目次
株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
古民家リフォームにはどんな失敗があるの?
やっぱり新築を買ったほうが安心?
このようにお考えの方はいらっしゃいませんか?
結論からお伝えすると、古民家リフォームには5つの大きな失敗があります。
①物件探しの失敗
②施工会社に選びでの失敗
③予算面での失敗
④リフォームプランの失敗
⑤リフォーム後の後悔
以上5つのような内容について詳しく解説していきますので、ぜひリフォーム時の参考にしてください。
また、古民家リフォームに向いている場合と新築を建てるほうが向いている場合についてもご紹介します。
失敗例を踏まえて対策をすることで古民家リフォームを成功させましょう!
古民家リフォームにはどんな失敗がある?
リフォーム・リノベーション業に携わって30年の実績を持つユニテが、お客様からお聞きした古民家リフォームに関するよくある失敗例を26パターン集めました。
①物件探しの失敗 | 不動産屋に古民家物件の情報がない |
イメージが湧かないまま物件を購入してしまった | |
購入した家が広すぎて予算内では全面リフォームができなかった | |
築年数の割に家の劣化が進んでいた | |
②施工会社選びでの失敗 | リフォーム会社との相性が悪かった |
リフォームのイメージを理解してもらえない | |
頼んだ会社で古民家リフォームの施工実例がなかった | |
会社側が思い描く「古民家リフォーム」があり、要望を叶えてくれなかった | |
アフターフォローがしっかりしていない会社だった | |
③予算面での失敗 | 解体して強度不足が判明し追加費用が本工事ほどかかった |
建材を再利用できず費用が倍になった | |
新築を建てるよりも高くなってしまった | |
実は補助金制度を利用することができた | |
④リフォームプランの失敗 | イメージするものとは違う完成になった |
取り壊す予定だった柱や梁を残さないといけなくなった | |
古い梁を見せる予定だったが虫食いがあった | |
費用の関係上1階のみのリフォームにしたら2階との差が気になった | |
奥の部屋まで光が届かず暗い印象になった | |
⑤リフォーム後の後悔 | 古いコミュニティがありご近所付き合いが大変 |
家は綺麗になったが、家の周りの掃除や草むしりが大変 | |
空間が広すぎて冷暖房の費用が莫大になった | |
梁にたまったほこりが掃除出来ない | |
天井が古い板だと隙間から風やほこりが入ってくる | |
屋根は現存のままにしていたら破損し高い修理費がかかった | |
部屋が広すぎて落ち着かない | |
実際に暮らしてみると生活に疲れてしまった |
上記5つの種類に分けて失敗例を紹介し、それぞれの解決策も提案していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
①古民家購入・物件探しの失敗4選
まずは物件探しでの失敗です。
- 不動産屋に古民家物件の情報がない
- イメージが湧かないまま物件を購入してしまった
- 購入した家が広すぎて予算内では全面リフォームができなかった
- 築年数の割に家の劣化が進んでいた
以上4点について詳しく解説していきます。
1.不動産屋に古民家物件の情報がない
古民家物件を探しに不動産屋に行っても該当の物件がないという失敗例です。
田舎にお住まいの方は自分の家を売るのにわざわざ不動産屋に頼むことが少ない傾向があります。
そのため、不動産屋にちょうどいい古民家物件がないという失敗が起こりやすいです。
不動産屋に古民家物件がない場合、住みたい地域へ出向き「空いている物件はないですか?」とその地域の人に尋ねましょう。
どの物件が空いているかだけでなくその家がどんな状態か、どんな人が住んでいたのかなども教えてくれることがあります。
地域の人に尋ねることで古民家物件を見つけられる可能性が高くなりますよ!
2.イメージが湧かないまま物件を購入してしまった
特にイメージが湧かないまま、あるいは抽象的なイメージだけでとりあえず物件を決めてしまったという失敗例です。
こんな状態ではリフォーム会社との打ち合わせも上手く進まず、納得のいかないリフォームに終わってしまったり、リフォーム自体を止めてしまうということになりかねません。
このような問題を防ぐためには、自分の行いたい古民家リフォームのイメージを具現化させておくというのが大事です。
SNSやリフォーム会社の施工事例をもとに、部屋の雰囲気や希望の間取りなどを考えてみましょう。
そういったイメージをもとに物件を探すのがおすすめです。
もう物件を購入してしまった場合には、柔軟性とセンスのあるリフォーム会社にお願いしましょう。
色々な提案をしてくれたり、自分の納得のいくまでプランを出してくれる会社がいいですね。
3.購入した家が広すぎて予算内では全面リフォームができなかった
購入した家が広すぎて予算内では全面リフォームが叶わなかったという失敗例があります。
この失敗例はどのように解決できるのか見ていきましょう。
古民家の全面リフォームを行いたい場合は、コンパクトな物件を選びましょう。
リフォーム費用は施工面積に比例し、面積が小さいほど安く抑えることができるからです。
小さめの家を選び、施工面積を狭くすることで全面リフォームも叶えることができます!
