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古民家セルフリノベーション完全ガイド|初心者でもDIYできる範囲・費用をプロが教えます

「古民家をセルフリノベーションして快適に過ごしたい!」と考えているあなたに対して、工事箇所ごとの費用・節約方法・注意点をリノベーションのプロである弊社が解説します。節約しつつ、安全にリノベを進めるためのヒントをまとめました!

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「古民家を自分の手でリノベして、理想の暮らしを作りたい!」こんなことをお考えではないでしょうか?しかし、「どこまで自分でできるの?」「費用はいくら?」と迷う人も多いでしょう。

 

古民家のセルフリノベーションにかかる費用は300万円〜700万円程度です。ただし、資格の必要な工事や危険が伴う工事、建物の耐久性に影響を及ぼす可能性のある工事は、セルフリノベーションではおこなえないため上記の費用に含まれません。

 

このような工事をおこなう際は、専門知識のある業者に工事を依頼するのが鉄則です。

 

そこでこの記事では、この記事では、古民家リノベのプロが教える「セルフでできる範囲」と「プロに任せるべき工事」を分かりやすく解説します。ぜひしっかり把握して、古民家を安全にセルフリノベーションするための知識をつけてください。

築年数の経った古民家でもセルフリノベーションできる!

実はリノベーションには際限がありません。どんなに築年数が経っていてもリノベーションで修復+改善することは可能です。

 

そこでまずは、古民家をセルフリノベーションするメリット・デメリットについてご紹介していきます。古民家のセルフリノベーションになかなか踏み出せない方は、ぜひメリットを参考に前向きに検討してみてくださいね。

 

築年数50年前後のリノベーションを検討している方は、以下の記事も参考にしてください。
築50年でリノベーションはできる? 失敗例と費用、知っておきたいことを解説

古民家をセルフリノベーションするメリット

古民家セルフリノベーションのメリットは、以下の通りです。

 

古民家セルフリノベーションのメリット
  • 費用を安く抑えられる
  • 古民家の造りを活かすことで個性のある家になる
  • リノベーション工事によっては新築のような機能を備えた古民家になる

 

古民家とは築40~50年以上経過した家のことです。
(※一般社団法人全国古民家再生協会による定義は昭和25年の時点で既に建てられていた家)

 

建物によっては現在よりも良質な木材を使用していたり、しっかりした造りになっている場合があります。新築では表現できないような、風情のある構造を楽しめるのは古民家リノベーションならでは。

 

実際に古民家をリノベーションした方は、全て新築同様にするのではなく古民家特有の造りを活かし、趣のある家に造り変えられる方が多く見受けられます。

古民家をセルフリノベーションするデメリット

古民家のセルフリノベーションには、以下のデメリットも存在します。

 

古民家セルフリノベーションのデメリット
  • 素人作業なので仕上がりはプロに劣る
  • 体力や根気などが想像以上に必要になる
  • 思い通りにならないことももちろんある

 

古民家リノベーションのポイントは耐震性機能性です。実は建築基準法は改正されており、現在の耐震基準が決まったのは1948年のとき。つまり1948年より前に建てられていた家は、現在の耐震基準を満たしていないことになるのです。

 

また機能面では水回りが古式だったり、断熱材が一切入っていなかったりなど、現在の家に比べると古民家の機能性は非常に劣ります。古民家をリノベーションする際は、見た目よりもこの耐震性と機能性を重視しなければなりません。

 

さらに、セルフリノベーションは本来プロにお金を払って依頼する部分を、自分自身で対応することになります。費用が削減できる反面、労力がかかることにも留意しなければなりません。

 

建物の構造上できないことがあったり、資格がないとできない工事があったりと、思い通りにいかないことも多くあります。大切なのは、自分にできる範囲かどうかをしっかり見極めることです。少しでも難しいと感じたら、プロに依頼することを検討しましょう。

古民家のセルフリノベと業者リノベの違い

「実際にセルフリノベーションってどこまでできるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。そこでここからは、自分でできるリノベーションの範囲と、プロに任せるべき範囲の見分け方についてご紹介していきます。

