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株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
セルフリノベーションはハードルが高く感じますが、慣れてしまえば思いつくままに部屋の印象を変えられます!
しかし必要な材料や準備、手順、注意しておきたいことなど、初めてのリノベーションは分からないことだらけ。
「自分でできることと業者に依頼すべきことのボーダーラインは?」
「マンションでセルフリノベーションするときの注意点が知りたい!」
そこで、今回は初心者向けにセルフリノベーションの基本をご説明します。
住み慣れた家も少しリノベーションすれば、あっという間に様変わり!
ぜひ自分好みの部屋にカスタマイズしてみてください。
【マンション・分譲リフォーム】自分が住む部屋はDIYできる?できない?セルフチェックするポイント
セルフリノベーションをする前に、まずは自分が住んでいる家がリノベーションできるのかを調べておくことが大切です。
持ち家なら自由にDIYできますが、賃貸や分譲物件は施工範囲が限られているため、工夫や配慮が必要になるでしょう。
分譲住宅は、基本的には自由にリノベーションができることが多いですが、電気・配管などの工事には資格が必須です。
以下のチェックシートを確認して、まずはリノベーションが可能かどうかを調べましょう。
●賃貸の場合
チェック項目 | 備考 | |
---|---|---|
原状回復義務はある? |
ある場合 |
回復時に費用を負担しなければならない |
ない場合 | 契約書を確認して細かい制約がなければ可能 | |
電気配線の変更 | 資格保持者のみが施工可能 | |
配管の変更(キッチン・洗面所・浴室・トイレなど) |
資格保持者のみが施工可能 | |
壁 | 穴をあける、撤去するなどは回復困難なため基本的に不可 | |
天井 | 上階との共用部なので不可 |
●分譲の場合
チェック項目 | 備考 | |
---|---|---|
原状回復義務はある? |
ある場合 |
不可能ではないが回復時に費用がかかる可能性大 |
ない場合 | 規約を確認して、ない場合は自由にできる | |
電気配線の変更 | 資格保持者のみが施工可能 | |
配管の変更(キッチン・洗面所・浴室・トイレなど) |
資格保持者のみが施工可能 | |
壁 | 構造の安全性を配慮すれば基本的には可能 | |
天井 | 上階との共用部なので不可 |
賃貸物件のセルフリノベーションは原状回復が原則!
賃貸物件は退去時、入居した状況と同じ状態に戻す(原状回復)のが原則です。現状回復可能な範囲で工夫しながらリノベーションをおこなわなければなりません。
また、賃貸マンションの場合は「専有部分」と「共有部分」が存在するため、手を加えてはいけない部分に注意する必要があります。
たとえば玄関ドアやバルコニーなどは共有部分に該当するケースが多いですが、範囲は建物ごとに異なるため、事前にしっかり規約を確認しておくことが大切です。
しかし、最近ではDIYの流行と共に、DIY可能で原状回復義務のない賃貸も増えてきています。賃貸でもリノベーションを楽しみたい方は、DIYを許可している物件を探してみるのも1つの手です。
分譲物件のDIYリフォームは構造によって限度がある
分譲物件は基本的にセルフリノベーションが許可されています。
ただし分譲マンションの場合は、賃貸同様にエントランスや共用配管など、他の住人と共有する部分に手を加えるのは禁止なので注意しましょう。またマンションの構造に大きく変化をもたらすリノベーションも注意が必要です。たとえば木造住宅の場合は、構造上取り除けない壁や柱などがあります。
知らずに抜いてしまうと耐久性に影響をもたらすため、間取り変更のセルフリノベーションは基本的に不可能だと考えておきましょう。
管理規約を遵守したセルフリノベーションをおこなう
マンションの管理規約には、リノベーションそのものに関する規約のほか、壁や床、遮音性や水まわり、電気・ガスの容量に関する規定が細かく設定されています。
規約は物件ごとに異なるため、必ずリノベーション前に管理組合に確認をおこないましょう。マンションの管理規約は、住んでいる住人が快適な生活を維持するための規約なので、厳守する必要があります。
もしチェックせずに規約を破ってセルフリノベーションしてしまい、原状回復できない場合は、元通りにするための費用を支払わなければなりません。
配管・配線など資格が必要な部分はセルフリノベーション不可
電気・水道・ガスなどの危険がともなう箇所のリノベーションは、国家資格がなければ手を加えられないと厳しく定められています。資格がないと施工できないので、原則セルフリノベーションできない部分です。
仮に何事もなくセルフリノベーションできても、生活中に欠陥に気付くことも十分あり得ます。
こうした箇所のリノベーションは、業者に依頼して確実に行ってくださいね。
