目次
株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
古民家リフォームにはどんな失敗があるの?
やっぱり新築を買ったほうが安心?
このようにお考えの方はいらっしゃいませんか?
結論からお伝えすると、古民家リフォームには5つの大きな失敗があります。
①物件探しの失敗
②施工会社に選びでの失敗
③予算面での失敗
④リフォームプランの失敗
⑤リフォーム後の後悔
そして、さらに細かく分けて本記事では全部で26個の失敗例と解決策をご紹介しています。
①物件探しの失敗 | 不動産屋に古民家物件の情報がない |
イメージが湧かないまま物件を購入してしまった | |
購入した家が広すぎて予算内では全面リフォームができなかった | |
築年数の割に家の劣化が進んでいた | |
②施工会社選びでの失敗 | リフォーム会社との相性が悪かった |
リフォームのイメージを理解してもらえない | |
頼んだ会社で古民家リフォームの施工実例がなかった | |
会社側が思い描く「古民家リフォーム」があり、要望を叶えてくれなかった | |
アフターフォローがしっかりしていない会社だった | |
③予算面での失敗 | 解体して強度不足が判明し追加費用が本工事ほどかかった |
建材を再利用できず費用が倍になった | |
新築を建てるよりも高くなってしまった | |
実は補助金制度を利用することができた | |
④リフォームプランの失敗 | イメージするものとは違う完成になった |
取り壊す予定だった柱や梁を残さないといけなくなった | |
古い梁を見せる予定だったが虫食いがあった | |
費用の関係上1階のみのリフォームにしたら2階との差が気になった | |
奥の部屋まで光が届かず暗い印象になった | |
⑤リフォーム後の後悔 | 古いコミュニティがありご近所付き合いが大変 |
家は綺麗になったが、家の周りの掃除や草むしりが大変 | |
空間が広すぎて冷暖房の費用が莫大になった | |
梁にたまったほこりが掃除出来ない | |
天井が古い板だと隙間から風やほこりが入ってくる | |
屋根は現存のままにしていたら破損し高い修理費がかかった | |
部屋が広すぎて落ち着かない | |
実際に暮らしてみると生活に疲れてしまった |
以上のような内容について詳しく解説しています。
また、古民家リフォームに向いている場合と新築を建てるほうが向いている場合についてもご紹介します。
失敗例を踏まえて対策をすることで古民家リフォームを成功させましょう!
①物件探しの失敗
まずは物件探しでの失敗です。
- 不動産屋に古民家物件の情報がない
- イメージが湧かないまま物件を購入してしまった
- 購入した家が広すぎて予算内では全面リフォームができなかった
- 築年数の割に家の劣化が進んでいた
以上4点について詳しく解説していきます。
不動産屋に古民家物件の情報がない
古民家物件を探しに不動産屋に行っても該当の物件がないという失敗例です。
これは、田舎にお住まいの方は自分の家を売るのにわざわざ不動産屋に頼むことが少ないために起こる失敗です。
不動産屋に古民家物件がない場合にどうしたらよいのかをご紹介します。
解決策:住みたい地域に出向き、探しに行く
住みたい地域へ出向き、「空いている物件はないですか?」とその地域の人に尋ねましょう。
どの物件が空いているかだけでなくその家がどんな状態か、どんな人が住んでいたのかなども教えてくれることがあります。地域の人に尋ねることで古民家物件を見つけられる可能性が高くなりますよ!