4.築年数の割に家の劣化が進んでいた
築年数はそこまで古くないのに劣化がひどい、という失敗例です。これは人が長い間出入りしていない物件によくあります。
人が出入りしていないと家の中を空気が通ないためカビが発生しやすく劣化が進んでしまうのです。
カビの無い古民家をチョイスするコツは、直前まで人が住んでいた家を選ぶようにしましょう。
人の出入りがない期間が長いほど家の劣化は早くなります。よく手入れがされている古民家を選ぶのがおすすめですね。
②施工会社選びにまつわる失敗5選
次に、施工会社選びの失敗についてみていきましょう。
- リフォーム会社との相性が悪かった
- リフォームのイメージを理解してもらえない
- 頼んだ会社で古民家リフォームの施工実例がなかった
- 会社側が思い描く「古民家リフォーム」があり、要望を叶えてくれなかった
- アフターフォローがしっかりしていない会社だった
以上5点について詳しく解説していきます。
1.リフォーム会社との相性が悪かった
リフォーム会社との相性が悪かったという失敗も多いです。
相性が悪いと打ち合わせも気乗りせず、リフォームすら嫌になってしまいますよね。
そのような状況にならないために、どうすればよいのかを見ていきましょう。
リフォーム会社を選ぶ際は複数で比較検討し、相性のいい会社を選ぶことが大切です。
なぜなら、リフォームは打ち合わせから工事完工までは、数か月~半年程度の長期間の付き合いになります。
具体的な比較ポイントは以下の通りです。
✅リフォーム会社を比較するポイント
|
しっかりとあなたの意見に耳を傾け、カタチにしようとしてくれる姿勢のある会社を選びましょう!
2.リフォームのイメージを理解してもらえない
リフォームのイメージがあるのにうまく伝わらず、担当者に理解してもらえないという失敗例も多いです。
イメージが自分の中にあるのに理解してもらえないのはとてももどかしいですよね。
そのような状況にならないための解決策をご紹介します。
自分でどれだけ理想のお家を思い描いていても、それを汲み取り理解してくれる会社でなければ満足のいくリノベーションは難しいです。
リノベーションの知識がないとイメージする内容を伝えるのも一苦労ですが、それでもしっかりと聞く姿勢を取ってくれる会社なら信頼できます。
自分の想いやセンスをしっかりと聞いてくれて、理解してくれる会社を選びましょう。
✅自分のセンスを理解してくれる会社を選ぶポイント
|
以上のようなポイントを押さえて、自分と相性のいい会社を選びましょう!
3.頼んだ会社で古民家リフォームの施工実例がなかった
よくよく聞いてみると、頼んだ会社では古民家リフォームの施工実例がなかった、という失敗例もあります。
古民家リフォームを施工したことがなくても、営業トークでは「ウチは得意ですよ!」というものです。
「こんなはずじゃなかった…」を防ぐためには、会社の施工事例をチェックしたり、どんな事例を行ったのかをヒアリングしてみましょう。
「古民家リフォームをやったことがある」と言っていたのに頑なに施工写真を見せてくれないという場合は、残念ながら依頼しない方がいいでしょう。
このような会社には気を付けて、実績のある会社を選ぶようにしてください。
4.会社側が思い描く「古民家リフォーム」があり、要望を叶えてくれなかった
会社側が思い描く「古民家リフォーム」の像があり、伝えていた要望を叶えてくれなかったというケースもあります。
これは、「古民家再生」や「古民家リフォーム」と打ち出している会社に依頼した際にしばしば見られる失敗例です。
古民家リフォームを行いたい場合でも、古民家リフォームを打ち出している会社ではなく、多様な物件を施工している柔軟性のある会社を選ぶのがいいでしょう。
比較的広い要望にも対応でき、また対応しようとする前向きな姿勢を取ってくれる可能性が高いからです。
5.アフターフォローがしっかりしていない会社だった
アフターフォローがしっかりしていない会社だったという失敗例もよく耳にします。
アフターメンテナンスを行わずリノベーションをして終わりという会社もありますが、それではもしものときに困りますよね。
そのような状況にならないためにどうすればよいのか、ここでは解決策を2つをご紹介します。
1つ目の解決策として、アフターフォローや保証について事前にヒアリングしておくことをおすすめします。
アフターフォローがずさんな会社では詳しく答えることができないからです。