【セルフリノベーションとは?】メリットとデメリット
ここからは、セルフリノベーションのメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。
【セルフリノベーションのメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
DIYの知識が身に付く 納得できるまでじっくり仕上げられる 業者よりも安く施工できる場合が多い |
体力や根気が想像以上にかかる 理想通りにいかない場合が多い |
資格が必要なライフラインの工事以外なら、デザインも大工工事も理論上は全部自分でおこなえます。ただし、失敗する可能性が高いので、原則は部分的なセルフリノベーションのみをおこなうのがおすすめです。
自分でリノベーションをおこなうメリット
自分でリノベーションをおこなうメリットは以下の3つです。
【自分でリノベーションをおこなうメリット】
- DIYやリノベーションの知識が身に付く
- 納得できるまでじっくり仕上げられる
- 業者よりも安く施工できる場合が多い
セルフリノベーションをおこなうことにより、自分の家に愛着が湧きやすくなります。また、基礎的なDIYの知識が自然と身に付くため、趣味などで継続的にDIYがしたいというケースにも適しているでしょう。
DIYやリノベーションの知識・技術が身に付く
自分でリノベーションを行うと、DIYやリノベーションに関する幅広い知識と技術が身に付きます。
業者依頼だと細かい部分は任せっきりになってしまうことも多いですが、セルフリノベーションではすべての材料を自分で選び、検討しなければなりません。そのため、各部材の特性や使い方を、思考錯誤しながら深く理解できるメリットがあるのです。
また、実際にリノベーション作業をおこなうことにより、ノウハウやテクニックも自然と身につきます。情報はテレビ・書籍・インターネット・SNSなど、さまざまなメディアから得られるため、学びながら自分の住空間をカスタマイズできるでしょう。
納得できるまでじっくり仕上げることができる
セルフリノベーションの大きなメリットは、工期に縛られず自分のペースで作業できる点にあります。細部にわたるこだわりを反映させながら、自分の生活スタイルや好みに合わせてカスタマイズすることが可能です。
また、苦労したぶん自分の家に愛着が湧きやすくなるでしょう。自分でリノベーションをおこなうことにより、完成した時の満足感や達成感も格別になります。
業者依頼時よりも安く施工できる可能性がある
セルフリノベーションの大きな魅力の1つに、コスト削減があります。とくに、専門的な技術が必要ない作業を自分でまかなうことにより、業者にすべてを任せるよりも安価に施工できる可能性が高まるのです。
たとえば、タイル貼りや塗装といった作業は、基本的な知識と道具があれば素人でも十分DIYできます。専門的な工事はプロに任せつつ、自分でできる部分を負担することにより、全体のコストを大きく抑えることができるでしょう。
このバランスを上手く取ることが、セルフリノベーションのコストパフォーマンスを最大化する鍵です。
自分でリノベーションをおこなうデメリット
一方、自分でリノベーションをおこなう際の注意点やデメリットも存在します。
【自分でリノベーションをおこなうデメリット】
- 体力や根気が想像以上にかかる
- 理想通りにいかない場合が多い
セルフリノベーションで後悔しないためには、上記のデメリットをしっかり理解しておく必要があるでしょう。詳しい内容については後述する「初めてのセルフリノベーションで陥りやすい7つの失敗例」をご覧ください。
体力や根気が想像以上にかかる
セルフリノベーションは、想像以上に体力と根気を要します。細かな作業や地味な作業が多く、場合によっては数年に及ぶ長期間を要することもあるでしょう。すべてを自分の手でおこなうため、普段経験しない重労働になる場合もあり、仕事との両立はとくに大変です。
たとえば中古マンションを購入して、すべて自分の手でリノベーションする場合、コツコツ地道に取り組んで3〜4年かかるケースもあります。途中で作業の厳しさに気付き、断念して業者に依頼しようと考える人も少なくありません。
セルフリノベーションをおこなう際は、計画段階で想定される作業にかかる労働力をよく理解しておくことが求められます。道具や人手を準備したり、体調と相談しながらゆっくり作業したりする工夫が必要です。
理想通りにいかない可能性が高い
セルフリノベーションは、理想と現実のギャップに直面することが多く、途中で挫折するリスクがあります。素人判断で進めるため、実現不可能な案件に時間を費やしたり、資格が必要な作業に手を出してしまう可能性もゼロではありません。
また、プロのような仕上がりを期待しても、技術的な限界から納得のいくクオリティにならないことが多々あります。多大な労力を注いだ後の失望感は計り知れません。
