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増築に確認申請は必要?10㎡以下なら不要?必要なケース・費用・流れを解説

「増築確認申請の要・不要はどうやって判断するの?」とお悩みの方必見!2025年の法改正を踏まえて、リノベーションのプロが「確認申請」の基本と手順を詳しく解説します。増築できない事例や必要書類、費用相場もご紹介しますのでぜひご参考ください。

増築を検討している場合、「確認申請は必要なの?」と気になる方も多いでしょう。

 

増築の確認申請が必要かどうかは、増築する部分の床面積だけでなく、建物の所在地や用途、規模などによって決まります。特に、防火地域・準防火地域に該当するか、増築する部分の床面積が10㎡を超えるかは、確認申請の要否を判断する重要なポイントです。

 

また、2025年4月の法改正により、建築確認・検査の対象となる建築物の規模や、審査を省略できる「4号特例」の対象が見直されました。木造2階建て住宅などでは、大規模な修繕・模様替えについても建築確認が必要になるケースがあります。

 

この記事では、増築の確認申請が必要・不要になるケースや判断基準をはじめ、2025年の法改正による変更点、増築できないケース、確認申請にかかる費用・必要書類・手続きの流れまで詳しく解説します。

 

「自分の増築に確認申請が必要なのか知りたい」「確認申請にはどのくらい費用や時間がかかるのか知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

増築に確認申請は必要?まずは判断基準をチェック

増築を検討している場合、「確認申請は必要なの?」と気になる方も多いでしょう。

 

増築の確認申請が必要かどうかは、増築する部分の床面積だけでなく、建物が建っている地域や建物の種類などによって決まります。特に、以下の条件を確認しておくことが大切です。

 

判断基準  確認申請の目安
          防火地域・準防火地域で増築する 原則として必要
防火地域・準防火地域外で10㎡を超えて増築する   必要
防火地域・準防火地域外で10㎡以内の増築 原則として不要※
2階建ての木造住宅などで大規模な修繕・模様替えをする 条件により必要
建物の用途・規模などが確認申請の対象に該当する 必要

※上記は一般的な判断の目安です。実際の確認申請の要否は、建物の所在地や用途、規模、工事内容などによって異なります。

 

ただし、上記はあくまで確認申請の要否を判断するための目安です。「10㎡以内だから必ず不要」「10㎡を超えたら必ず必要」と単純に判断できるわけではないため、注意しましょう。

 

また、確認申請が不要となる場合でも、建ぺい率や容積率、高さ制限、接道義務など、建築基準法上のルールに適合させて増築する必要があります。

 

ユニテ担当者からのコメント

 

弊社ユニテが施工を担当した過去の事例では、防火地域・準防火地域の指定のない地域で10㎡以内の増築をおこなう場合、確認申請が不要だったケースがあります。10㎡は大体6帖程度なので、1部屋以下の増築が目安です。

 

ただし、上記の条件をクリアしていても、実際は建築基準法上の規定を満たさなくてはなりません。実際は、建ぺい率・容積率・高さ・不燃・防火規定・構造など、専門的な視点からさまざまなチェック項目をクリアする必要があります

 

従って、増築の確認申請が不要なケースよりも必要とされる場合のほうが多くなるでしょう。増築における建築確認申請は、自身で要・不要を判断せず、必ず専門家の判断をあおることをおすすめいたします。

 

住宅の増築に必要な確認申請とは?

まずは、増築前に知っておくべき「増築確認申請」や「増築」の定義について詳しくみていきましょう。 

 

建物には、法律や条例によりさまざまな基準や制限が設けられています。そのため、これらをきちんとクリアした増築であるかどうかを、専門家に確認してもらわなければなりません。

 

「確認申請」は、建築物が法律や条例に則ったものであることを証明するために必要な申請なのです。

増築とは?

