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和室を洋室にリフォームした実例をもとにおしゃれに仕上げるポイントを解説!

和室を洋室にリフォームしたいけど分からない、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間様々な経験から、和室を洋室にリフォームした実例やおしゃれに仕上げるポイントをまとめてみました。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「和室を洋室にリフォームした実例が知りたい」
「和室を洋室にリフォームするとどのくらい予算が必要なの?」
「できるだけ費用を抑えてリフォームするにはどうしたらいい?」

 

古い家屋の和室を一新して、使い勝手のいい洋室にリフォームしたいと考えている人の中には、上記のような疑問を抱えている人が多いかもしれません。

 

この記事では、ユニテが実際に担当した「和室⇒洋室リフォーム」の例を5つ紹介していきます。

さらに、和室から洋室へのリフォームにかかる費用相場や、部分リフォームのメリットについても解説しますので、自身のリフォーム検討時に役立ててください。

パターン別!和室を洋室にリフォームした実例

ユニテが実際に担当した、和室から洋室へのリフォーム・リノベーション実例を紹介していきます。

マンション・一戸建てそれぞれのケースにおける「和室⇒洋室のビフォーアフター」を掲載しますので、ご自身のリフォームの参考にしてみてはいかがでしょうか。

【マンション】和室を洋室にリフォームした事例

ユニテでは、リビングと和室を繋げて空間を広げ、開放感を演出するリフォームを得意としております。

まずは、過去に担当した施工例を2つ紹介していきます。

 

1.白色を基調とした清潔感あふれる洋室に

リビングbefore

after

和室before

after

マンションの和室リフォームで特に多いのが「広いLDKが欲しい」というご要望です。

築23年のマンションをリフォームした事例です。

6畳の和室を含むLDKの全面改装で、部屋の間取り変更を含む和室リノベーションを行いました。

「年頃の娘の部屋を広くしたい」「部屋のイメージをガラッと一新したい」という2つのご希望に添って、白を基調とした清潔感のある雰囲気で部屋全体を統一しています。

また、間仕切りをふすまからスクリーンパーテーションに変更することにより、圧迫感を払拭し開放感を演出しました。

 

2.リビングとつなげて開放的なLDKに

before

after

延床面積91.2㎡のマンションをリフォームした事例です。

こちらの事例では、「広いLDKが欲しい」「使い勝手の悪い畳をフローリングにしたい」というご要望をいただきました。

6帖の和室が2部屋ある間取りから、家事動線を考慮した広いLDKへのリフォームをご提案しております。

家事動線を意識した間取り設計によって、掃除がしやすくいつでも快適で、のびのびとくつろげるような生活空間を演出することができました。

【一戸建て】和室を洋室にリフォームした事例

一戸建てにおける和室⇒洋室へのリフォームは、マンションのリフォームよりも大がかりなものが多いようです。ユニテでは、今後も住み続けることを考慮したバリアフリー目的のリフォームや、築年数経過による改修目的のご依頼を多くいただいております。

 

1.淡い色合いで優しい印象の主寝室に

before

after

築30年の日本家屋をリフォームした事例です。「両親と2世代同居できるバリアフリーな住まい」を目指し、8畳2間の和室リフォームをメインにした、住まい全体の間取り変更をおこないました。

この年代の家屋に多い「和室中心の間取り」から、生活しやすさを考慮した「リビングを中心に各部屋へと移動できる間取り」へのリフォームを提案しております。

 

さらに、「両親のために温かみのあるバリアフリーな部屋にしたい」というご要望に沿うべく、日当たりが最も良好な客間を「家族団らんのLDK」へと変更いたしました。

フローリング材には無垢材を採用。無垢材は足触りのいい柔らかな感触と、冬でもひんやりしない断熱効果があり、居心地のいい空間を演出することができます。

全体の雰囲気を木目・ホワイト調でナチュラルにまとめ、木のぬくもり溢れる洗練されたデザインに仕上げました。

 

2.木の風合いと半畳を組み合わせた畳スペースに

リビングbefore

after

和室before

after

ご夫婦と80代のお父様が同居する、築35年の戸建てを全面リフォームいたしました。

8畳の和室4部屋と、5.5畳の和室1部屋を含む住まい全体の工事です。

「20年先でも安心して暮らせる家」をテーマに、屋根・内外装・水回り・断熱工事までトータルで手掛けています。間取りは5部屋のうち3部屋を和室のまま残し、残り2部屋はLDKとパントリーへと変更いたしました。

 

