「築50年の戸建て住宅って、リノベーションできるの？」

「建て替えかリノベーション、どっちが安いの？」

「リノベーションのときに、耐震性も改善してもらえる？」

など、築50年以上の戸建て住宅のリノベーションについて、不安をお持ちの方も多いでしょう。

結論からお伝えすると、築50年以上の戸建て住宅をリノベーションすることは可能です。

しかし、無計画にリノベーションをすると、住みにくい環境や予想以上の出費に繋がる可能性もあります。

そこで本記事では、築50年以上の戸建て住宅のリノベーションについて、以下の点を解説します。

• 築50年でもリノベーションできる理由
• 築50年のリノベーションの費用相場
• 築50年のリノベーションの失敗例
• 築50年のリノベーションで失敗を避ける方法
• 実際のリノベーション事例
• 築50年の住宅をリノベーションするメリット
• リノベーション費用を抑える方法

安心かつ快適に暮らせるよう、是非参考にしてみてください。

築50年以上が経過している戸建てでは、配管の劣化や耐震性の不安があるかもしれません。

基礎部分が傷んでいる場合や、耐震性が現在の制度に合っていない可能性もあるでしょう。

しかし、リノベーションをする際に、必要に応じて配管の取り替えや耐震補強をしっかりと行うことで、現代の基準に合った安全で快適な住まいに改善できます。

また、建物の構造がしっかりしていれば、基礎部分を活かしつつ間取りの変更や最新設備の導入も可能です。

そのため、築年数が古くても、しっかりと計画的にリノベーションを行うことで、安心して長く住み続けられる環境を整えることができます。

むしろ、老朽化が心配なときこそ、リノベーションをするいい機会かもしれません。

一般的に、築50年の戸建て住宅を建物ごとリノベーションする際は、700～1000万円ほど。

新築に建て替える場合は、解体費用を含めて約2000万～3500万円ほどかかります。

そのため、リノベーションは新築よりお得といえるでしょう。

費用を抑えるために、一部のみリノベーションをすることも可能です。

例えば、水まわり300～500万円ほどで改修できる場合がほとんどです。

老朽化や不便さが気になる箇所や予算を考慮して、リノベーションを行うことがおすすめ。

場所別のリノベーション費用の相場は、以下の通りです。

現在の住宅の改善点を把握しないままリノベーションを行うと、問題が解決されず、見た目だけがきれいでも、内側はもろい家になってしまう可能性があります。

リノベーションは、決して安い買い物ではないはず。

ここでは、以下5つのよくある失敗例を紹介します。

• 断熱性が低く、住み心地が悪いままになる
• 耐震性が低く、倒壊リスクが高いままになる
• 理想の間取りやデザインが叶わないことがある
• 雨漏り・水漏れが発生する
• 追加費用がかかる

築50年の住宅は断熱材が入っていない場合が多いです。

特に現在の自宅で、冬の寒さや夏の暑さなど、不快感がある場合は要注意。

壁・床・天井に断熱材を追加せずに見た目だけを整えると、エアコン効率が悪く光熱費が増加します。

また、ご高齢の方がお住まいの場合は、ヒートショックの危険性もあります。

できるだけ外気に左右されたくない方は、断熱工事を検討しましょう。

築50年の建物は、旧耐震基準（1981年以前）の設計である可能性が高く、震度5以上の地震で倒壊するリスクがあります。

一方、1981年6月以降に義務付けられた「新耐震基準」に沿って建てられた建物は、震度6強〜7クラスの大地震でも倒壊しないことが求められています。

しっかりと耐震性を高め、長く安全に住み続けられる家にするためには、まずは耐震診断を受けること。

この診断で、必要な耐震工事を教えてもらえるので、結果をリノベーション会社に共有してください。

耐震工事を含めたリノベーションをしましょう。

リノベーションでは、現在の自宅の構造などにより希望の間取りが叶わない可能性があります。

特に、建物を支える耐力壁や柱の位置は変更できない場合が多々あります。

そのため、壁を取り外して広々としたリビングを作りたくてもできないといった問題が発生します。

リノベーション会社と相談しながら、できるだけ利便性のいい導線や構造を考えていきましょう。

どうしても理想の間取りにしたい場合は、建て替えがおすすめです。

屋根や外壁、配管の老朽化に気づかずリノベーションを進めると、完成後に雨漏りや水漏れが発生するリスクがあります。

築50年ともなると防水シートや配管の劣化が進行していることが多く、表面的な修繕だけでは不十分です。特に水まわりの移動や新設を行った場合、接続不良などで漏水することも。

