和モダンリビングにしたいけど分からない、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間様々な経験から、和モダンリビングの実例をお見せつつインテリアコーディネートのコツをまとめてみました。
目次
株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
「リビングに洋風の家具・インテリアが馴染まない」
「和モダンを再現するにはどんなインテリアを選べばいい?」
古き良き和の魅力と洋風・現代風のスタイリッシュな雰囲気が融合した「和モダン」は、近年注目されている人気のリビングコーディネートです。
しかし、相反するテイストを違和感なく馴染ませるのは難しく、うまく再現できず悩んでいる方も多いでしょう。
そこで本記事では当社ユニテが担当した和モダンリビングの実例や、基礎知識・再現するコツについて解説していきます。この記事を読んでいただき、理想の和モダンリビング作りに役立ててくださいね。
【ユニテが提唱する】和モダンリビングの実例3選
和モダンリビングの再現方法は多種多様です。
まずは、ユニテがリフォーム・リノベーションを担当した和モダンリビングの実例を3つ紹介します。
和モダンリビングの雰囲気を知りたい人や、古い家屋のリノベーションを検討している人は、ぜひイメージの確立に役立ててください。
関連記事:【2024年版】気分が上がる!おしゃれなリノベーション事例27選
関連記事:おしゃれなリビングへリノベーション!事例や失敗しない秘訣をご紹介
和モダンリビングの実例1. 背の低いインテリアで雰囲気を調和
はじめに元々あった和室と洋室を、それぞれ和モダンテイストにリフォームした事例のご紹介です。
仕切りとして襖を残すことにより、普段は和モダンな雰囲気の広いリビングとして使い、用途によっては別々の部屋として分離することも可能にしています。
全体的にシックな印象のインテリアで統一し、チェアやテレビボード・サイドテーブルはすべて背の低いものをチョイスしました。和室との生活様式の差をなくすことで、和とモダンの雰囲気をうまく調和させています。
リビングのビフォーアフターを以下の写真で見てみましょう。
フローリングにダークブラウンの無垢材を使用することで、温かみのある雰囲気だけでなく、モダンな印象もプラスされています。
無垢材は時間経過と共に色合いや風合いが深まっていくのを楽しめるため、和モダンな雰囲気を求める人にもピッタリです。
また、以下が和室のビフォー・アフターの写真です。
築40年以上の趣ある雰囲気を活かしたリノベーションで、ダメージのある古い畳は新調していますが、障子と照明はそのまま残しています。
奥のリビングチェアには、座卓と同じくらいの高さのものをチョイスし増田。上図のように和室側から見ると、分かりやすいのではないでしょうか。
さらに、座卓のデザインを現代風にすることで、襖を開けて部屋を使った時も雰囲気が調和するよう配慮しています。
和モダンリビングの実例2. 和と洋を調和させて開放感のあるリビングダイニングを実現
次の事例は「LIXILプランニングコンテスト」で最優秀賞を受賞した和モダンリビング・ダイニングです。
「2世帯で暮らせるワンルームのLDK」をテーマに、築50年の戸建てのリフォームにより和室のあるモダンな暮らしを実現させました。
和室とダイニングを調和させるため、仕切りとして棚やコの字型キッチンで緩やかに区切り、キッチンを中央に配置しています。
棚やコの字型キッチンで緩やかに区切ることで、開放感のあるくつろぎ空間となっているのです。
和室は仕切りをすべて無くす代わりに建具などを極力残し、壁や床・天井のテイストを和風に統一して空間を演出しました。
またダイニングには暖色系の照明を採用し、日本の伝統色に近いテイストのファブリックを差し色にするなどの工夫をしています。
