」に分類されることが一般的です。
それぞれ詳しくみていきましょう。
リフォームの性能
リフォームは住まいの一部分のみを改修する工事ですので、建物内部の性能の部分までは対応できません。
新しく施工した部分と既存の部分に、デザインや性能の違いが出てしまう可能性があるのです。特に、施工した部分としていない部分の境目は、その差が顕著になります。
そのため、耐震性の向上や生活導線の改善、省エネ対策などといった住宅の性能を大幅に向上することは難しいでしょう。
リノベーションの性能
リノベーションは、壁を撤去したり床下を整備したりする規模の大きい施工のため、普段は表面に見えない部分の改修も可能です。新たな技術や素材を用いて住宅の性能を新築時よりもさらに向上させ、現代のライフスタイルに合った快適な住環境や、省エネルギーな住まいも実現できます。
【リノベーションとリフォーム】築年数での違い

リフォームとリノベーションでは、建物の築年数に応じた改修内容が求められます。以下の条件を比較して工務店に内覧を依頼し、どちらにするか検討してもよいでしょう。
✓築浅物件リフォームと築古物件リノベーションの比較表
築浅リフォーム(築10年以下) | 築古リノベーション(築20年以上) | |
工事費用 | 安い | 高い |
物件の選択肢 | 少ない | 多い |
工期 | 1週間~1か月 | 1か月~ |
施工内容は住宅の状況や状態に左右されるため一概には言えませんが、築10年以内の築浅物件をリフォームするよりも、築20年以上の築古物件をリノベーションするほうが費用が高くなる傾向があります。
ただし、築古物件にリフォームを施すのはおすすめしません。ここからは、その理由も含めて解説していきます。
リフォームにおける築年数での違い

築10年以内の築浅物件では、躯体へのダメージや設備の劣化などはほとんどないため、新築時のような状態に「戻す」ための工事である「リフォーム」が適しています。
ただし、物件の築年数によっては、リフォームの施工範囲だと不十分なケースが多いです。リフォームした数年後に別の箇所に不具合が出てきてしまうため、2〜3年に1度のサイクルで小さな工事をし続けなければなりません。
特に、築古物件は建物自体の劣化が激しい可能性が高く、表面的な施工であるリフォームだけでは安全性・快適性が十分に確保できないことがあります。
耐震性・断熱性・配管や配線の老朽化など、目には見えないさまざまな問題を抱えている可能性があるため、リフォームでは対応しきれないのです。
リノベーションにおける築年数での違い

築古物件には、構造体を活かしつつ、間取りや住宅性能を一新できるリノベーションが最適です。外観や内装などの表面的な部分はもちろん、断熱性・耐震性・配管などの見えない部分も包括的に改善できるため、快適かつ安全な住まいが実現できるでしょう。
築古物件にリフォームをおこなうと、小さな工事の積み重ねで結果としてトータルの費用がかさむことがあります。一度のリノベである程度の不安要素をなくしておけば、トータルコストを抑えられる可能性も高いです。
そのため、築20年以上の築古物件は、「新たな価値を加える」ことを目的としたリノベーションが推奨されます。
以下は中古物件および築古物件のリノベーションに関するコラム記事です。築年数のリノベーションについて詳しく知りたい方は、ぜひご一読ください。
「中古住宅リノベーション完全ガイド!物件選びに後悔しないためのコツと注意点」
【リフォームかリノベか】結局どっちがいいの?

一見すると似ているリフォームとリノベーションですが、工事の目的は異なるため一概に「どちらが良い」と言い切るのは難しいといえます。一般的には、築浅物件はリフォーム、築古物件はリノベーションが妥当ですが、目的やメリット・デメリットを明確に把握したうえで施工することが大切です。
【判断基準の例】
リフォーム | 現状維持できる修理的な改修がしたい 築浅物件を改修したい 安い費用で施工したい 短い期間で施工してもらいたい 施工期間も住み続けたい |
リノベーション | 抜本的な改修工事がしたい 古い物件を住みよくしたい ライフスタイルに合った間取りにしたい 費用よりもクオリティにこだわりたい |
既に住んでいる住宅に対して、リフォームまたはリノベーションをおこなう場合は「住宅に新たな価値を追加するのか」を基準に考えるとわかりやすいですよ!
また、弊社ユニテでは、以下のようにご案内しております。


