1. トップ
  2. コラム
  3. 古民家をセルフリノベーション!箇所・費用・手順などの基本をご紹介

古民家をセルフリノベーション!箇所・費用・手順などの基本をご紹介

「古民家をセルフリノベーションして快適に過ごしたい!」と考えているあなたに対して、工事箇所ごとの費用・節約方法・注意点をリノベーションのプロである弊社が解説します。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「築年数の経った古民家でもリノベーションできるのか?」

「古民家はセルフリノベーションできる?」

「古民家のセルフリノベーションにはいくらの費用がかかるのか?」

 

こんなことをお考えではないでしょうか?

 

結論から言いますと、古民家のセルフリノベーションにかかる費用は300万円~700万円程度。ただし、資格の必要な電気・ガス・水道工事や、危険が伴う工事、建物の耐久性に影響を及ぼす可能性のある工事はセルフリノベーションの費用に含まれていません。

 

▽セルフリノベーションでできない工事

  • 電気関連
  • 水道関連
  • ガス関連
  • 危険が伴う高所での工事
  • 無理な間取り変更

 

このような工事を行う際は、専門知識のある業者に工事を依頼するのが鉄則です。

 

また、費用はセルフリノベーションする建物の規模や、どこまで綺麗にするかの「こだわりの程度」、材料へのこだわりによって大きく変動します。場合によっては700万円以上必要になる可能性もあるので、セルフリノベーションの途中で資金不足にならないよう、しっかりと計画を立てて工事を始めなければなりません。

 

実際にざっくりとした見通しのみでセルフリノベーションを始めたら、想定外の費用が必要になり、リノベーション工事を途中で止めてしまったという例もあります。

 

そんな状況にならないためにも、本記事では以下についてまとめています。

  • 古民家のリノベーション箇所
  • 古民家のセルフリノベーションにかかる総額費用
  • 工事箇所ごとの費用
  • 古民家のセルフリノベーションで費用を節約する方法
  • 古民家セルフリノベーションの注意点

 

この記事を読めば、古民家をセルフリノベーションするための第一歩が踏み出せますよ!

築年数の経った古民家でもセルフリノベーションできる!

実はリノベーションには際限がなく、どんなに築年数が経っていてもリノベーションで修復+改善することができます。

ここでは古民家をセルフリノベーションするメリットをご紹介します。古民家のセルフリノベーションになかなか踏み出せない方は、ぜひメリットを参考に前向きに検討してみてくださいね。

古民家をセルフリノベーションするメリット

古民家セルフリノベーションには、次のようなメリットがあります。

  • 費用を安く抑えられる
  • 古民家の造りを活かすことで個性のある家になる
  • リノベーション工事によっては新築のような機能を備えた古民家になる

 

古民家とは築40~50年以上経過した家のことを指します。
(※一般社団法人全国古民家再生協会による定義は昭和25年の時点で既に建てられていた家を古民家と定義している。)

 

古民家のポイントは耐震性機能性です。実は建築基準法は改正されており、現在の耐震基準が決まったのは1948年のとき。つまり1948年より前に建てられていた家は、現在の耐震基準を満たしていないことになるのです。

 

また機能面では水回りが古式だったり、断熱材が一切入っていなかったりなど、現在の家に比べると機能性は非常に劣ります。古民家をリノベーションする際は、見た目よりもこの耐震性と機能性を重視しなければなりません。

 

しかし、古民家は建物によっては現在よりも良質な木材を使用していたり、しっかりした造りになっている場合があります。新築では表現できないような、風情のある構造を楽しめるのは古民家リノベーションならでは。

 

実際に古民家をリノベーションした方は、全て新築同様にするのではなく古民家特有の造りを活かし、趣のある家に造り変えられる方が多く見受けられます。

古民家をセルフリノベーションする際の工事箇所一覧

古民家リノベーションでは、内装よりも機能面のリノベーションに注目されます。家の機能性は暮らしやすさに直結するため欠かせません。

 