そのため、理想通りにいくことの方が少ないと思っておくといいでしょう。失敗を少なくするためには、「できること」と「できないこと」のボーダーラインを知っておくことが大切になります。
家の場所別!業者とセルフリノベーションの費用比較
セルフリノベーションできる場所は意外と範囲が広く、家のあらゆる場所を修繕できます。
ここからは、業者依頼目安費用とセルフリノベーションの費用相場について、施工箇所別に詳しくみていきましょう。
箇所 | 仕上げ素材 |
業者依頼時 目安費用 |
セルフ時 総費用 |
難易度 |
日数目安 |
おすすめ度 |
壁・天井 | ||||||
クロス (天井・壁) |
1.5~6万円 | 1.5万円~ | 普通 | 1~2日 | ★★★ | |
塗装 | 5~8万円 | 1.2万円~ | 低い | 1~2日 | ★★★ | |
珪藻土 | 15~25万円 | 7~9万円 | 普通 | 1~2日 | ★★☆ | |
漆喰 | 15~25万円 | 4~7万円 | 普通 | 1~2日 | ★☆☆ | |
壁タイル (エコカラット) |
5万円~ | タイル価格で変動 | 高い | 壁2.5㎡程度で1日 | ★★☆ | |
床 | フローリング重ね張り | 7~13万円 |
4.5万円~ |
高い | 2日 | ★☆☆ |
無垢床のオイル仕上げ |
3万円~ | 1万円~ | 低い |
2日 |
★★★ | |
棚板 | 塗装・オイル仕上げ | 2万円~ | 1万円~ | 低い | 2日 | ★★★ |
ドア (無垢材) |
塗装・オイル仕上げ | 2万円~ | 1万円~ | 低い | 2日 | ★★☆ |
玄関 | 塗装・オイル仕上げ |
10~50万円 (ドア交換の場合) |
~1万円/㎡ | 普通 | 2日 | ★☆☆ |
バルコニー・ベランダ | タイル・パネル貼り付け | 1.5~2万円/㎡ | 1万円/㎡ | 低い | 1日 | ★★☆ |
※すべて6畳間を想定
※業者依頼時の費用は、使用する素材の種類によって差があります
上記はすべて施工時の資格が必要ない部分のみを掲載したものです。また、おすすめ度が低い部分に関しては、原則自己判断で作業せず業者に依頼・相談することが推奨されます。
セルフリノベーションは作業する人の知識や経験によって完成度が大きく左右されるため、少しでも難しいと感じたら業者に依頼しましょう。
ユニテに依頼した場合の施工費用の目安は以下の通りです。
リフォーム用床重ね張り | 40㎡程度:5万円〜 |
玄関棚板塗装 | 下地ありの場合:8万円〜 |
ドアの造作 | ドアの扉のみの交換:10万円〜 (開口広さの変更は別途料金) |
キッチンカウンター棚造作 | 15万円〜 (クロス・下地工事別途料金) |
ベランダ・バルコニーほか | 要相談 |
大きさやデザイン、施工範囲によっても金額は左右するため、あくまでも参考程度にお考え下さい。
壁・天井のセルフリノベーション
たった一面だけでも印象をガラッと変えられる場所が、壁と天井です。
【壁・天井のセルフリノベーションの例】
- 好きな色に塗り替える
- 漆喰や珪藻土を塗る
- 壁紙を張り替える など
工事の種類は幅広く、専門業者が行う本格的なものから、簡単な材料でできる手軽なものまでさまざまなものがあります。
隣室との仕切りを壊す解体工事は電気配線が絡むため、資格がない場合施工できません。また壁が無くなることで、家のバランスが崩れて耐久性に乏しくなる可能性も考慮する必要があります。この辺りは個人では手に負えないので、業者へ依頼するのが安全です。
一方、クロス(壁紙)の張り替えや壁の材質変え・塗装・タイル貼りなどは、ホームセンターで手に入る道具で簡単にリノベーションできます。必要日数は乾燥の時間も含めて2日程度です。
上から塗る作業は比較的簡単ですが、壁紙の張り替えなどは気泡や隙間なく施工するのが難しいため十分注意しましょう。
床のセルフリノベーション
床は資格なしでもできるリノベーションの一種です。フローリングは張り替えなくても、上から重ね貼りできる資材があれば、簡単にリノベーションできます。
【床のセルフリノベーションの例】
- 床材シートを引く
- フローリングを重ね張りする
- 床材のオイル仕上げをする など
範囲が広く、家具の移動や準備に時間がかかるため、人手が多いほどスムーズに完了します。少し難易度が高めですが、部屋の印象をガラッと変えたい方におすすめです。
ただし、畳をフローリングにしたい、あるいはフローリングから畳に変更したいという場合は、下地の修繕・改修が必要になります。素人では難しい施工なので、業者に依頼することを検討するか、シートや置き畳などで対応するかを検討しましょう。
棚のセルフリノベーション
部屋の印象は家具やインテリアの置き換えでも簡単に変えられます。何か小さい部分からリノベーションを始めてみたい方は、家の中にある家具に塗装をしたり、飾り棚を設置したりするところから始めてはいかがでしょうか?