増築とは、既存の建築物に新たな部分を加え、床面積を増やす工事を指します。たとえば、既存の住宅に部屋を追加したり、平屋に2階部分を増やしたりする工事などが代表的です。国土交通省も、増築工事を「既存建築物の床面積が増加する工事」と定義しています。

 

一方、床面積を増やさずに間取りや内装などを変更する工事は、一般的な意味での増築とは異なります。また、既存部分を取り壊して建て替える「改築」とも区別されるため、工事内容に応じて必要な手続きを確認することが重要です。

 

増築の定義や改築との違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

増築の意味や定義とは?基礎知識をわかりやすく解説
【改築とは】増築・改修との違いや施工のコツをわかりやすく解説

増築の確認申請とは?

確認申請とは、増築などの工事を行う前に、その計画が建築基準関係規定に適合しているかを確認してもらうための手続きです。

 

確認を行うのは、自治体の建築主事や、国土交通大臣等の指定を受けた指定確認検査機関です。確認申請を行い、計画が基準に適合していると認められると「確認済証」が交付されます。

 

確認申請が必要な工事では、原則として確認済証の交付を受ける前に着工することはできません。そのため、増築を計画した段階で、まず確認申請が必要な工事に該当するかを確認しておくことが重要です。

 

なお、確認申請が必要かどうかは、増築する面積だけで決まるわけではありません。防火地域・準防火地域に該当するか、建物の用途や規模はどの程度か、どのような工事を行うのかなどによって判断が変わります。

 

特に2025年4月の法改正では、建築確認の対象となる建築物や、大規模な修繕・模様替えに関する取り扱いが見直されています。増築とあわせて大規模なリフォームを行う場合は、確認申請の要否を慎重に確認しましょう。

増築で確認申請が必要になるケース

ここからは、具体的にどのような増築で確認申請が必要になるのかを詳しくみていきましょう。

 

  1. 10㎡を超える増築をする場合
  2. 防火地域・準防火地域で増築する場合
  3. 建築物の用途・規模によって確認申請が必要になる場合

 

増築の確認申請が必要かどうかは、増築する部分の床面積だけでなく、防火地域・準防火地域の指定や建築物の用途・規模などによって判断されます。特に、増築部分の床面積が10㎡を超える場合や、防火地域・準防火地域内で増築する場合は、確認申請が必要となるのが基本です。

10㎡を超える増築をする場合

防火地域・準防火地域以外で増築する場合、増築・改築・移転に係る部分の床面積の合計が10㎡を超えると、原則として確認申請が必要です。

 

たとえば、既存の住宅に12㎡の部屋を増築する場合、増築部分の床面積が10㎡を超えるため、確認申請の対象となります。

 

一方、10㎡以内の増築については、防火地域・準防火地域以外であれば、建築基準法第6条第2項により確認申請の対象外となる場合があります。

 

ただし、「10㎡以内なら必ず確認申請が不要」というわけではなく、防火地域・準防火地域内では10㎡以内でも確認申請が必要です。なお、「10㎡以上」ではなく、正確には「10㎡を超える」ことが判断基準となるため注意しましょう。

 

引用元:e-Gov法令検索「建築基準法第6条

防火地域・準防火地域で増築する場合

防火地域・準防火地域内では、増築する部分の床面積が10㎡以内であっても、確認申請が必要です。

 

建築基準法第6条第2項では、防火地域・準防火地域以外で増築等を行う場合に限り、増築等に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であれば、第6条第1項の規定を適用しないとされています。

 

つまり、防火地域・準防火地域内では、この10㎡以内の例外が適用されません。防火地域・準防火地域は、建物が密集する市街地や幹線道路沿いなど、火災の延焼を防ぐ必要性が高い地域に指定されています。

 

そのため、増築を検討するときは、まず住宅が防火地域・準防火地域のどちらに該当するかを確認しておきましょう。区域の指定は、自治体の都市計画情報などから確認できます。

 

引用元::e-Gov法令検索「建築基準法第6条

 

建築物の用途・規模によって確認申請が必要になる場合

2025年4月の法改正では、建築確認・検査の対象となる建築物の規模が見直されました。

 