和室からリビングにリフォームするにあたって、構造上撤去できなかった柱は「見せる収納」として飾り棚に生まれ変わっています。

パントリーには両サイドにたっぷりと収納棚を設け、大容量で整理整頓しやすい収納スペースをご提案しています。

和室を洋室にするだけじゃない!部分リフォームをご紹介

まずは、一般的な和室と洋室の設備の違いについて解説していきます。2つの設備の違いは以下の通りです。
 

設備 和室 洋室
フローリング
壁・天井 真壁・板の天井 大壁・クロス天井
収納 押し入れ クローゼット
建具 ふすま・障子 ドア・カーテンレールの窓

 

和室を洋室に完全にリフォームする際は、上記すべての設備に対しての工事が必要になるため、それなりの費用がかかります。

そのため、「予算をそこまでかけられない」という場合は、変更したい設備だけを工事する「部分リフォーム」がおすすめです。

 

和室から洋室に変更する部分リフォームとしては、以下のような例があります。

 

部分リフォームの例
  1. 畳⇒フローリング
  2. ふすま⇒ドア・パーテーション
  3. 押し入れ⇒クローゼット

 

和室特有の設備である「畳・ふすま・押し入れ」は、使い勝手や維持管理の側面から、リフォームを検討している人が特に多いのが特徴です。

予算に限りがあるなら、部分リフォームで機能性の向上をはかることをおすすめします。

1.畳⇒フローリング

コストカットしつつそれなりに雰囲気も演出したいなら、床材の部分リフォームがおすすめです。

畳をフローリングに変更するメリットには以下のようなものがあります。

畳をフローリングに変更するメリット
  • 家具が置きやすくなる
  • メンテナンスや日々の掃除がしやすくなる
  • 部屋の使い道が広がる

 

床の工事は一番規模が大きいリフォームですが、その分得られるメリットも大きいのが特徴です。

畳の問題点としては「家具の跡がつきやすい・傷つきやすい」などが挙げられます。

また、畳は「埃・汚れ・湿気などが溜まりやすい性質」を持っているため、定期的な天日干しなどのメンテナンスが必要な床材です。

それゆえ、重たい家具が安心して置ける・日々の掃除が楽々できる「フローリング」へと変更すれば、部屋の維持管理コストが削減でき、利便性もアップします。

 

ただし、畳とフローリング材は材質の厚みが異なる特徴があるため、設置時は周囲の床や建具との高さ調節が必要になるでしょう。

また、一戸建てとマンションの場合では、リフォーム方法が異なる点に留意する必要があります。

 

詳しくみていきましょう。

一戸建ての場合

 

一戸建ての場合は、床材を設置する「下地」からリフォームする必要があります。

畳とフローリングには、材質による厚みの差が3~5cmほど生じます。厚みのある畳と比較すると、フローリング材の強度はやや低くなってしまうのです。

 

一戸建てが在来木造である場合は、単に床材を張り替えるだけでは不十分でしょう。床を支える「床組」を補強しなければならないのです。

マンションの場合

 

コンクリート構造に直接畳が載せられているケースであれば、さほど大がかりな工事にはならないでしょう。

 

ただし、「フローリングは畳よりも防音性が低い」という点に留意しなければなりません。

詳しくは後述しますが、生活騒音への対策として遮音性の高い素材を採用するか、下地処理が必要になります。

2.ふすま⇒ドア・パーテーション

襖や障子などの建具は、「元の状態をどの程度残すか」や「リフォーム後どんなデザインにしたいのか」によって、コストや工事の規模が大きく変動するのが特徴です。

ふすまを洋風なデザインに変更するメリットには、以下のようなものがあります。

ふすまを洋風なデザインに変更するメリット
  • メンテナンスの手間・費用が削減できる(貼り換えなど)
  • 部屋の利便性が上がる
  • 周囲の部屋との雰囲気を統一できる

 

ふすまは、小麦を精白したときに出る皮である「ぬか」が主な原材料です。

素材の特性上、繊維の隙間に汚れがつきやすく、日焼けなどの劣化もしやすいというデメリットを持っています。

また、古い家屋ではデザインの主張が強いものが多く、隣接する洋室の雰囲気を損なっている可能性もあるでしょう。派手なふすまをシンプルな引き戸に変更するだけで、間取りに統一感を出すことも可能です。

 