蔵へ続く廊下は、太陽の光・木の温もりなどの自然を感じながら、ゆったり過ごせる暮らしを提案させていただき、開放感のあるウッドデッキにリノベーションしました。
ダイニング後方の掃き出し窓から、自由に出入りできるようになっています。
以下の写真は、施工前の様子です。
窓が小さく採光が不十分なため、どことなく暗い雰囲気があります。
また廊下へつながるドアには段差があり、2世帯で住むには少々不便かもしれません。
バリアフリー目的で古い家屋のリフォーム・リノベーションをおこなうケースにも、和モダンテイストをおすすめします。和モダンテイストなら、古民家の良さを残しつつモダンで快適な暮らしを実現できるでしょう。
詳しいリノベーション内容については、当社がLIXILプランニングコンテストにて最優秀賞受賞を受賞した「ウッドデッキのある和モダンの家」紹介ページをご覧ください。
和モダンリビングの実例3. 和室からモダン寄りの和モダンリビングへ
最後にご紹介するのは、築32年の戸建てをリフォームした事例です。
お客様は2世帯で住むことを考慮して「リビングを中心に各部屋へ行けるような間取り」をご要望でした。
間取り変更と併せて、和室中心の部屋から生活のしやすいリビングダイニングへとリフォームしています。
「バリアフリーで温かい印象」にしながら、和の雰囲気も残しつつ全体的にモダン寄りのテイストに統一しました。
床・ドア・キッチンなどの内装と、ダイニング・ローテーブルなどの素材・配色を統一しているのが特徴です。ファブリックをグレーでまとめ、落ち着いた雰囲気を演出しています。
また障子や格子戸などを連想させる建具を目隠しに使い、ソファーやローテーブルで日本古来の「低座の暮らし」を再現。洋風リビングに和のテイストを織り込みました。
上図は、リフォーム前のビフォーの状態です。和室特有の建具が視線を下げているため少し狭く感じますよね。
アフターで建具を撤去し、仕切りとなる壁をなくしたことで、開放感も演出できるようになります。
本事例の詳しいリノベーション内容は、以下の記事をこちらをご覧ください。
【似ているようで違う!】和モダンテイストと和風テイストの違い
和モダンと和風は、どちらも日本らしさが感じられるテイストのリビングとして人気ですが、具体的は以下の特徴があります。
和風リビング | 和モダンリビング |
日本の伝統的なインテリア様式を現代の内装へ、そのまま採用したもの | 和と現代のインテリア様式をミックスしたもの(和風+モダン) |
和風リビングでは、主に畳や襖・障子・和家具など伝統的な日本の内装・インテリアをそのまま採用しています。
一方の和モダンリビングでは、現代的な要素と和風の要素をリビング内に融合させています。
和風の内装にマッチする洋風のインテリアを採用したり、洋風リビングに和家具などの和風インテリアを採用したりするなど、多種多様な再現方法で施工されているのが特徴です。
かっこいい和モダンリビングをつくるためのポイント6つ
和モダンリビングを採用するにあたって大切なのは「和と洋のバランスを考慮すること」です。以下6つのポイントを踏まえて、和モダンリビングを検討する必要があります。
- 部屋づくりのコンセプトを決める
- 自然素材で「和」を演出する
- 季節や趣を感じる「和」の配色にこだわる
- 和と洋を調和させる「低座の暮らし」を意識する
- 日本家屋や伝統工芸品の良さを活かす
- インテリアのデザインやシルエットに気を付ける
詳しく見てみましょう。
1.部屋づくりのコンセプトを決める
和モダンリビングに限らず、部屋をリノベーションしたりリフォームしたりする際は「コンセプト決め」がとても重要です。
特に「和モダン」のほかにも先述の「和風テイスト」など、さまざまな種類があります。そのため、リビング内に色々なテイストが混ざってしまうと、いざ仕上がったときに微妙な仕上がりになってしまうでしょう。