改正後は、「階数が2以上」または「延べ面積が200㎡を超える」木造建築物等が新2号建築物に該当し、原則として全ての地域で建築確認・検査の対象となります。これには大規模な修繕・模様替えも含まれます。

 

一方、平屋かつ延べ面積200㎡以下の建築物は新3号建築物に該当し、建築確認・検査については区域によって扱いが異なります。ただし、ここで注意したいのが、建築物の区分だけで増築の確認申請の要否を判断できるわけではないということです。

 

10㎡以内の増築については、防火地域・準防火地域外であれば確認申請の対象外となる規定があるため、建築物の区分と増築面積などをあわせて確認する必要があります。

 

また、2025年の法改正によって4号特例の対象も見直され、従来の4号建築物のうち新2号建築物に移行する建物では、構造関係規定なども確認審査の対象となっています。

増築時に確認申請が不要になるケース

確認申請の事例4:大規模修繕をおこなう場合

確認申請が不要になる具体的なケースは、以下の通りです。

 

確認申請が不要になる条件
  1. 防火地域・準防火地域に該当しない
  2. 増築面積が10平方メートル以内である

 

防火地域・準防火地域以外で、増築部分の床面積が10㎡以内の場合は、原則として確認申請は不要です。ただし、確認申請が不要でも建築基準法などへの適合は必要です。ここでは、確認申請が不要になる条件を詳しく解説します。

防火地域・準防火地域外で10㎡以内の増築

防火地域・準防火地域以外で、増築部分の床面積の合計が10㎡以内であれば、原則として確認申請は不要です。たとえば、既存の住宅に8㎡の部屋を増築する場合、防火地域・準防火地域以外であれば、建築確認申請を行わずに増築できるケースがあります。

 

一方、防火地域・準防火地域内では、10㎡以内の小規模な増築であっても、この特例の対象になりません。そのため、増築する面積が小さいからといって確認申請が不要とは限らない点に注意しましょう。

 

なお、住宅が防火地域・準防火地域のどちらに該当するかは、自治体の都市計画情報などから確認できます。増築を計画する際は、まず所在地の区域指定を確認しておくと安心です。

10㎡以内でも確認申請が必要になるケース

10㎡以内の増築であっても、防火地域・準防火地域内で行う場合は確認申請が必要です。

 

また、確認申請とは別に、自治体の条例などによって届出や許可などの手続きが必要になる場合もあります。そのため、「10㎡以内だから何の手続きも必要ない」と判断するのは避けましょう。

 

特に、増築する建物の用途や規模、工事内容によっては、建築基準法以外の規定が関係することもあります。計画している増築が確認申請の対象になるかどうかだけでなく、ほかに必要な手続きがないかも含めて、自治体や建築士などに確認することが大切です。 

10㎡以下の増築を繰り返す場合は?

「10㎡以内なら確認申請が不要なら、10㎡以下の増築を何度も行えばよいのでは?」と考える方もいるかもしれません。

 

しかし、増築を複数回行う場合は、それぞれの工事を単純に「10㎡以内だから確認申請不要」と判断するのは避けましょう。同一の計画として行う増築などでは、増築部分の床面積の合計が10㎡を超える場合、確認申請が必要になる可能性があります。

 

また、複数回に分けて増築する場合でも、建ぺい率や容積率などの制限を受けることがあります。

 

小規模な増築を複数回計画している場合は、工事ごとに判断するのではなく、全体の増築計画をまとめて自治体や指定確認検査機関、建築士などに相談しましょう。

確認申請が不要でも建築基準法への適合は必要

確認申請が不要な増築でも、建築基準法などのルールを守らなくてよいわけではありません。

 

たとえば、建築確認の手続きが不要な場合でも、増築によって建ぺい率や容積率の制限を超えたり、接道義務や高さ制限などの規定に適合しなくなったりしないか確認する必要があります。

 

国土交通省の資料では、建築確認の手続きの対象外となる場合であっても、建築基準関係規定への適合が必要とされています。

 

そのため、増築を検討する際は「10㎡以内だから大丈夫」と自己判断せず、建物の所在地、増築する面積、既存建物の状態、工事内容などを整理したうえで、専門家に確認することをおすすめします。

2025年法改正で増築・リフォームの確認申請はどう変わった?