 

また、「リノベーションについて勉強したい!」という方は、以下の記事も読んでみてください。
【カテゴリ別に紹介】リノベーションに役立つ本・雑誌13選

自分でできるリノベーションの範囲

セルフリノベーションの魅力は「自分の手で住まいを変えられること」ですが、DIYできるのはあくまでも装飾の範囲が中心になります。セルフリノベの例は以下の通りです。

 

セルフリノベの例 内容
壁の塗装・漆喰塗り 下地がしっかりしていれば、ペンキや漆喰で表情を変えるだけでも雰囲気がアップする
床の張り替え 接着剤や両面テープで貼れるタイプを選べば、初心者でも扱いやすい
襖・障子の張り替え 古材を活かして棚やテーブルをDIYする
照明・スイッチプレートの交換
(電気工事を伴わない範囲)
デザインを変えるだけでも印象が変わる
家具・建具のリメイク 古材を活かして棚やテーブルをDIYする

 

「建物の骨組みをいじらない」「資格が必要ない」作業であれば、基本的にDIYできるでしょう。時間をかけて少しずつ進めるのが、セルフリノベの醍醐味です。

 

特に壁や天井の塗装、床フローリングのオイル仕上げなどは難易度が低く、減額が期待できる施工なので、比較的チャレンジしやすいでしょう。

 

また、セルフリノベーションと業者への依頼を組み合わせると、費用を大きく削減できるメリットがあります。業者に依頼すると、簡単な工事でも10万円程の料金がかかるので、できる範囲はセルフリノベーションで修繕するのがおすすめです。

 

詳しい内容については、以下の記事も参考にしてください。
DIYでどこまでできる?初心者がセルフリノベーションで失敗しないためのコツと費用相場をご紹介

プロに任せるべきリノベーションの範囲

プロに任せるべき工事は、主に構造・配管・電気に関する工事です。

 

築40年以上経っている古民家の場合、全てをセルフリノベーションすることはできません。古民家は築年数が長い分、構造や配線が老朽化しているものも多いです。安全を確保するためにも、次の作業は必ず専門業者に依頼するのが基本になります。

 

プロに任せるべきリノベーションの範囲
  • 基礎・柱・梁などの構造補強(素人判断で取り外すと倒壊リスクも)
  • 屋根の修理・葺き替え(高所作業+防水処理が必要で危険)
  • コンセント・照明配線などの電気工事(電気工事士でないと施工不可)
  • 耐震補強・断熱改修(構造設計や申請を伴うことが多く、専門知識が必要)

 

 

電気・ガス・水道などのライフラインは、素人による工事が禁止されているため、専門の資格がないと施工できません。また、壁や床の下地工事に関しても、専門性が高いため素人には難易度が高いでしょう。

 

また、家には建築基準法という耐久性や作りに関する決まりがあるので、間取り変更に関しては制限がある点も注意が必要です。間取り変更や梁の撤去など、大掛かりな工事は業者に任せ、内装工事をメインにセルフリノベーションでおこなうことをおすすめします。

 

耐震補強にかかる費用については、以下の記事をご覧ください。
耐震補強にかかる金額はいくら?補助金とリフォームまでの流れを説明

古民家のセルフリノベーションにかかる費用

古民家をセルフリノベーションで改修する場合、工事の規模や程度によっても変動しますが、300万円~700万円ほどの費用が必要です。現状の間取りや設備などをフルリノベーションする場合は700万円程度必要になり、大人2名なら1年半ほどの期間がかかります。

 

ここからは以下の条件を想定して、セルフリノベーションにかかる具体的な費用についてみていきましょう。

 

  • 平屋の一戸建て古民家
  • 築50年ほど経過している
  • リノベーションをおこない、新築と同じくらい快適な暮らしを送りたい

 

以下は、この条件における間取りのイメージ図です。

以下は、同条件下におけるセルフリノベーションにかかった費用の例です。

 

セルフリノベーションにかかる費用一覧

セルフリノベーション項目 費用

間取り変更

(キッチンと洋室)