質問をして十分な説明があるか、不安要素はないかという観点で判断できるでしょう。
ただ、質問をする前に説明をしっかりとしてくれる会社のほうが、より安心して任せられますね。
2つ目の解決策は、地元密着型の会社にリフォームをお願いすることです。
県外の会社でリフォームを行った場合はメンテナンスを行うことが難しくなります。
その点地元密着型の会社では、定期的なメンテナンスや細かなオーダーにも比較的応えることができるからです。
なので、アフターフォローをしっかり行ってほしい場合は、地元密着型の会社を選ぶといいでしょう。
③予算面での失敗4選
古民家リフォームは、一般的な物件のリフォームよりもイレギュラーが起きやすいため、予算組みで失敗してしまうことも多いです。
- 解体して強度不足が判明し莫大な追加費用がかかった
- 建材を再利用できず費用が倍になった
- 新築を建てるよりも高くなってしまった
- 補助金制度を利用することができることを知らなかった
ここからは、上記4点つの失敗例について詳しく解説していきます。
1.解体して強度不足が判明し莫大な追加費用がかかった
古民家リフォームでは、「解体してみて初めて強度不足が判明し、追加工事が本工事と同じくらいかかった」、という失敗談も多いです。
古い家屋や状態の悪い物件だと、現地調査だけでは判断しきれない部分もあります。
実際に解体してみたときに強度面に問題があった場合、予定にはなかったシロアリ被害などを補修する工事が追加される可能性があるのです。
そうすると、結果として「予想よりも莫大な予定費用がかかってしまった」「本工事と同じくらいの補修費用がかかってしまった」ということが起きます。
古民家リフォームは、起こりうる様々な可能性を考えて、余裕を持った予算計画を行うことが大切です。
「シロアリ被害があった場合にはどれくらいの費用が増えるのか」など、考えられる工事にかかる費用を把握しておくといいでしょう。
2.建材を再利用できず費用が倍になった
建材を再利用できる前提で見積もりをしていたら、再利用ができず新しい建材が必要になり費用が倍に膨れ上がってしまった、という失敗例もあります。
昔の家は新品の木材を使わず、古い家を解体した時のものを再利用していることが多いです。
それを何度も繰り返しているため実は何百年も前の建材で、再利用が難しい状態になっているということもあります。
上記にもありますが、イレギュラーが起きやすい古民家リフォームは、余裕を持った予算計画を行うことが大切です。
「予想外」をなくして納得のいく予算でリフォームを行いましょう!
3.新築を建てるよりも高くなってしまった
「新築を建てるよりも安く済むと思っていたのに新築よりも高くなってしまった」という失敗例もよく聞きます。
たとえば築40年以上の物件の場合、基礎がなかったり耐震性に問題があることが多いです。
この場合耐震補強工事が必要になるため、予想以上に費用がかかってしまうことがあります。
新築よりも安くリフォームを行いたい方は、以下のポイントを意識することが大切です。
▽古民家リフォームを新築よりも安く行う方法
|
以上のポイントを押さえれば、リフォーム費用を抑えることもできるでしょう。
ただし、古民家リフォームは新築と同等もしくは新築以上の費用がかかるのが一般的です。
大幅にコストカットするのは難しいと思っておいた方がよいでしょう。
4.実は補助金制度を利用することができた
「補助金制度を利用できることを知らなかった」「実は補助金を利用できたと後になって気づいた」という失敗もあります。
気付いた頃には申請期限がすぎており、損してしまったということにならないために、古民家リフォームの際に利用できる補助金・減税制度を把握しておきましょう。
以下にその一部を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
◎補助金制度
■長期優良住宅化リフォーム推進事業
補助対象 |
|
|
補助額 | リフォーム後の住宅性能 | 補助限度額 |
①長期優良住宅(増改築)認定を取得しないものの一定の性能向上が認められる場合 | 100万円/戸 | |
②長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合 | 200万円/戸 | |
③②のうち更に省エネ性能を高めた場合 | 250万円/戸 |
詳しい情報は、
国立研究開発法人 建築研究所の長期優良住宅化リフォーム推進事業について
をご覧ください!
■高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業
■次世代省エネ建材の実証支援事業
高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業 | 次世代省エネ建材の実証支援事業 | ||||
概要 |
一定の省エネ効果(15%以上)が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓)を用いた住宅の断熱リフォーム事業 |
短工期で施工可能な高性能断熱パネルや潜熱蓄熱建材、調湿建材等の付加価値を有する省エネ建材を用いた住宅の断熱リフォーム事業 |
|||
住宅区分 | 戸建て | 集合住宅 | 戸建住宅 | 集合住宅 | |
個別 | 全体 | ||||
申請者 | 個人の所有者 | 管理組合の代表者 |
個人の所有者 賃貸住宅の所有者 |
||
補助対象製品 | 断熱材、ガラス、窓 | 断熱パネル、潜熱蓄熱建材 | |||
戸建住宅のみ
|
上記に追加可能 ・窓 ・断熱材 ・玄関ドア ・調湿建材 |
||||
補助上限金額 | 120万円/戸 | 15万円/戸 | 200万円/戸 | 125万円/戸 |
詳しい情報は、【全国対象】既存住宅の断熱リフォーム支援事業
をご覧ください。
◎減税制度
耐震 リフォーム |
バリアフリー リフォーム |
省エネ リフォーム |
同居対応 リフォーム |
長期優良住宅化 リフォーム |
|
工事の 種類 |
現行の耐震基準に適合する耐震改修工事 |
①通路の拡幅 ②階段の勾配緩和 ③浴室改良 ④便所改良 ⑤手すり取り付け ⑥段差の解消 ⑦出入口の戸の改良 ⑧滑りにくい床材料への取り替え |
①全ての居室の全ての窓の断熱工事 ②床・天井・壁の断熱工事 ③太陽光発電設備設置 ④高効率空調機・高効率給湯器・太陽熱利用システム設置 |
①調理室の増設 ②浴室の増設 ③便所の増設 ④玄関の増設 |
①小屋裏の換気性を高める工事 ②小屋裏の状態を確認するための点検口を天井等に取り付ける工事 ③外壁を通気構造等とする工事 ④浴室又は脱衣室の防水制を高める工事 ⑤土台の防腐又は防蟻工事 等 |
所得税(投資型) 最大控除額 |
25万円 | 20万円 |
25万円
35万円 (省エネ改修と併せて③を行った場合) |
25万円 |
25万円 (耐震または省エネ+耐久性向上の場合)
50万円 (耐震+省エネ+耐久性向上の場合) |
所得税(ローン型) 最大控除額 |
- |
62.5万円 (12.5万円×5年間) |
62.5万円 (12.5万円×5年間) |
62.5万円 (12.5万円×5年間) |
62.5万円 (12.5万円×5年間) |
固定資産税 減額 |
1/2を減額 | 1/3を減額 | 1/3を減額 | - | 2/3を減額 |
それぞれの詳しい要件などは、
知ってお得な制度!住宅リフォームの支援制度 について をご覧ください!
要件に当てはまっていれば、リフォームによる費用の負担を軽減することができます。利用できる制度がないかを確認してみましょう!
④リフォームプランの失敗5選
次に、リフォームのプランニングでの失敗です。
- イメージとは違う仕上がりになった
- 取り壊す予定だった柱や梁を残さないといけなくなった
- 古い梁を見せる予定だったが虫食いがあった
- 1階のみのリフォームにしたら2階との差が気になった
- 奥の部屋まで光が届かず暗い印象になった
以上5点について詳しく解説していきます。
1.イメージとは違う仕上がりになった
自分がイメージしていた「古民家リフォーム」とは異なる仕上がりになってしまった、という声もよく聞きます。
イメージがまとまっていない、担当者とのイメージのズレが原因で起こる失敗例です。
イメージ通りの家を完成させるためには、自分が行いたい「古民家リフォーム」における完成形イメージを明確化させておくことが大切になるでしょう。
イメージを明確にしていなければ担当者に要望を正確に伝えることはできません。
たとえば、古民家リフォームと一口に言っても、あなたが想像しているのは「古民家リフォーム」ではない可能性もあるでしょう。
古民家に対して行うリフォーム内容には種類があり、古民家再生・古民家リフォーム・古民家風リフォームなど、それぞれリフォーム内容が違うのです。
一般的な名称 | 概要 |
古民家再生 | 古民家を古民家らしく元の状態に戻すリフォームのこと。 |
古民家リフォーム | 古民家を現代風にリフォームすること。 |
古民家風リフォーム | 現代風の家の外観や内観を古民家"風"にリフォームすること。 |
あなたがしたいリフォームはどれでしたか?
希望のリフォーム内容をさらに明確化・具現化させて、理想の家を完成させましょう!