2025年4月1日から、改正された建築基準法が施行され、建築確認・検査の対象となる建築物の範囲や、審査を省略できる制度(4号特例)の対象が見直されました。

 

特に住宅の増築やリフォームを検討している方に関係するのが、木造2階建て住宅などの扱いと、大規模な修繕・模様替えに対する建築確認のルールです。

 

ここでは、2025年4月の法改正によって何が変わったのかを解説します。

2025年4月から建築確認の対象が見直された

2025年4月の法改正では、建築確認・検査の対象となる建築物の規模が見直されました。

改正後は、「階数が2以上」または「延べ面積が200㎡を超える」木造建築物などが新2号建築物に該当します。旧4号建築物から新2号建築物に移行する建物では、これまで審査が省略されていた構造関係規定なども確認申請の審査対象です。

 

一方、平屋かつ延べ面積200㎡以下の木造建築物は新3号建築物に該当します。都市計画区域等の区域内で建築する場合は建築確認・検査が必要ですが、審査省略制度の対象です。

 

このように、2025年4月以降は「木造住宅だから確認申請の審査が一部省略される」と一括りにはできなくなりました。

4号特例はどう変わった?

4号特例とは、一定の小規模な木造建築物について、建築確認を受ける際に構造耐力関係規定などの一部の審査を省略できる制度です。つまり、4号特例は「確認申請そのものが不要になる制度」ではありません。

 

2025年4月の法改正では、この4号特例の対象となる建築物が見直されました。旧4号建築物のうち、改正後に新2号建築物となる木造2階建て住宅などでは、確認申請の際に構造関係規定等の審査が省略されなくなり、必要な図書の提出も増えています。

 

そのため、以前は比較的簡易な手続きで進められた木造住宅の増築やリフォームでも、建物の規模や工事内容によっては、より詳しい確認や図書の提出が必要になる場合があります。

木造2階建て住宅などはどうなる?

2025年4月以降、2階建ての木造一戸建て住宅などは、旧4号建築物から新2号建築物に移行するケースがあります。新2号建築物では、確認申請の対象となる工事について、構造関係規定などを含めて審査されます。

 

特に注意したいのが、「増築」と「大規模修繕・模様替え」では確認申請が必要になる理由が異なることです。

 

たとえば、住宅に部屋を追加して床面積を増やす「増築」は、従来から建築確認の対象となることがあります。一方、床面積を増やさないリフォームでも、一定の建物で大規模な修繕・模様替えに該当すれば、2025年4月以降は建築確認が必要です。

大規模修繕・模様替えにも確認申請が必要になった

2025年4月の法改正により、旧4号建築物から新2号建築物に移行した建物では、建築確認の対象が広がりました。そのため、2階建ての木造一戸建て住宅などで大規模な修繕・模様替えを行う場合、新たに建築確認・検査が必要となるケースがあります。

 

ここでいう「大規模の修繕・模様替え」とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半数の修繕・模様替えを指します。ただし、すべてのリフォームに確認申請が必要になったわけではありません。

 

たとえば、工事の範囲や方法によっては大規模修繕・模様替えに該当しない場合があります。国土交通省も、木造戸建て住宅のリフォームについて、工事内容ごとに建築確認の要否を判断するための事例集を公開しています。

 

「リフォームだから確認申請は不要」「屋根や外壁を直すだけだから問題ない」と自己判断せず、工事内容が大規模修繕・模様替えに該当するかを確認することが重要です。

 

引用元:国土交通省「リフォームにおける建築確認要否の解説事例集」 

どんなリフォームが確認申請の対象になる?