リノベーション前にしっかりと劣化している箇所の有無を確認してもらうようにしましょう。

リノベーションでは、解体してはじめてめて判明する劣化やシロアリ被害などの想定外の事態が起こりえます。

これにより、当初の見積もりより費用が増加するケースがあります。

また、工事途中で希望の仕様変更を申し出ると追加費用が発生することもあります。

予算ギリギリで始めると、費用オーバーで妥協せざるを得なくなるため、余裕を持った資金計画が重要です。

築50年のリノベーションを失敗する例は、決して少なくありません。

しかし、事前に対策を知っておけば、後悔を避けることは可能です。

リノベーションをきっかけに快適な暮らしを送れるよう、以下の点を参考にしてください。

• 断熱工事を行う
• 耐震工事を行う
• 理想と妥協点を把握しておく
• 予算の上限を決めておく

断熱リフォームを行うことで、外気に影響されず、冬は暖かく夏は涼しい環境を保てます。

これにより、エアコンの光熱費を防ぐことが可能。

また、冬場は結露防止やヒートショックの予防にもつながります。

具体的な断熱工事は、以下の通りです。

耐震工事を行うことで、地震発生時の建物崩壊のリスクを下げることができます。

まずは耐震診断を受け、壁の配置や基礎の状態、老朽化の程度を確認。

診断結果をもとに、必要な耐震補強を行います。

建物の構造を変える間取り変更を検討している場合は、耐震設計と一体で進めることが大切です。

リノベーションでは、既存構造の制約や予算によって理想がすべて叶うとは限りません。

まずは絶対に譲れない点と妥協してもよい点をリスト化しましょう。

そのうえで、リノベーション会社と相談しながら、実現可能な施工内容を確定させていきます。

事前に優先順位を明確にしておけば、途中での迷いや後悔を減らし、納得のいく住まいづくりが進めやすくなります。

リノベーションでは、途中で追加工事が発生しやすいため、あらかじめ予算の上限を明確にしておくことが重要です。

まずは、見積もり段階で内訳を細かく確認し、実際は記載の金額を超える可能性があることを踏まえておきましょう。見積もりの中に、あってもなくても良い施工が含まれていないか、再度考えることも大切です。

