
和室を洋室にリフォームしたいけど分からない、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間様々な経験から、和室を洋室にリフォームした実例やおしゃれに仕上げるポイントをまとめてみました。
目次

株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
「和室を洋室にリフォームしたらどんな仕上がりになる?実例が知りたい」
「和室を洋室にリフォームするとどのくらい予算が必要なの?」
近年では、使い勝手やデザイン性を高めるために、和室を洋室にリフォームする人が増えてきています。しかし、 古い家屋の和室を一新して、使い勝手のいい洋室にリフォームしたいと考えている人の中には、上記のような疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
また、マンションと一戸建てでは施工のポイントや費用の目安が異なります。そのため、しっかりその違いを把握しておかなければなりません。
そこでこの記事では、ユニテが実際に担当した「和室を洋室にリフォームした例」を紹介しながら、費用相場やリフォームの注意点をわかりやすく解説していきます。さらに、部分リフォームのコツやメリットについても解説しますので、ぜひ自身のリフォーム検討時に役立ててみてください。
【マンション】和室を洋室にリフォームした事例
まずは、ユニテが実際に担当した、マンションの和室を洋室にリフォームした事例からみていきましょう。ユニテでは、リビングと和室を繋げて空間を広げ、開放感を演出するリフォームを得意としております。
ユニテにご依頼くださる施主様の中には、「マンションの和室をうまく活用できず、デッドスペースになっている」というお悩みをお持ちの方が多いです。そのため、「和室をLDKの一部にしたい」「棚などを付けて収納部屋にしたい」というご要望をよく頂きます。
また、マンションの和室を洋室にリフォームするケースでは、以下の施工が人気です。
- 表面のみ無垢材を使用したフローリング
- 襖をアルミの半透明なスクリーンパーテーションに
- 一面のみ壁に色を入れてアクセントにする
6畳和室を広々とした明るいLDKに
築23年のマンションをリフォームした事例です。6畳の和室を含むLDKの全面改装で、部屋の間取り変更を含む和室リノベーションをおこないました。
「年頃の娘の部屋を広くしたい」「部屋のイメージをガラッと一新したい」という2つのご希望に添って、白を基調とした清潔感のある雰囲気で部屋全体を統一しています。
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マンションの和室リフォームで特に多いのが「広いLDKが欲しい」というご要望です。間仕切りをふすまからスクリーンパーテーションに変更することにより、圧迫感を払拭し開放感を演出しています。
使い勝手の悪い二間続きの和室を家事動線の良い洋室へ
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延床面積91.2㎡のマンションをリフォームした事例です。こちらの事例では、「広いLDKが欲しい」「使い勝手の悪い畳をフローリングにしたい」というご要望をいただきました。
6帖の和室が2部屋ある間取りから、家事動線を考慮した広いLDKへのリフォームをご提案しております。家事動線を意識した間取り設計によって、掃除がしやすくいつでも快適で、のびのびとくつろげるような生活空間を演出しました。
和室の欄間を活かして和モダンな洋室に
築40年、延床面積53坪の3階建てマンションをリフォームした事例です。「1階で過ごすことが多いため、1階の設備を充実させたい」というご要望にお答えし、和室2部屋と廊下の一部を1つのLDKにまとめて広々とした空間を作りました。
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キッチンはアイランドキッチンに設備を変更し、より開放感のある雰囲気に。また、水回りにランドリールームを加え、家事動線を意識した間取り変更の提案をおこない、さらに生活しやすい空間にいたしました。
詳しい施工内容については、以下をご覧ください。
「【富山市】既存ランマを生かした和モダンなマンションリノベ」
マンションの和室→洋室リフォームに多い特徴と傾向