大規模修繕・模様替えに該当するかどうかは、主要構造部の工事内容や工事範囲によって判断されます。たとえば、柱・梁・壁・床・屋根・階段などの主要構造部について、過半数を修繕・模様替えする場合は、確認申請が必要になる可能性があるでしょう。

 

一方、内装の変更や設備交換など、主要構造部の過半数を改修しないリフォームまで、すべて確認申請が必要になるわけではありません。増築とあわせてリフォームを行う場合は、増築部分だけでなく、リフォーム部分も確認申請の対象となるか確認してください。

増築できない・確認申請が通らないケース

ここでは、増築が難しくなる代表的なケースを紹介します。

 

増築できない・確認申請が通らないケース
  1. 建ぺい率・容積率の上限を超える
  2. 接道義務を果たしていない
  3. 高さ制限・斜線制限に抵触する
  4. 既存不適格・違反建築物などに該当する
  5. 既存建物の必要書類がない

 

増築をする場合、確認申請が必要かどうかだけでなく、そもそも計画している増築が建築基準関係規定に適合するかを確認する必要があります。詳しくみていきましょう。

建ぺい率・容積率の上限を超える

増築によって建築面積や延べ面積が増えると、建ぺい率や容積率の制限を超えてしまう場合があります。建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合、容積率は、敷地面積に対する延べ面積の割合を示すものです。

 

建ぺい率(%)=建物面積÷敷地面積×100

 

たとえば、既存住宅がすでに建ぺい率や容積率の上限近くまで使用している場合、部屋を追加するなどの増築によって基準を超えてしまう可能性があります。

 

この場合、単純に「10㎡以内の増築だから確認申請は不要」とは判断できません。確認申請が不要となるケースでも、建ぺい率・容積率などの建築基準関係規定には適合させる必要があります。

 

増築を計画する際は、現在の建物の建築面積や延べ面積、敷地面積、用途地域などを確認したうえで、増築できる余地があるか確認しましょう。 

接道義務を満たしていない

敷地が建築基準法上の道路に適切に接していない場合も、増築が難しくなるケースがあるため注意が必要です。建築基準法では、原則として建築物の敷地が道路に2m以上接していることなど、接道に関するルールが定められています。

 

古い住宅では、現在の基準では接道義務を満たしていないものの、建築当時は適法だった「既存不適格建築物」に該当するケースもあります。

 

既存不適格建築物には一定の緩和措置が設けられていますが、増築の内容や規模によっては、現在の基準への適合が必要になる場合があるため注意してください。

高さ制限・斜線制限に抵触する

増築によって建物の高さや形状が変わる場合は、高さ制限や斜線制限などの規定にも注意が必要です。たとえば、2階部分を増築したり、屋根を変更したりする場合、増築部分が高さ制限や道路斜線、北側斜線などの規定に抵触する可能性があります。

 

また、増築部分だけでなく、既存建物と増築部分を合わせた建物全体について確認が必要になる場合もあります。そのため、「増築する部分が敷地に収まるから大丈夫」とは限りません。増築後の建物全体が関係する制限を満たしているか確認することが重要です。

既存不適格・違反建築物などに該当する

築年数の古い住宅の中には、建築当時は適法だったものの、法改正によって現在の基準に適合しなくなった「既存不適格建築物」があります。既存不適格であっても、一定の条件を満たせば増築が認められる緩和措置が設けられています。

 

一方、建築当初から違反していたり、無許可で増築したりした「違反建築物」は、既存不適格とは異なる扱いです。

 

増築前には、既存建物の状態を確認し、必要に応じて建築士などによる現況調査を行いましょう。国土交通省では、既存建築物の増築等に関する「既存建築物の現況調査ガイドライン」を公開しています。

既存建物の必要書類がない

増築の確認申請を行う際、既存建物の確認済証や検査済証、設計図書など、現在の建物の状態や過去の工事履歴を確認できる資料が必要になる場合があります。

 

特に、検査済証がない建物や過去の増築履歴が明確でない建物では、既存部分が建築基準関係規定に適合しているか確認するため、現況調査などが必要です。国土交通省も、検査済証がない既存建築物について、建築士による調査や必要な図書の準備を行ったうえで、特定行政庁や指定確認検査機関に相談する方法を示しています。

