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空き家リノベーションの気になるポイント大解剖!【費用やメリデメ、補助金は?】

空き家のリノベーションが気になる、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間様々な経験から、空き家リノベーションのポイントやメリット・デメリット、費用についてまとめてみました。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「空き家のリノベーションはどう行われているのだろう?」
「空き家を放置したままだから、どうにかして活用法を考えたい」

 

このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

 

空き家をリノベーションする際は、自身がどのように空き家を活用するかを明確にすることで、理想通りの施工結果になりやすいと言えます。

そのためには、空き家リノベーションの気になるポイントをあらかじめ把握し、自身に合ったリノベーション工事を検討するための判断材料にすることが大切です。

 

そこで今回は、空き家リノベーションで注目すべきポイントについてご紹介します。

空き家リノベーション検討時に生じやすい悩みとは?

空き家リノベーションを検討するにあたって生じがちな悩みを以下に一例として挙げました。

 

空き家リノベーション検討する時に生じやすい悩み
  • リノベーション前後のイメージが掴みにくい
  • わざわざ空き家をリノベーションをするメリットはあるのか
  • 空き家リノベーションのデメリットを把握できていない
  • どのくらい費用を用意すべきなのか
  • 費用の工面方法

 

人によって空き家をめぐるシチュエーションや状況が異なるため、上記全てに当てはまる方もいれば、一部だけ当てはまる方もいるでしょう。

空き家をリノベーションして最終的にどう活用したいかを考えたうえで、ひとつずつポイントを押さえることが成功のカギを握ると言えます。

ユニテの空き家リノベーション成功事例【写真付き】

「実際に空き家をリノベーションしたらどのくらい変わるもの?」と考えている方もいるでしょう。

この項目では、実際にユニテで空き家リノベーションのご依頼を受けて施行した事例を写真付きでご紹介します。

 

【ユニテの空き家リノベーション成功事例】

  1. 富山県滑川市 M様邸 
  2. 富山県富山市 リノベーションモデルハウス
     

1.富山県滑川市 M様邸

基本情報

場所  :富山県滑川市

築年数 :46年

 

この事例のポイント

・21畳分の和室をLDKにした

・収納スペースがなかったので、収納棚を増設した

・クロスや建具などをこだわり雰囲気を変えた

リビングbefore

after

キッチンbefore

after

before

after

2.富山県富山市 リノベーションモデルハウス

基本情報

場所  :富山県富山市

築年数 :49年

 

この事例のポイント

・用途に合わせて間仕切りができるようにパーテーションを設置

・障害や障壁を取り除き、バリアフリーにした

・平屋なので上下移動がなく、動線が短いので身体に負担をかけにくい設計

リビングbefore

after

キッチンbefore

after

お風呂before

after

空き家リノベーションのメリット

空き家をリノベーションしてまで活用すべきかどうか考えている方は、まずはメリットを把握することが大切です。

ユニテが考える空き家リノベーションのメリットを以下にご紹介します。

 

空き家リノベーションのメリット
  • 家を取り壊して新築するよりも費用がかかりにくい
  • 住まいの機能をアップグレードできる
  • 国や自治体からのサポートがある
  • 住んでも売買しても資産価値が上がる
  • 犯罪や倒壊のリスクから守れる
  • ビジネスにも活用できる

 

家を取り壊して新築するよりも費用がかかりにくい

空き家は取り壊すよりも、リノベーションした方が税金面でお得になる可能性が高い場合があります。

リノベーション工事は基本的に建物本体の構造をそのまま使うため、固定資産税に影響が出にくいのです。

固定資産税とは、土地や住宅等の家屋・田んぼなど固定資産に対してかかる税金のことを指します。

住宅を新築した場合、固定資産税を査定するために自治体の職員が現地訪問を行い、固定資産の評価を行います。

この評価と確定申告の内容をもとに、不動産の評価額が決定する仕組みです。

 