たとえば棚の塗装をおこなう場合、塗装の上からオイルを塗って保護するだけで完成します。準備する道具も塗装剤・ハケ・オイルのみで、手軽に始められるのが魅力です。
ドアのセルフリノベーション
塗装に慣れたらドアのリノベーションをしてみましょう!
ドアは部屋のニュアンスを左右する大切な部分です。ドア自体を取り替えなくても、上から塗装すればまったく違うドアに大変身します。
【ドアのセルフリノベーションの例】
- ドアに装飾・塗装を施す
- ドアノブを交換する
- ドア自体を交換する
ドアノブ交換は基本をおさえれば簡単で、しっかり計測すれば失敗することはありません。業者に依頼するとドアノブ交換だけで1万円程度の費用が掛かるため、セルフリノベーションで安く抑えるのも1つの手段です。
ただし、マンションの玄関ドアは共用部に該当するため、自身の判断でリノベーションすることはできません。
キッチンのセルフリノベーション
キッチン台のセルフリノベーションは原則難易度が高いですが、キッチン周辺の壁や収納部分のDIYなら挑戦しやすいでしょう。
【キッチンのセルフリノベーションの例】
- 壁をタイルに変える
- 壁に黒板を設置する
- 壁の塗装をする
- キッチン台の引き出しに装飾する
- 開き戸や食器棚に装飾をする など
水回りは配管の関係で資格が必要ですが、キッチンの台なら上から貼るタイプのリノベーショングッズや、タイルで印象を変えられます。最近では、100円ショップでもキッチン台付属の引き出しや、開き戸の見た目を変えるグッズが販売されているため、簡単なDIYなら数千円で雰囲気を変えられるでしょう。
玄関のセルフリノベーション
玄関のリノベーションは、戸建て住宅をお持ちの方におすすめです。マンションの場合、玄関は共有部に含まれるので、塗装やドアの取り換えには制限がかかってしまいます。
【玄関のセルフリノベーションの例】
- 塗装で雰囲気を変える
- 壁紙を交換する
- 玄関ドアを交換する
- ドアノブを交換する
- 靴箱や飾り棚のDIYをする
- たたき部分のDIYをする
ドアの取り換えとなると業者にお願いする必要があり、費用も50万円以上かかりますが、塗装のみならセルフで十分対応できます。壁やドアの塗装と同じ手順でできますが、綺麗に仕上げるために、晴れた日を選んでおこなうのがおすすめです。
ベランダ・バルコニーのセルフリノベーション
ベランダやバルコニーはタイル貼り替えで一気に印象を変えられます。しかし老朽化が進んでいる場合には、安全性を考慮して業者にお願いする必要があります。雨ざらしになるベランダは、見た目だけでなく機能面の刷新も重要になるためです。
【ベランダ・バルコニーのセルフリノベーションの例】
- 塗装をする
- タイルの貼り直しをする
- ウレタンで防水加工を施す など
また、タイルを貼る場合も、グレーチングという格子状の蓋を取り付けることで、大雨でも雨が溢れない工夫が必要になります。見た目だけなら本格的なセルフリノベーションもできますが、機能面を考慮すると業者にお願いするのがよさそうです。
初めてのセルフリノベーションで陥りやすい7つの失敗例
憧れのリノベーションを安価で実現できるのがセルフリノベーションの魅力ですが、残念ながら失敗の可能性も。
7つの失敗例は以下の通りです。
- 準備不足で家具や家を傷つけてしまう
- 工期が長すぎて途中で飽きてしまう
- 費用が業者を利用した場合よりも上回ってしまう
- 見た目重視で機能性が劣ってしまう
- 貼り付ける家具やボードは安全性が後回しになってしまう
- 完成度がイマイチで納得いかなくなってしまう
- 使い勝手が悪くなってしまう
陥りやすい失敗例を抑え、しっかりと対策を立てておきましょう。
準備不足で家具や家を傷つけてしまう
セルフリノベーションは何より準備が大切。準備を丁寧におこなえばおこなうほど工事自体がスムーズに進み、仕上がりもより綺麗になります。
準備で必要なのは、既にある家具や家を傷つけないように保護すること。そして工事のためのスペースをあらかじめ用意しておくことです。移動する必要のある家具は邪魔にならない場所に移動しておきましょう。