 

そのため、「検査済証がない=絶対に増築できない」というわけではありません。ただし、確認申請までに既存建物の状況を調査し、必要な資料をそろえる必要があるため、通常より手間や時間がかかる可能性があります。

 

手元に確認済証や検査済証がない場合は、まず自治体の建築担当窓口や指定確認検査機関、建築士などに相談するとよいでしょう。

【確認申請の流れ】増築に必要な3つの手順

増築の確認申請では、確認申請や検査にかかる手数料のほか、設計・図面作成、申請代行などの費用が発生する場合があります。ここでは、増築確認申請にかかる費用の目安についてみていきましょう。

確認申請・検査にかかる手数料

確認申請にかかる費用の目安は次の通りです。

 

床面積の合計 確認手数料 中間検査手数料 完了検査手数料
30㎡以内 ¥5,000~ ¥10,000~ ¥10,000~
31㎡~100㎡以内 ¥40,000 ¥40,000 ¥50,000
100㎡超 ¥50,000 ¥50,000 ¥60,000

 

建築申請では、「確認申請」「中間検査」「完了検査」の各ステップにおいて手数料が発生します。また、費用は各自治体ごとに変動するため、上記はあくまでも目安としてご参考ください。

確認申請の手数料とは別に、建築士などに設計や図面作成、申請手続きを依頼する場合は、その費用も必要になります。

 

特に、既存建物の調査が必要な場合や、増築部分の設計・構造計算などを行う場合は、工事内容に応じて設計費用が変わります。また、確認申請の手続きを業者に代行してもらう場合には、申請代行費用がかかることもあるでしょう。

 

そのため、増築にかかる費用を考える際は、行政・指定確認検査機関などに支払う申請・検査手数料だけでなく、設計や申請にかかる費用も含めて見積もりを確認してください。

 

なお、増築リフォーム全体の費用については、以下の記事でも詳しく解説しています。
6畳増築リフォームにかかる費用はいくら?坪・場所・建物別の相場や安く抑えるコツ

増築の確認申請に必要な書類

増築確認申請では、確認申請書や設計図書に加えて、既存建物の確認済証・検査済証などの書類を用意する必要があります。必要な書類は建物の状況や工事内容などによって異なるため、増築を計画する段階で、手元にある書類を確認しておくことが大切です。

確認申請書

増築の確認申請を行う際には、確認申請書を提出します。

 

確認申請書には、建築主や設計者、敷地・建築物の概要など、確認申請に必要な情報を記載します。申請に必要な書式や添付書類は、自治体や指定確認検査機関などによって異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

設計図書

確認申請では、増築する建物の計画が建築基準関係規定に適合していることを確認するため、配置図や各階平面図、立面図、断面図などの設計図書を用意します。

 

必要となる図書は、建物の用途や規模、増築の内容などによって異なります。専門的な図面の作成が必要になるため、建築士などに依頼するケースが一般的です。

既存建物の確認済証・検査済証

増築では、新しく増築する部分だけでなく、既存建物の状態を確認するための書類も重要です。

 

【既存建物の状態を確認するための書類】
  • 既存建物の検査済証
  • 既存建物の確認申請図書の副本

 

これらの書類があることで、既存建物がどのような内容で確認申請を受け、どのような状態で完成したのかを確認しやすくなります。増築を計画する際は、これらの書類が手元にあるか、あらかじめ確認しておきましょう。

必要書類がない場合はどうする?