【固定資産税の計算式】
固定資産税額 = 課税標準額 × 税率1.4%(※自治体により税率は異なります)

引用:https://www.saisoncard.co.jp/credictionary/bussinesscard/article261.html

 

上記を考慮すると、空き家を壊す、あるいは解体して住宅を新築する場合、現状よりも固定資産税が高くなることが想定できます。

中には、空き家のままにしておけば固定資産税の軽減措置を受けられるのではと考える方もいるかもしれません。

 

しかし、2015年に施行された「空家等対策特別措置法」で指定された以下の条件に当てはまると自治体に判断された場合、固定資産税の軽減措置が受けられないため、注意が必要です。

 

固定資産税の軽減処置が受けられない「特定空き家」となる条件
  1. 倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

 

以上を踏まえると、空き家をリノベーションすることで、費用の中でも特に固定資産税の影響を受けにくいと言えます。

引用:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001411947.pdf

住まいの機能をアップグレードできる

空き家リノベーションをすることは、以下のように住まいの機能をアップグレードすることにも繋がります。

住まいの機能を向上する工事例
  • 間取りを変更する
  • 内装を新しくする
  • 設備を新しくする
  • 耐震性を強化する
  • 省エネ住宅にする など

 

建物の構造を残しながら、新しい住宅様式に変更できる点もリノベーションならではです。

リノベーションとは?リフォームとの違いやメリットやデメリット

国や自治体からのサポートがある

空き家をリノベーションする場合、国や自治体からのサポートを受けられる場合があります。

昨今、社会問題となっている空き家問題を解決すべく、国や自治体で補助金や助成金などの制度を設けています。

補助金や助成金の詳細については後述しますので、気になる方は本記事を最後まで是非ご覧ください。

住んでも売買しても資産価値が上がる

構造がしっかりした空き家をリノベーションすれば、実際に住んでも売買したとしても資産価値が上がると言えます。
 

自分で利用する場合 売買する場合
・思い出の詰まった家を手放すことなく新しい状態で活用できる
・ビジネスに活用できる可能性がある
・固定資産税の影響を受けにくい
・最新設備の住宅になるため買い手や借り手がつきやすい

 

また、劣化しつつある空き家を再び再生できれば社会貢献の一助となるため、自身の気持ち的な意味でも価値が高まる家を持てるでしょう。

犯罪や倒壊のリスクから守れる

空き家問題のひとつである、犯罪の温床となることや劣化による倒壊リスクも避けられます。

空き家を整備しない状態でいると近所迷惑にも繋がり、最悪の場合、持ち主が賠償責任を負うことになるでしょう。

安全面や治安悪化を防止する意味でも、空き家を放置することなくリノベーションすることで建物周辺だけでなく、近所周りの安全性を保てます。

ビジネスにも活用できる

最近では、空き家を活用して以下のようなビジネスを展開し、実際に収益を得ている方も一定数います。

 

空き家を活用したビジネス事例
  • カフェ経営
  • レストラン経営
  • 民泊運営
  • シェアハウス経営など

 

空き家リノベーションのデメリット

「リノベーションの意外な落とし穴?7つのデメリットと解決策」の記事でもリノベーション工事におけるデメリットをご紹介していますが、ここでは特に空き家リノベーションのデメリットに特化して解説します。

 

空き家リノベーションのデメリット
  1. 住宅の状態によって想定以上の費用が掛かる
  2. 施工業者選びをしないといけない

 

デメリットを考慮することで、自身が叶えたい理想が空き家リノベーションで実現できるか判断できるでしょう。

 

詳しくご紹介します。

1.住宅の状態によって想定以上の費用が掛かる

空き家の規模や劣化の状態によっては、想定以上にリノベーション費用が発生してしまうことを考慮しなければなりません。

空き家リノベーションにおいて、実際の現地調査によっておおよその工事費用が判明したのちに、着工時に追加費用が発生してしまうケースがあります。

 