イメージが湧かないまま物件を購入してしまった
特にイメージが湧かないまま、あるいは抽象的なイメージだけでとりあえず物件を決めてしまったという失敗例です。
こんな状態ではリフォーム会社との打ち合わせも上手く進まず、納得のいかないリフォームに終わってしまったり、リフォーム自体を止めてしまうということになりかねません。
このような問題を防ぐためにどうすればよいのかを見ていきましょう。
解決策1:イメージを具現化させておく
自分の行いたい古民家リフォームのイメージを具現化させておくというのが大事です。SNSやリフォーム会社の施工事例をもとに、部屋の雰囲気や希望の間取りなどを考えてみましょう。そういったイメージをもとに物件を探すのがおすすめです。
解決策2:柔軟性とセンスのあるリフォーム会社にお願いする
もう物件を購入してしまった場合には、柔軟性とセンスのあるリフォーム会社にお願いしましょう。色々な提案をしてくれたり、自分の納得のいくまでプランを出してくれる会社がいいですね。
購入した家が広すぎて予算内では全面リフォームができなかった
購入した家が広すぎて予算内では全面リフォームが叶わなかったという失敗例があります。この失敗例はどのように解決できるのか見ていきましょう。
解決策:コンパクトな物件を購入する
古民家の全面リフォームを行いたい場合は、コンパクトな物件を選びましょう。リフォーム費用は施工面積に比例し、面積が小さいほど安く抑えることができるからです。
小さめの家を選び、施工面積を狭くすることで全面リフォームも叶えることができます!
築年数の割に家の劣化が進んでいた
築年数はそこまで古くないのに劣化がひどい、という失敗例です。これは人が長い間出入りしていない物件によくあります。
人が出入りしていないと家の中を空気が通らず、カビの原因になったりして劣化が進んでしまいます。
このような失敗をしないためにどうすればよいのかを見ていきましょう。
解決策:直前まで人が住んでいた家を選ぶ
直前まで人が住んでいた家を選ぶようにしましょう。
人の出入りがない期間が長いほど家の劣化が早いからです。そのような状態でなくても、よく手入れがされている家を選ぶのがおすすめですね。
②施工会社にまつわる失敗
次に、施工会社についての失敗です。
- リフォーム会社との相性が悪かった
- リフォームのイメージを理解してもらえない
- 頼んだ会社で古民家リフォームの施工実例がなかった
- 会社側が思い描く「古民家リフォーム」があり、要望を叶えてくれなかった
- アフターフォローがしっかりしていない会社だった
以上5点について詳しく解説していきます。
リフォーム会社との相性が悪かった
リフォーム会社との相性が悪かったという失敗例です。
相性が悪いと打ち合わせも気乗りせず、リフォームすら嫌になってしまいますよね。そのような状況にならないために、どうすればよいのかを見ていきましょう。
解決策:複数のリフォーム会社を比較検討する
リフォーム会社を選ぶ際は複数で比較検討し、相性のいい会社を選ぶ必要があります。
なぜなら、リフォームは打ち合わせから工事完工まで長期間の付き合いになるからです。たとえば、以下のようなポイントで比較してみましょう。
✅リフォーム会社を比較するポイント
|
しっかりとあなたの意見を理解しよう、カタチにしようとしてくれる姿勢のある会社を選びましょう!
リフォームのイメージを理解してもらえない
リフォームのイメージがあるのに担当者に理解してもらえないという失敗例です。イメージが自分の中にあるのに理解してもらえないのはとてももどかしいですよね。
そのような状況にならないための解決策をご紹介します。
解決策:自分のセンスを理解してくれる会社を選ぶ
自分の想いやセンスをしっかりと聞いてくれて理解してくれる会社を選びましょう。
自分でどれだけ理想のお家を思い描いていても、それを汲み取り理解してくれる会社でなければ満足のいくリノベーションは難しいからです。
このような会社を選ぶためのポイントをご紹介します。
✅自分のセンスを理解してくれる会社を選ぶポイント
|
以上のようなポイントを押さえて、自分と波長の合う会社を選びましょう!