既存建物の検査済証や確認申請図書の副本を紛失している場合でも、すぐに「増築できない」と判断する必要はありません。まずは自治体の建築担当窓口や指定確認検査機関などに相談し、既存建物の確認申請・検査に関する記録を確認しましょう。

 

書類だけでは既存建物の状態を確認できない場合には、建築士などによる現況調査が必要になることもあります。増築を予定している場合は、工事計画を立てる前に既存建物の書類を確認し、不足しているものがあれば早めに対応しておくと安心です。

増築の確認申請の流れ

増築の確認申請は、既存建物の調査・設計から確認申請、検査までいくつかの手順を踏んで進めます。

 

確認申請と工事の流れと検査は、主に以下のように分けられます。

 

確認申請と工事の流れ
  1. 増築プランを決めて必要書類を準備する
  2. 確認申請を提出して確認済証の交付を受ける
  3. 着工・中間検査・完了検査を行う

 

基本的な流れを把握しておくと、必要な書類や費用、工事開始までのスケジュールを立てやすくなるでしょう。

1.増築プランを決めて必要書類を準備する

まず、既存建物の状態や法令への適合状況を確認したうえで、増築する場所や面積、間取りなどのプランを決めます。

 

その後、確認申請に必要な設計図書や既存建物の確認済証・検査済証などの書類を準備します。既存建物の書類が不足している場合は、現況調査が必要になることもあるため、早めに確認しておきましょう。

 

増築内容や必要書類が整理できたら、建築士などに確認申請に必要な図面の作成を依頼します。

2. 確認申請を提出して確認済証の交付を受ける

増築プランと必要書類がそろったら、建築主事または指定確認検査機関に確認申請を提出します。

 

提出した書類をもとに、計画している増築が建築基準関係規定に適合しているか審査されます。確認申請の審査には一定の期間がかかるため、工事の開始時期に余裕を持って計画することが大切です。

 

【確認申請にかかる期間の目安】

確認審査 35日
構造計算適合判定 35日

 

「構造計算適合判定」とは、構造計算が法律で定められた基準を満たしているかを確認する手続きです。確認申請は一般的には2〜3週間程度で受理されることもありますが、最長で70日程度かかるケースもあるため、スケジュールには注意しましょう。

 

審査の結果、問題がなければ「確認済証」が交付されます。確認申請が必要な増築では、原則として確認済証の交付を受ける前に着工することはできません。


また確認申請には最長で以下の期間が必要になるため、計画時の参考にしてくださいね。

確認済証の交付を受けたら、増築工事に着手する形です。工事内容や建物によって中間検査の対象となる場合は、所定の時期に検査を受けます。

 

工事が完了したら、完了検査を申請し、建築物が確認申請の内容どおりに完成しているか確認を受けます。検査に合格すると、原則として検査済証が交付されます。

 

中間検査や完了検査の要否・時期は、建物の種類や地域、工事内容などによって異なるため、事前に確認しておきましょう。

確認申請をせずに増築するとどうなる?

確認申請が必要な増築にもかかわらず、申請をせずに工事を行うと、建築基準法に違反する可能性があります。また、後から売却や増改築を行う際に問題になるケースもあるため、確認申請の要否は事前に確認しておきましょう。

法令違反になる可能性がある

確認申請が必要な増築を申請せずに行った場合は、建築基準法に違反する可能性があります。

 

「知らなかった」「10㎡以内だと思っていた」などの理由であっても、確認申請が必要な工事を無申請で進めることは避けましょう。増築前に、確認申請が必要かどうかを専門家に確認することが大切です。

売却や将来の増改築に影響することも

無申請で増築した建物は、将来売却したり、さらに増改築したりする際に問題になることがあります。

 

既存建物の状態や法令への適合状況を確認する必要が生じ、場合によっては是正工事などを求められる可能性もあります。増築後のトラブルを避けるためにも、必要な手続きを済ませておきましょう。

罰則が科される場合もある

建築基準法では、確認申請が必要な建築物について、申請をせずに工事を行った場合などに罰則が設けられています。

 

確認申請が必要にもかかわらず申請を行わない場合、建築基準法第99号1号により、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。

 

さらに、無確認で工事を行った建築物について特定行政庁から工事停止などの命令を受け、その命令に従わなかった場合には、3年以下の拘禁刑または3,000万円以下の罰金が科される可能性があります。

 

