古民家を再利用!古民家リノベーションの工事箇所と費用相場を解説

「古民家はリノベーションして再利用できるの?」
「古民家はリノベーションするとどれくらいの費用がかかる?」
「新築を建てるよりも安く済む?」
こんなことをお考えではないでしょうか?
結論から言いますと、古民家は2000万円ほどあれば十分なリノベーション工事ができます。
リノベーションとひと言にいっても、断熱性や耐震性などの機能面、水回りやキッチンなどの生活の利便性、見た目など、工事の種類はさまざま。しかし2000万円の予算があれば、機能性も、利便性も、見た目もまるで新築のように生まれ変わらせることができます。
古民家をリノベーションする際の工事箇所は次の通りです。
リノベーションすべき場所 | 人気の箇所 |
断熱性 | 間取り |
耐震性 |
内装 |
トイレ | 外壁 |
キッチン | 庭や玄関 |
洗面所 |
リノベーションの費用はこだわりの箇所の多さで決まります。
複雑な工事や特殊な素材が多くなれば、比例して施工費用も工学になります。そのため古民家のリノベーションは、すでにある間取りや素材をどう活かすかが重要です。
最近は古民家が人気で、あえて古民家の古き良き間取りを残したり、和室を再利用したり、古民家の構造を感じさせるリノベーション工事が人気です。
今回は満足いくリノベーションができるように、以下の内容についてご紹介していきます。
● 古民家リノベーションにかかる費用の概算
● 古民家リノベーションで人気の工事箇所一覧
● 古民家リノベーションの施工例と費用の実例をご紹介
この記事を読めば、古民家リノベーションの実情が詳しく分かりますよ!
古民家リノベーションにかかる費用の概算

古民家をリノベーションする場合にかかる費用は、おおよそ1500万円~2000万円程度。工事の費用は工事する面積によって決まると言われていますが、実は施工面積だけでなく使用する素材や、間取り変更の数、工事の日数によって価格は大きく変動します。
意外にも築年数は工事の費用に影響しないのがポイントです。
例えば2つの部屋を1つに繋げたり、耐久性のある外壁に変更したり、玄関や庭先の工事を重視したりなど、例に挙げた工事は費用がかさみやすいのが特徴。
一方、間取り変更は最低限にとどめ、使える部分は再利用。家の外を工事する外構工事を最低限に抑えると費用をグッと抑えられます。
ちなみに古民家の明確な定義は、築年数が50年以上が経っていることです。また1981年以前に建てられた、築40年以上の家は現在の建築基準法を満たしていない可能性があるため、築年数が50年未満でも耐震性を付け加える工事が必要。
古民家を自分のこだわり通りにリノベーションするなら、2500万円程度の余裕があるとよいでしょう。あくまでも実例の一部なので、実際に工事する古民家の情報をもとに見積もりを取ってもらうのが一番です。
古民家リノベーションで人気の工事箇所一覧

実際に古民家をリノベーションする方の例を見ると、以下の箇所を重点的に工事する方が多く見受けられます。なかでも、古民家でリノベーションすべき箇所第1位は「断熱性」です。
断熱材や断熱構造は10~20年の家では新しい技術を使用していますが、古民家では断熱性に問題を抱えている家がほとんど。リノベーション後に、エアコンの効きがよくなって快適に過ごせているという声も多く寄せられます。
▽古民家リノベーションで人気の工事箇所一覧
工事箇所 | 説明 |
断熱工事 | 寒さに悩みを抱える方が多く、断熱の性能を上げる工事は必ずと言っていいほど取り入れられます。 |
リビングの間取り | 家族で過ごす空間なので、広々としたリビングに間取りを変更される方が多いです。 |
リビングの採光性 | リビングに大きな窓をつけることで、部屋の明るさが格段にアップします。リビングが明るくなれば、過ごしやすくなります。 |
動線やこだわりを反映したキッチン | キッチンは個人のこだわりが詰まった箇所で、対面式のシステムキッチンが人気です。 |
トイレ |
古民家は水回りが古いままの住宅が多いため、最新のトイレに交換します。トイレの内装は家の内装と合わせて、統一感にこだわる例が多いです。 |
バリアフリーの洗面所・浴室 |
同居の家族や数十年後を考慮した、バリアフリーの洗面所・浴室が人気です。 |
既存の和室を活かした部屋 |
和室はそのまま残したいという要望が多く、既存の和室をそのまま再利用するほか、和と洋が融合した新しい和室も人気です。 |
簡単に変更できる柔軟な間取り設計 |
リビングを広々とるには、隣接する部屋を有効活用するのがポイント。引き戸やパーテーションで簡易的な間取り変更できる設計が人気です。 |
経験を活かしたクローゼットや収納部屋 | 収納は実際に住んだ家だからこそ分かる気付きを反映させ、広々と設ける方が多いです。 |
断熱性