ここからは、マンションにおける和室リフォームの特徴や傾向について、より詳しくみていきましょう。
- 表面改修+見た目のアップデートが主流
- 和室をリビング続きにするケースが多い
- 天井や壁の素材変更は軽微な施工が多い
- 防音・遮音対策のため床選びにこだわる
マンションの内装リフォームについては、以下の記事も参考にしてください。
「マンション内装リフォームの事例を紹介!場所別の費用や注意点も解説」
1.表面改修+見た目のアップデートが主流
マンションでは、以下のような構造的な制約が多い特徴があります。
- 床の高さ(遮音規定)
- コンクリート壁(間取り変更不可)
- 共有部分(窓・玄関・配管)をいじれない など
そのため、大がかりな間取り変更などはできません。マンションの和室を洋室にリフォームする際は、「表面改修による見た目の洋室化」が主流になります。
たとえば、畳をフローリングに張り替える、襖や障子を洋風の引き戸やカーテンに変更するなどの施工です。見た目を整えたい場合は、襖の表面のデザインを変更するだけの簡単な工事で済むでしょう。また、内装材を明るめの色に統一し、狭い空間を広々と見せることもできます。
さらに、比較的簡単な工事で済むことから、押し入れのスペースをクローゼットに変更するケースも多いです。工期やコストがかからないメリットがあり、中段を外して上部にポールを取り付け、襖を折れ戸に変更するだけでぐっと使いやすくなります。
ただし、収納場所のレイアウトを変更する場合は、天井や壁の工事が必要です。解体費や工事費用がかさんでしまう点に注意してください。
2.和室をリビング続きにするケースが多い
マンションの和室から洋室へのリフォームでは、限られた住空間をより広く使うために、リビング横の和室をLDKと一体化する施工が人気です。
間仕切りを撤去し、フラットな床に仕上げることにより、開放的で使い勝手の良いLDKに変身します。一方で、来客時には仕切れるよう、引き戸や可動間仕切りを残すケースでは、「開く・閉じる」の柔軟な使い方が可能です。
3.天井や壁の素材変更は軽微な施工が多い
戸建ての和室リフォームでは、柱や天井も含めて規模の大きい施工をすることもありますが、マンションは天井や壁を大きく変更できない制約があります。
そのため、クロスや天井材の張り替えや照明位置の変更、塗装などの軽微な施工で雰囲気を変えるのが一般的です。和室特有の真壁を大壁仕様にしてフラットに仕上げるだけでも、現代的でスタイリッシュな印象になります。
4.防音・遮音対策のため床選びにこだわる
畳は比較的柔らかな素材で厚みがあり、防音性が高い特徴を持つ床材です。一方、フローリングは硬質かつ音の伝導率が高い特徴があるため、遮音性能はあまり期待できません。そのため、畳からフローリングに変更する際には、生活騒音への配慮や防音対策が必要です。
- L-45などの防音フローリング
- 遮音マット+下地調整
マンションでは、下階への音の伝わり方に注意が必要なため、防音性の高いフローリング材や遮音マットを選ぶケースが増えています。遮音等級(L値)を確認して、管理規約に適した床材を選ぶことが大切です。
また近年では、表面にのみ無垢材を施した床材や、踏み心地が柔らかく遮音性にも優れた「フロアタイル」などが人気を集めています。
リフォーム・リノベーションに適した床材については、以下の記事も参考にしてください。
「【事例あり】リノベーションにおすすめの床材|フローリングの種類と費用を比較」
【一戸建て】和室を洋室にリフォームした事例
一戸建てにおける和室⇒洋室へのリフォームは、マンションのリフォームよりも大がかりなものが多い傾向があります。「客間として設置したが来客が少なく、あったとしても年に数回なのでもったいない」というお悩みから、リフォームを希望される方が多いです。
- 和室を普段生活する洋室としてリフォームしたい
- 仏壇の和の存在感が気になるため、扉を洋風にしたい
- ベッドなどの家具を置きたいので、フローリングにしたい
ユニテでは、今後も住み続けることを考慮したバリアフリー目的のリフォームや、築年数経過による改修目的のご依頼を多くいただいております。ここからは、ユニテが施工した戸建ての和室→洋室リフォームについてみていきましょう。
淡い色合いで優しい印象の主寝室に
築30年の日本家屋をリフォームした事例です。「両親と2世代同居できるバリアフリーな住まい」を目指し、8畳2間の和室リフォームをメインにした、住まい全体の間取り変更をおこないました。