2.取り壊す予定だった柱を取り壊せなくなり邪魔に感じる
「取り壊す予定だった柱を残さないといけなくなり、生活していて邪魔に感じる」「馴染んでいないように感じる」という失敗例です。
取り壊せない柱や梁、壁というのはリフォームではよくあることですが、実際に取り壊せないとなると邪魔に感じてしまい、施工に失敗したと感じてしまうようになります。
その場合は、取り壊せない柱や梁、壁などを”あえて”残した残したようなデザインにするのがおすすめです。そのような工夫を施した事例を2つご紹介します。
・取り壊せない壁を利用して読書スペースに
・取り壊せない壁を飾り棚として活用
このような一工夫で、空間に変化が加わり、邪魔な壁や柱もおしゃれな印象に変わりますよ。
3.古い梁を見せる予定だったが虫食いがあり梁見せができなかった
「梁見せ天井に憧れがあり、古い梁を見せる予定だったがいざ解体してみると虫食いがありとても見せれるようなものではなかった」という失敗例です。
この問題には以下のような解決策があります。
・クロスを巻いて目隠しをする
以上の策を講じると梁は綺麗にはなりますが、「古い梁を見せたい」という希望は叶えることができません。
リフォームには様々な予想外のことが起き、要望を叶えることができないこともあるということを分かっておかなければなりませんね。
4.1階のみのリフォームにしたら2階との差が気になった
「予算の関係上、1階のみのリフォームにしたところ、2階との差が気になったという失敗例です。
1階のリフォーム費用を少し抑えたとしても2階部分の内装は整えておくのがよいでしょう。
1階だけでも生活はできますが、1階は新しくなったのに2階は古いまま、というのは後から不満が出てくることが多いです。
後から気になってリフォームを行うよりも、同時にリフォームを行ったほうがトータルの費用を抑えることもできるので、1階だけではなく2階もリフォームを行っておくことをおすすめします。
5.奥の部屋まで光が届かず暗い印象になった
「家が広いため光が奥の部屋まで届かず家全体が暗い印象になってしまった」という失敗例も多いです。
平屋の場合は天窓を設けることで解決することができます。
天窓は通常の窓の3倍の採光性を取ることができると言われているからです。
外壁に窓を多く取り付けても、外壁に面さない部屋には光が届きませんが、天窓を取り入れることで解決します。ぜひ取り入れてみましょう。
2階建ての場合は吹き抜けや採光性の高い室内ドアを取り入れましょう。
こちらの部屋はクロス、床、収納棚がすべてダークな色合いでまとめられており一見暗い印象になりそうですが、採光性の高いドアを取り入れることで光を存分に取り込めるようになるでしょう。
奥まった部屋にはこのようなドアを取り入れることをおすすめします。
⑤リフォーム後の後悔8選
最後に、リフォーム後の失敗や後悔です。
- 古いコミュニティがありご近所付き合いが大変
- 家は綺麗になったが、家の周りの掃除や草むしりが大変
- 空間が広すぎて冷暖房の費用が莫大になった
- 梁にたまった埃が掃除しづらい
- 天井が古い板だと隙間から風やほこりが入ってくる
- 屋根は現存のままにしていたら破損し高い修理費がかかった
- 部屋が広すぎて落ち着かない
- 実際に暮らしてみると生活に疲れてしまった
以上8点について詳しく解説していきます。
1.古いコミュニティがありご近所付き合いが大変だった
古民家リフォームをした場合、その地域に古いコミュニティがあり、ご近所付き合いに疲れてしまうことがあります。
なぜなら、街中から田舎に移り住んだ場合、ご近所付き合いの程度にギャップを感じてしまうことがあるからです。
ご近所付き合いが特にない地域で過ごしていた方や、ご近所付き合いが苦手な方は日々の生活に疲れてしまう可能性があります。
ご近所付き合いや地域の風習などを事前に調査しておきましょう。
たとえば、過干渉であったり地域特有のしきたりがあったりと、知らないと後悔することがあるかもしれません。
古民家などの中古物件は、その周辺の事前調査ができるというメリットがあります。
2.家は綺麗になったが家の周りの掃除や草むしりが大変だった
家自体はリフォームによって整えられても、家の周りまで考慮しておらず「庭や周辺の整備が大変だった」という後悔もよくあるケースです。
やはり家を綺麗にするなら家の周りまですっきりしておきたいですよね。
古民家リフォームを行う際は、リフォームと一緒に外構も整えておくことをおすすめします。
たとえば、庭にタイルを敷き詰めることで雑草が生えてこないようにすることもできるからです。家の周りの見た目もよくなり、お手入れもラクになるので外構工事も検討してみるといいでしょう
3.空間が広すぎて冷暖房の費用が莫大になった
空間が広すぎたために、空間全体を冷やしたり暖めたりするのに莫大な費用がかかってしまったという失敗が多いです。
古民家は天井が高いという特徴があり、床面積が同じでも天井が高ければ部屋の容積は何倍にもなります。
その分空調が効きづらく、その空間に対応する空調設備を導入しようとすると高い費用がかかってしまうのです。
空調が効きづらいと感じている場合はシーリングファンを導入しましょう。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下に集まってしまうのですが、シーリングファンを付けることで部屋の上下の空気を回して均一にしてくれるという効果があるからです。
空調が効きづらいことを懸念される方、空調が効きづらいと感じている方はシーリングファンの導入を検討してみてください。
4.梁にたまった埃を掃除できない
「おしゃれな梁見せ天井にしたはいいけど、梁の上にたまったほこりが掃除できない」「埃が落ちてきて不快」、という失敗例もあります。
これは梁が天井から浮いていることによって起こることです。
また、シーリングファンを設置していたことによって梁の上のほこりが舞ってしまう、ということもあります。
梁見せ天井には、梁が天井から浮いている状態のものと天井と接している状態のものがあり、前者では梁の上にほこりがたまってしまいますが、後者ではそれが解消できます。
平屋の場合や、梁の上のほこりが気になる方は梁が天井に接するようにしてもらいましょう。
5.天井が古い板の場合、隙間から風やほこりが入ってくる
天井が古い板でできている場合、板の隙間から風やほこりが入ってきます。
板張りは趣があり古民家の良さでもあるのですが、以上のような欠点もあるのです。
隙間から風やほこりが入ってくるため、隙間がないようにクロスやボードを天井に貼ることで解決します。
しかし、古民家ならではの雰囲気が少し損なわれてしまうというデメリットがあるため注意しましょう。
クロスやボードは以下のように選ぶことができます。
・あえて現代風のクロスを取り入れて和モダンな印象にする
いずれも行いたいリフォームのイメージに合わせて考えることが大切ですね。
6.屋根は現存のままにしていたら破損し高い修理費がかかった
お客様からヒアリングした失敗談には、「屋根まで予算が回らず、とりあえず現存のままにしておいたら自然災害によって破損し500万円もの修理費用がかかってしまった」、という失敗例もありました。
元々リフォームをするという気持ちでリフォームをするのと、急遽修理が必要になり修理をするのとでは全く違いますよね。
では、このような状況にならないためにどうしたらよいのかを見ていきましょう。
すでに屋根が葺き替えられている物件がないかを探してみましょう。屋根工事は多額の費用がかかるからです。
屋根工事を省くことができる分、他の工事に予算を回すことができるため屋根工事が済んでいる物件を探すことをおすすめします。
また、他の工事費用を少し削ってでも屋根はリフォームしておきましょう。
なぜなら、屋根は家の中を守ってくれる大事な役割を果たしているからです。
内装や設備にこだわることが多く、屋根工事は後回しにされがちですが、屋根を整備しておくことは家全体を守ることにつながります。
そのため、屋根リフォームは行っておくのがよいでしょう。
7.部屋が広すぎて落ち着かなかった
いざ住んでみると部屋が広すぎて落ち着かなかった、という後悔もあります。
これには以下の2つの解決策がおすすめです。
- 間取りを小さく区切る
- 自分が暮らしやすい空間の広さを考えておく
古民家リフォームをする前にぜひ考えてみてください!
間取りを小さく区切って部屋自体の広さを狭くしましょう。
家自体は広くても、部屋を過ごしやすい広さにすれば落ち着く空間を保つことができるはずです。
自分にとって暮らしやすいと感じる空間の広さを考えてみましょう。
広い空間で開放的に過ごすことに憧れるという方も少なくないと思いますが、実際に過ごしやすい空間がそうとは限らないからです。
普段の生活を思い浮かべて、どのような空間が心地よいと感じるのかを考えてみてください。
8.実際に暮らしてみると生活に疲れてしまった
「古民家に憧れていたけど実際に暮らしてみると疲れてしまった」という後悔もあります。
これは憧れている生活と、過ごしやすいと感じる生活にギャップがあるから起きることです。この問題を解決するにはどうしたらよいのかを見ていきましょう。
LDKや寝室などを現代の生活様式に合わせれば、古民家の雰囲気を楽しみつつ暮らしやすさも体現できます。
生活の大半を占めるスペースを古民家のようにしてしまうとどうしても生活に慣れず疲れてしまうからです。
その分、客間や玄関などを古民家の特徴を活かすとよいでしょう。
自分がよく過ごすスペースは現代の生活様式にすることをおすすめします。
内装を整えた古民家の趣を感じる和室
過ごしやすいLDK
古民家リフォームに失敗しないためには?
ここからは、古民家リフォームに失敗しないための心構えをいくつか紹介していきます。
- 予算の見積もりを入念におこなう
- 建物の調査を怠らない
- 修繕すべき箇所を優先する
- 断熱対策は必須
- 施工事例の確認と相見積もりを意識する
先ほど紹介した数々の解決策の中から、とくに意識すべきものをまとめました。
上記の5つのポイントを押さえるだけでも、かなり後悔する確率は低くなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
予算の見積もりを入念におこなう
古民家リフォームにおいては、入念な予算見積もりが成功のカギを握っています。
古民家の状態は一つひとつ異なり、必要な修繕の程度も大きく変わるため、一般的な家のリフォームよりも予算を正確に見積もることが困難です。
たとえば屋根や外観、水回りの改修だけでなく、耐震補強や内装の更新にも多額の費用がかかる場合があります。
そのため、まずは専門の建築士やリノベーション業者と共に、建物の詳細な現状把握を行い、どの部分にどれだけの修繕が必要かを具体的にリストアップしましょう。
その上で、各作業に必要な費用の見積もりを取り、トータルでの予算を算出することが重要になります。
予期せぬコストが発生するリスクを最小限に抑えるためにも、余裕を持った計画を立て予算を慎重に割り振りすることが、古民家リフォームの成功には不可欠です。
建物の調査を怠らない
古民家リフォームを成功させるためには、事前の建物調査が極めて重要です。
専門の建築士やリノベーション業者と協力し、建物の現状を詳細に調べることで、必要な工事の種類と規模を正確に把握できるメリットがあります。
特に古民家は、見た目では分からない構造の問題や隠れた損傷が多く存在するため、予期せぬ修繕が必要になることも少なくありません。
調査を通じて、修繕すべき箇所の優先順位を決め、必要に応じて計画の見直しを行うことが大切です。
この過程を怠ると、後から大きな修繕費用がかかるリスクが高まります。
リフォーム開始前に徹底した調査と計画の見直しを行うことにより、予算超過や予期せぬ修繕が発生するのを未然に防げるでしょう。
修繕すべき箇所を優先する
古民家リフォームにおいては、修繕すべき箇所の優先順位を適切に設定することが成功のカギとなります。
リフォーム計画を立てる際は、見た目の向上や機能の追加に意識が向きがちですが、建物の安全性や構造の安定を確保する修繕を先に行うべきです。
特に、屋根の補修や基礎の強化、耐震対策など、建物の寿命に直結する部分の修理を優先することで、後の大規模な修繕のリスクやコストを減少させることができます。
古民家の魅力を保ちながら、安全かつ長期的に住み続けるためにも、「やりたいこと」と「必要なこと」は分けて考えましょう。
断熱対策は必須
古民家リフォームにおける断熱対策は、快適な居住環境を確保するために不可欠です。
古い建物は、断熱材がほとんど使用されておらず、特に日本の厳しい夏冬の気候下では居住性が低下してしまうデメリットがあります。
そのため全体・部分リフォームに関わらず、床や壁に断熱材を追加したり天井にシーリングファンを設置したりして、空気の循環を良くする工夫が必要になるでしょう。
特に効果的なのは、古い単板ガラスの窓を断熱性の高い窓に交換することです。
室内の温度を一定に保ちやすくなり、冷暖房の効率も大幅に改善します。
施工事例の確認と相見積もりを意識する
古民家リフォームにおいては、適切な業者選びもとても重要なポイントになります。
信頼できる業者を選ぶためには、その業者の施工事例を確認し、具体的な実績を見ることが大切です。
施工事例を通じて、業者の技術力やセンス、過去の顧客とのトラブルの有無などもしっかり把握しておきましょう。
また、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」も重要です。相見積もりを取ることにより、コストパフォーマンスや提案内容が比較できるため、より合理的な選択が可能になります。
信頼できる業者を選ぶことは、リノベーション後のトラブルや、追加費用のリスクを減らすことにもつながるのです。
あなたはどちらに向いている?古民家リフォームと新築購入
古民家リフォームの失敗例についてご紹介しましたが「結局古民家リフォームするより新築を買ったほうがいいんじゃない?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、古民家リフォームに向いている人、新築購入に向いている人の特徴をご紹介します。
自分がどちらに当てはまるか参考にしてみてください!
古民家リフォームに向いている人 | 新築購入に向いている人 |
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それぞれについて詳しく解説していきます。
古民家リフォームに向いている人
古民家リフォームをすべき人の特徴をご紹介します。
- 古民家リフォームのイメージが明確に決まっている
- 古民家にしか出せない趣を家に取り入れたい
- 身体と自然に優しい家に住みたい
それぞれについて詳しく見ていきましょう!