費用については、ふすまを洋風な引き戸に変更するなら、レールを使って戸を引く構造が似ているため金額がかからないように思えるかもしれません。

しかし、実際は敷居を撤去しレールに変更するリフォームが必要になるため、意外とコストがかかるケースもあります。

押し入れ⇒クローゼット

押し入れは、本来は布団などの寝具を収納しておくための場所です。

とはいえ、ライフスタイルの変化により、布団ではなくベッドを使うようになれば、「押し入れを別の用途に使えないか」と感じるようになるでしょう。

そんな時には、クローゼットに変更する部分リフォームがおすすめです。

押し入れをクローゼットに変更するメリットには、以下のようなものが挙げられます。

 

クローゼットに変更するメリット
  • 収納の幅が広がる(使い勝手)
  • 出し入れしやすくなる
  • カビが生えにくくなる

 

押し入れは「中段」によって空間が上下に仕切られている構造です。

そのため、人によっては使い勝手の悪さを感じてしまうかもしれません。

さらに、押し入れの奥は風通しが悪く、カビが発生しやすいというデメリットもあります。

 

一方、クローゼットは扉を大きく開いてモノを出し入れする収納設備です。引き違いのふすま扉である押し入れと比較すると、風通しもよく出し入れしやすいメリットがあります。

また、そのまま押し入れのスペースをクローゼットに変更する場合なら、比較的簡単な工事で済むことから、工期やコストがかからないのも特徴です。

中段を外して上部にポールを取り付け、襖を折れ戸に変更するだけでぐっと使いやすくなります。

 

見た目を整えたい場合は、襖の表面のデザインを変更するだけの簡単な工事で済むでしょう。

ただし、収納場所のレイアウトを変更する場合は、天井や壁の工事も必要になります。解体費や工事費用がかさんでしまう点に注意しましょう。

 

また、押し入れは、一般的なクローゼットの設計よりも「奥行きが30cmほど深い」という特徴があります。ただクローゼットにするだけでなく、奥行きぶんの空間を上手く活用するよう工夫するのがおすすめです。

ウォークインクローゼットなど収納スペースの中に立ち入ることを検討している場合は、床材の補強が必要になるでしょう。押し入れの床は人が乗る設計になっていないケースが多いためです。

「何をしまうためのリフォームなのか」や「どのように活用したいのか」を明確にし、プランナーと話し合っておくことをおすすめします。

和室を洋室にリフォームする際の費用相場

以下は一般的な和室(6〜8畳程度)を洋室へリフォームした際の費用相場の一覧表です。

工期の目安についてもあわせて掲載しているので、ぜひ目安にしてください。

 

【和室を洋室にリフォームする際の費用相場・工期目安】

リフォーム内容 費用相場 工期目安
和室⇒洋室
(フルリフォーム)
25~100万円 5~10日
畳⇒フローリング 9~35万円 2~7日
畳⇒クッションフロア 8~11万円 1~3日
ふすま⇒ドア・パーテーション 3~22万円 1~2日
押し入れ⇒クローゼット 8~50万円
(棚調整のみ:2~10万円)
1~3日
壁・天井を洋風に変更 10~20万円 1~3日

 

和室から洋室にリフォームするケースの中心価格帯は「5〜20万円」程度です。フルリフォームをおこなうケースでも、多くの場合は「60万円以内」に収まります。しかし、間取り変更などの工事が含まれる大がかりなものは高額になる傾向があるため注意してください。

 

押し入れをクローゼットにリフォームする場合も、内容によってコストが変動します。ただクローゼットにするだけなら30万円程度の予算で十分ですが、ウォークインクローゼットにする場合は費用が高額になるでしょう。

 

他にも、床のリフォーム費用を抑える方法として「クッションフロア」材を採用する方法もあります。

クッションフロアとは、塩化ビニール樹脂が原料の柔らかい床材のことで、貼り換えの手軽さと耐水性の高さがメリットです。

クッションフロアは、ペットを飼う部屋・子供部屋などのリフォームに最適な床材ですが、「熱に弱い・通気性が悪い・跡がつく」などの欠点があります。さらには、貼り換えが必要になった時に施工時間がかかるのもデメリットです。

 

「フローリングとクッションフロアのどちらが最適なのか」をよく検討してからリフォームするのがいいでしょう。

和室の洋室へのリフォームを失敗しないための注意点

最後に、和室から洋室にリフォームをおこなう際の注意点について解説していきます。

和室のリフォームに失敗しないためにも、以下の3つの注意点を事前に把握しておきましょう。

 

