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「増築」に必要な確認申請のきほん|1から解説リフォーム簡単ガイド

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「増築の確認申請とは?」
「リフォームやリノベーションの際には必ず増築の確認申請が必要?」
「増築の際に確認申請をしないとどうなる?」

 

こんなことをお考えではないでしょうか?

 

端的に言うと、確認申請が必要になるのは次の2つの条件を満たしている場合です。

・10㎥以上の増築工事

・準防火地域または防火地域の増築工事

以上のうち、いずれか1つに当てはまる場合は、確認申請をしなければなりません。

 

この確認申請は、増築後の建物が建築基準法に則っているかを申請し、確認済証を発行してもらうために、建築士を通して、確認申請、中間申請、完了申請を経て行います。

 

ここまで簡単に説明しましたが、実際に確認申請を行う基準や手順はさらに細かい基準が決められているため、注意が必要です。

今回は増築時の確認申請についてより詳しく理解するために、以下についてまとめています。

  • 確認申請が必要になる建物の基準
  • 確認申請をしなかった場合の罰則
  • 確認申請が必要な場合の工事手順
  • 確認申請の手順
  • 確認申請を行う人について
  • 確認申請が通らない建物の例

 

増築をお考えの方は、この記事を読めば確認申請の内容が理解できるようになります。

確認申請が必要になる建物の基準

増築する際に確認申請が必要になる建物は、第一号から第四号まで、区域・用途・構造・規模・増築の規模によって異なります。

確認申請が必要な建物の基準は以下の通りです。

 

条文 区域

用途

構造

規模 建築

大規模の修繕

大規模の模様替

一号 全国一律 特殊建築物 200㎥超
二号 木造

3階以上

500㎥超

高さ13m超

軒高9m超

三号 木造以外の建物

2階以上

200㎥超

四号

都市計画区域

順都市計画区域

順景観地区

知事指定区域

一号~三号以外の建築物


 

条文一号の「特殊建築物」というのは、映画館や病院、ホテル、学校、飲食店、自動車車庫など、人が多く集まる施設が当てはまります。

つまり、住宅の場合は二号から四号の条件に当てはまる場合には確認申請が必要になるのです。

 

また二号から四号に当てはあらない場合でも、

①増築する床面積が10㎥以上

②防火地域または準防火地域

に当てはまる場合は、確認申請が必要になります。

少しわかりにくいので、実際に増築を想定して解説していきます。

確認申請の事例①:増築する床面積が10㎡以上

増築する部屋の床面積が合計で10㎡を超える場合は、確認申請を行う必要があります。

以下の画像は、赤色の部分を増築する予定の物件です。
赤色の部分の床面積は10㎡を超えるので確認申請が必要になります。

確認申請の事例②:防火地域または準防火地域に家がある

防火地域や準防火地域は、火災の被害を最小限に抑えるために指定される地域です。

多くは駅前や建物が密集している箇所、幹線道路の近くが指定されています。

この防火地域や準防火地域に指定された区域では、火災時に建物の延焼を防ぐため確認申請が必要です。

詳細は自治体ごとに決められているので、十分注意しましょう。

確認申請の事例③:木造3階建ての場合

木造3階建ての建物は二号の基準に当てはまるので、増築の際は確認申請が必要です。

この二号に当てはまる建物は、木造2階建ての建物とは全く基準が異なるので、より厳格な申請になります。

実際には確認申請書に「構造計算書」を添えて提出しなければなりません。

すでに3階以上の階数がある建物を増築する場合は、確認申請が必要と覚えておきましょう。

確認申請の事例④:木造以外の構造で2階建ての場合

木造(W造)以外の造り、

・鉄骨造(S造)

・鉄筋コンクリート造(RC造)

・鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)

の場合で、2階建て以上の建物の場合は、三号に当てはまるため確認申請が必要になります。

木造と鉄骨造、鉄筋コンクリート造で基準を混同しないように注意しましょう。

確認申請をしなかった場合の罰則

確認申請に関しては、2種類の罰則が適用されます。
1つ目は確認申請をしなかった場合の罰則。2つ目は確認申請を行わず、県からの停止命令を無視して工事を断行した場合の罰則です。