微妙な仕上がりにならないためにも、リビングのコンセプト決めの際は、以下の3点に着目することをおすすめします。
- どんなテイストが好みか
- リビングでどんなことするのか
- 誰がリビングを使うのか
コンセプト決めの際には理想のイメージを固めるだけでなく、実用性のあるリビングにすることが大切です。
上記の3点は特に家族で話し合い、具体的になるまで洗い出しておきましょう。
インテリア選びに迷った際には、以下の表を参考に好きなテイストを意識するとうまくいきやすいです。
【和モダンリビングをつくるためのコンセプトの考え方一覧】
レトロ風にしたい (大正ロマン・古民家風) |
明るいリビングにしたい (和風カフェ風) |
高級感を出したい (リゾート風) |
|
和モダン比 | 和風寄り | モダン寄り | 和風寄り(旅館風) モダン寄り(リゾートホテル風) |
家具選びのポイント | こげ茶色・黒塗装の家具で統一 | 北欧家具など (白樺・無垢材) |
低座の暮らしをリゾート風に再現 |
雰囲気 | シックで洗練された雰囲気 | 柔らかく優しい雰囲気 | 開放感・高級感 |
コンセプト別コーディネートの例【写真あり】
実際に当社ユニテで実施した和モダンリビングの事例について、以下のコンセプト別にご紹介します。
【コンセプト別施工事例】
- レトロ風にしたい(大正ロマン・古民家風)
- 明るいリビングにしたい(和風カフェ風)
- 高級感を出したい(リゾート風)
1. レトロ風にしたい(大正ロマン・古民家風)
たとえば古民家をリノベーションする場合は「レトロ風な和モダンリビング」にするのがおすすめです。
落ち着いた大人の雰囲気が再現できるので、老後もゆったりくつろげる素敵な空間になるでしょう。
2. 明るいリビングにしたい(和風カフェ風)
さらに、女性や小さいお子さまがいるご家庭には、北欧テイストと和風テイストをミックスさせた和モダンリビングが適しています。
北欧家具の丸みや明るい色合いが気分を明るくしてくれ、家族団らんにピッタリです。
3. 高級感を出したい(リゾート風)
一方で、近年のトレンドスタイルとして、リゾート風の和モダンリビングも登場しています。
ローソファーやローテーブル・パーテーションなど、後述する「低座の暮らし」を意識した和風のテイストで空間に開放感を持たせながら、リゾートテイストをプラスして高級感を演出するのが特徴です。
ビビッドカラーや観葉植物、柄物などをファブリックに採用し、色彩でも高級感・リゾート感を演出しなければならないため、再現する難易度は高めかもしれません。
気になる方は、施工会社との打ち合わせをスムーズにするためにも、イメージに合う写真や雑誌などをあらかじめ用意すると安心です。
2.自然素材で「和」を演出する
和と洋を心地よく融合させるためには、自然由来の素材にこだわるとうまくいく傾向があります。
特にモダンテイストに和のテイストを入れるときは、意識的におこなうようにしましょう。
和モダンリビングに適している内装材は以下の通りです。
- 木材
- い草(畳を連想)
- 和紙(障子を連想)
- 土や草からできている壁(漆喰・珪藻土)
日本古来の和室は「日本の風土」を意識して作られており、内装材のほとんどが自然由来のものです。
インテリアや内装の素材を、和室に使われているものと共通させることで、違和感なく調和させやすくなります。
漆喰や珪藻土は、内装全体でなくアクセントとして取り入れるのもおすすめです。調湿効果が高い素材なので、リビングを快適にしてくれる効果もあります。
また家具を選ぶ場合は、下記の素材に注目してみましょう。
リビングのメイン家具であるソファやダイニングテーブル・チェアなどは、モダンな雰囲気の強いインテリアです。
西洋家具に和のテイストを入れることで、より理想の和モダンリビングに近づきやすくなりますので、上記の素材を意識することをおすすめします。