壁を撤去:5万円~

間取り変更

(和室4.5畳と4.4畳を1部屋に)

壁を撤去:5万円~

和室の畳をフローリングに

(2か所)

10万円✕2.5

(広さの分を0.5上乗せ)

 

また、安全第一で進めるため、以下はセルフリノベーションではおこなわないとします。

 

□電気・ガス・水道など資格がいる工事はおこなわない
□屋根や壁に関する高度な工事など、危ない工事はおこなわない
□間取りの変更は事前に業者に相談したうえでおこなう

 

そのため、専門性の高い部分を業者に依頼すると、セルフリノベーションの費用に加えて以下の費用が必要です。

 

業者に依頼した項目 費用
洋室と和室の間にスライドドアを設置 50~100万円
キッチン工事 50~100万円
玄関ドア交換 50万円

 

工具費用 25,000~50,000円

この例には洗面所、浴室、トイレが含まれていませんが、合計で200~300万円ほどの費用が発生しています。

 

ここに下記3項目の工事を追加すると、さらに150~200万円が必要です。

トイレ ~50万円
洗面所 ~50万円
浴室 50~100万円

 

 上記は一例ですが、ぜひ実際の施工時の参考にしてください。

古民家をセルフリノベーションする際の工事箇所一覧

古民家リノベーションでは、内装よりも機能面のリノベーションが重視されます。家の機能性は暮らしやすさや安全性に直結するため、軽視できない部分です。

 

ここでは実際に古民家をセルフリノベーションする際の工事箇所をご紹介します。以下は施工箇所における費用相場と難易度を表にしたものです。

 

施工箇所 施工内容 費用目安の比較 施工期間 難易度
天井・壁
(40㎡あたり)
解体(壁1枚) 業者:5〜6万円
セルフ:1.3万円〜
2〜3日 高い
クロス(壁紙) 業者:4〜5万円
セルフ:1.5万円〜
1〜2日 中程度
塗装 業者:5〜8万円
セルフ:1.2万円〜
1〜2日 低い

(14㎡あたり)
フローリング重ね張り 業者:6〜15万円
セルフ:4.5万円〜
2日 高い
オイル仕上げ 業者:3万円
セルフ:1万円〜
2日 低い
塗装・オイル仕上げ 業者:3万円
セルフ:1万円〜
2日 低い
ドア 塗装・オイル仕上げ 業者:3万円
セルフ:1万円〜
2日 低い

 

DIYに慣れている人なら中程度、専門知識と現場経験のある人なら高難易度でも問題なくセルフリノベーションできるでしょう。しかし、不慣れな人や初心者は、挑戦しやすい簡単な施工のみを自分でおこない、難しい部分は業者に依頼する形がベターです。

 

初心者でも比較的挑戦しやすいリノベーション、業者に依頼するべきリノベーションに分けて紹介していきますので、途中で投げ出したりしないようしっかり把握しておきましょう。

初心者でも挑戦しやすいセルフリノベーション

セルフリノベーションの中でも挑戦しやすい箇所は以下の通りです。

 

初心者でも挑戦しやすいセルフリノベーション
  • 壁や天井のセルフリノベーション
  • 床のセルフリノベーション
  • ドアや棚のセルフリノベーション

 

上記のセルフリノベーションは難易度の低いものなので、初心者は簡単な作業から初めてみるのがいいでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。

壁や天井のセルフリノベーション

壁や天井のセルフリノベーションには以下のようなものがあります。

 

解体(壁1枚) 業者:5〜6万円
セルフ:1.3万円〜
2〜3日 高い
クロス(壁紙) 業者:4〜5万円
セルフ:1.5万円〜
1〜2日 中程度
塗装 業者:5〜8万円
セルフ:1.2万円〜
1〜2日 低い
珪藻土 業者:15〜25万円
セルフ:7〜10万円
1〜2日 中程度
漆喰 業者:15〜25万円
セルフ:4〜7万円
1〜2日 中程度
タイル 業者:4万円〜
セルフ:タイルの価格で変動
1〜2日 高い