そのうえで、家族でどこまでなら出せるのか上限を決めること。

余裕のある資金計画を行うことで、工事中に見つかった劣化などにも対応しやすくなります。

「築50年の戸建てをリノベーションしても、やっぱり古臭い雰囲気は残ってしまうのでは？」

「どこまできれいな家になるか心配」

など、実際のリノベーション後のイメージが沸かない方も多いでしょう。

ここでは、弊社が手掛けた築50年前後のリノベーション事例を3つ紹介します。

• 【築49年】セカンドライフのための家を叶えた事例
• 【築50年】歴史感じる趣ある外観を維持したり事例
• 【築60年】将来のための空間づくりを行った事例

子育てが一段落したご夫婦が、セカンドライフを充実できるような工夫を施しました。

平屋構造であることを活かし、天井には天窓を設置。

暖かく優しい自然光が入るため、昼間は電気なしで生活することが可能です。

ご高齢でも快適に暮らせるよう、以下の工夫を施しました。

土壁だった外壁を、歴史ある街並みに合った外観に変更。

人通りが多い場所にお住まいのため、ベランダに目隠しを設置してプライバシーを確保しました。

二間続きの和室の仕切りや襖をなくしたため、窓からの風が室内全体に行きわたります。

パーテーションを設置しているため、状況に応じて空間を仕切ることもできます。

ご高齢の方の生活に配慮し、レールは段差のないものを採用。

車いす生活の方やつまずきによる転倒が心配な方も、安心して暮らせます。

将来、車いす生活を送る可能性を踏まえ、バリアフリーの仕様に変更。

廊下やトイレも広々としているため、移動のストレスもありません。

洗面カウンターは、車いすでも使いやすいよう、やや低めに作りました。

また、家主の身長が低いため、台所のシンクやクローゼットもやや低め。

背伸びをしなくても、料理や着替えをしていただける便利な空間を叶えました。

築50年の住宅でも、リノベーションをすることで、清潔感溢れ、かつ住み心地のよい生活空間に変えることができます。

それだけでなく、築50年の住宅のリノベーションだからこそ、叶えられることもあります。

例えば、以下の3点です。

• 今までと同じ場所に住み続けられる
• 老朽化を防げる
• 家本来の風合いを生かせる

現在の自宅をリノベーションすることで、慣れ親しんだ場所でそのまま暮らし続けられます。

長年住んできた地域には、顔なじみのご近所さんや、定期的に通っている病院などがあり、生活の基盤がすでに整っています。

新しい土地への引っ越しでは、近隣環境に慣れるまで時間がかかることもあり、新しいご近所づきあいや病院探しも手間になるでしょう。

特にご高齢の方にとっては、環境の変化を避けつつ、生活の質を向上させることが可能です。

築50年の住宅では、外壁や屋根の劣化、シロアリ被害、配管の腐食、電気配線の老朽化など、目に見えない部分でも様々な問題が進行している可能性があります。

リノベーションを行うことで、これらの老朽部分を一度リセットし、耐久性の高い最新の素材や設備に置き換えることができます。

これにより、長く安全に住み続けるための基盤が整います。

将来の大きな修繕費用を未然に防ぐという意味でも、老朽化対策を含めてリノベーションをしておくと良いでしょう。

築50年の住宅には、新築にはない独特の味わいや雰囲気があります。

例えば、フローリング、柱や梁に使用している木材は、時の経過と共に色を深め、新築には出せない風合いが生まれます。

リノベーションを機に、敢えて柱や梁を露出させた構造にしてもいいでしょう。

リノベーションでは、そうした家の歴史や味わいを残しつつ、ご自身の理想のデザインを取り入れることができます。

ただ新しくするのではなく、今の自宅の雰囲気を活かすことで、住まいに対する愛着もより一層深まります。

リノベーションをしたいけど、どうしても予算が心配という方もいるでしょう。

予算を抑える方法として、以下2つの方法が挙げられます。

• 地元の業者に依頼する
• 減税制度を確認する
• 自治体の補助金の有無を確認する

特に地域に根ざした工務店は、大手のリノベーション会社に比べて施工費用が低く抑えられるケースが多いです。

大手企業では広告宣伝や人件費などの経費が多くかかるため、同じ工事内容でも費用に大きな差が生じることがあります。

一方、地元密着型の工務店は営業や広告にあまりコストをかけていない場合が多く、その分、リノベーション費用が抑えられる可能性があります。

ただし、地元の業者といっても品質や対応力には差があります。信頼できる施工会社を選ぶためにも、費用だけでなく対応や実績の有無も含めて判断するようにしましょう。

リノベーションの際に耐震工事を行った場合、以下2つの減税制度を利用することが可能です。

施工内容によっては、各自治体の補助金制度を活用できます。

対象や具体的な補助金の額は自治体により異なります。

各自治体の窓口、ホームページ、もしくは「一般社団法人住宅リフォーム推進協議会」でご確認ください。

ユニテは、築年数の古い戸建て住宅のリノベーション実績が豊富。

ご高齢の方のセカンドライフを叶える家づくりや、二世帯住宅への改修に多く携わってきました。

築50年のリノベーションは、ただ理想を叶えるだけではなく、耐震性や配管の劣化など、さまざまな部分への配慮が必要です。

是非、古い戸建て住宅のリノベーションを得意とする弊社にご相談ください！

今回は、築50年の戸建て住宅のリノベーションについて、以下の点をお伝えしました。

• 築50年でもリノベーションできる理由
• 築50年のリノベーションの費用相場
• 築50年のリノベーションの失敗例
• 築50年のリノベーションで失敗を避ける方法
• 実際のリノベーション事例
• 築50年の住宅をリノベーションするメリット
• リノベーション費用を抑える方法

築50年の戸建て住宅であっても、リノベーションを機に、快適かつ安全な生活空間を叶えることは可能です。

老朽化を改善しながら理想的な住まいを叶える際の参考にしてみてください。