反対に、座卓や座椅子などの和家具を洋風のリビングと調和させる場合は、モダンを意識した素材を選ぶようにするとバランスよくまとまりやすいです。
【モダンを意識した素材】
- ガラス
- 金属(鉄・銅)
- 大理石
- レザー
ただし、あまりにもモダンすぎるデザインを調和させるのは難しいといえます。
たとえば「木材とガラスを組み合わせたデザインの机」や「ラタンと金属でできている座椅子」などをチョイスすると、和風テイストと馴染みやすくなりやすいですよ。
3.季節や趣きを感じる「和」の配色にこだわる
先述のとおり、自然素材をメインに作られているのが和室の特徴です。
そのため、和モダンリビングを再現する際は「明度の低い落ち着いた色味」をチョイスすると違和感なく鮮やかさが出せます。
ベースカラーやメインカラーには、和室をなじむ「明度の低い落ち着いた色味」である「アースカラー」を配色するとまとまりやすくなります。
- 茶系
- ベージュ系
- 緑系
- 白黒
- グレー
上記のアースカラーは、畳や漆喰・竹・和紙・石などを連想させるカラーリングですので、和とモダンを調和させるのに最適です。
さらにアクセントカラーには日本の伝統色を追加すると、和の雰囲気が出やすくなります。日本には古くから「四季の移ろいを色彩で楽しむ」という文化があります。
歴史資料を参考に、日本独自の色彩感覚に基づいた色を現代の色料で再現したものが以下のような「日本の伝統色」と呼ばれるカラーリングです。
日本の伝統色には、日本古来の植物や動物・食べ物・景色などの名前がついています。現在は300色ほど登録されているため、参考にしたい場合はこちらの『和色大辞典』をチェックしてみてください。
また 「明度の低い落ち着いた色味」以外にも、煌びやかで雅な雰囲気を演出したい場合は「金・銀」もアクセントにするのもおすすめです。
4.和と洋を調和させる「低座の暮らし」を意識する
インテリアや内装を決める際に「目線を低くする工夫」をすると、洋風のインテリアでも和の雰囲気を演出でき、より和と洋が調和しやすくなります。
日本の生活様式は目線の低い「低座の暮らし」です。メインの床材が畳なので、ちゃぶ台や座椅子・敷き布団など、床に座ってくつろぐのが基本のスタイルでした。
現代で親しまれているソファやダイニングテーブル・ベッドなどは、一般的に洋式特有のものです。しかし、モダンなインテリアに目線を自然と低くできるロースタイルのものをチョイスすることにより、洋風リビングにも和の暮らしに欠かせない「低座の暮らし」を再現できます。
5.日本家屋や伝統工芸品の良さを活かす
現代風にアレンジした和モダンリビングを目指す人は、日本家屋や伝統工芸でつくられた家具・建具を有効活用することもおすすめです。
和の趣が残る昔ながらの日本家屋をリノベーションする場合は建物の状態にもよりますが、既存の玄関口や梁などの雰囲気を活かしながら、モダンな雰囲気にすることもできます。
また和室スペースに琉球畳や江戸切子の照明、漆で染色した木曽の手すき和紙といった伝統工芸品を採用したり、自宅に古くからあるような建具を中心とした空間作りをしたりするなども場合によっては可能です。
既存の日本家屋のよさを活用した事例は「【富山市】趣ある和モダンな住まい」でもご覧いただけます。
6.インテリアのデザインやシルエットに気を付ける
和モダンリビングの再現には、和と洋がうまく融合するようなインテリア選びも欠かせません。リビングの空間だけでなく、以下のことにも配慮したインテリアをチョイスしましょう。
【和モダンリビングに適したインテリア】
- ロースタイル
- 直線的なデザイン(格子・縦縞・平行など)
- 細めのシルエット
- 左右非対称(配置)
和室には「直線的なデザインのものが多い」という特徴があります。格子や畳・障子などは細い線と四角形で構成されているので、意識して取り入れるとよいでしょう。