 

壁の解体はかなり難易度が高いため、自身で対応するのは知識が無いと難しいでしょう。また、簡単にできるように思える「クロス貼り」も、実はそれなりに難易度が高い作業です。

 

空気を入れずにキレイに貼るためには、脚立や撫でバケ・ヘラ・ローラーなどの道具が必要になり、テクニックも必要になります。

 

そのため、初心者がチャレンジするなら「壁や天井の仕上げ」がおすすめです。仕上げの塗装は道具と汚れても良い服さえあれば、比較的簡単にセルフリノベーションできます。道具も100円ショップやホームセンターで購入できるため、費用も削減できますよ。

床のセルフリノベーション

床に関するセルフリノベーションは、主に以下の2種類です。

フローリング重ね張り 業者:6〜15万円
セルフ:4.5万円〜
2日 高い
オイル仕上げ 業者:3万円
セルフ:1万円〜
2日 低い

 

床のセルフリノベーションに関しても、難易度が低い「仕上げ」の作業がおすすめです。フローリングを重ね張りする作業もセルフリノベーションでできますが、和室と洋室の高さを合わせたり、下地から作ったりする場合は難しくなるでしょう。

 

ただし、床の張り替えではなく簡易的なクッションフロアを採用する場合は、両面テープで敷き詰めることができるためかなり簡単です。コストを重視するなら検討してみてもいいでしょう。

 

古民家リノベーションの床材についてお悩みの方は、以下の記事も参考にしてください。
【事例あり】リノベーションにおすすめの床材|フローリングの種類と費用を比較

ドアや棚のセルフリノベーション

ドアや棚のセルフリノベーションも比較的簡単です。オイル仕上げや水性塗料による塗装なら、壁や天井の仕上げ作業と同程度の労力でリノベーションできるでしょう。木材に塗装処理をする場合は、下地処理として「シーラー」を塗ってから塗料を塗ることが大切です。

 

塗装・オイル仕上げ 業者:3万円
セルフ:1万円〜
2日 低い

【難易度高め】古民家のセルフリノベーション

ここからは、難易度が高いセルフリノベーションについてみていきましょう。

 

難易度が高いセルフリノベーション
  • 水回りのセルフリノベーション
  • 外壁のセルフリノベーション
  • 内装や間取りのセルフリノベーション

 

上記は古民家リノベーションにおいて重要度が高い部分ではありますが、素人が対応するのは難しい箇所でもあります。特に水回りや見えない部分のリノベーションは、プロに依頼すべきでしょう。

水回りのセルフリノベーション

快適な暮らしを実現させるためには、水回りを新しいものに交換する必要があります。より衛生的に使えるだけでなく、環境にも優しいので交換を前向きに検討してみてください。お手入れしやすく、将来的にも使いやすい設備を考えてみましょう。

 

ただし、水回り設備の交換・フルリノベーションは難易度が高いため、セルフでおこなうのは現実的ではありません。ライフラインに関する工事は無資格でできない部分なので、必ず専門家に依頼しましょう。

 

セルフでおこなうなら、以下のような比較的簡単なリノベーションがおすすめです。

 

水回りのセルフリノベーションの例
  • トイレの壁紙を鮮やかにする(塗装)
  • キッチン台の表面をリメイクする
  • 壁をタイル仕様にする
  • 扉にリメイクシートを貼る

 

古民家に付いているキッチンは機能面で劣るだけでなく、サビや破損している部分があったり、悪臭が発生していたりと、安全面や衛生面の観点からリノベ―ションすべき箇所に入ります。

 

また、特に古いものは「汲み取り式トイレ」が設置されていたり、新しくても「簡易水洗トイレ」を使用していたり、トイレの設備が不十分な物件も多い傾向です。

 

そのため、トイレと一緒に浴室や洗面所も新しくすることをおすすめします。古民家に設置されている浴室は間取りが狭く、浴槽も脚を折り曲げて使わなければならないほどのサイズがほとんどです。ご高齢の家族と一緒に住んでいる方や、将来も住み続ける予定がある方は、浴室のリノベーションも検討してください。