この年代の家屋に多い「和室中心の間取り」から、生活しやすさを考慮した「リビングを中心に各部屋へと移動できる間取り」へのリフォームを提案しております。
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「両親のために温かみのあるバリアフリーな部屋にしたい」という施主様のご要望に沿うべく、日当たりが最も良好な客間を「家族団らんのLDK」へと変更いたしました。
さらに、フローリング材には無垢材を採用。無垢材は足触りのいい柔らかな感触と、冬でもひんやりしない断熱効果があり、居心地のいい空間を演出することができます。
全体の雰囲気を木目・ホワイト調でナチュラルにまとめ、木のぬくもり溢れる洗練されたデザインに仕上げました。
詳しい施工内容については、以下をご覧ください。
「【立山町】住みやすさをデザインする 優しさの住まい」
木の風合いと半畳を組み合わせた畳スペースに
ご夫婦と80代のお父様が同居する、築35年の戸建てを全面リフォームいたしました。8畳の和室4部屋と、5.5畳の和室1部屋を含む住まい全体の工事です。「20年先でも安心して暮らせる家」をテーマに、屋根・内外装・水回り・断熱工事までトータルで手掛けています。
リビングbefore
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間取りは5部屋のうち3部屋を和室のまま残し、残り2部屋はLDKとパントリーへと変更いたしました。和室からリビングにリフォームするにあたって、構造上撤去できなかった柱は「見せる収納」として飾り棚に生まれ変わっています。
和室before
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純和室を趣のある和モダンリビングに
築40年以上、延床面積112㎡の戸建てを全面リフォームした事例です。一人暮らしのお母様のお住まいを、娘さん家族が遊びに来やすいようなお家にするため、さまざまな提案をおこないました。
断熱性能が低く、冬は室内でもダウンジャケットが手放せないというお悩みを解決すべく、壁には発泡ウレタン・窓やサッシも断熱性能の高いものへと変更。
メインとなるLDKにも創意工夫を施し、開放感と使い勝手にこだわっています。既存の筋交いをあえて剥き出しにすることで圧迫感を軽減し、足元には収納としても活用できる腰掛けベンチを設置しました。
モダンな琉球畳に黄色のキッチンを配置することで、補色を意識したカラフルで明るいリビング・ダイニングに仕上げています。
詳しい施工内容については、以下をご覧ください。
「【富山市】趣ある和モダンな住まい」
一戸建ての和室→洋室リフォームに多い特徴と傾向
一戸建てにおける和室リフォームの特徴や傾向は以下の通りです。
- 間取り変更を含む本格リフォームが多い
- 老朽化・耐震補強を兼ねたリフォームが多い
- バリアフリーや老後対策が目的のケースも
- 自由度が高いぶん工事規模に幅がある
戸建ての和室から洋室へのリフォームは、マンションよりも自由度が高く、規模が大きい傾向があります。それぞれ詳しくみていきましょう。
1.間取り変更を含む本格リフォームが多い
戸建ての和室リフォームは自由度が高いため、構造から手を入れる施工が多くなる傾向があります。
- 壁を撤去して隣室とつなげる
- 和室を質室や子供部屋へと改装する
- 床下の断熱や柱の補修も一緒に実施 など
詳しい内容については、以下の記事でも解説しています。
「間取り変更リフォームの費用と期間|できること・注意点まとめ」
2.老朽化・耐震補強を兼ねたリフォームが多い
戸建ての和室を洋室にリフォームする際は、デザインと機能性を両立させた施工が主流になります。築年数の古い戸建てだと、以下の施工も同時におこなう傾向です。
- 畳下の劣化した床板の補修
- シロアリ・湿気対策
- 壁の断熱・耐震補強 など
たとえば、築年数が古い家は断熱性が低いため、冬場はかなり寒くなります。そのため、「床暖房を入れる」「断熱材を追加する」などのリフォームもあわせておこない、家の性能を向上させるケースなども多いです。
古い戸建てのリフォーム・リノベーションについては、以下の記事も参考にしてください。
「築50年でリノベーションはできる? 失敗例と費用、知っておきたいことを解説」
3.バリアフリーや老後対策が目的のケースも