ここでは実際に古民家をセルフリノベーションする際の工事箇所をご紹介します。

キッチン

古民家に付いているキッチンは機能面で劣るだけでなく、サビや破損している部分があったり、悪臭が発生していたり、安全面や衛生面の観点からリノベ―ションすべき箇所に入ります。

 

キッチンは既存のモノを取り壊し、そこに新しいキッチンを設置します。キッチンの値段は品質によって数十万~数百万円の差があり、個人のこだわりが強く反映されます。

 

また、キッチンのリノベーションでは部屋を広々と見せるために、対面式にしてリビングとの壁をできるだけ無くす工事が人気。最近は機能性に優れたキッチンが多く販売されており、キッチンの完成度によって生活の質が大きく変動します。

トイレ

古民家に設置されているトイレのなかには、特に古いもので「汲み取り式トイレ」が設置されていたり、新しくても「簡易水洗トイレ」を使用していたり、トイレの設備としては不十分な物件がほとんどです。

 

よって、快適な暮らしを実現させるためには、トイレを新しいものに交換する必要があります。より衛生的に使えるだけでなく、環境にも優しいので交換を前向きに検討してみてください。

浴室・洗面所

また、水回りとして、トイレと一緒に浴室や洗面所も新しくするのがおすすめ。

 

古民家に設置されている浴室は間取りが狭いだけでなく、浴槽も脚を折り曲げて使わなければならないほどのサイズなので、ご高齢の家族と一緒に住んでいる方や、将来も住み続ける予定がある方は、浴室のリノベーションをおすすめします。

 

また、古い浴室にはタイルの隙間に黒カビや汚れが付着しているので、掃除がしやすい新しい素材に交換するのもよいでしょう。お手入れしやすく、将来的にも使いやすい浴室を考えてみましょう。

壁・床・天井の断熱機能

築40年以上の古民家にお住まいの方からよく聞く悩みは「家の中でも寒さが厳しい」というもの。いくら暖房設備を整えても、壁から伝わったり、隙間から入り込んだり、古民家は断熱性能に問題を抱えています。

 

そのため古民家をリノベーションされる方は、必ず断熱性を上げる工事を依頼しています。安全な箇所であれば自分で断熱材を入れることもできるうえ、断熱性の向上によって冷暖房にかかる電気代も削減できるのがポイントです。

外壁

家には手直しが必要になる目安の「耐用年数」が決まっています。家全体だと20~30年ほどですが、外壁は10~20年が限度です。ただしこの値は使われている素材や、定期メンテナンスの有無によって異なるので、住宅によって状態はさまざま。

 

ひび割れや破損個所がある場合は確実に外壁の修繕工事が必要です。自分で確認できない場合は専門の業者に依頼して、しっかり確認してもらいましょう。外壁は雨風にさらされる部分なので、予算に余裕があれば耐用年数の長い素材を使うのがおすすめです。

内装や間取りは個人のこだわりにお任せ!

そのほか家の間取りや壁紙・床材などの間取りは、個人のこだわりでリノベーションするか自由に選択できます。内装は使える部分は再利用し、手直しが必要な箇所のみをリノベーションすれは費用も抑えられます。

 

また間取りは部屋数を増やすよりも、減らしてひと部屋を広くする例がほとんど。実際の生活を考え、必要な部屋だけを用意するのがポイントです。

古民家のセルフリノベーションにかかる費用

古民家をセルフリノベーションで直す場合、規模や直す程度によって300万円~700万円ほどの費用がかかります。

 

ただし、築40年以上たっている古民家の場合、全てをセルフリノベーションすることはできません。電気・ガス・水道工事や、耐震性の強化、断熱性能の強化などは専門の業者に依頼する必要があります。

 

また、家には建築基準法という耐久性や作りに関する決まりがあるので、間取り変更に関しては制限がある点も注意が必要です。おすすめは間取り変更や梁の撤去など、大掛かりな工事は業者に任せ、内装工事をメインにセルフリノベーションで行うこと。

 

ここでは以下の条件を想定して、セルフリノベーションにかかる費用をご紹介します。

  • 平屋の一戸建て古民家
  • 築50年ほど経過している
  • リノベーションを行い、新築と同じくらい快適な暮らしを送りたい

 