外壁のセルフリノベーション

家には手直しが必要になる目安の「耐用年数」が決まっています。家全体だと20~30年ほどですが、外壁は10~20年が限度です。ただしこの値は使われている素材や、定期メンテナンスの有無によって異なるので、実際の対応年数は住宅によって異なります。

 

ひび割れや破損個所がある場合は確実に外壁の修繕工事が必要です。自分で確認できない場合は専門の業者に依頼して、しっかり確認してもらいましょう。外壁は雨風にさらされる部分なので、予算に余裕があれば耐用年数の長い素材を使うのがおすすめです。

断熱性能に関するセルフリノベーション

築40年以上の古民家にお住まいの方からよく聞く悩みは「家の中でも寒さが厳しい」というもの。いくら暖房設備を整えても、壁から伝わったり、隙間から入り込んだり、古民家は断熱性能に問題があるのがデメリットです。

 

そのため古民家をリノベーションされる方は、必ず断熱性を上げる工事を依頼しています。断熱性の向上によって冷暖房にかかる電気代も削減できるのがポイントです。

 

簡単なものなら自身で断熱材を入れることもできますが、古民家の場合は見えない部分にもしっかり手を加えなければなりません。躯体や床下などの構造部分に関するリノベーションについては、業者依頼がベターです。

 

また、外断熱のデメリットについては、以下の記事で解説しています。
外断熱のデメリットって?|メリットだけじゃない隠れた注意点を知ろう

内装や間取りに関するセルフリノベーション

内装や間取りに関しては、使える部分を再利用し、手直しが必要な箇所のみをリノベーションするとコストカットできます。

 

また間取りは部屋数を増やすよりも、減らしてひと部屋を広くするケースが多い傾向です。実際の生活を考え、必要な部屋だけを用意するのがポイントになります。

 

ただし、先述したように壁の解体をセルフでおこなうのは知識がないと難しいでしょう。2つの部屋を1つにしたい場合は天井や壁の解体が必要になりますが、一戸建ての場合は壊してはいけない壁や柱が存在します。

 

安全性に関わる部分なので、業者に依頼して対応してもらった方がいいでしょう。

セルフリノベーションは準備が重要!事前に把握しておくこと

セルフリノベーションはとにかく計画性が大切。どこから手を付けるか、どのくらいの期間を目安にするか、どれくらいの予算をかけるか、全ての工程に関して綿密に計画を練ってから着手するのがおすすめです。施工に着手する前に、以下のポイントを把握しておいてください。

 

セルフリノベーションをする前に準備・把握しておくこと
  • 作業計画のリスト化
  • 使う素材にこだわらない
  • ゴミの捨て方をチェック
  • 養生テープを活用
  • できる・できないの明確化

 

見通しの立たないまま工事に着手すると、途中で予算が足りなくなったり、気候が不安定な時期と工事が重なってしまったり、思うように進まなくなります。

 

明確な目標を決め、それに沿って計画を練っていきましょう。情報収集をするうえで、完成イメージに近い画像があると、よりスムーズに進みます。

作業の計画をリスト化する

セルフリノベーションで費用を削減するためのポイントは以下の通りです。

 

セルフリノベーションで費用を削減するためのポイント
  • 材料費の削減
  • 工費の削減
  • 予算計画

 

なかでも予算の計画を立てるのが重要で、事前に費用の目安が分かれば、不足した予算分を補うための対策をたてられます。そのためには「ToDoリスト」などを作成して、作業をリストアップすることが大切です。

 

作業内容を洗い出すことにより、必要な資材と工具なども可視化できるようになります。作業場所と資材置き場は、リノベーションの規模によっては必要になるため、しっかり確保しておきましょう。

 

もし場所が確保できない場合は、ホームセンターの工作スペースを活用するのがおすすめです。

使う材料にこだわりすぎない

セルフリノベーションにかかる費用は、大まかに分けて3つあります。

 

セルフリノベーションにかかる費用
  • 建材・材料費
  • 廃材の処分費
  • セルフリノベーションでできない部分の外注費用予算計画

 

このうち大きく節約できるのは、建材・材料費用のみ。工夫次第で削減できる費用も大きく変動するので、まずはこの材料費用を見直してみましょう。

 

最近はセルフリノベーション人気の高まりもあり、ホームセンターや100円ショップなどで手軽に購入できるリノベーショングッズが数多く販売されています。

 

DIYに慣れている人であれば、リノベーション用のセット用品を購入するより、未加工の材料を自分で加工して使う方が費用も安くなるでしょう。

ゴミの捨て方をチェックしておく

セルフリノベーションでは、余った資材やゴミも自身で処分しなければなりません。予め捨て方をチェックしておくとスムーズに片付けられるので、しっかり把握しておきましょう。

 

以下に一般的な処分方法を示しておきますが、自治体によって処分方法が異なる場合があります。詳しくは住んでいる地域の自治体HPを確認してください。

 

処分するもの 処分方法
クロスの切れはし・木くず 燃えるゴミで出す
(自治体によっては別途回収)
ねじ・針・ガラス 燃えないゴミ
(量や大きさによっては産業廃棄物の扱い)
ペンキ類 燃えるゴミで出す
(新聞紙などにしみ込ませる、固形材で固めるなどの処理が必要)

 

養生テープを活用する

セルフリノベーションは素人がおこなう作業なので、施工場所に隣接する部分を塗料で汚してしまったり、謝って傷付けたりしてしまうことも考えられます。

 

特に、壁や天井の塗装をする場合は、養生テープを活用して縁取りをするのがおすすめです。汚したくない部分をブルーシートなどで覆って保護しておけば、万が一塗料が飛んでも安心して作業できます。

 

また、家具の組み立てや床で作業する際にも、養生テープでブルーシートや布を固定して傷を防ぐことが大切です。

 

万が一失敗してしまった時は、プロにリカバリーを依頼することもできますので、無理のない範囲で楽しくおこないましょう。

セルフリノベーションでできる部分とできない部分を把握しておく

セルフリノベーションには限度があり、できる箇所とできない箇所があります。

できない箇所は以下の6種類です。

 

セルフリノベーションではできない箇所
  1. 水回り
  2. 電気関係
  3. ガス関係
  4. 高所
  5. 大規模な工事
  6. 建築基準法に抵触するような間取り変更

 

これらはリノベーション業者や専門の設備施工業者に依頼する必要がある箇所ですが、契約を交わす前に簡単な内装工事や自分でもできそうな箇所の工事について、しっかり確認しておきましょう。

 

古民家のセルフリノベーションをスタートする前に、設備関係の業者に相談し、セルフリノベーションする部分とそうでない部分を分けるのがおすすめです。これにより、より見通しのきいた予算設計ができます。

古民家をセルフリノベーションする際の注意点5つ

古民家のセルフリノベーションをおこなう際は、以下の5つのポイントに注意しましょう。

 

セルフリノベーションではできない箇所
  1. 主要構造部は自己判断でいじらない
  2. 機能性の修復を最優先にする
  3. 耐震工事や断熱工事は業者に依頼する
  4. 配管・電気工事は資格がある人に依頼する
  5. 間取り変更は耐久性と建築基準法に注意する

 

ここでは、セルフリノベーションで起こりがちな失敗点も踏まえて、解説していきます。

主要構造部は自己判断でいじらない

セルフリノベーションでは、以下の主要構造部はいじらないことが原則です。
 

業者に任せたほうがいいリノベーション箇所
  • 屋根
  • 階段 など

 

上記は規模の大きいリノベーション内容になるため、場合によっては建築基準法などの法知識が必要になるケースがあります。

また、役所に確認申請を取る必要も出てくるので、自己判断でいじらないようにしてください。

 

面積に増減がある場合や主要構造部に手を入れたい場合は、必ず設計士や役所などに問い合わせて、技術・法令的な問題はないか確認してもらいましょう。

 