古民家リフォームのイメージが明確に決まっている
行いたい古民家リフォームのイメージが明確に決まっているという方は古民家リフォームに向いています。
前述でも紹介した「古民家再生」「古民家リフォーム」「古民家風リフォーム」の中でもこれがしたい!
と決まっていたり、古い立派な梁を見せる「梁見せ天井」を取り入れたい、など明確かつ具体的にイメージがある方はぜひ古民家リフォームの計画を進めてみてください!
古民家にしか出せない趣を家に取り入れたい
古民家にしか出せない趣を家に取り入れたい方は古民家リフォームに向いています。
古民家”風”に仕上げることもできますが、古民家そのものが持つ趣というのは出せないものです。
なので、そのものが持つ趣や風情を感じたい方は古民家リフォームを検討してみてください。
身体と自然に優しい家に住みたい
身体と自然に優しい家に住みたいという方は古民家リフォームに向いています。
古民家は自然素材を多く使用して建てられているからです。
反対に、現代の家は建材に化学物質などが使用されていて身体や皮膚が弱い方は反応してしまうことがあります。
古民家を自然素材を活かしてリフォームすることで、より自然にも身体にも優しい家にすることができるのです。
こういったことにこだわりたい方は古民家リフォームを検討してみましょう。
新築購入に向いている人
新築を建てるべき人の特徴をご紹介します。
- 古民家を新築同然まで綺麗にしたいと思っている
- 間取りの自由さを優先させたい
- 利便性や機能性を優先させたい
それぞれについて詳しく解説していきます。
古民家を新築同然まで綺麗にしたいと思っている
古民家を新築同然まで綺麗にしたい、なるだろうと思っている方は新築を購入する方が向いています。
なぜなら、古民家を新築同然まで綺麗にすることは可能ですが、それには多額の費用がかかるからです。
外観・内観の綺麗さにこだわる方は新築を建てることを検討してみてください。
間取りの自由さを優先させたい
間取りの自由さを優先させたい方は注文住宅の購入が向いています。
古民家などの中古物件は元の間取りに左右されますが、注文住宅は一から設計をすることができるからです。
この間取りではないと嫌、など間取りへのこだわりが強い方は注文住宅の購入を検討してみましょう。
利便性や機能性を優先させたい
利便性や機能性を優先させたいという方は新築を購入する方が向いています。
なぜなら、古民家リフォームは利便性や機能性という面に特化していないからです。
利便性などにこだわりたい場合は新築を購入する方がよいでしょう。
古民家リフォームの失敗に関するよくある質問にユニテが答えます
最後に、古民家リフォームの失敗に関するよくある質問をいくつか紹介します。
実際に古民家リフォームを検討している方は、ぜひあわせて把握しておいてください。
【古民家リフォームの失敗に関するよくある質問】
- 1,000万円でできる古民家リフォームの内容は?
- 古民家リノベーションの実例やビフォーアフターが知りたいです。
- 自分でできる古民家リノベーションはありますか?
1000万円でできる古民家リフォームの内容は?
予算1,000万円でできるリフォーム・リノベーションの施工範囲については、以下の記事で詳しく解説しています。
事例を交えてわかりやすく紹介していますので、ぜひ予算組みの参考にしてみてください。
古民家リノベーションの実例やビフォーアフターが知りたいです。
自分でできる古民家リノベーションはありますか?
古民家のセルフリノベーションやDIYは、300〜700万円程度で行えます。
ただし、資格が必要なライフラインの工事や知識が必要な施工は、自己判断でおこなうことはできません。
詳しい内容については、以下の記事で詳しく解説しています。
古民家リフォームも新築もユニテにお任せください
ユニテは富山県の地元密着型工務店です。
リフォームは部分リフォームからフルリノベーションまで幅広く、新築は無垢や漆喰などの自然素材を使用した家を建てています。
富山県でリフォームや新築をご検討されている方はぜひユニテにご相談ください!
まとめ
古民家リフォームには、
①物件探しの失敗
②施工会社にまつわる失敗
③予算面での失敗
④リフォームプランの失敗
⑤リフォーム後の失敗・後悔
という5つの失敗があることをご紹介しました。
どのような失敗にも対処法や解決法があります。
失敗を未然に防ぐことでリフォームを成功に導くことができるのです。
ぜひ参考にしてみてください!
また、古民家リフォームと新築購入に向いている特徴は以下の通りです。
古民家リフォームに向いている人 | 新築購入に向いている人 |
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自分がどちらに向いているのかをぜひ考えてみてくださいね!