また、条件としてセルフリノベーションに以下の制約を設けます。

安全第一で進めていきましょう。

□電気・ガス・水道など資格がいる工事は行わない

□屋根や壁に関する高度な工事など、危ない工事は行わない

□間取りの変更は事前に業者に相談したうえで行う

セルフリノベーションにかかる費用一覧

セルフリノベーション項目 費用

間取り変更

(キッチンと洋室)

壁を撤去:5万円~

間取り変更

(和室4.5畳と4.4畳を1部屋に)

壁を撤去:5万円~

和室の畳をフローリングに

(2か所)

10万円✕2.5

(広さの分を0.5上乗せ)

 

業者に依頼した項目 費用
洋室と和室の間にスライドドアを設置 50~100万円
キッチン工事 50~100万円
玄関ドア交換 50万円

 

工具費用 25,000~50,000円

この例には洗面所、浴室、トイレが含まれていませんが、合計で200~300万円ほどの費用が発生しています。

 

ここに下記3項目の工事を追加すると、さらに150~200万円が必要になります。

トイレ ~50万円
洗面所 ~50万円
浴室 50~100万円

古民家のセルフリノベーションで費用を抑えるための工夫3つ

セルフリノベーションで費用を削減するためのポイントは

  • 材料費の削減
  • 工費の削減
  • 予算計画

の3つ。なかでも予算の計画を立てるのが重要で、事前に費用の目安が分かれば、不足した予算の対策をたてられます。

 

それぞれの工夫について、さらに詳しくご紹介します。

工夫①使う材料にこだわりすぎない

セルフリノベーションにかかる費用は、大まかに分けて3つ。

  • 建材・材料費
  • 廃材の処分費
  • セルフリノベーションでできない部分の外注費用

 

このうち大きく節約できるのは、建材・材料費用のみ。工夫次第で削減できる費用も大きく変動するので、まずはこの材料費用を見直してみましょう。

 

最近はセルフリノベーション人気の高まりもあり、ホームセンターや100円ショップなどで手軽にできるリノベーショングッズが販売しています。またリノベーション用のセット用品を購入するより、未加工の材料を自分で加工して使う方が費用も安くなります。

工夫②セルフリノベーションでできる部分とできない部分をしっかり分ける

セルフリノベーションには限度があり、できる箇所とできない箇所があります。

できない箇所としては

  • 水回り
  • 電気関係
  • ガス関係
  • 高所
  • 大規模な工事
  • 建築基準法に抵触するような間取り変更

の6種類。

 

これらはリノベーション業者や専門の設備施工業者に依頼しますが、このとき簡単な内装工事や自分でもできそうな箇所の工事は、契約を交わす前にしっかり確認しておきます。

 

古民家のセルフリノベーションをスタートする前に、設備関係の業者に相談し、セルフリノベーションする部分とそうでない部分を分けるのがおすすめ。これにより、より見通しのきいた予算設計ができます。

工夫③工事完了までの予算計画をしっかり立てる

セルフリノベーションはとにかく計画性が大切。どこから手を付けるか、どのくらいの期間を目安にするか、どれくらいの予算をかけるか、全ての工程に関して綿密に計画を練ってから着手するのがおすすめ。

 

見通しの立たないまま工事に着手すると、途中で予算が足りなくなったり、気候が不安定な時期と工事が重なってしまったり、思うように進まなくなります。

 

明確な目標を決め、それに沿って計画を練っていきましょう。情報収集をするうえで、完成イメージに近い画像があると、よりスムーズに進みます。

古民家をセルフリノベーションする際の注意点4つ

セルフリノベーションの注意点は以下の4つ。

  • 機能性の修復を最優先にする
  • 耐震工事や断熱工事は業者に依頼する
  • 配管・電気工事は資格がある人に依頼する
  • 間取り変更は耐久性に注意する

 