頼んだ会社で古民家リフォームの施工実例がなかった
よくよく聞いてみると、頼んだ会社では古民家リフォームの施工実例がなかった、という失敗例です。古民家リフォームを施工したことがなくても、営業トークでは「ウチは得意ですよ!」というものです。
こんなはずじゃなかった…を防ぐためにどうすればよいのかを見ていきましょう。
解決策:古民家リフォームを施工したことがあるかを確認する
会社の施工事例をチェックしたり、どんな事例を行ったのかを尋ねて確認しましょう。
古民家リフォームをやったことがある、と言っていたのに頑なに施工写真を見せてくれない、ということもあるからです。このような会社には気を付けて、実績のある会社を選ぶようにしましょう。
会社側が思い描く「古民家リフォーム」があり、要望を叶えてくれなかった
会社側が思い描く「古民家リフォーム」の像があり、要望を叶えてくれなかったという失敗例です。これは、「古民家再生」や「古民家リフォーム」と打ち出している会社にしばしば見られます。
要望を叶えてもらうためにはどうすればよいのかを見ていきましょう。
解決策:柔軟性のある会社を選ぶ
古民家リフォームを行いたい場合でも、古民家リフォームを打ち出している会社ではなく、多様な物件を施工している柔軟性のある会社を選ぶのがおすすめです。どのような要望にも対応でき、対応しようと思ってくれる可能性が高いからです。また、前述にもある通り「自分のセンスを理解してくれる会社を選ぶ」ことが大切です。
アフターフォローがしっかりしていない会社だった
アフターフォローがしっかりしていない会社だったという失敗例です。
中には、アフターメンテナンスを行わずリノベーションをして終わりという会社もありますが、それではもしものときに困りますよね。そのような状況にならないためにどうすればよいのかをご紹介します。
解決策1:アフターフォローや保証について質問する
1つ目の解決策として、アフターフォローや保証について質問してみましょう。
アフターフォローがずさんな会社では詳しく答えることができないからです。質問をして十分な説明があるか、不安要素はないかという点で判断することができます。
なので、気になる場合は質問をしてみましょう。
ただ、質問をする前に説明をしっかりとしてくれる会社のほうが安心だと言えますね。
解決策2:地元密着型の会社にリフォームをお願いする
2つ目の解決策として、地元密着型の会社にリフォームをお願いしましょう。
なぜなら、県外の会社でリフォームを行った場合はメンテナンスを行うことが難しいからです。その点地元密着型の会社では、定期的なメンテナンスや細かなオーダーにも比較的応えることができます。
なので、アフターフォローをしっかり行ってほしい場合には地元密着型の会社がおすすめです。
③予算面での失敗
次に、予算面に関する失敗です。
- 解体して強度不足が判明し追加費用が本工事ほどかかった
- 建材を再利用できず費用が倍になった
- 新築を建てるよりも高くなってしまった
- 実は補助金制度を利用することができた
以上4点について詳しく解説していきます。
解体して強度不足が判明し追加費用が本工事ほどかかった
解体してみて初めて強度不足が判明し、追加工事が本工事ほどかかった、という予算面での失敗例です。
現地調査では確認できなかった強度面、シロアリ被害などの工事が解体後に追加される可能性があり、予定より費用がかかってしまった、ということが起きます。
こんなはずじゃ…を防ぐためにできることを見ていきましょう。
解決策:様々な可能性を考えて余裕を持った予算計画を行う
様々な可能性を考えて、余裕を持った予算計画を行うことが大切です。
シロアリ被害があった場合にはどれくらいの費用が増えるのか、など考えられる可能性の費用を把握しておきたいですね。
建材を再利用できず費用が倍になった
建材を再利用できる前提で見積もりをしていたら、再利用ができず新しい建材が必要になり費用が倍に膨れ上がってしまった、という失敗例です。
昔の家は新品の木材を使わず、古い家を解体した時のものを再利用していることが多いです。それを何度も繰り返しているため実は何百年も前の建材だった、ということも少なくないのです。
解決策:余裕をもった予算計画
上記にもありますが、余裕を持った予算計画を行うことが大切です。
「予想外」をなくして納得のいく予算でリフォームを行いましょう!