テイストを壊さないためにも、太いデザインや丸いデザインはアクセントとして取り入れる程度に留めることをおすすめします。
さらに「空間の余白で趣を演出する」というのも「和」ならではの特徴です。左右非対称で空間にゆらぎを与えるデザインや配置を採用すると、和の風情が出せます。
なお家具の形状やフォルムには特に決まりはありませんが、曲線を意識しすぎてしてしまうと北欧的な雰囲気が出てしまう可能性があるため、注意が必要です。
和モダンリビングに欠かせない!こだわりたい5つのインテリア
和モダンリビングを再現する際は、以下のインテリアにこだわると再現率が高まるため、おすすめめです。
詳しく解説します。
1. 照明
和モダンリビングには、以下の照明がおすすめです。
- 間接照明
- 和紙・竹・木・絹で作られている照明
- 暖色系の灯り(裸電球・オレンジ系の電球)
リビング内の雰囲気にこだわりたいなら「間接照明」をチョイスしてみましょう。
間接照明は光を天井や壁に当てて反射させ、反射光で空間を優しく照らす照明です。ぼんやりした柔らかい光は、粋で垢ぬけた雰囲気を演出できます。
ただし直接照明よりは明るさに劣るため、間接照明は細かい作業をするのには不向きです。
リビングを仕事や勉強で使うのであれば、昼夜で照明を使い分けるなどの配慮が欠かせません。
またペンダントライトで和モダンのテイストを出す方法もあります。和紙や竹などで作られた照明は北欧でもよく使われるデザインのため、馴染みやすいといえます。
暖色の柔らかい照明は「灯篭」や「提灯」などといったロウソクの灯りを連想させます。和とモダンの調和に一役買ってくれるでしょう。
リビングをどのように使うのかよく考えたうえで、適切な証明を選ぶようにすると、失敗を減らせるでしょう。
2. ラグ・床材
洋室で和室の雰囲気を簡単に再現するなら「い草ラグ」を敷くのがおすすめです。ローテーブルにい草ラグを合わせるだけで和のテイストが演出できます。
また通常の畳よりも、スタイリッシュな「琉球畳」も存在します。
琉球畳とは、い草ではなく「七島イ(しつとうい)」という草を使用した畳で、現在は「縁のない半畳サイズの畳」の総称です。正方形に近い形なのでデザイン性が高く、モダンな雰囲気を作りやすい特徴があります。
2色の琉球畳を交互に配置することにより、カーペットや市松模様のようなスタイリッシュなデザインが作れるので、モダン寄りの和風にしたいという場合におすすめです。
3. カーテン
和モダンリビングを上品に仕上げるためには、カーテン選びも重要です。
特にリビングは窓が大きい傾向になるためカーテンの占める面積が大きくなりやすく、雰囲気にマッチしたデザインをチョイスしなければ、カーテンを閉めた際に違和感が出てしまうかもしれません。
なお和モダンリビングにマッチするカーテンのカラーは、以下の通りです。
- ナチュラルカラー(ベージュ・ブラウン・淡いグリーン)
- 無地または派手過ぎない柄
- 横開きではなく上下開閉のものを採用(シェード・ロール式)
内装から変更するケースなら、カーテンではなく障子を導入するのもおすすめです。障子はカーテンよりも優れた採光力を持っており、直射日光ではなく柔らかな日差しが差し込むメリットがあります。
プライバシーを確保しながら部屋のトーンを明るくしたい、くつろげる空間作りがしたいという場合は、障子を導入してみましょう。
4. 壁のデザインと装飾
和モダンリビングを再現する際は、壁の装飾にもこだわりましょう。壁紙は空間を占める面積が広いため、選ぶ絵柄で部屋全体のイメージをガラッと変えられる特徴があります。
- 和テイストの壁紙(和紙)
- 和風モチーフのアクセントクロス(竹・梅・桜など)
- 和風・伝統色のアートパネル
- 壁掛け式の花器