違法な工事をしてしまうと、万が一建物の倒壊・火災などを招いてしまったとしても、全て自己責任です。また、建物の解体命令や懲役・罰金などのペナルティがある可能性も考えられるので、きちんと専門家の指示のもとおこなうことが推奨されます。

見た目より機能性の修復を最優先する

セルフリノベーションでは家の機能性に関する工事を最優先しましょう。家の機能性は生活の質に直結するので、機能性が少し上がるだけでより快適に過ごせるようになります。

 

予算を決める際は、機能性に関する費用を先に決め、余った費用をそのほかの費用に回す方法がおすすめです。

耐震性や断熱性は業者に依頼する

安心して過ごせる家を作るために、耐震工事や断熱工事は業者にお願いして確実におこないます。

 

家具の取り付けや室内の地震に備えた工事はセルフリノベーションでもできますが、梁や柱、基礎部分に専用の金具を取り付ける耐震工事などは、セルフリノベーションではできません

 

また断熱工事は断熱材を購入すれば誰でもできますが、天井部分や壁面の高所は難易度が高く難しい工事です。断熱材の判断ができなかったり、使い方を誤ったりすると断熱の効果が薄くなってしまうので、不安がある方は業者への依頼をおすすめします。

配管工事や電気工事は専門の資格を持った人にお願いする

電気や水回りの工事は、セルフリノベーションできません。これは工事に関して資格や許可が必要になるからです。

 

水回りのキッチン・トイレ・浴室・洗面所をセルフリノベーションするなら、水道、配管に直接関連しない工事に挑戦してみましょう。

 

造れる範囲の部品は自分で造ったり、タイルや壁紙は自分で張ったりなどするのがおすすめです。例えば、洗面台は収納性が最低限のものを選び、収納部分は自分で材料を購入して組み立てればこだわりの洗面台が完成します。

 

また電気工事には「電気工事士」の資格が必須です。間違った工事は重大な事故の原因になりかねないので、これらの工事は費用がかさんだとしても必ず業者に依頼しましょう。

間取り変更は建物の耐久性と建築基準法に注意する

セルフリノベーションの醍醐味、間取り変更にも限度があります。また太い柱や梁は、撤去すると耐久性が低下する可能性があるので個人での判断はおすすめできません。

 

先述したように、これらのリノベーションは建築基準法の知識が必要になるケースがあります。一般的な木造二階建てでない場合は、確認申請が必要な場合もあるため、注意しなければなりません。
 

もし大きく間取りを変更するなら、必ず業者に依頼しましょう。専門の業者はこれまでの知識もあり、間取り変更に関してアドバイスが貰えることもあります。悩んだらまずは相談してみましょう。

古民家のセルフリノベーションに関するよくある質問

ここからは、「古民家のセルフリノベーション」に関するよくある質問に、リノベーション業に30年以上携わってきたユニテがお答えしていきます。

 

古民家のセルフリノベーションに関するよくある質問
  • 古民家のセルフリノベーションにかかる期間は?
  • 築40年・50年の家をフルリノベーションしたら何年住めますか?
  • お金がなくてもリフォーム・リノベーションできますか?
  • DIY初心者や女性でもできる古民家のセルフリノベーションは?
  • 古民家のセルフリノベーションで後悔が多いポイントは?

 

上記のような疑問を持っている方は、あわせて参考にしてみてくださいね。
 

古民家のセルフリノベーションにかかる期間は?

古民家のフルリノベーションにかかる施工期間は、4〜6ヵ月程度です。まず設計に2〜3ヵ月かかり、実際の施工にも2〜3ヵ月程度かかります。

 

部分リノベーションなら1ヵ月以内で完了するケースも多いですが、古民家の場合は構造部の修繕などが必要になることが多いため、工事の規模も大きくなる傾向です。
 

築40年・50年の家をフルリノベーションしたら何年住めますか?