この罰則は確認申請の提出者である、施主(工事を依頼した人)に科せられます。

よって確認申請については施主がしっかり把握しておく必要があるのです。

確認申請をしなかった場合の罰則

確認申請の必要性を無視して、申請書を提出しなかった場合は建築基準法第99号1号により「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」が科されます。

この場合、罰則が科せられるのは建築主なので、工事を依頼した依頼者本人(施主)です。

停止命令を無視して断行した場合の罰則

確認申請を行わずに県からの停止命令を受け、それを無視して工事を強行するとさらに重い罰則に課せられます。


適用される罰則は、建築基準法第9条第1項の違反により「3年以下の懲役または3000万円以下の罰金」です。

強行した場合というのは、確認申請をせずに工事を開始し、県からの停止命令を無視して工事をした状態のこと。

実際には次の手順で罰則が科されます。

  1. 確認申請をしないまま工事をスタート
  2. 県からの視察が入る
  3. 工事の停止命令
  4. 停止命令を無視して工事を断行する
  5. 罰則の適用

 

この場合は工事を依頼した施主および、工事を実際に行っている業者が対象になります。

確認申請はすぐに罰則が適用されるわけではない

確認申請を怠ったらすぐに罰則が適用されるわけではありません。

近隣住民や関係者から通報が入り、実際に確認が取れてからになります。

確認が取れた後も、命令に従って是正を進めていれば罰則を受ける可能性は低くなります。

しかし確認申請を怠った建物はとても危険です。確認申請の必要性をしっかり理解して、申請は怠らないようにしましょう。

確認申請の3つの手順と期間

確認申請には事前の準備と、3つの検査があります。
大まかに分類すると、

・確認申請

・中間検査

・完了検査

に分けられます。

 

それぞれ工事着工前、工事の途中、工事の完了後に行う検査です。

詳しい手順について解説していきます。

手順①:工事前の確認「確認申請」

確認申請の前には、「設計図書の作成」が必要になります。

設計図書には

・意匠設計・・・建物のデザイン

・設備設計・・・水まわりや空調、電気

・構造設計・・・骨組の設計

が含まれ、それぞれに誤りがないか綿密に確認を重ねて行います。

 

この設計図書の作成が完了次第、確認申請を行います。

確認申請にかかる時間は、「確認審査」に35日、法律の基準を満たすかの確認を行う「構造計算適合性判定」で35日、合計で最長70日です。

申請が受理された後は、「確認済証」が発行され、正式に工事の着工が認められます。

手順②:工事中の確認「中間検査」

確認申請が受理された後も、「中間検査」という工事途中の確認が必要です。

また工事の計画を変更する場合は、確認申請を再度行わなければなりません。

中間検査で不備があった場合も、改めて確認申請が必要になります。

手順③:工事完成後の確認「完了検査」

工事完了後に行われる「完了検査」では、最初に提出された設計図に沿って工事されているかの確認を行います。

こうして確認申請では、大きく3つの手順に沿って確認が行われます。

審査によっては時間がかかる可能性があるので、工事計画は余裕を持って立てましょう。

確認申請の提出者と費用

確認申請は施主が責任をもって行い、費用は増築する面積によって数万円~数十万円とは幅があります。

ただし確認申請には専門知識が必要なので、実際には工事を委託した建築業者が代理として行うことがほとんどです。

ここでは確認申請の提出者と費用について詳しく解説します。

確認申請の提出者

確認申請は工事の費用を支払い、業者に依頼する人、つまり施主が「提出者」に当てはまります。

確認申請を行わなかった場合の罰則も「提出者」に科せられるので、間違いのないよう、しっかり行わなければなりません。

ただし実際は工事を依頼する建築業者が代理人として代わりに申請します。

その際は、確認申請にかかる費用のほかに、代理した手数料がかかります。

確認申請にかかる費用

確認申請にかかる費用の目安は次のとおりです。

 

床面積の合計 確認手数料 中間検査手数料 完了検査手数料
30㎡以内 ¥5,000~ ¥10,000~ ¥10,000~
31㎡~100㎡以内 ¥40,000 ¥40,000 ¥50,000
100㎡超 ¥50,000 ¥50,000 ¥60,000

※あくまでも目安の値です

上記の値は確認申請そのものにかかる費用なので、建築業者に依頼する場合は別途手数料が発生します。

増築リフォームは実績のある業者に依頼しよう

確認申請は工事の費用を支払い、業者に依頼する人、つまり施主が「提出者」に当てはまります。

確認申請を行わなかった場合の罰則も「提出者」に科せられるので、間違いのないよう、しっかり行わなければなりません。

 

上記の値は確認申請そのものにかかる費用なので、建築業者に依頼する場合は手数料が発生します。

増築リフォームを依頼する際は、実績と信頼のある業者に依頼するのがおすすめです。

建物の専門家である建築士が確認申請を行えば問題ないようにみえますが、「何度も打ち合わせをして、設計図にOKを貰っていたのに確認申請が通らない」というトラブルが多く発生しています。

 

さらに図面の変更や工期の延長に追加費用を請求されたという事例も。無理な増築でない限り、確認申請が通らないのは建築士の技量不足です。

このようなトラブルに発展しないよう、増築リフォームはしっかりした業者に依頼しましょう。

増築工事で確認申請が通らない3つの実例

増築工事の際に、確認申請に通らない建物は「違法建築」になり得ます。

スムーズに確認申請が通るよう、ここでは確認申請が通らない場合の事例をご紹介します。

確認申請が通らない事例①:途中で図面を変更した

最初の確認申請後、途中で図面を変更すると完了検査や中間検査に通りません。

たった数センチの変更で、再度確認申請からやり直す必要があるので、一度申請が通った後は変更がないように、綿密に計画を練りましょう。

確認申請が通らない事例②:建物の耐震性・防火性が基準を満たしていない

すでに建っている建築物が耐震性、防火性の基準を満たしていない場合は、その基準を満たしてから出ないと確認申請は通りません。

建築基準法を満たしていない建物は「違法建築」と呼ばれ、基準を満たすように改修する必要があります。

確認事例が通らない事例③:建ぺい率や容積率が基準を満たしていない

増築時の確認申請が通らないという事例の多くは、この「建ぺい率」や「容積率」が基準を満たしていないというものです。

 

建ぺい率とは、敷地面積に対する建物面積の割合で、

・建ぺい率(%)=建物面積÷敷地面積×100

で求められます。

この建ぺい率は土地によって上限が決まっているため、増築の際は建ぺい率に十分注意しなければなりません。

 

対して容積率は敷地面積に対する延床面積の割合です。この容積率も土地によって決まっています。

▽建ぺい率と容積率の違い
建ぺい率・・・建物面積の合計(2階建てなら1階と2階で広いほうの面積)
容積率・・・床面積の合計(2階建てなら1階の床面積+2階の床面積)

増築する前に必ず「確認申請」が必要か確認しよう!

確認申請は建築基準法を満たしているか、確認するために行われる確認です。

新しく建物を建てる際だけでなく、新たに建物を付け加える「増築」の際も場合によっては必要になります。

 

▽増築時に確認申請が必要になる条件の例

・増築する床面積の合計が10㎡以上

・防火地域または準防火地域に建物がある場合

・木造3階建て以上の場合

・木造以外の建物で、2階建て以上の場合

 

確認申請を行わない場合の罰則は、施主である建物の持ち主に科せられます。増築リフォームは信頼ある業者に依頼し、確認信施も抜かりなく行いましょう。

増築・改築をお考えの方はユニテにお任せください!

増築すべきか、リノベーションすべきか、どれがいいのかわからないという方でも当社の経験豊富なプロが

お客様の状況を判断し、最適なご提案をさせていただきます。

 

増築をしたい方、リノベーションしたい方、どちらにすればよいかわからない方もぜひユニテにご相談ください!

まとめ

増築に必要な確認申請の基本の6つを簡単に解説しました。

①確認申請が必要になる建物の基準

②確認申請をしなかった場合の罰則

③確認申請の3つの手順と費用

④確認申請の提出者と費用

⑤増築工事で確認申請が通らない3つの事例

⑥増築する前に必ず「確認申請」が必要か確認しよう!

 

確認申請をする前にぜひこちらの記事を参考にしてみてください!

出来るだけ費用を抑えて家を広くしたいという方は、費用を抑える工夫や改築の検討も行ってみてください!