新築を建てるよりも高くなってしまった
新築を建てるよりも安く済むと思っていたのに新築よりも高くなってしまった、という失敗例です。
たとえば築40年以上の物件の場合、基礎がなかったり耐震性に問題があることが多いです。この場合耐震補強工事が必要になり予想以上に費用がかかってしまうことがあります。
新築よりも安くリフォームを行いたい方のためにポイントをいくつかご紹介します。
▽古民家リフォームを新築よりも安く行う方法
|
以上のようなポイントでリフォーム費用を抑えることができます。
しかし、古民家リフォームは新築と同等もしくは新築以上の費用がかかると思っておいた方がよいでしょう。
実は補助金制度を利用することができた
実は補助金制度を利用することができたと後になって気づいた失敗例です。
気付いた頃には申請期限がすぎており、損してしまったということにならないために、古民家リフォームの際に利用できる補助金・減税制度を一部ご紹介します。
◎補助金制度
■長期優良住宅化リフォーム推進事業
補助対象 |
|
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補助額 | リフォーム後の住宅性能 | 補助限度額 |
①長期優良住宅(増改築)認定を取得しないものの一定の性能向上が認められる場合 | 100万円/戸 | |
②長期優良住宅(増改築)認定を取得した場合 | 200万円/戸 | |
③②のうち更に省エネ性能を高めた場合 | 250万円/戸 |
詳しい情報は、
国立研究開発法人 建築研究所の長期優良住宅化リフォーム推進事業について
をご覧ください!
■高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業
■次世代省エネ建材の実証支援事業
高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業 | 次世代省エネ建材の実証支援事業 | ||||
概要 |
一定の省エネ効果(15%以上)が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓)を用いた住宅の断熱リフォーム事業 |
短工期で施工可能な高性能断熱パネルや潜熱蓄熱建材、調湿建材等の付加価値を有する省エネ建材を用いた住宅の断熱リフォーム事業 |
|||
住宅区分 | 戸建て | 集合住宅 | 戸建住宅 | 集合住宅 | |
個別 | 全体 | ||||
申請者 | 個人の所有者 | 管理組合の代表者 |
個人の所有者 賃貸住宅の所有者 |
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補助対象製品 | 断熱材、ガラス、窓 | 断熱パネル、潜熱蓄熱建材 | |||
戸建住宅のみ
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上記に追加可能 ・窓 ・断熱材 ・玄関ドア ・調湿建材 |
||||
補助上限金額 | 120万円/戸 | 15万円/戸 | 200万円/戸 | 125万円/戸 |
詳しい情報は、
一般社団法人 環境共創イニシアチブ 高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業について
一般社団法人 環境共創イニシアチブの次世代省エネ建材の実証支援事業について
をご覧ください。
◎減税制度
耐震 リフォーム |
バリアフリー リフォーム |
省エネ リフォーム |
同居対応 リフォーム |
長期優良住宅化 リフォーム |
|
工事の 種類 |
現行の耐震基準に適合する耐震改修工事 |
①通路の拡幅 ②階段の勾配緩和 ③浴室改良 ④便所改良 ⑤手すり取り付け ⑥段差の解消 ⑦出入口の戸の改良 ⑧滑りにくい床材料への取り替え |
①全ての居室の全ての窓の断熱工事 ②床・天井・壁の断熱工事 ③太陽光発電設備設置 ④高効率空調機・高効率給湯器・太陽熱利用システム設置 |
①調理室の増設 ②浴室の増設 ③便所の増設 ④玄関の増設 |
①小屋裏の換気性を高める工事 ②小屋裏の状態を確認するための点検口を天井等に取り付ける工事 ③外壁を通気構造等とする工事 ④浴室又は脱衣室の防水制を高める工事 ⑤土台の防腐又は防蟻工事 等 |
所得税(投資型) 最大控除額 |
25万円 | 20万円 |
25万円
35万円 (省エネ改修と併せて③を行った場合) |
25万円 |
25万円 (耐震または省エネ+耐久性向上の場合)
50万円 (耐震+省エネ+耐久性向上の場合) |
所得税(ローン型) 最大控除額 |
- |
62.5万円 (12.5万円×5年間) |
62.5万円 (12.5万円×5年間) |
62.5万円 (12.5万円×5年間) |
62.5万円 (12.5万円×5年間) |
固定資産税 減額 |
1/2を減額 | 1/3を減額 | 1/3を減額 | - | 2/3を減額 |
それぞれの詳しい要件などは、
知ってお得な制度!住宅リフォームの支援制度 について をご覧ください!