築40年・50年の古民家でも、フルリノベーションをおこなえば40〜60年ほど住み続けることが可能です。リノベーションと同時に補修や補強を抜け漏れなくおこなっておけば、100年以上継続して住み続けることもできるでしょう。

 

これは、古民家に使われている梁や柱が良質かつ堅牢なものであったり、家の構造自体がしっかりしていたりすることも理由の1つです。シロアリ被害や雨漏りによる腐食などがなければ、古民家でも長く住み続けることができます。

 

詳しい内容については、こちらの記事をご覧ください。
【築40年の家】戸建てリノベーションのコツ!必要なリフォーム内容や費用相場を実例付きで紹介

お金がなくてもリフォーム・リノベーションできますか?

手元にお金がなくても、リフォーム・リノベーションすることは可能です。たとえば火災保険の申請により保険金が受け取れるケースや、自治体の補助金制度を利用できるケースなどがあります。

 

また、銀行のリフォームローンを活用する方法もおすすめです。それぞれどのケースに自分の家が該当するか、もっとも有効な資金調達方法はどれかよく検討した上で、申請または借り入れをおこないましょう。
 

DIY初心者や女性でもできる古民家のセルフリノベーションは?

DIY初心者や女性でも挑戦しやすいセルフリノベーションは以下の通りです。

 

DIY初心者や女性でもできるセルフリノベーション
  • しっくいや珪藻土塗り
  • 内装の仕上げ作業
  • 襖や壁紙の張り替え
  • 内装の断熱性向上(隙間風防止など)
  • 解体・廃材処分

 

特にしっくい・珪藻土塗りは人気のDIY作業で、凹凸のある味のある仕上がりなら初心者でも十分挑戦できるでしょう。クオリティにこだわらないのであれば、失敗してもやり直しがきく襖・壁紙の張り替えなどもおすすめです。


また、構造部はいじらずに内装で断熱性を向上させる作業も簡単にできます。断熱フィルムや隙間風防止のテープを貼るだけでも、多少の防寒対策になるでしょう。
 

古民家のセルフリノベーションで後悔が多いポイントは?

古民家のセルフリノベーションをおこなった人が後悔しているポイントには、以下が多い傾向です。

 

古民家のセルフリノベーションのよくある後悔の例
  • 予算をオーバーしてしまった
  • 光熱費が高くなってしまった(断熱性能不足)
  • 仕上がりのイメージと違った

 

古民家自体の価格は割安ですが、劣化や腐食が進んでいると修復工事にお金がかかってしまいます。結果として予算をオーバーしてしまったという方は意外と多いです。

 

また、内装工事にこだわり、構造部の断熱性向上を重視しなかった方の中には、夏の暑さや冬の寒さが耐えがたいという意見も多くみられました。

古民家リノベーションにお悩みの方はユニテにご相談ください

セルフリノベーションできない箇所は、積極的に業者に依頼しましょう。業者に依頼すると数十万単位で費用がかかりますが、内装はセルフリノベーションで、機能面は業者に依頼するなど、しっかり区別すればリノベーションにかかる費用を大幅に削減できます

 

業者は専門の知識や資格があるため、大規模な工事も安心して任せられるでしょう。またリノベーションに特化した業者はリノベーションの経験が豊富なので、完成度を高めるためのアドバイスももらえます。

 

弊社ユニテは、年間1,000件以上のリノベーションのご依頼を頂いており、古民家リノベーションの実績も豊富です。30年間の営業で培ってきた知識や技術を活かしながら、お客様の希望に可能な限り沿った施工を実現いたします。

 

特に、初めてのセルフリノベーションに不安があるという方は、実績豊富なプロの判断を仰ぎながら、対応できる範囲を検討してみてはいかがでしょうか。ぜひお気軽にお問合わせください。

 

お問い合わせはこちら

できる範囲で安全に古民家のセルフリノベーションに挑戦しよう

セルフリノベーションは、実現可能な範囲で安全におこないましょう。事前準備を確実におこない、見通しをもってセルフリノベーションに臨むことが大切です。

 

専門性が必要な施工は、たとえ「自分でやってみたい!」と思っても、安全面・保険面・法律の側面から、プロに任せるのが鉄則です。難しい工事はしっかり業者に任せて快適な生活を送りましょう。