古民家の課題は、断熱性が非常に乏しい点です。断熱性能はここ十数年で一気に質が上がっているので、優れた断熱性のを搭載していない家は、冬の寒さが厳しいのが特徴です。
また住宅会社によっても、断熱材の厚みや質が異なるので、古民家の断熱性は実際にその家を調べてみないとわかりません。しかし冬場、暖房をつけていても寒さを感じる、隙間から風が入ってくるようで寒い、などと感じる場合は、断熱性を加える工事を検討した方がよいでしょう。
また断熱性は単に熱を保って過ごしやすくするだけではありません。一度部屋が温まれば、以降も暖かさが持続するので、電気代の削減にもつながります。
実際に国土交通省では、省エネ住宅のポイントとして「優れた断熱性能」を推奨しています。古民家のリノベーションを行う際は、まず断熱性に注目してみてください。
リビングの間取り

リビングは家族で長く過ごす場所なので、間取りの変更や、内装工事、動線を考えたキッチンの変更など、過ごしやすさを重視して改装される方がほとんどです。
中でも人気なのはリビング、キッチンに加え、隣接する部屋もリビングとして使える、柔軟性のある間取り変更。引き戸を開けておけば広々としたリビングとして、引き戸を閉めれば簡易的な個室に、さまざまなシーンに合わせて間取りを変更できる設計が人気です。
リビングの採光性

リビングの間取りに加えて人気なのが、リビングに光を多く取り入れる採光性に関する工事です
最近の住宅は設計の内容に、「明るさ」を考慮して造られることが増えました。せっかくリノベーションするなら、明るく快適なリビングを作りましょう!
リノベーションでは、法律に沿った耐久性があれば、窓を好きなだけ取り付けられます。大きさも自由なので、施工例としては大き目の窓や、天窓で自然光をしっかり取り入れる設計が人気です。
曇りの日でも採光性に優れていれば、爽やかな気持ちで過ごせます。窓は二重窓にして、断熱性と結露を防げるようにするのがおすすめです。
動線やこだわりを反映したキッチン

リビングに加えて、キッチンは生活の快適さを左右する大事な箇所。キッチンの中からリビングの様子を伺える、対面式のキッチンが人気です。
対面式のキッチンにすると、部屋全体の見通しが良くなってさらに部屋が広く感じられます。キッチンは流し台や棚、コンロを丸ごと交換できるので、予算に合わせて機能を選んでみてください。
日頃キッチンを使って感じる不便さを反映できると、より満足いくリノベーションができますよ!
トイレ

古民家は水まわりがかなり古いので、リノベーションと一緒に交換する方がほとんど。またトイレを広めにとって、車椅子や高齢の方でも利用しやすいバリアフリーの設計が人気です。
広めのトイレでなくても、手すりを取り付ければ数十年後でも安心して住み続けられます。バリアフリーの面では、数十年先を見越しておくと後悔がありません。
バリアフリーの洗面所・浴室

トイレに続き、洗面所や浴室もバリアフリーの設計が人気。ご高齢の家族と一緒に住まわれている方は、急激な温度差で血圧が変動し、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす「ヒートショック」に備えて、保温性のあるタイルを使用したり、暖房設備を取り付けたり、工夫を凝らしている例が多く見受けられます。
また玄関に簡易的な洗面所を設置することで、汚れた手を家に上がる前に洗ったり、来客用の洗面所として使ったりという例もありました。
キッチンに加え、水回りも普段から不便に思っていることを箇条書きにして残しておくと、アイデアが浮かびやすくなります。
既存の和室を活かした部屋

古民家には和室が複数ありますが、和室をあえて残す工事が人気です。和室らしさを残すため、リノベーションする箇所は畳やクロスのみ。場合によっては、ほかの部屋に合わせて壁紙を選ぶと統一感が生まれます。
和室にも採光性を重視することが多く、居心地の良い空間になるように工事を行います。また通常の畳の半畳しかない「琉球畳」を部屋の中央に取り入れ、和と洋がうまく共存しあう和室も人気です。
半畳の琉球畳は、生活の一部に和を簡単に取り入れられるので、リビングの一部に採用するのもよいかもしれません。
引き戸やパーテーションを利用した柔軟な間取り設計

来客用の客間を作りたい方におすすめなのが、間取り変更のできる設計です。リビングの例でも紹介したように、最近では引き戸やパーテーションで簡易的な壁を作り、部屋の間取りを変更できる設計が人気。
普段はあまり使わない客間も、間取り変更でほかの部屋とつなげられれば、無駄なく活用できます。
経験を活かしたクローゼットや収納部屋

古民家をリノベーションする際、新たにウォークインクローゼットや下駄箱収納、収納部屋を造るのも人気の工事例です。
収納に関しては、実際にその家に住んでみないと分からないので、リノベーションでは手狭と感じた点を修正しつつ、工事できるのがリノベーションのメリットです。
収納は広く作っておくと、後々困りません。収納部屋をどこに作るのか、どんな機能を付け加えるのかに関しては、リノベーション業者に相談してみてください。プロ目線でアドバイスを貰えるほか、最新の便利な収納技術も得られるかもしれません。
古民家リノベーションの施工例と費用の一例をご紹介
費用 | 1990万円 |
築年数 | 55年 |
施工面積 | 167m² |
施工前の間取り | 8DK |
施工後の間取り | 4LDK |
【築55年】カフェのようなキッチンがある住宅にリノベーション