要件に当てはまっていれば、リフォームによる費用の負担を軽減することができます。利用できる制度がないかを確認してみましょう!
④リフォームプランの失敗
次に、リフォームのプランニングでの失敗です。
- イメージするものとは違う完成になった
- 取り壊す予定だった柱や梁を残さないといけなくなった
- 古い梁を見せる予定だったが虫食いがあった
- 費用の関係上1階のみのリフォームにしたら2階との差が気になった
- 奥の部屋まで光が届かず暗い印象になった
以上5点について詳しく解説していきます。
イメージするものとは違う完成になった
自分がイメージしていた「古民家リフォーム」とは異なる仕上がりになってしまった、という失敗例です。イメージがまとまっていない、担当者とのイメージのズレがあるなどの要因によってこのような状況が起こります。イメージ通りの家を完成させるために必要なことをご紹介します。
解決策:行いたい古民家リフォームのイメージを明確化する
自分が行いたい「古民家リフォーム」のイメージを明確化させておくことが大切です。
明確にしていなければ担当者に要望を正確に伝えることができないからです。たとえば、古民家リフォームと一口に言っても、あなたが想像しているのは「古民家リフォーム」ではない可能性があります。古民家再生、古民家リフォーム、古民家風リフォームなどがあり、それぞれが異なったリフォーム内容なのです。
それぞれの内容についてまとめたのでご覧ください。
一般的な名称 | 概要 |
古民家再生 | 古民家を古民家らしく元の状態に戻すリフォームのこと。 |
古民家リフォーム | 古民家を現代風にリフォームすること。 |
古民家風リフォーム | 現代風の家の外観や内観を古民家"風"にリフォームすること。 |
あなたがしたいリフォームはどれでしたか?
希望のリフォーム内容をさらに明確化・具現化させて、理想の家を完成させましょう!
取り壊す予定だった柱を取り壊せなくなり邪魔に感じる
取り壊す予定だった柱を残さないといけなくなり、生活していて邪魔に感じたり馴染んでいないように感じたりするという失敗例です。
取り壊せない柱や梁、壁というのはリフォームではよくあることですが、実際に取り壊せないとなると邪魔に感じてしまうこともあります。このような状況を解決するための工夫をご紹介します。
解決策:柱や梁を”あえて”残したようなデザインにする
取り壊せない柱や梁、壁などを”あえて”残した残したようなデザインにするという工夫があります。そのような工夫を施した事例を2つご紹介します。
このように一工夫加えることで、空間に変化を与えてくれます。
古い梁を見せる予定だったが虫食いがあり梁見せができなかった
梁見せ天井に憧れがあり、古い梁を見せる予定だったがいざ解体してみると虫食いがありとても見せれるようなものではなかったという失敗例です。
この問題には以下のような解決策があります。
- 新しい梁と取り替える
- クロスを巻いて目隠しをする
以上の策を講じると梁は綺麗にはなりますが、「古い梁を見せたい」という希望は叶えることができません。
リフォームには様々な予想外のことが起き、要望を叶えることができないこともあるということを分かっておかなければなりませんね。
費用の関係上1階のみのリフォームにしたら2階との差が気になった
1階のみのリフォームにしたところ、2階との差が気になったという失敗例です。こちらの問題は2階もリフォームを行うことで解決ができますね。詳しく見ていきましょう。
解決策:1階のリフォーム費用を抑え2階もリフォームを行う
1階のリフォーム費用を少し抑えたとしても2階部分の内装は整えておくのがよいでしょう。
1階だけでも生活はできますが、1階は新しくなったのに2階は古いまま、というのは後から不満が出てくることが多いです。後から気になってリフォームを行うよりも、同時にリフォームを行ったほうがトータルの費用を抑えることもできるので、1階だけではなく2階もリフォームを行っておくことをおすすめします。
奥の部屋まで光が届かず暗い印象になった
家が広いため光が奥の部屋まで届かず家全体が暗い印象になってしまったという失敗例です。
解決策1:平屋の場合は天窓を設ける
平屋の場合は天窓を設けることで解決することができます。