また、必要な道具が揃っていないのも準備不足によるものです。工程の計画を綿密に練れば、道具や日程調整が計画しやすくなりますよ。
工期が長すぎて途中で飽きてしまう
リノベーションの実例を見ていると、ついつい張り切って大掛かりな工事になりがちです。しかし初めてのリノベーションは思うように進まず、結果的に膨大な工期がかかってしまうでしょう。
期間が伸びればやる気もどんどん失われていきます。とくに完成図が見えない状態では、モチベーションが保ちにくいのがネックです。
生活に関わる場所は工期が伸びると、日常生活が送れなくなる可能性もあります。自分の技量に合ったリノベーション計画を立てましょう。
費用が業者を利用した場合よりも上回ってしまう
セルフリノベーションを初めておこなう場合は、工事に必要な基本の工具を一から揃えなければなりません。この工具はコストを渋らずに、必要なものをしっかり用意することを心掛けましょう。工具は工事の完成度を上げる大事な要素です。
また、大掛かりなリノベーションの場合、普段は使用しない特殊な工具が必要になります。結果的に工具・材料費・準備のために必要な道具類など、結果的に業者の見積もりを上回る可能性もあることに留意しなければなりません。
見た目重視で機能性が劣ってしまう
セルフリノベーションの実例は、デザイン性に優れた素敵なモノばかりですよね。しかし生活する家として相応しい機能性はしっかり備わっているでしょうか?
なかでもとくに重視したいのが、遮音性と断熱性です。
機能面にこだわったり、機能改善のリノベーションをおこなう場合は、業者に依頼する方が満足度も高く仕上がります。見た目重視のリノベーションにならないよう、今一度施工内容を検討してみましょう。
貼り付ける家具やボードは安全性が後回しになってしまう
最近のDIYはシンプルイズベストで、貼り付け家具やボードが流行しています。しかしこれらを初心者がセルフリノベーションで取り入れるのは少し危険です。
耐久性はもちろんですが、数十万円で販売されているような家具を真似しても、全く同じものができるとは限りません。また専門家が家具を作る時は、壁面の耐久度も一緒に考慮されています。セルフリノベーションのせいで壁が壊れてしまった!なんてことにならないようにしましょう。
完成度がイマイチで納得いかなくなってしまう
一番多いのが完成度に関する失敗です。
セルフリノベーションの完成物と、自分で思い描いた設計図や参考にした写真を比較したときに、「なにかが違う」と違和感や納得のいかなさを感じるかもしれません。
テレビやSNSで目にするセルフリノベーションは、それなりに知識や経験のある人がおこなっているものなので、完成度も高いでしょう。しかし、初心者が最初からそのレベルに到達できるわけではないので、期待しすぎるのはよくありません。
不格好でもそれが味だと思えるなら挑戦してみてもいいですが、完成度の高さを追求したい場合は、無難に業者依頼することをおすすめします。
使い勝手が悪くなってしまう
実際に生活してみると非常に使い勝手が悪いというケースも、よくある失敗のうちの1つです。いくらデザイン性が高い設計だとしても、日常生活に支障をきたせばストレスのもとになります。
完成後のイメージが掴みにくい初心者が陥りがちな失敗なので、経験を積めば解消されることも多いです。ただし、取り返しのつかない内容だと回復も難しいため、よく考えて施工することが大切になるでしょう。
業者に依頼する場合は、使い勝手や生活導線なども考慮した上で提案してもらえるので、不安がある場合は相談してみることをおすすめします。
セルフリノベの注意点!準びすべきことと業者に任せる内容のコツ
セルフリノベーションに失敗しないためには、「下準備を入念におこなうこと」と「無理せず業者の手を借りること」が重要になります。ここからは、後悔しないセルフリノベーションを叶えるために注意すべきポイントについてみていきましょう。
【セルフリノベーションの注意点とコツ】
- 作業に必要な道具や計画をリスト化する
- 廃材やゴミの処分方法を確認しておく
- 失敗しないよう養生を活用する
- 簡単にリノベーションできるグッズを活用する