よかったら参考にしてみてくださいね!
リフォームとリノベーションのメリットの違い

ここからは、リフォームとリノベーションのメリットに焦点を当て、違いについて詳しく解説していきます。以下は、それぞれのメリットについて比較したものです。
リフォーム | リノベーション |
---|---|
工期が短く費用が安い 引越しや仮住まい費用がほぼ不要 完成をイメージしやすい イメージとの乖離が少ない |
工事の自由度が高い 物件の選択肢が豊富 安い費用で新築と同程度にできる |
リフォームのメリット
リフォームの主なメリットは以下の通りです。
- 工期が短く費用が安い
- 引越しや仮住まい費用がほぼ不要
- 完成をイメージしやすい
- イメージとの乖離が少ない
リフォームは部分的かつ表面的な改修工事という点から、短ければ当日中、長くても1か月程度と工期が短めです。住みながら行われる工事が多いため、引越し費用や仮住まい費用はほとんど発生しないというメリットがあります。
また規模が小さい工事という点から、リフォーム完成後のイメージがしやすい点も特徴です。予測しきれなかった不満・不便な点が、完成後に出てくるという心配もありません。
リノベーションのメリット
リノベーションの主なメリットは以下の通りです。
- 工事の自由度が高い
- 物件の選択肢が豊富
- 安い費用で新築と同程度にできる
リノベーションは理想通りの暮らしが実現しやすい点が特徴です。工事規模が大きいため、間取りの自由度が高く、理想のレイアウトが実現できる可能性が高まります。
また、古い築年数の家に最新の設備を搭載し、住みよくすることも可能です。日本家屋のよさを残しつつ快適に暮らすケースなどは、リノベーションが適しています。
さらに、新築よりも好条件で同レベルの家に住める可能性も高いため、ライフスタイルの変化に伴う刷新であれば、リノベーションが最適でしょう。
古い家の和室をリノベーションするコツについては、以下をご覧ください。
「和室リノベーションの費用相場と施工のコツ!おしゃれなリフォーム例もご紹介」
リフォームとリノベーションのデメリットの違い

ここからは、リフォームとリノベーションのデメリットの違いについて詳しくみていきましょう。それぞれのデメリットは以下の通りです。
リフォーム | リノベーション |
---|---|
工事の自由度が低い 住宅性能の大幅な向上が難しい 根本的な改修にはならない デザインを重視しづらい |
工期が長く費用が高い 築古だと耐久性に難がある ローンの金利が高くなる |
リフォームのデメリット
リフォームの主なデメリットは以下の通りです。
- 工事の自由度が低い
- 住宅性能の大幅な向上が難しい
- 根本的な改修にはならない
- デザインを重視しづらい
リフォームはあくまでも「傷んだ部分を交換して元の状態に戻す」ことを目的にしています。しかし工事の規模が小さいということは、できることが限定され、工事の自由度が低くなるということです。
以下に該当する場合は、リノベーションで一気に解決してしまったほうが結果として安くなるかもしれません。
- やりたいことがたくさんある場合
- やらなければならない必須の改修工事がある場合
- 全体的なコンセプトの統一を図りたい場合
- クオリティにこだわりたい場合
リフォームを検討していてデメリットが心配な方は、以下の記事で事例を確認することをおすすめします。
戸建て・マンション共通の和室リフォームについて知りたい方はこちら
「和室を洋室にリフォームした実例をもとにおしゃれに仕上げるポイントを解説!」
戸建ての古民家再生リフォームを検討している方はこちら
「古民家再生リフォームとは?メリットや活用方法まとめ」
マンションのリフォーム・リノベーションを検討している方はこちら
「【マンション】和室リフォームのポイント!費用相場とコーディネートのコツ」
「【事例紹介】予算300万円でできる!マンションフルリフォームを成功させる6つのコツ」
「200万円でマンションをリフォーム!できる施工と費用を実例で紹介」
リノベーションのデメリット
リノベーションの主なデメリットは以下の通りです。
- 工期が長く費用が高い
- 築古だと耐久性に難がある
- ローンの金利が高くなる
リノベーションは緻密な計画が必要です。工期にかかる時間やトータル費用の捻出、耐久性への対策など、準備を万全にしてから実行しなければ失敗してしまいます。
また、工期が長くコストが高くなるのもデメリットです。自由度が高いぶん、設備やクオリティにこだわりすぎるとかなり高額になります。フルリノベーションを希望するケースでは、通常リノベーションよりも高い費用が必要になるでしょう。
工期が長くなれば、引っ越し費用や仮住まい費用も発生します。施工にかかるお金以外の諸経費も高くなることを考慮しなければなりません。
リノベーションの詳しいデメリットについては、以下の記事もご覧ください。
「リノベーションとはどういう意味?リフォームとの定義やメリットの違いを解説」
リフォームの費用相場