これは建築基準法第9条第1項の命令に違反した場合に、第98条第1項の罰則が適用されるものです。ただし、罰則の適用は違反の内容や状況によって異なります。確認申請が必要か判断できない場合は、着工前に自治体の建築担当窓口や建築士などに確認しましょう。

増築を伴う確認申請でよくある質問

この項目では、増築を伴う確認申請でよくいただく質問について、当社ユニテの回答をQ&A形式でご紹介します。

 

増築を伴う確認申請におけるよくある質問
  1. 10㎡以下なら確認申請は不要?
  2. ひさしや塀、野外階段の増築では確認申請は必要なの?
  3. 防火地域・準防火地域なら10㎡以下でも必要?
  4. 検査済証がない場合はどうする?
  5. 10㎡以下の増築を繰り返したらどうなる?
  6. 増築の確認申請は自分でできますか?

 

10㎡以下なら確認申請は不要?

防火地域・準防火地域以外で、増築・改築・移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であれば、原則として確認申請は不要です。

 

ただし、10㎡以内であれば必ず不要というわけではありません。建物の用途や規模、工事内容などによって扱いが異なるため、増築前に自治体や建築士などへ確認しましょう。

ひさしや塀、野外階段の増築では確認申請は必要なの?

ひさしや屋外階段などの設置については、工事の内容や規模、建物の状況などによって確認申請の要否が異なります。「床面積が増えないから確認申請は不要」と一律には判断できないため注意が必要です。

 

具体的な工事を予定している場合は、建築士や自治体の建築担当窓口などに確認することをおすすめします。

防火地域・準防火地域なら10㎡以下でも必要?

はい。防火地域・準防火地域内では、増築部分が10㎡以内であっても確認申請が必要です。

 

10㎡以内の増築を確認申請の対象外とする規定は、防火地域・準防火地域以外で増築する場合に適用されるためです。増築を検討する際は、まず建物がどの区域にあるかを自治体の都市計画情報などで確認しましょう。

検査済証がない場合はどうする?

検査済証が見つからない場合でも、すぐに増築できないと判断する必要はありません。

 

まずは自治体の建築担当窓口などで、既存建物の確認申請や検査に関する記録を確認しましょう。書類だけで既存建物の状態を確認できない場合は、建築士などによる現況調査が必要になることもあります。

10㎡以下の増築を繰り返したらどうなる?

10㎡以下の増築であっても、複数回にわたる工事を単純に「毎回10㎡以内だから確認申請は不要」と判断するのは避けましょう。同一の計画として行う増築では、増築部分の床面積の合計が10㎡を超える可能性があります。

 

複数回の増築を計画している場合は、全体の計画をまとめて専門家に相談することが大切です。

増築の確認申請は自分でできますか?

増築の確認申請は施主が自分でおこなうことも可能です。ただし、専門的な書類の作成や建築基準法に関する知識が求められます。

 

そのため、リフォーム会社や設計事務所に申請手続きをお願いするのが現実的でしょう。増築や改築の経験が豊富な、信頼できる建築士に依頼することをおすすめします。

増築するなら確認申請に対応できるユニテにお任せください

増築リフォームでは、工事内容だけでなく、確認申請の要否や既存建物の状態なども確認する必要があります。そのため、増築や確認申請に関する知識・実績のある業者に相談することが大切です。

 

ユニテでは、富山県で増築やリノベーションを検討している方のご相談に対応しています。「増築とリノベーションのどちらが適しているかわからない」という場合も、建物の状態やご希望を踏まえてご提案します。

 

増築の確認申請について不安がある方や、まずは専門家に相談したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。メール・電話・LINEでご相談いただけます。
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まとめ

本記事では増築にかかる確認申請について、計画から書類の提出、実施にかかる内容を網羅的にご紹介しました。

 

建物には、建築基準法を中心としたさまざまな基準や制限が設けられており、増築においても全てクリアしているかどうかを、確認申請を通して専門家に見てもらわなければなりません。

 

本記事を参考に、自身の希望するリフォームが実現できるよう、施工業者と協力しながら増築計画を立ててみてくださいね。