セルフリノベーションで起こりがちな失敗点も踏まえ、解説していきます。

見た目より機能性の修復を最優先する

セルフリノベーションでは家の機能性に関する工事を最優先しましょう。家の機能性は生活の質に直結するので、機能性が少し上がるだけでより快適に過ごせるようになります。

 

予算を決める際は、機能性に関する費用を先に決め、余った費用をそのほかの費用に回す方法がおすすめです。

耐震性や断熱性は業者に依頼する

安心して過ごせる家を作るために、耐震工事や断熱工事は業者にお願いして確実に行います。

 

家具の取り付けや室内の地震に備えた工事はセルフリノベーションでもできますが、梁や柱、基礎部分に専用を金具を取り付ける耐震工事はセルフリノベーションではできません。

 

また断熱工事は断熱材を購入すれば誰でもできますが、天井部分や壁面の高所は難易度が高く難しい工事に。断熱材の判断ができなかったり、使い方を誤ったりすると断熱の効果が薄くなってしまうので、不安がある方は業者への依頼がおすすめです。

配管工事や電気工事は専門の資格を持った人にお願いする

電気や水回りの工事は、セルフリノベーションできません。

これは工事に関して資格や許可が必要になるからです。

 

水回りのキッチン・トイレ・浴室・洗面所をセルフリノベーションするなら、造れる範囲の部品は自分で造ったり、タイルや壁紙は自分で張ったりなど、水道、配管に直接関連しない工事に挑戦してみましょう。

 

例えば、洗面台は収納性が最低限のものを選び、収納部分は自分で材料を購入して組み立てればこだわりの洗面台が完成します。

 

また電気工事には「電気工事士」の資格が必須。間違った工事は重大な事故の原因になりかねないので、これらの工事は費用がかさんだとしても必ず業者に依頼します。

間取り変更は建物の耐久性に注意する

セルフリノベーションの醍醐味、間取り変更にも限度があります。

また太い柱や梁は、撤去すると耐久性が低下する可能性があるので個人での判断はおすすめできません。

 

もし大きく間取りを変更するなら、必ず業者に依頼しましょう。

専門の業者はこれまでの知識もあり、間取り変更に関してアドバイスが貰えることもあります。悩んだらまずは相談してみましょう。

自分でセルフリノベーションできない箇所は業者に依頼するのがおすすめ!

セルフリノベーションできない箇所は、積極的に業者に依頼しましょう。

業者に依頼すると数十万単位で費用がかかりますが、内装はセルフリノベーションで、機能面は業者に依頼するなど、しっかり区別すればリノベーションにかかる費用を大幅に削減できます。

 

ここでは簡単に、業者に依頼する場合のメリットをご紹介します。

専門家がいるので耐久面も安心

業者は専門の知識や資格があるため、大規模な工事も安心して任せられるのが魅力です。

またリノベーションに特化した業者はリノベーションの経験が豊富なので、完成度を高めるためのアドバイスももらえます。

 

リノベーション完了後、不安を抱えながら過ごすのではなく、難しい工事はしっかり業者に任せて快適な生活を送りましょう。

簡単な工事は自分で行うことで費用を削減できる

セルフリノベーションと業者への依頼を組み合わせると、費用を大きく削減できます。簡単な工事でも、業者に依頼すると10万円程の料金がかかるので、できる範囲はセルフリノベーションで修繕するのがおすすめ。

 

また家に合わせた特注部品を使うとさらに予算が必要になります。セルフリノベーションでは家に合わせた家具や部品を自分で作れるので、特注部品にかかる費用がカットできる点がポイントです。

築年数の経った古民家もセルフリノベーションで生まれ変わる!こだわりの家を自分の手で造ろう

築40年以上の古民家でも、リノベーションすれば新築と同じように快適な家に生まれ変わらせることができます。また内装工事や家具の製作など、簡単な工事はセルフリノベーションでも補えるのが特徴です。

 

古民家セルフリノベーションのポイントは

  • 無理な工事はしない
  • 機能面の工事は業者に任せる
  • 完成まで計画を立てて行う

以上の3つ。

 

事前準備を確実に行い、見通しをもってセルフリノベーションに挑みましょう。