天窓は通常の窓の3倍の採光性を取ることができると言われているからです。外壁に窓を多く取り付けても、外壁に面さない部屋には光が届きませんが、天窓を取り入れることで解決します。ぜひ取り入れてみましょう。
解決策2:2階建ての場合は吹き抜けや採光性の高い室内ドアを取り入れる
2階建ての場合は吹き抜けや採光性の高い室内ドアを取り入れましょう。
こちらの部屋はクロス、床、収納棚がすべてダークな色合いでまとめられており一見暗い印象になりそうですが、採光性の高いドアを取り入れることで光を存分に取り込んでいます。
奥まった部屋にはこのようなドアを取り入れることをおすすめします。
⑤リフォーム後の後悔
最後に、リフォーム後の失敗や後悔です。
- 古いコミュニティがありご近所付き合いが大変
- 家は綺麗になったが、家の周りの掃除や草むしりが大変
- 空間が広すぎて冷暖房の費用が莫大になった
- 梁にたまった埃が掃除出来ない
- 天井が古い板だと隙間から風やほこりが入ってくる
- 屋根は現存のままにしていたら破損し高い修理費がかかった
- 部屋が広すぎて落ち着かない
- 実際に暮らしてみると生活に疲れてしまった
以上8点について詳しく解説していきます。
古いコミュニティがありご近所付き合いが大変だった
古民家リフォームをした場合、その地域に古いコミュニティがあり、ご近所付き合いに疲れてしまうことがあります。
なぜなら、まちなかから田舎に移り住んだ場合、ご近所付き合いの程度にギャップを感じてしまうことがあるからです。たとえば、過干渉であったり地域特有のしきたりがあったりするなどがあります。
なので、ご近所付き合いが特にない地域で過ごしていた方や、ご近所付き合いが苦手な方は日々の生活に疲れてしまう可能性があります。
解決策:事前に物件のある地域に出向き調査する
ご近所付き合いや地域の風習などを事前に調査しておきましょう。
古民家などの中古物件は、その周辺の事前調査ができるというメリットがあります。
家は綺麗になったが家の周りの掃除や草むしりが大変だった
家自体はリフォームによって整えられたが、家の周りまで考慮しておらず葉っぱが落ちてきたり雑草が生い茂っていたりすることがあります。
やはり家を綺麗にするなら家の周りまですっきりしておきたいですよね。
そのためにどうしたらよいのかを見ていきましょう。
解決策:リフォームと同じタイミングで外構も整えておく
リフォームと一緒に外構も整えておきましょう。
庭にタイルを敷き詰めることで雑草が生えてこないようにすることもできるからです。家の周りの見た目もよくなり、お手入れもラクになるので外構も整えておくのがおすすめです。
空間が広すぎて冷暖房の費用が莫大になった
空間が広すぎたために、空間全体を冷やしたり暖めたりするのに莫大な費用がかかってしまったという失敗があります。
古民家は天井が高いという特徴があり、床面積が同じでも天井が高ければ部屋の容積は何倍にもなります。その分空調が効きづらく、その空間に対応する空調設備を導入しようとすると高い費用がかかってしまうのです。
解決策:シーリングファンを導入する
空調が効きづらいと感じている場合はシーリングファンを導入しましょう。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下に集まってしまうのですが、シーリングファンを付けることで部屋の上下の空気を回して均一にしてくれるという効果があるからです。
空調が効きづらいことを懸念される方、空調が効きづらいと感じている方はシーリングファンの導入を検討してみてください。
梁にたまった埃を掃除できない
おしゃれな梁見せ天井に下はいいけど梁の上にたまったほこりが掃除できなかった、という失敗例があります。
これは梁が天井から浮いていることによって起こることです。また、シーリングファンを設置していたことによって梁の上のほこりが舞ってしまう、ということもあります。
この問題を解決するためにはどうしたらよいのかを見ていきましょう。
天井と梁が接するようにしてもらいましょう。
なぜなら梁が天井から浮いていることが原因だからです。梁見せ天井には、梁が天井から浮いている状態のものと天井と接している状態のものがあり、前者では梁の上にほこりがたまってしまいますが、後者ではそれが解消できます。