- 業者に任せるべき内容を見極める
作業に必要な道具や計画をリスト化する
セルフリノベーションを成功させるには、計画的な準備が不可欠です。まずはプロジェクトの全体像を把握し、実行する各作業に必要な道具や材料を事前にリストアップしましょう。
作業がスムーズに進むよう「ToDoリスト」を作成し、作業服や作業スペースも準備・確保しておけると安心です。作業服は動きやすく、事故防止にも繋がる適切なものを選び、資材置き場も十分に確保しておきましょう。
DIYに必要な資材や工具などは、Webサイトやホームセンターの活用がおすすめです。ホームセンターには工作スペースがあるところも多いため、木材のカットや塗装をする場所として大いに活用できます。
また、リノベーションに関するブログや動画で情報を集め、事前に流れを理解しておくことも大切です。流れや手順を事前に把握しておくことで、作業をより効率的に進めることができます。
廃材やゴミの処分方法を確認しておく
セルフリノベーションの際は、廃材やゴミの処理方法を事前にチェックしておくことも大切です。木くずやクロスの切れ端は自治体によって処分方法が異なるため、燃えるゴミか専用の回収日に出す必要があります。
ペンキ類は新聞紙に染み込ませるか固化材で固め、シンクやトイレには流さないようにしてください。また、釘やネジ、ガラスは燃えないゴミで捨てられる地域もありますが、量が多い場合は産業廃棄物として扱われることも多いです。
余った資材は次回使用するために適切に保存し、資源を無駄にしないようにしましょう。
失敗しないよう養生を活用する
セルフリノベーションでは、施工箇所の周囲を養生することが失敗しないコツです。家具や壁、床を傷つけるリスクを減らすためにも、養生のひと手間をかけることを意識しましょう。
たとえば、家具を組み立てる際は床に布を敷いたり、壁を塗装する際は養生テープで縁を保護したりするのがおすすめです。不要な箇所にはブルーシートでカバーを施すことにより、塗料の飛び散りや傷から保護することができます。
もし失敗してしまった場合は、プロのアドバイスを求めることも大切です。初心者はとくにすべて完璧にするのは難しいので、多少の汚れや傷は味わいとして楽しむ余裕を持って作業しましょう。
簡単にリノベーションできるグッズを活用する
近年では、セルフリノベーションに役立つ簡易グッズが多くの店舗で販売されており、ホームセンターや100円ショップでも豊富な種類が見られます。これらのグッズは、ユーザーが簡単に取り扱えるレベルでありながら、それなりのクオリティが出せるのが魅力です。
また、ホームセンターのDIYスペースでは、重い工具などを無料で貸し出ししているところもあります。工具の購入コストや施工場所の問題、近隣への配慮などを解消したい場合は、活用するといいでしょう。
業者に任せるべき内容を見極める
セルフリノベーションで手を出すべきでない領域ももちろんあります。とくに、建物の構造に大きな変更を加える場合や、電気・ガス・水道設備の工事は専門の業者に依頼するべきです。
また、間取りを大きく変えるときには、壁や柱の撤去が必要になることもあり、これが建物の安全性に影響を及ぼす恐れがあります。水道や電気などのインフラ工事は特定の資格が必要であり、自分でおこなうことは法律で禁止されているため注意しましょう。
自分自身でできることと業者に任せるべき内容を見極めることで、安全かつ適切にリノベーションをおこなうことができます。
まとめ
リノベーションと聞くと業者を利用した本格的なものを想像しますが、箇所や規模、内容次第ではセルフでおこなえるのです。簡単な部分をセルフリノベーションに切り替えれば愛着が湧き、費用削減にもなるでしょう。
リノベーション業に約30年間携わってきたユニテでは、お客様のご要望に寄り添った提案を心掛けております。セルフリノベーションやリノベーションに関するご質問も受け付けていますので、富山近郊にお住まいの方はぜひお気軽にお問合せください。
どんなにセルフリノベーションが上手い人でも最初は初心者です。
まずは基礎をしっかり学び、できる範囲のセルフリノベーションから始めてみてください!