キッチンにこだわりが詰まったリノベーション例で、おしゃれなカフェを連想させます。
こちらのキッチンに施されたこだわりは次の通りです。
● レンガ調のタイル
● ペンダントライト
● 店舗用のクッションフロア
● 下がり天井
● 天井・床・設備を木目調で統一
キッチンの天井がリビングよりも少し低くなっているので、壁がなくても空間を仕切っているように感じるのがポイント。
また、床に使っているクッションフロアですが、店舗で使われるものを使用しているので耐久性に優れています。
リノベーションの最大の魅力は、こだわりを住宅にそのまま反映できる点。こちらの例のように、「この部分はこうしたい!」と依頼すれば、予算が許す範囲で実現してくれます。
親身になって相談に乗ってくれる業者を選ぶのも、リノベーションを成功させるひとつのポイントです。
こちらの事例をさらに詳しく見たい方は以下のルームツアー動画をご覧ください!
【築60年】落ち着いたシックな空間が魅力の住宅にリノベーション
費用 | 1990万円 |
築年数 | 60年 |
施工前の間取り | 3DK |
施工後の間取り | 2LDK |




リノベーションは家全体だけでなく、部分的に行うこともできます。
こちらは1階部分だけをリノベーションした例です。
ご高齢のご家族がお住まいの住宅なので、採光性とバリアフリーにこだわって設計しました。採光性や広々とした空間を演出するために、
● リビングの窓を大きめに
● 壁紙と窓枠を白に統一して広さを強調
● 構造撤去できない柱も白色のクロスを巻いて気にならないように工夫
● キッチン横のすぐ横にも窓を設置
などの工夫を取り入れています。
窓を大きくするリノベーションは採光性だけでなく、開放感も演出できるのがポイントです。綺麗な庭がある場合は、眺めも良くなりますね!
こちらの事例をさらに詳しく見たい方は、
【ルームツアー】母と2人で暮らす築60年の実家1階をリノベ!車椅子での介護導線も考えた安心設計
こちらのルームツアー動画をご覧ください!
【築49年】動線を考えつくした快適な平屋住宅にリノベーション
費用 | 1200万円 |
築年数 | 49年 |
施工面積 | 60m² |
施工前の間取り | 2DK |
施工後の間取り | 1LDK |




子育てが一段落し、ご夫婦での穏やかなセカンドライフを実現されるための工夫が施されたリノベーション例です。
暮らしやすさを考えた工夫は多岐にわたり、
● 半ハンズフリーで開閉するスライドドアの玄関
● 生活動線を考えてダイニングをリビングすぐ横に配置したため、最小限の移動で食事の準備ができる
● 足元に空間があり車いすでも利用できるバリアフリーの洗面所
など、その家に住む方の年齢に合わせて設計されています。
こちらの住宅は平屋構造ですが、その構造を活かしてリビングには天窓を設置しています。天窓は周囲に遮るものがなければ安定して自然光を取り込むことができます。
また、リノベーションでどうしても発生してしまう取り壊せない壁は、快適な読書空間として活用しています。
こちらの事例をさらに詳しく見たい方は
【ルームツアー】築50年平屋をまるごとリノベーション!夫婦の老後も安心のバリアフリー設計
ルームツアー動画をご覧ください!
【築40年】大胆に玄関を移動!収納空間たっぷりの住宅にリノベーション
費用 | 2260万円 |
築年数 | 40年 |
施工面積 | 109m² |
施工前の間取り | 10LDK |
施工後の間取り | 6LDK |




駐車場のスペースを広げるため、玄関を移動した大胆なリノベーション例です。リノベーションの魅力は、耐久性が損なわれなければ自由に間取りを変えられること。こちらの例も、玄関の位置を変えて、新たな駐車スペースを確保しました。
また、新しく作った玄関にはシューズラック、ラック、宅配ボックスを備えて、収納に優れた便利な玄関に一新。
リビングも隣の和室と繋げて広々とした空間にしています。
リノベーションの工事計画を立てる際、何か迷ったことがあればすぐに担当者や業者に確認してみてください。無理があると考えていた工事も、案外すんなりできる可能性があります。
古民家は構造を再利用してオシャレにリノベーションしよう!
築40年以上の古民家でも、リノベーションすれば機能性も見た目も、暮らしやすく修繕することができます。また新築物件にはない、昔ながらの構造や、年季が入った質のよい木材を再利用できるのは古民家リノベーションならでは。
全て新しくするのではなく、既存の構造を活かしつつ共存させると、費用も抑えられて「和モダン」な家が完成します。
大切な家をリノベーションする際は、一体となって考えてくれる業者を選びましょう。質のよい業者選びが、リノベーションを成功に導きます。
もし富山県で古民家のリノベーションをお考えの方がいたら、ぜひユニテにお任せください! ユニテでは古民家リノベーションに関して豊富な実績があり、プロ目線でお客様のご要望に寄り添います。
お客様目線でのリノベーションを第一に考えております。 何か気になる点、ご不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |