一戸建てリノベーションをしたいけど分からない、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間様々な経験から、一戸建てリノベーションの費用相場や事例紹介をまとめてみました。
目次
株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
「予算1,000万円以内で一戸建てのリノベーションがしたい!」
「一戸建てに住んでいるけど、リノベーション費用1,000万円に収めるにはどうしたらいいの?」
このようにお考えの方はいらっしゃいませんか?
予算1000万円以内で一戸建てのリノベーションを行うには、ある程度の ”制限” が発生します。それを念頭に置いていないと、結果的に大幅に予算を超えてしまったり納得のいかない仕上がりになってしまったりすることがあるのです。
そのような状況にならないために、本記事では以下の内容をご紹介します。
- 1,000万円でできるリノベーション工事の紹介
- 予算1000万円以内の一戸建てリノベーション事例
- 場所別に見るそれぞれの費用相場
- 一戸建てリノベーションの費用を1000万円以内に抑えるコツ
この記事を読んで、予算1000万円で実現する工事内容を把握して、一戸建てリノベーションを成功させましょう!
予算1000万円でどこまでリノベーションできる?
意外かもしれませんが、予算1,000万円は一戸建てリノベーション費用として少ないほうだといえます。
そのため、リノベーション予算を1,000万円で検討している場合は、できる工事とできない工事をあらかじめ把握しておかなければなりません。
一戸建てのリノベーションの予算が1,000万円の場合における施工できる範囲については、以下の表を参考にしてください。
【予算1,000万円でリノベーション工事ができる範囲】
予算1,000万円でできる工事 | 予算1,000万円だとできない工事 |
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それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
【できる】内装のみのスケルトンリフォーム
一戸建ての内装のみを施工するスケルトンリフォームは、おおよそ建坪25坪(82.5平方メートル)までなら、予算が1,000万円でも内装のみ新築同然にできます。
「スケルトンリフォーム」とは、外壁や窓には触らず建物の躯体を残して内装・外装を解体し、再構築するリフォーム方法です。
そのためキッチンやお風呂などの水回り設備の交換や間取り変更、床や壁などの貼り替えが実現できます。
骨組み以外の設備を1から作り直せるので、建て替えたり住み替えたりしなくても、新築同然の家に住めるというメリットがあります。
ただし間取り変更もおこなう場合、窓の位置や大きさを大幅に変えられないため、リノベーションの自由度が下がる傾向です。
【できる】一定の条件下にある一戸建て住宅
以下のような、ある一定の条件下にある一戸建て住宅も、予算1,000万円でリノベーションを実現できる可能性があります。
【”一定の条件下”の例】
- 家の立地環境が良い
- 元々いい建材を使っている
- 家の使い方がキレイ
- 使用頻度の低い部屋がある
- 施工面積が狭い
たとえば海沿いに一戸建てがある場合は潮風で外壁が傷みやすく、外壁工事も必要になるかもしれません。
また一戸建て住宅に元々使用されている建材や住んでいる人の家の使い方も、予算の変動に関係します。
当社ユニテのお客様の中には
「あまり使っていない部屋はまだキレイなので、今回触らなくていいです」
とリクエストされる方もいるため、使用頻度の低い部屋はリノベーションをしなくてもいいと考える方もいるでしょう。
一戸建てにかかるリノベーション工事の費用は築年数にかかわらず、施工面積で変動する傾向にあります。
見積もりを取り寄せる段階で、可能な限り自宅の状態を一度見てもらうと、より正確な費用の算出が期待できます。
【できない】外装も含めて新築同然に作り直すリノベーション
内装だけでなく外装も新築同然に作り変えたい場合は、同じスケルトンリフォームでも解体作業が原則手作業となります。
一戸建ての躯体を傷つけないための手段を取ることから時間もコストもかかるため、最低でも予算1,500万円は必要になる傾向です。 したがって予算1,000万円では足りなくなる恐れがあります。
内外装のスケルトンリフォームでは、一戸建て住宅が以下の状態にある際に選ばれる傾向です。
【内外装のスケルトンリフォームになる傾向にある一戸建て住宅の例】
- 外壁の老朽化による深刻な雨漏りを改善したい
- 躯体の腐食が進んでいる建物の改修したい
- 大規模な間取り変更が必要(完全分離型の二世帯住宅など)
- 再建築できない土地・物件に住んでいる(セットバックため)
【できない】築年数40年以上の一戸建て
築40年以上の一戸建て全体の寿命を十分に延ばすためには、おおよそ1,500万円以上の予算組みが必要です。
古い一戸建ては屋根や外壁などの外装の劣化だけでなく、躯体部分にもダメージが出ている可能性があります。
そのため、内装のみのスケルトンリフォームだけでは不十分です。
予算を1,000万円に収めたいからといって、妥協して内装のみスケルトンリフォームをおこなうと、リノベーション後に住み続けた結果、雨漏りや耐震性の問題などが発生することも想定できます。
追加資金も準備したうえで、長く住めるように徹底したリノベーションの計画がおすすめです。
築40年以上の一戸建てリノベーションについて詳しく知りたい方は別記事『【実例紹介】築40年の家でもリノベーションできる!見た目と機能性を一新するコツ』も併せてご覧ください。
また古い一戸建てのリノベーションで予算1,500万円以上かかることになった際、人によっては建て替えを検討することもあるでしょう。
別記事『費用1500万円で家を建て替える!予算内訳や節約のコツをご紹介』では、予算1,500万円での建て替え工事について詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
予算1000万円以内の一戸建てリノベーション事例
ここでは、実際に当社ユニテが行わせていただいた予算1,000万円以内の一戸建てのリノベーション施工事例について詳しくご紹介します。
【予算1,000万円以内の一戸建てリノベーション事例】
- 780万円
- 850万円
- 960万円
それぞれについて費用を抑えた施工ポイントもご紹介していますので、予算1,000万円以内でリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 780万で行った一戸建てリノベーション
築年数 | 30年以上 |
間取り | 5LDK(変更なし) |
【費用を抑えたポイント】
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リビング
キッチン
浴室
洗面脱衣室
寝室
2. 850万円で行った一戸建てリノベーション事例
築年数 | 38年 |
間取り(施工前) |
6DK |
間取り(施工後) | 3LDK |
【費用を抑えたポイント】
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LDK
リビング
キッチン
階段
収納部屋
3. 960万円で行った一戸建てリノベーション事例
間取り(施工前) | 3部屋+撮影スタジオ |
間取り(施工後) | 3LDK |
【費用を抑えたポイント】
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LDK
収納スペース
タンスの再利用
場所別に見る!一戸建てリノベーションの費用相場
前章でご紹介した事例では、一部の場所に限定したリノベーションもありました。
一戸建てにかかるトイレやキッチンといった場所別の費用相場は、以下のとおりです。
施工内容 | 費用 |
洋式トイレへの変更 | 20~50万円 |
キッチン取替 | 50~150万円 |
浴室全面リフォーム | 50~150万円 |
洗面脱衣室全面リフォーム | 15~150万円 |
床の張り替え(/6畳) | 10万円~ |
壁紙貼り替え(/6畳) | 3万円~ |
天井補修(/6畳) | 3万円~ |
照明器具の付け替え(/箇所) | 5000円~ |
ドアの付け替え(/箇所) | 6万円~ |
外壁塗装 | 50~180万円 |
外壁重ね塗り | 100〜200万円 |
外壁貼り替え | 130〜230万円 |
耐震工事 | 120~300万円 |
屋根塗装 | 30〜80万円 |
屋根重ね葺き | 60〜250万円 |
屋根葺き替え | 60〜300万円 |
シロアリ対策 | 27万円ほど/100平方メートル |
増築 | 70〜500万円 |
減築 | 500〜2,700万円 |
予算の関係で希望するリノベーションは難しいという方は、部分的な工事も、ぜひ検討してみてください!
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一戸建てリノベーションの費用を1000万円以内にするコツ
一戸建てリノベーションの費用を1000万円に抑えるコツは以下の6つです。
- 施工範囲を絞る
- 間取り変更を行わない
- 既存のものを活用する
- 設備や素材のグレードを見直す
- 複数の業者に見積もりを依頼する
- 補助金制度・減税制度を利用する
- リフォームローンを利用する
それぞれの内容について詳しく解説していきます。
1. 施工範囲を絞る
リノベーション費用を抑えるために、施工範囲を絞ることを考えましょう。
一般的にリノベーション費用は施工範囲に比例するため、施工面積を絞ることで費用も少なくなるためです。
費用を抑えたい場合は施工範囲を絞ることを優先的に考え、必要最低限のリノベーションにしましょう。
以下は範囲を絞り、費用を抑えた施工事例です。
当初、2階は使わないため取り壊すという案も出ていましたが、費用面を考慮して減築はせずに、生活スペースを1階に集めました。
2. 間取り変更を行わない
間取りの変更を行わないという方法もあります。
間取りを変更すると壁や柱を取り壊して新たに作りなおす必要があるため、費用がかかります。
そのため間取り変更を行わない場合は、その分の費用を抑えられるのです。
3. 既存のものを活用する
建材や家具など、リノベーション前のものを再利用したり、活用したりできないかを考えてみましょう。
既存の建材や家具を活用することで新たに発注する建材などの数が減った分、リノベーションの費用を抑えられます。
たとえば上記の施行実例では、以下を再利用しています。
【再利用した箇所】
- 押入建具(貼り替え済みふすま)
- 天井
- 神棚
- 照明
また建材だけではなく、食器棚やダイニングテーブルといった家具を新調すると、費用がかさみやすい傾向にあります。
今まで使用していた家具をリノベーション後も使用すれば、リノベーション工事以外での出費を抑えられるでしょう。
4. 設備や素材のグレードを見直す
必要以上に高いグレードの素材や設備を選んでいないか確認し、見直すことも効果的です。
こだわりがない場合は、必要最低限の機能を備えたグレードの低い設備を選んでいけば、それだけ費用が安くなります。
しかし「使い勝手の良いキッチン」や「高級感のあるバスルーム」などの場合は、こだわりたい設備に予算をかけ、それ以外の部分は一般的なグレードのものにすると費用が抑えられるでしょう。
5. 複数の業者に見積もりを依頼する
工事の提案内容が違い価格に差が生じることもあるため、できるだけ費用を抑えたい方は、建設業許可を持つ複数の業者に相見積もりをお願いしましょう。
行いたい工事内容と予算のバランスを考えて、最も理想を叶えてくれる業者に依頼するのがおすすめです。
6. 補助金制度や減税制度を利用する
「リフォームしたいけど資金面に不安がある」という場合は、補助金制度や減税制度を利用して、金銭的な負担を軽くしましょう。
たとえば国が行っている補助金制度や減税制度には、以下のようなものがあります。
【国が行う補助金・減税制度の例】
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 次世代省エネ建材実証支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 住宅エコリフォーム推進事業
そのほか国が行っている各種補助金・減税制度については、以下より確認できます。
参考:住宅:住宅リフォームの支援制度 ※令和5年6月16日時点 - 国土交通省
またお住まいの地方自治体によって利用できる補助金制度は異なるため、事前にチェックしておくことが大切です。
たとえば当社ユニテがある富山県富山市では以下の支援がありますので、参考にしてみてください。
7. リフォームローンを利用する
各金融機関が提供する「リフォームローン」を利用する方法もあります。リフォームローンは無担保型・有担保型が選択できるメリットがあるほか、審査も通りやすいというのが特徴です。
しかし通常の住宅ローンと比較すると、借入限度額が低く金利が高いというデメリットがあります。 返済期間も短めなので、利用時は注意が必要です。
リノベーションのローンは住宅ローンに組み込めるの?
リノベーションは家全体の改装になるため、住宅ローンに組み込めます。
現在、新築を建てた時や住宅を購入した時のローンが残っている方は、リノベーションの予算をローンの残りに上乗せした金額で借り換えすることもおすすめしています。
ただし、手数料が発生してしまうため、注意が必要です。
「自分の場合はどうなの?」
「住宅ローンに組み込めるの?」
などローンに関する疑問や分からないことは一度リノベーション会社に相談してみましょう。
富山県で一戸建てリノベーションをお考えの方はユニテにおまかせください!
現在、富山県で一戸建てのリノベーションをご検討されている方は、ぜひ当社ユニテにご相談ください。
リフォーム・リノベーションのプロとして、お客様のご要望を反映しながら、暮らしに合わせた最適なご提案いたします。
資料請求や見学会だけでなく、補助金制度など各種相談会なども実施しておりますので、リノベーションに関する些細なご相談内容も、お気軽にお問い合わせください!
まとめ
この記事では、予算1,000万円で一戸建てのリノベーションがどこまで実現できるのかについて、実例をもとにしながら相場感や費用の抑え方についてご紹介しました。
予算が1,000万円と決まっている場合、施工できる規模や内容が狭まってしまうことも考えられますが、工夫次第では費用を抑えつつ理想のリノベーションが叶います。
この記事を参考に、希望する工事が予算内で収まるよう、賢く一戸建てのリノベーションを進めてみてくださいね!