モチーフを入れる場合は、壁紙全体にしてしまうと賑やかになってしまうため注意が必要です。アクセントクロスで、部分的に取り入れる程度がよいでしょう。
また壁に手を加えずに和モダンを再現したい場合は、インテリアにこだわるのもおすすめです。
たとえば、アートパネルには、日本の自然を連想させるようなものを採用しましょう。渓流や紅葉・川沿いの桜など、自然そのものを描いたものならより和のテイストが強くなります。
モダンと調和させる場合は、伝統色をつかったモダンアートを採用するのもおすすめです。
モチーフが描かれていない無機質なアートでも、えんじと芥子色の2色で構成されていれば、自然と紅葉が連想されるでしょう。
さらに、壁掛け式の花器を飾る方法なら、花を飾ることで季節感も演出が可能です。デザイン性が高いものを採用すれば、花器自体がインテリアになります。
造花や枯枝などを飾っても十分雰囲気が出せるので、手入れが苦手な人でも導入しやすい点がメリットです。
6. 観葉植物
インテリアのテーマ性を強調するなら、観葉植物にこだわるのもおすすめです。
和モダンリビングに適した観葉植物は以下の通りです。
- 直線的なフォルム(ユッカ・トクサ・パキラ・ガジュマル)
- 葉っぱが小ぶりなもの(シュロチク・リュウビンタイ・ザミア)
- ゆらぎが感じられるもの(マツ・ラセンイ・ツピダンサス)
品よく凛とした雰囲気が出るものを選ぶと、和の雰囲気にもマッチしやすくなります。また、ほかのインテリアとのバランスも考えて、サイズ感なども考慮しながら選びましょう。
【建物別】和モダンリビングリフォームのコツと注意点
最後に、和モダンリビングを再現する際のコツや注意点について解説します。
これから新築を建てる人や、リノベーション・リフォームを検討している人なら、内装から和モダンリビングを再現することも可能です。
戸建て・マンションそれぞれで気を付けるべきポイントと、よくある失敗例もあわせて紹介しますので、実際の和モダンリビング作りに役立ててくださいね。
戸建て
戸建ての場合は、古い家屋をリフォーム・リノベーションして現代風にするケースが多い傾向が多くあります。
また和室と洋室の仕切りを撤去するリノベーションの場合は、空間に境目ができないよう馴染ませることを意識すると見栄えがよくなります。別々の部屋ではなく、一繋ぎの大きなリビングとして空間をコーディネートしましょう。
昔ながらの和室を和モダンにしたい場合
「古民家に住みたいけど現代風の暮らしも捨てがたい」という人にも、和モダンテイストは適しています。
ただし、昔ながらの和室を和モダンテイストにしたい場合は、ひと工夫が必要です。リフォームで実現できる場合は、今回ご紹介した内容を参考に、面積の広い床や壁・天井などの内装にこだわってみましょう。クロスをすべて張り替えるだけでも、和モダンな雰囲気を作りやすくなります。
壁紙の施工が難しければ、部分リフォームやインテリアで和モダンテイストを作りましょう。無理にモダンの要素を入れようとすると失敗するので、和を基調としたコーディネートがおすすめです。
一部をリフォームしたい場合
障子や押し入れ・襖・床の間などの一部分をリフォームする場合は、テイストを中和するようなデザインを選ぶと馴染みやすくなります。たとえば、障子を和紙ではなくプラスチック障子紙でステンドグラス風にするなどの工夫をしてみてください。
インテリアのみで再現したい場合
インテリアだけで再現する場合は、和のテイストに北欧風のテイストを混ぜると調和しやすい傾向があります。モダンな幾何学柄のラグを敷くなどの工夫をするといいでしょう。
マンション
マンションは、現代の暮らしに合わせた内装が多いため、モダンを基調にしたコーディネートにするとまとまりやすくなります。
和のテイストはインテリアでプラスする程度に留めるのが最適です。
フローリングのマンションで簡単に和モダンを取り入れたいのであれば、置き畳を利用するのがおすすめです。