平屋の場合や、梁の上のほこりが気になる方は梁が天井に接するようにしてもらいましょう。
天井が古い板の場合、隙間から風やほこりが入ってくる
天井が古い板でできている場合、板の隙間から風やほこりが入ってきます。板張りは趣があり古民家の良さでもあるのですが、以上のような欠点もあるのです。
この失敗例の解決策について見ていきましょう。
解決策:天井にクロスやボードを張る
隙間から風やほこりが入ってくるため、隙間がないようにクロスやボードを天井に貼ることで解決します。しかし、古民家ならではの雰囲気が少し損なわれてしまうというデメリットがあります。
クロスやボードは以下のように選ぶことができます。
- なるべく古民家特有の雰囲気になじむようなクロスを選ぶ
- あえて現代風のクロスを取り入れて和モダンな印象にする
いずれも行いたいリフォームのイメージに合わせて考えることが大切ですね。
屋根は現存のままにしていたら破損し高い修理費がかかった
屋根まで予算が回らず、とりあえず現存のままにしておいたら自然災害によって破損し500万円もの修理費用がかかってしまった、という失敗例がありました。
元々リフォームをするという気持ちでリフォームをするのと、急遽修理が必要になり修理をするのとでは全く違いますよね。では、このような状況にならないためにどうしたらよいのかを見ていきましょう。
解決策1:屋根が葺き替えられている物件を購入する
すでに屋根が葺き替えられている物件がないかを探してみましょう。屋根工事は多額の費用がかかるからです。屋根工事を省くことができる分、他の工事に予算を回すことができるため屋根工事が済んでいる物件を探すことをおすすめします。
解決策2:他の費用を削ってでも屋根はリフォームしておく
また、他の工事費用を少し削ってでも屋根はリフォームしておきましょう。なぜなら、屋根は家の中を守ってくれる大事な役割を果たしているからです。内装や設備にこだわることが多く、屋根工事は後回しにされがちですが、屋根を整備しておくことは家全体を守ることにつながるのです。そのため、屋根リフォームは行っておくのがよいでしょう。
部屋が広すぎて落ち着かなかった
いざ住んでみると部屋が広すぎて落ち着かなかった、という後悔もあります。
これには以下の2つの解決策があります。
- 間取りを小さく区切る
- 自分が暮らしやすい空間の広さを考えておく
古民家リフォームをする前にぜひ考えてみてください!
解決策1:間取りを小さく区切る
間取りを小さく区切って部屋自体の広さを狭くしましょう。家自体は広くても、部屋を過ごしやすい広さにすれば落ち着く空間を保つことができるはずです。
解決策2:自分が暮らしやすい空間の広さを考えておく
自分にとって暮らしやすいと感じる空間の広さを考えてみましょう。
広い空間で開放的に過ごすことに憧れるという方も少なくないと思いますが、実際に過ごしやすい空間がそうとは限らないからです。普段の生活を思い浮かべて、どのような空間が心地よいと感じるのかを考えてみてください。
実際に暮らしてみると生活に疲れてしまった
古民家に憧れていたけど実際に暮らしてみると疲れてしまった、という後悔もあります。
これは憧れている生活と、過ごしやすいと感じる生活にギャップがあるから起きることです。この問題を解決するにはどうしたらよいのかを見ていきましょう。
解決策:LDKや寝室は現代風にする
LDKや寝室などは現代の生活様式に合わせましょう。
生活の大半を占めるスペースを古民家のようにしてしまうとどうしても生活に慣れず疲れてしまうからです。その分、客間や玄関などを古民家の特徴を活かすとよいでしょう。
自分がよく過ごすスペースは現代の生活様式にすることをおすすめします。
<あなたはどちらに向いている?古民家リフォームと新築購入>
古民家リフォームの失敗例についてご紹介しましたが、結局古民家リフォームするより新築を買ったほうがいいんじゃない?と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、古民家リフォームに向いている人、新築購入に向いている人の特徴をご紹介します。
自分がどちらに当てはまるか参考にしてみてください!