想定以上の費用が発生するケース
・ただ空き家を修繕するつもりで申し込んだら、実際はフルリノベーションが必要だった
・リノベーション工事が始まった後に、現地調査だけではわかり得なかった劣化や老朽化が発覚し、追加費用が発生した

 

空き家リノベーションを検討する段階から、建物全体のリノベーションになる事も考慮したうえで費用計算をすることが大切です。

1981年以降の物件の場合は耐震補強費用が必要

 

もしリノベーション工事を検討している空き家が1981年以前に建築されていた場合は、国の法律に基づいて耐震補強をしなければなりません。

そのため、耐震補強に関する費用についても見積もる必要があると言えます。

2.施工業者選びをしないといけない

空き家リノベーション工事をするために施工業者を探すというひと手間があることもデメリットのひとつです。

DIYで空き家をリノベーションする方も一定数いますが、技術面や時間等の関係から多くの場合は難しいでしょう。

多くの場合は

「どこをリノベーションするのが良い?」
「費用はどのくらい用意すれば良いの?」
「建物にふさわしいデザインはなんだろう?」

など、気になるポイントに対して状況を踏まえたアドバイスをしてくれるプロの助けが必要です。

 

ただし、業者との相性も考慮すると、希望を叶えてくれる施工業者選びには時間がかかることもあるかもしれません。

時間に余裕がない場合や早く決めたいという場合は、デメリットになると言えます。

空き家リノベーションの気になる費用

空き家リノベーションを検討するにあたって、気になるのはやはり費用なのではないでしょうか。

前述のとおり、空き家の規模や状態によって施工費用は大幅に変わるため、一概に断言することはできません。

以下に、間取り変更も考慮した一戸建てのフルリノベーションを行う場合のおおよその費用相場についてご紹介します。

 

戸建ての場合(1坪あたり40万円~)
約30坪(100m² ) 1,200万円~
約40坪(130m²) 1,600万円~

 

建物の状態次第では、断熱工事やシロアリ駆除・耐震工事などが別途必要となるため、上記の価格帯を覚えておくと役立ちます。

空き家の状態がよく、部分的なリノベーションで問題ない場合は、リノベーションする箇所の費用を見ておくと良いでしょう。

 

施工内容 費用
洋式トイレへの変更 20~50万円
キッチン取替 50~150万円
浴室全面リフォーム 50~150万円
洗面脱衣室全面リフォーム 15~150万円
床の張り替え(/6畳) 10万円~
壁紙貼り替え(/6畳) 3万円~
天井補修(/6畳) 3万円~
照明器具の付け替え(/箇所) 5,000円~
ドアの付け替え(/箇所) 6万円~
外壁塗装 80~150万円
耐震工事 120~300万円

 

参考:実例で見る!リノベーションにかかる費用と抑えるコツ

空き家リノベーションで活用したい補助金や助成金

空き家をリノベーションする際におすすめなのが、国や自治体が取り組んでいる補助金や助成金を積極的に活用することです。

対象となるかどうかをきちんと把握すれば、リノベーションの一助となります。

また、各種減税制度やローンについても把握することで、後悔のない空き家リノベーションをすることができるでしょう。

補助金・助成金

2022年8月時点では、残念ながら空き家リノベーションに特化した補助金はありません。

ただし、リフォーム・リノベーション全般に使える補助金・助成金制度があるため、対象となるものがあれば積極的に活用することをおすすめします。

国が提案する補助金・助成金の一例


また、耐震関係の補助金については自治体ベースでの取り扱いです。ユニテのある富山県では、県あるいはお住まいの自治体ごとに補助金を設定しています。

 

富山県の補助金・助成金の一例

富山県木造住宅耐震改修支援事業
富山県木造住宅耐震診断支援事業
富山県住みよい家づくり資金融資制度 など

 

減税制度について

補助金や助成金だけでなく、減税制度も上手に活用すれば費用負担の軽減につながります。

 

  1. 所得税の控除
  2. 固定資産税の控除

1.所得税の控除

 