戸建てでは、親世代や自分たちの老後を見据えたリフォームが多い傾向です。そのため近年では、戸建ての和室を洋室にする際に安全性や快適性を重視する方もいます。
- 段差解消
- 引き戸への変更
- 手すりの設置 など
4.自由度が高いぶん工事規模に幅がある
戸建ての和室リフォームは、床材・デザインの選択肢が広いのがメリットです。無垢材・クッションフロア・タイルなど好きな床材を選べるため、北欧風・ナチュラル・モダンなど自分の好みのテイストにできます。
ただし、戸建ては個人の裁量が大きいことから、工事規模に幅がある点に注意しなければなりません。たとえば、DIYで床を張り替えるだけなら数万円で済みますが、大工や業者が入るフルリフォームだと100万円前後かかるケースもあります。
「どこまでやるか」が選べるぶん、コストや施工期間などはよく検討して計画することが大切です。
和室を洋室にリフォームする際の費用相場
以下は一般的な和室(6〜8畳程度)を洋室へリフォームした際の費用相場の一覧表です。工期の目安についてもあわせて掲載しているので、ぜひ目安にしてください。
【和室を洋室にリフォームする際の費用相場・工期目安】
| リフォーム内容 | 費用相場 | 工期目安 |
| 和室⇒洋室 (フルリフォーム) |
25~100万円 | 5~10日 |
| 畳⇒フローリング | 9~35万円 | 2~7日 |
| 畳⇒クッションフロア | 8~11万円 | 1~3日 |
| ふすま⇒ドア・パーテーション | 3~22万円 | 1~2日 |
| 押し入れ⇒クローゼット | 8~50万円 (棚調整のみ:2~10万円) |
1~3日 |
| 壁・天井を洋風に変更 | 10~20万円 | 1~3日 |
和室から洋室にリフォームするケースの中心価格帯は「5〜20万円」程度です。フルリフォームをおこなうケースでも、多くの場合は「60万円以内」に収まります。
しかし、間取り変更などの工事が含まれる大がかりなものは高額になる傾向があるため注意してください。
また、押し入れをクローゼットにリフォームする場合も、内容によってコストが変動します。ただクローゼットにするだけなら30万円程度の予算で十分ですが、ウォークインクローゼットにする場合は費用が高額になるでしょう。
床のリフォーム費用を抑えたい場合は、「クッションフロア」材を採用するのも1つの方法です。「フローリングとクッションフロアのどちらが最適なのか」をよく検討してからリフォームするのがいいでしょう。
和室から洋室にするだけじゃない!部分リフォームをご紹介
和室と洋室には、内装に以下の違いがあります。
| 設備 | 和室 | 洋室 |
| 床 | 畳 | フローリング |
| 壁・天井 | 真壁・板の天井 | 大壁・クロス天井 |
| 収納 | 押し入れ | クローゼット |
| 建具 | ふすま・障子 | ドア・カーテンレールの窓 |
和室を洋室に完全にリフォームする際は、上記すべての設備に対しての工事が必要になるため、それなりの費用がかかります。そのため、「予算をそこまでかけられない」という場合は、変更したい設備だけを工事する「部分リフォーム」がおすすめです。
和室から洋室に変更する部分リフォームとしては、以下のような例があります。
- 畳⇒フローリング
- ふすま⇒ドア・パーテーション
- 押し入れ⇒クローゼット
和室特有の設備である「畳・ふすま・押し入れ」は、使い勝手や維持管理の側面から、リフォームを検討している人が特に多いのが特徴です。予算に限りがあるなら、部分リフォームで機能性の向上をはかることをおすすめします。
ここからは、上記3つの部分リフォームについてみていきましょう。
1.畳⇒フローリング
コストカットしつつそれなりに雰囲気も演出したいなら、床材の部分リフォームがおすすめです。畳をフローリングに変更するメリットには以下のようなものがあります。
- 家具が置きやすくなる
- メンテナンスや日々の掃除がしやすくなる
- 部屋の使い道が広がる
床の工事は一番規模が大きいリフォームですが、その分得られるメリットも大きいのが特徴です。畳の問題点としては「家具の跡がつきやすい・傷つきやすい」などが挙げられます。
また、畳は「埃・汚れ・湿気などが溜まりやすい性質」を持っているため、定期的な天日干しなどのメンテナンスが必要な床材です。
それゆえ、重たい家具が安心して置ける・日々の掃除が楽々できる「フローリング」へと変更すれば、部屋の維持管理コストが削減でき、利便性もアップします。ただし、畳とフローリング材は材質の厚みが異なる特徴があるため、設置時は周囲の床や建具との高さ調節が必要になるでしょう。