古民家リフォームに向いている人 | 新築購入に向いている人 |
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それぞれについて詳しく解説していきます。
古民家リフォームに向いている人
古民家リフォームをすべき人の特徴をご紹介します。
- 古民家リフォームのイメージが明確に決まっている
- 古民家にしか出せない趣を家に取り入れたい
- 身体と自然に優しい家に住みたい
それぞれについて詳しく見ていきましょう!
古民家リフォームのイメージが明確に決まっている
行いたい古民家リフォームのイメージが明確に決まっているという方は古民家リフォームに向いています。
前述でも紹介した「古民家再生」「古民家リフォーム」「古民家風リフォーム」の中でもこれがしたい!と決まっていたり、古い立派な梁を見せる「梁見せ天井」を取り入れたい、など明確かつ具体的にイメージがある方はぜひ古民家リフォームの計画を進めてみてください!
古民家にしか出せない趣を家に取り入れたい
古民家にしか出せない趣を家に取り入れたい方は古民家リフォームに向いています。
古民家”風”に仕上げることもできますが、古民家そのものが持つ趣というのは出せないものです。なので、そのものが持つ趣や風情を感じたい方は古民家リフォームを検討してみてください。
身体と自然に優しい家に住みたい
身体と自然に優しい家に住みたいという方は古民家リフォームに向いています。
古民家は自然素材を多く使用して建てられているからです。反対に、現代の家は建材に化学物質などが使用されていて身体や皮膚が弱い方は反応してしまうことがあります。古民家を自然素材を活かしてリフォームすることで、より自然にも身体にも優しい家にすることができるのです。
こういったことにこだわりたい方は古民家リフォームを検討してみましょう。
新築購入に向いている人
新築を建てるべき人の特徴をご紹介します。
- 古民家を新築同然まで綺麗にしたいと思っている
- 間取りの自由さを優先させたい
- 利便性や機能性を優先させたい
それぞれについて詳しく解説していきます。
古民家を新築同然まで綺麗にしたいと思っている
古民家を新築同然まで綺麗にしたい、なるだろうと思っている方は新築を購入する方が向いています。なぜなら、古民家を新築同然まで綺麗にすることは可能ですが、それには多額の費用がかかるからです。外観・内観の綺麗さにこだわる方は新築を建てることを検討してみてください。
間取りの自由さを優先させたい
間取りの自由さを優先させたい方は注文住宅の購入が向いています。古民家などの中古物件は元の間取りに左右されますが、注文住宅は一から設計をすることができるからです。この間取りではないと嫌、など間取りへのこだわりが強い方は注文住宅の購入を検討してみましょう。
利便性や機能性を優先させたい
利便性や機能性を優先させたいという方は新築を購入する方が向いています。なぜなら、古民家リフォームは利便性や機能性という面に特化していないからです。利便性などにこだわりたい場合は新築を購入する方がよいでしょう。
<古民家リフォームも新築もユニテにお任せください>
ユニテは富山県の地元密着型工務店です。
リフォームは部分リフォームからフルリノベーションまで幅広く、新築は無垢や漆喰などの自然素材を使用した家を建てています。
富山県でリフォームや新築をご検討されている方はぜひユニテにご相談ください!
まとめ
古民家リフォームには、
①物件探しの失敗
②施工会社にまつわる失敗
③予算面での失敗
④リフォームプランの失敗
⑤リフォーム後の失敗・後悔
という5つの失敗があることをご紹介しました。
どのような失敗にも対処法や解決法があります。失敗を未然に防ぐことでリフォームを成功に導くことができるのです。
ぜひ参考にしてみてください!
また、古民家リフォームと新築購入に向いている特徴は以下の通りです。
古民家リフォームに向いている人 | 新築購入に向いている人 |
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自分がどちらに向いているのかをぜひ考えてみてくださいね!