和室のリフォームをする時の注意点
  1. 家全体や他の部屋の内装とのバランスを考える
  2. 畳からフローリングに変更する場合は防音性に注意
  3. マンションにお住まいの方は管理規約を必ずチェックする

 

1室のみのリフォームでは、つい「その部屋の中での限定された美観・利便性」だけを追求してしまう傾向があります。

しかしながら、ほかの部屋や間取りなどとのバランスを考慮し、広い視野でリフォーム内容を検討することが大切です。

 

特に、注意点2〜3はマンションのリフォームにおいて重視すべきポイントになります。

詳しくみていきましょう。

1.家全体や他の部屋の内装とのバランスを考える

和室をリフォームする際は、家全体やほかの部屋とのデザイン・雰囲気を統一することも重要です。中でも「隣接する部屋との調和を意識する」ことが失敗しないポイントになります。

 

たとえば、せっかく和室の床・壁をリフォームして洋風にしても、ドアが和風デザインのままではほかの洋室との間に違和感が出てしまうでしょう。

複数の和室を1室だけ洋室に変更するケースでは、和室と洋室のギャップを無くす工夫が必要になります。

境目となるふすまやドアに「和洋どちらにも合うデザイン」を採用するなど調和を意識すると馴染みやすくなります。

可能であれば、リフォームする和室と隣接する部屋との「段差解消」にも着目することをおすすめします。和室と洋室の間に段差がある・ふすまの敷居につまずくなど、日々のちょっとした不便さを感じている人は、このタイミングで対策しておきましょう。

 

特に床の段差は、畳を剥がしてフローリングにする際に高さ調整ができるため、絶好のタイミングです。

コストは多少余分にかかりますが、老後の生活を考えればやっておいて損はありません。

2.畳からフローリングに変更する場合は防音性に注意

畳からフローリングに変更する際には、生活騒音への配慮や防音対策が必要になります。

畳は比較的柔らかな素材で厚みがあり、防音性が高い特徴を持つ床材です。

一方、フローリングは硬質かつ音の伝導率が高い特徴があるため、遮音性能はあまり期待できません。

近年人気の「無垢材」は、単層フローリングでの遮音性がかなり低いものとされています。

後述しますが、マンションの規定などで採用できないケースもあるので、導入の際は注意や配慮が必要です。

どうしても無垢材を採用したいという場合は、遮音性能を高める下地材を敷かなければならないでしょう。その際は下地を貼るコストが追加でかかってしまいます。

 

クッションフロア材は、クッション性能を追加したことにより「歩くとふわふわする」という違和感を覚える可能性もあるでしょう。

おしゃれな見た目だけを重視して床材を採用すると想像以上に費用が高額になるケースも多いため、床材選びは慎重におこなってください。

3.マンションにお住まいの方は管理規約を必ずチェックする

マンションをリフォームする場合は、和室のリフォームに限らず「管理規約」の確認が必須となります。

階下住民への騒音防止を目的にした「防音基準」は、守らなければならない管理規約のうちの1つです。

マンションの管理規約には、管理組合による「指定遮音等級」が記載されています。

一般的なマンションでは「L-45」以上のフローリング材を使用することが義務付けられているのです。

そのため、畳のリフォームを検討する際には、採用する床材に細心の注意を払う必要があります。一般的な「合板のフローリング材」であれば、基準を満たしているものが多いためほとんど問題はないですが、念のため確認しておくと安心でしょう。

ただし、無垢のフローリング材を採用する場合は、単層フローリングでの防音性能が認められていないため、しっかり対策する必要があります。無垢材に防音対策を施す際には、通常の合板のものよりも工期や費用がかかる点に留意しなければなりません。

和室の洋室へのリフォームをお考えの方はユニテにおまかせください!

ユニテは和室から洋室へのリフォーム実績が豊富なので、さまざまなリフォームに対応可能です。

柔軟な提案力のあるリフォームプランナーが、お客様の要望を可能な限り実現いたします。

 

施工前から施工後のアフターサービスまで、責任を持って担当させていただきますので、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

和室を洋室にリフォームする際には「どんな目的でリフォームしたいのか」を明確にしておくことが重要になります。

見栄えをよくすることを優先すると、どうしても費用がかさんでしまうでしょう。

費用を抑えたいなら、見栄え・機能を分けて考え、必要な工事のみを採用した部分リフォームがおすすめです。

 

また、間取りの調和を意識すること・各設備の性能差を埋めるよう配慮することも大切になります。

和室と洋室の性能の違いをきちんと理解した上でリフォームをおこなえば、満足できる部屋づくりができるはずです。