また、一戸建てとマンションの場合では、リフォーム方法が異なる点に留意する必要があります。
一戸建ての場合
一戸建ての場合は、床材を設置する「下地」からリフォームする必要があります。畳とフローリングには、材質による厚みの差が3~5cmほど生じます。厚みのある畳と比較すると、フローリング材の強度はやや低くなってしまうのです。
一戸建てが在来木造である場合は、単に床材を張り替えるだけでは不十分でしょう。床を支える「床組」を補強しなければなりません。
マンションの場合
コンクリート構造に直接畳が載せられているケースであれば、さほど大がかりな工事にはならないでしょう。ただし、「フローリングは畳よりも防音性が低い」という点に留意しなければなりません。生活騒音への対策として遮音性の高い素材を採用するか、下地処理が必要になります。
2.ふすま⇒ドア・パーテーション
襖や障子などの建具は、「元の状態をどの程度残すか」や「リフォーム後どんなデザインにしたいのか」によって、コストや工事の規模が大きく変動するのが特徴です。
ふすまを洋風なデザインに変更するメリットには、以下のようなものがあります。
- メンテナンスの手間・費用が削減できる(貼り換えなど)
- 部屋の利便性が上がる
- 周囲の部屋との雰囲気を統一できる
ふすまは、小麦を精白したときに出る皮である「ぬか」が主な原材料です。素材の特性上、繊維の隙間に汚れがつきやすく、日焼けなどの劣化もしやすいというデメリットを持っています。
また、古い家屋ではデザインの主張が強いものが多く、隣接する洋室の雰囲気を損なっている可能性もあるでしょう。派手なふすまをシンプルな引き戸に変更するだけで、間取りに統一感を出すことが可能です。
費用については、ふすまを洋風な引き戸に変更するなら、レールを使って戸を引く構造が似ているため金額がかからないように思えるかもしれません。しかし、実際は敷居を撤去しレールに変更するリフォームが必要になるため、意外とコストがかかるケースもあります。
押し入れ⇒クローゼット
押し入れは、本来は布団などの寝具を収納しておくための場所です。とはいえ、ライフスタイルの変化により、布団ではなくベッドを使うようになれば、「押し入れを別の用途に使えないか」と感じるようになるでしょう。
そんな時には、クローゼットに変更する部分リフォームがおすすめです。
押し入れをクローゼットに変更するメリットには、以下のようなものが挙げられます。
- 収納の幅が広がる(使い勝手)
- 出し入れしやすくなる
- カビが生えにくくなる
また、押し入れは、一般的なクローゼットの設計よりも「奥行きが30cmほど深い」という特徴があります。ただクローゼットにするだけでなく、奥行きぶんの空間を上手く活用するよう工夫するのがおすすめです。
ウォークインクローゼットなど収納スペースの中に立ち入ることを検討している場合は、床材の補強が必要になるでしょう。押し入れの床は人が乗る設計になっていないケースが多いためです。
「何をしまうためのリフォームなのか」や「どのように活用したいのか」を明確にし、プランナーと話し合っておくことをおすすめします。
詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。
「押入れをクローゼットにリフォームするには?費用・ポイント・実例を解説」
和室の洋室へのリフォームを失敗しないための注意点
最後に、和室から洋室にリフォームをおこなう際の注意点について解説していきます。
和室のリフォームに失敗しないために、以下の5つの注意点を事前に把握しておきましょう。
- 家全体や他の部屋の内装とのバランスを考える
- 費用を抑えるなら優先順位をつける
- 畳からフローリングに変更する場合は防音性に注意
- 畳をクッションフロアにする際のデメリットに注意
- マンションにお住まいの方は管理規約を必ずチェックする
1室のみのリフォームでは、つい「その部屋の中での限定された美観・利便性」だけを追求してしまう傾向があります。しかしながら、ほかの部屋や間取りなどとのバランスを考慮し、広い視野でリフォーム内容を検討することが大切です。
特に、注意点3〜4はマンションのリフォームにおいて重視すべきポイントになります。詳しくみていきましょう。
1.家全体や他の部屋の内装とのバランスを考える