確定申告をする際に申告する所得税の控除の「住宅ローン減税制度」「リフォーム減税」を利用することで、空き家リノベーションの費用負担を軽減できる場合があります。

 

  住宅ローン減税 特定リフォーム減税
概要 住宅ローンを利用して住宅の新築・取得又は増改築等をすることで各年末の住宅ローン残高を所得税額等から控除する制度のこと 国土交通省が定めた特定のリフォームを行うことで得られる減税制度のこと
対象となるリフォーム事例 【既存住宅の場合/2022~2025年入居】
・長期優良住宅
・低炭素住宅
・ZEH水準省エネ住宅
・省エネ基準適合住宅 
・その他住宅
【2022年・2023年入居の場合】
・耐震リフォーム
・バリアフリーリフォーム
・省エネリフォーム
・三世代同居リフォーム
・耐震リフォーム又は、省エネリフォームと併せて行う耐久性向上リフォーム
・耐震リフォーム及び、省エネリフォームと併せて行う耐久性向上リフォーム
控除率 0.7%(既存住宅の場合) 10%

 

参考:https://www.mlit.go.jp/common/001490627.pdf
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/20211224taikou.pdf

2.固定資産税の控除

 

前述のとおり固定資産税の控除も利用できる減税制度のひとつです。

ただし、省エネ住宅へのリフォームをする場合、固定資産税の恩恵を受けるためには自身がリノベーション後の空き家に居住することが前提条件なのでご注意ください。
 

耐震リフォームの場合 省エネリフォームの場合
・本人居住のため、賃貸に出すため、いずれの場合も対象
・固定資産税の1/2を軽減(家屋面積120㎡まで、1年度分)
・本人が居住する場合が対象
・固定資産税の1/3を軽減(家屋面積120㎡まで、1年度分)

 

ローン

「空家等特別措置法」の発布後、空き家専用のローンを展開している民間の金融機関も増加傾向にあるようです。

補助金や助成金を活用できない事例など事情がある場合は、チェックしてみましょう。
 

富山県で改築工事を検討している際はユニテにご相談ください

富山県周辺で空き家リノベーションを検討していると言う場合は、ぜひ一級建築士が在籍する「ユニテ」にお気軽にご相談ください。


空き家リノベーションに関する施工経験も豊富ですので、プロの判断を仰ぎながら自身の要望に適う案を検討してみましょう。

弊社では120件以上の増築施工の実績があります。施工実績が豊富な弊社にお問い合わせください。

まとめ

空き家リノベーションの概要や気になるポイントをまとめてご紹介しました。

 

  • リノベーション前後のイメージが掴みにくい
  • わざわざ空き家をリノベーションをするメリットはあるのか
  • 空き家リノベーションのデメリットを把握できていない
  • どのくらい費用を用意すべきなのか
  • 費用の工面方法

 

空き家の利用目的を明確にすることで、自身の現状からどのようなポイントに気を付ければ良いかがわかります。

空き家をリノベーションする際に生じるメリットやデメリットも一緒に確認することで、より目的も明確になるでしょう。

 

空き家リノベーションのメリット 空き家リノベーションのデメリット
・家を取り壊して新築するよりも費用がかかりにくい
・住まいの機能をアップグレードできる
・国や自治体からのサポートがある
・住んでも売買しても資産価値が上がる
・犯罪や倒壊のリスクから守れる
・ビジネスにも活用できる
・住宅の状態によって想定以上の費用が掛かる
・施工業者選びをしないといけない

 

空き家リノベーションでも使用できる補助金や助成金は、国が出しているものから自治体独自のものまでさまざまです。

自身が理想とする空き家リノベーションの完成図を基にしながら、適切な補助金や助成金があれば、リノベーション業者のサポートの元、是非チャレンジしてみてください。

 

この記事を参考に、自身が気になる空き家リノベーションのポイントを押さえながら、理想の工事ができるように準備してみてください!