ここからは、リフォーム・リノベーションそれぞれの費用相場について解説していきます。まずは、一般的なリフォームの費用相場についてみていきましょう。
【リフォームの費用相場】
壁や屋根の張り替え工事 | 5~50万円 |
畳をフローリングに変更 | 15万~(6畳の場合) |
トイレ交換 | 20~40万円 |
水回り設備の設置 | 50~100万円 |
リビング・ダイニング | 150~450万円 |
リフォームで多い施工内容は、「水回りの設備交換」や「内装工事」に関するリフォームです。これらは比較的早く痛みや不具合がでやすいため、リフォームでおこなわれることが多い傾向があります。
水回りのリフォームにかかる費用

水回りのリフォームにかかる費用は、20〜100万円ほどの価格帯が多いです。ただし、新しく設置する設備のグレードに大きく左右されます。洗面台やトイレのリフォームは、比較的安い100万円以下でできることが多いです。
一方、お風呂やキッチンはグレードの高いものを選ぶと100万円を超過することもあります。お風呂のリフォームでは、在来工法からユニットバスへと変更する場合に費用が高くなる傾向です。
またキッチンは、設置個所や新設するキッチンのタイプによって変動します。一般的に、壁付けやカウンターキッチンよりも、アイランドキッチンのほうが高額になりやすいです。
内装リフォームの工事にかかる費用

内装に関するリフォーム内容は、「壁紙(クロス)」または「床」がメインになるでしょう。素材と工法によって以下のように相場が変動するため、参考にしてみてください。
【内装リフォームの費用相場】
クロス貼り替え | 一般的なグレード:800〜1,000円/㎡ ハイグレード:1,000〜1,500円/㎡ |
床の張り替え | 【フローリング→フローリングのケース】 上張り工法:1〜1,4万円/㎡ 張り替え方法:1.2〜1.5万円/㎡ 【畳→フローリングのケース】 1.5〜1.9万円/㎡ |
クロスの貼り替えは、一般的な量産型タイプなら1㎡あたりおおよそ800〜1,000円程度が相場です。ただし、より高いグレードにしたいという場合は、1㎡あたり1,000〜1,500円ほどの価格帯になります。
また、床の張り替えリフォームでは、工法によって多少の差はあるものの、1㎡あたり1〜2万円ほどが相場です。上張り工法は既存の床の上に新しい床材を貼り付けるリフォーム、張り替え工法は古い床をすべて撤去して新しい床材を敷くリフォームを指します。
外装リフォームの工事にかかる費用

外装にかかるリフォームの費用相場は以下の通りです。
屋根 |
塗り替え(スレート屋根):20~80万円 重ね葺き(金属屋根):90~250万円 瓦屋根の交換:70~120万円 |
---|---|
外壁 |
外壁材重ね塗り:50~150万円 サイディング上貼り:80~200万円 |
また、太陽光発電や高効率給湯システムの設置など、エコ関連のリフォームなら補助金を利用できる場合があります。
リフォームで利用できる補助金については、以下の記事をご覧ください。
「空き家リノベーションの気になるポイント大解剖!【費用やメリデメ、補助金は?】」
リノベーションの費用相場

ここからは、約30年の実績を持つユニテが過去に施工した、実際のリノベーションにかかった費用相場を紹介していきます。施工範囲や内容によって変動はありますが、1つの指標としてお役立てください。
以下は2025年4月時点での価格相場です。
施工内容 | 施工内容と費用相場 |
玄関ドアの取り換え | 45〜65万円 (サイズや種類によって変動する) |
リビング(15帖) | 15帖の場合で約45万円 (壁と天井クロス、床フローリングの施工のみ) |
キッチン | 100〜200万円 (設備交換のみ、位置やサイズに変更なし) |
洗面脱衣室 | 20万円〜 (設備交換と内装工事、設備のグレードによって変動する) |
浴室 | 100〜300万円 (ユニットバスの設備により変動する) |
トイレ | 30〜80万円 (トイレの設備によって変動する) |
実際の施工事例がみたい方は「【実例あり】リノベーション費用はいくらかかる?工事パターン別で解説」もご覧ください。
ここからは、間取り変更のリノベーションと、スケルトンリフォームにかかる費用について解説していきます。
間取り変更のリノベーションにかかる費用