和室をリフォームする際は、家全体やほかの部屋とのデザイン・雰囲気を統一することも重要です。中でも「隣接する部屋との調和を意識する」ことが失敗しないポイントになります。
たとえば、せっかく和室の床・壁をリフォームして洋風にしても、ドアが和風デザインのままではほかの洋室との間に違和感が出てしまうでしょう。複数の和室を1室だけ洋室に変更するケースでは、和室と洋室のギャップを無くす工夫が必要になります。
境目となるふすまやドアに「和洋どちらにも合うデザイン」を採用するなど調和を意識すると馴染みやすくなるでしょう。可能であれば、リフォームする和室と隣接する部屋との「段差解消」にも着目することをおすすめします。
和室と洋室の間に段差がある・ふすまの敷居につまずくなど、日々のちょっとした不便さを感じている人は、このタイミングで対策しておきましょう。特に床の段差は、畳を剥がしてフローリングにする際に高さ調整ができるため、絶好のタイミングです。
コストは多少余分にかかりますが、老後の生活を考えればやっておいて損はありません。
2.費用を抑えるなら優先順位をつける
コストを抑えてリフォームするなら、施工の優先順位をつけることが大切です。特に建具を変更する場合は、変更する範囲やグレードによってかなり金額に差が出ます。そのため、機能面とインテリア的側面で、それぞれどこまでこだわるかをしっかり検討しましょう。
少ない施工範囲でリフォームするなら、面積が広い床や天井の施工を優先してください。壁・収納・建具などは、予算に合わせたものを選びましょう。
ただし、こまごまとリフォームするよりも、一気にフルリフォームしてしまったほうが割安になるケースもあります。施工業者とよく相談した上でおこなってください。
3.畳からフローリングに変更する場合は防音性に注意
近年人気の「無垢材」は、単層フローリングでの遮音性がかなり低いものとされています。マンションの規定などで採用できないケースもあるので、導入の際は注意や配慮が必要です。
どうしても無垢材を採用したいという場合は、遮音性能を高める下地材を敷かなければならないでしょう。その際は下地を貼るコストが追加でかかってしまいます。
おしゃれな見た目だけを重視して床材を採用すると想像以上に費用が高額になるケースも多いため、床材選びは慎重におこなってください。
詳しい内容については、以下の記事でも解説しています。
「床のリフォームを徹底解説! 材木の選び方と費用を抑える方法」
4.畳をクッションフロアにする際のデメリットに注意
一方、クッションフロア材は、クッション性能を追加したことにより「歩くとふわふわする」という違和感を覚える可能性もあるでしょう。
クッションフロアとは、塩化ビニール樹脂が原料の柔らかい床材のことで、貼り換えの手軽さと耐水性の高さがメリットです。ペットを飼う部屋・子供部屋などのリフォームに最適な床材ですが、「熱に弱い・通気性が悪い・跡がつく」などの欠点があります。
さらには、貼り換えが必要になった時に施工時間がかかるのもデメリットです。また、畳には湿度を調整する機能がありますが、畳の上に直接床材を重ねる場合は、隙間などにカビが発生するリスクがあります。
5.マンションにお住まいの方は管理規約を必ずチェックする
マンションをリフォームする場合は、和室のリフォーに限らず「管理規約」の確認が必須となります。階下住民への騒音防止を目的にした「防音基準」は、守らなければならない管理規約のうちの1つです。
マンションの管理規約には、管理組合による「指定遮音等級」が記載されています。一般的なマンションでは「L-45」以上のフローリング材を使用することが義務付けられているのです。
そのため、畳のリフォームを検討する際には、採用する床材に細心の注意を払う必要があります。一般的な「合板のフローリング材」であれば、基準を満たしているものが多いためほとんど問題はないですが、念のため確認しておくと安心でしょう。
ただし、無垢のフローリング材を採用する場合は、単層フローリングでの防音性能が認められていないため、しっかり対策する必要があります。無垢材に防音対策を施す際には、通常の合板のものよりも工期や費用がかかる点に留意しなければなりません。
和室を洋室にリフォームした例に関する質問
ここからは、「和室を洋室にリフォームした例」に関するよくある質問に、リノベーション業に30年以上携わってきたユニテがお答えしていきます。
- 和室リフォームをおしゃれにするコツはありますか?