置き畳は、必要に応じて撤去できるため、模様替えや引っ越しも楽々できるメリットがあります。
先述した「い草ラグ」や、竹・藤製のラグなども、置くだけで雰囲気が出る便利なアイテムです。
また、マンションの場合は部屋が狭い印象にならないよう、奥行きや空間を意識したコーディネートを心掛けましょう。インテリア全体のデザインを低くする「低座の暮らし」を意識すれば、和モダンテイストだけでなく空間のゆとりも演出できます。
和モダンリビングへのリフォームでよくある失敗例
和モダンリビングを再現する時のよくある失敗パターンは以下の通りです。
- 色や柄を使いすぎて印象がぼやけてしまった
- 和モダンではなくアジアンテイストになってしまった
- スタイリッシュにしたくて無機質なものをメインにしてしまった
詳しく見てみましょう。
1.色や柄を使いすぎてぼやけてしまった
どんなコーディネートにおいても「色や柄を使い過ぎない」ことが大切です。
多くの色や柄を組み合わせるテクニックは、色彩の知識やセンスがないと派手でごちゃごちゃした印象になってしまいます。
配色で失敗しないためにも、メインの色数を3色以内に収めることを意識してみましょう。
なおインテリアコーディネートの黄金比は以下の通りです。
インテリアカラーにおける黄金比 |
ベース(天井・壁・床):メイン(メイン家具):アクセント(小物)=7:2:1 |
2.アジアンテイストになってしまった
インテリアを選ぶ際は、日本固有の樹種かどうかもチェックしましょう。チーク・マホガニーなどの赤茶系・ウォールナットなどの濃茶系は、和風ではなくアジアンテイスト感が強く出てしまうため、理想通りのリビングづくりができない可能性があります。
和モダンリビングには、白・黄色みががった薄茶系の樹木(ヒノキ・パイン・オーク・ビーチなど)がおすすめです。
3.スタイリッシュを目指したが無機質になってしまった
スタイリッシュでかっこよくしたいからといって、無機質なものを取り入れすぎると和モダンのイメージと離れていってしまうので、注意しましょう。
和家具やレトロ家具を連想させる黒の塗装が施されているインテリアがおすすめです。
またレンガ調や打ちっぱなしコンクリートなどは、スタイリッシュ・インダストリアルなスタイルに適している素材ですので、自然素材メインの和のイメージとは対極のものになります。
ただし、打ちっ放しコンクリートなどは内装が変更できないケースもあるでしょう。その場合は、温もりが感じられるようなインテリアをチョイスすると効果的です。
ナチュラルな色合いの木材・ファブリックメインの家具を多く配置し、暖色系の柔らかな照明を採用してくださいね。
和モダンリビングのリフォームは実績豊富なユニテにおまかせください
ユニテは和モダンリビングの実績が豊富なので、様々なリフォーム・リノベーションに対応可能です。
柔軟な提案力のあるリフォームプランナーが、お客様の要望を可能な限り実現いたします。
施工前から施工後のアフターサービスまで、責任を持って担当させていただきますので、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
和モダンリビングでは、色や材質・照明で和のテイストや温もり感を演出すれば、モダンな洋室と和の自然な調和を演出できます。
理想の和モダンリビングを実現するためには「どんなテイストの和モダンリビングにしたいのか」というイメージを固めておくことが大切です。
「デザインやコーディネートの知識がない」または「理想通りの和モダンリビングを自分で再現できるか不安」という場合は、専門家へ相談してみましょう。
リビングの内装から和モダンリビングを再現できるための最適解を提示してくれるため、細かい部分まで理想通りに仕上がります。
今回の記事を参考に、自身に合った和モダンリビングのリフォーム・リノベーションを検討してみましょう。