間取り変更のリノベーションの内容と費用相場は以下の通りです。
【間取り変更のリノベーションにかかる費用】
間仕切りの設置 | 1箇所あたり8〜25万円程度 (壁・ドア・アコーディオンカーテンなど) |
---|---|
間仕切りの壁撤去と補修 | 1箇所あたり7〜23万円程度 |
上記はあくまでも間取り変更にのみかかる費用なので、部屋全体をリノベーションする場合はさらに床や天井、クロスの貼り換え費用が発生します。壁を新しく設置する場合は、価格だけでなく遮断性なども考慮するといいでしょう。
もっとも遮断性に優れているのは壁の新設で、防音性やプライバシー性を高めたいときに適しています。開閉式のアコーディオンカーテンなら、1箇所あたり2.5〜10万円程度の安い価格で施工可能です。ただし、遮断性には劣るため、よく検討して設置しましょう。
スケルトンリフォームにかかる費用

スケルトンリフォームは、建物を躯体の状態まで解体する規模の大きいリノベーションです。スケルトンリフォームにかかる費用相場は、一般的にマンションよりも施工範囲の広い戸建てのほうが費用が高くなる傾向です。
ただし、施工内容によってかなり変動するため一概には言えません。
【スケルトンリフォームにかかる費用相場】
戸建て | 5〜30万円/㎡ |
マンション | 5〜20万円/㎡ |
戸建ての場合は、「内装のみのスケルトンリフォーム」をおこなうケースと、屋根や外壁まで撤去する「内外装のスケルトンリフォーム」をおこなうケースがあります。
マンションの場合は、天井や柱・壁などを撤去する「内装のみのスケルトンリフォーム」が基本です。外装をいじることはできないので、間取り変更や断熱性向上などがメインになります。
フルリノベーションにかかる費用

フルリノベーションにかかる費用は、施工の規模や範囲によって大きく変動します。以下は、弊社ユニテの施工事例を基にフルリノベーションの費用相場を概算したものです。
マンション(分譲) | 800万円~ |
---|---|
一戸建て | 1,500万円~ |
物件の種類別の施工費用や、1坪あたりの施工費用については以下で詳しく解説しています。
「フルリノベーションの費用を徹底解説!物件タイプ別に実例やシミュレーションを紹介」
リフォームとリノベーションの違いに関するよくある質問

ここからは、リフォームとリノベーションの違いに関するよくある質問を2つご紹介します。
- マンションにおけるリフォームとリノベの違いは?
- 戸建てとマンションにおけるリノベーション費用の違いは?
マンションにおけるリフォームとリノベの違いは?
マンションにおけるリフォームとリノベーションの違いは、先述した一般的なリフォームとリノベーションの違いと基本的には同じです。ただし、一戸建てのようなスケルトンリフォームはできないため、リノベーションの施工範囲が限定的になります。
マンションのリフォームで多いのが、壁紙の張り替え・キッチンやトイレなどの水回り設備の交換です。一方マンションのリノベーションでは、3LDKや二間続きの和室などを1LDKに間取り変更し、広い空間を作るといった施工が多い傾向があります。
詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。
「後悔しないマンションリノベーション!おしゃれな間取りを手に入れよう」
戸建てとマンションにおけるリノベーション費用の違いは?
戸建てとマンションにおけるリノベーション費用の違いは以下の通りです。
マンション | 一戸建て | |
---|---|---|
フルリノベーション | 800万円~ | 1,500万円~ |
1坪あたり | 25万円/坪 | 40万円/坪 |
詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。
「後悔しないマンションリノベーション!おしゃれな間取りを手に入れよう」
「フルリノベーションの費用を徹底解説!物件タイプ別に実例やシミュレーションを紹介」
富山県でのリノベーションやリフォームのご相談はユニテにお任せください

細かな違いがあるリフォームとリノベーションについてお困りごとがある方は、株式会社ユニテにご相談ください!
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どんな小さな疑問でも、ぜひお気軽にご相談ください!
まとめ
今回は、リフォームとリノベーションの違いについて解説しました。
一見同じに見えるリフォームとリノベーションの大きな違いは、工事範囲と「新築の状態に戻す」か「新しい価値を加えるか」という「目的」です。
この記事で紹介した違いやメリット・デメリットを参考に、自身の住宅がリフォームとリノベーションどちらが適しているのかの指標にしてみてください。