- 和室を洋室にリフォームするには何日くらいかかりますか?
- 和室は何年くらい使えますか?
- 自分で和室を洋室にリフォームする方法はありますか?
上記のような疑問を持っている方は、あわせて参考にしてみてくださいね。
和室リフォームをおしゃれにするコツはありますか?
おしゃれな和室リフォームの例と施工のコツは、以下の記事でも紹介しています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。
「和室を洋室にリフォームした実例をもとにおしゃれに仕上げるポイントを解説!」
「かっこいい和モダンリビングの実例3選|理想を叶えるインテリアコーディネートのコツも伝授」
和室を洋室にリフォームするには何日くらいかかりますか?
和室全体を洋室へとフルリフォームする場合は、最低でも2〜3日は必要です。施工内容によっては1ヵ月以上かかることもあります。
たとえば、「畳をフローリングにして天井と壁の張り替え工事をおこなう」程度なら、数日程度で施工することも可能です。一方、間取り変更で壁の撤去などが必要になる場合は、規模の大きいリフォームになるため施工期間も長くなります。
和室は何年くらい使えますか?
畳は、メンテナンスをしっかりおこなっていれば40〜50年は使えます。
ただし、この寿命は定期的な裏返しや日陰干し、こまめな掃除などで適切に扱っていた場合のみです。メンテナンスなしの場合だと、10〜20年程度で痛みが出てきてしまうでしょう。
自分で和室を洋室にリフォームする方法はありますか?
自分で和室を洋室にリフォームする場合、畳の上に床材を敷き詰めるなどの簡単なセルフリフォームであれば不可能ではありません。ただし、先述したように畳には湿度を調整する機能があるため、自力でフローリングにする場合は湿気対策が必要になります。
また、畳の縁やクッション性、凹凸感が仕上がりに影響する場合もあるでしょう。クオリティを考慮するなら、業者に畳を撤去してもらい、新たに下地を作った状態で床材を敷いてもらう方法をおすすめします。
和室の洋室へのリフォームをお考えの方はユニテにおまかせください!
わたしたちユニテは、和室から洋室へのリフォーム・リノベーションに強みをもっている企業です。富山県で30年間、マンション・戸建て含むさまざまなリフォームに対応してきた、確かな実績がございます。
柔軟な提案力のあるリフォームプランナーが在籍しているため、お客様の要望・お悩みに寄り添い、可能な限り実現できるよう尽力いたします。 施工前から施工後のアフターサービスまで、責任を持って担当させていただきますので、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
和室を洋室にリフォームする際には「どんな目的でリフォームしたいのか」を明確にしておくことが重要になります。
見栄えをよくすることを優先すると、どうしても費用がかさんでしまうでしょう。費用を抑えたいなら、見栄え・機能を分けて考え、必要な工事のみを採用した部分リフォームがおすすめです。
また、間取りの調和を意識すること・各設備の性能差を埋めるよう配慮することも大切になります。和室と洋室の性能の違いをきちんと理解した上でリフォームをおこなえば、満足できる部屋づくりができるでしょう。




