建て替えにかかる費用とは?内訳と費用を抑えるコツをご紹介します!

目次
建て替えにはどれくらいの費用がかかるの?
工事ごとにかかる費用はどれくらい?
費用を抑えるにはどうすればいいの?
このようなことをお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
建て替えは、1坪あたり 60万円程度 の費用で行うことができます。
ただ、家の構造や状況によって1坪あたりの金額は変化します。
また、建て替え費用は、家を建てる工事にかかる費用だけではありません。
建築に付随する工事や確認申請費用などにもお金がかかるため、家の本体価格のみを考えていると結果的に予算を超えてしまうことがあります。
そのような状況にならないために、本記事では以下の内容についてまとめています。
- 坪数別の建て替え費用相場
- 建て替えの費用内訳
- 建て替え費用を抑えるコツ
- あなたの家は建て替えとリノベーション、どちらが向いている?
この記事を読めば、納得のいく費用で今のお家を綺麗に生まれ変わらせることができるはずですよ!
坪数別の建て替え費用相場
家を新しく建て替えるためにかかる費用相場は以下の通りです。
解体費用 | 4万円/坪(外構解体等別途) |
建築費用 | 60万円/坪(付帯工事・諸経費別) |
また、坪数ごとの建て替え費用の相場を以下の表にまとめました。
坪数 | 費用相場 |
30坪 | 1940万円 |
35坪 | 2240万円 |
40坪 | 2540万円 |
(現在の家が35坪の場合)
これは、付帯工事や諸経費等を除いた「建て替え」にかかる費用相場です。また、デザインをどこまでこだわるかによって費用は変化するため、あくまで「目安」として捉えることが大切です。
では、実際に、事例をもとに建て替えの費用を見ていきましょう!
今回は、
事例1:2400万円|38坪
事例2:3150万円|42坪
事例3:4700万円|62坪
以上3つの事例を厳選してご紹介します!
【事例1:2400万円|38坪】
生活動線に配慮した快適な暮らしを実現し、二世帯家族がほどよい距離感で過ごせるお家になりました。

〈Before〉

〈リビング〉

- あえて建具を設けずオープンな空間に
- 段差なく畳スペースとつながるバリアフリーなリビング

〈キッチン〉
- 料理をしながらリビングや畳スペースを見渡すことができる

〈洗面化粧台〉
- 既製品の洗面台と造作のカウンターを組み合わせた洗面化粧スペース
- 壁面に貼られた色とりどりのタイルがアクセントに

〈ウォークインクローゼット〉
- 玄関とキッチンからつながるファミリークローゼット

〈玄関ホール〉

- 二世帯家族でも問題なく使えるゆとりのある玄関ホール
【事例2:3150万円|42坪】
この事例では開放的な空間を重視しています。吹き抜けや大きな窓を採用することで明るいお家に仕上がりました。

〈Before〉


〈リビング〉

- 明るい光が差し込む吹き抜けのあるリビング
- スケルトン階段を採用し軽やかな印象に

〈ダイニングキッチン〉

- キッチンと一体でつくった造作のダイニングテーブル
- モノトーンでスタイリッシュな印象のキッチン

〈畳スペース〉
- 引き戸を閉めれば個室にもなる畳スペース
- 玄関から直接お客様を迎える動線も備えている

〈造作洗面化粧台〉
- 壁の一部分にタイルを使った造作洗面化粧台

〈リラクゼーションスペース〉

- 吹き抜けに面した開放感のあるリラクゼーションスペース
- 合板をそのまま使い素材感を生かしている
【事例3:4700万円|62坪】
家全体を通して白と木の色合いを活かし、やわらかい雰囲気を演出しています。

〈Before〉


〈リビング〉

- 梁をあえて見せるデザイン
- ダイニング上を吹き抜けにし、広々とした空間を感じることができる
- やわらかなオークの風合い

〈キッチン〉
- リビングを見渡せる対面式のシステムキッチン
- 床材や柱と同じ色味のキッチンで統一感を

〈和室〉
- やわらかな色合いの和紙畳で安らげる空間に

〈玄関〉

- 玄関から光を取り込み、お家に明るさをプラス
建て替えの費用内訳!何にお金がかかっている?
建て替えにかかる費用は、「建築主体工事費」+「付帯工事費」+「諸経費」のトータルで算出します。それぞれの工事にどのようなものが含まれているのか、工事や費用の概要をまとめました。
また、以下の表は例であり、お家によって割合が大幅に変化するので注意が必要です。
建築主体工事
建築主体工事は家の建築に直接かかわる工事で、全体の工事費の75~80%程度を占めます。
工事名 | 概要 | 総費用に占める割合 | 30坪の場合 | 35坪 | 40坪 |
仮設工事 |
家を建てるための足場の組み立て、建材や部材を守る養生、現場用仮設トイレの設置などの工事。 |
2% | 44万円 | 51万円 | 58万円 |
基礎工事 | 家の基礎部分である土台を作る工事。 | 7% | 154万円 | 179万円 |
205万円 |
躯体工事 |
柱や壁、床、梁といった家の骨組みを作る工事。 |
22% | 483万円 | 563万円 | 644万円 |
下地・仕上げ建材 |
住宅の基礎や下地に使われ、建物を強固に支える建材や仕上げに使われる左官仕上げ材、塗り壁など。 |
7% | 154万円 | 179万円 | 205万円 |
断熱工事 | 壁や床の内部に断熱材を貼り込む工事。 使用する断熱材により差額が生じる。 |
3% | 66万円 | 77万円 | 88万円 |
屋根工事
|
瓦や板金で屋根を葺く工事。 部材によりかかる費用が変わる。 |
4.5% | 99万円 | 115万円 | 132万円 |
建具工事(外部/内部) |
開口部に設けられた窓・ドア・障子・ふすま等とそれを支える枠を取り付ける工事。 |
外部 3% 内部 2.5% |
外部 66万円 内部 55万円 |
外部 77万円 内部 64万円 |
外部 88万円 内部 73万円 |
外壁工事 |
外壁の塗装や、素材の貼り付けを行う工事。 サイイティングやガルバリウム鋼板、木など素材により値段が変わる。 |
8% | 175万円 | 205万円 | 234万円 |
左官工事 | 下地作りや仕上げ塗りを行う工事。 モルタルなどで建物内外の隙間を埋める下地作りや、土壁や漆喰壁など、表面を塗って仕上げる。 |
2% | 44万円 | 51万円 | 58万円 |
内装工事 |
建具の設置や、床・壁・天井の仕上げ工事。 |
5% | 110万 | 128万円 | 146万円 |
電気工事 | スイッチやコンセント、照明器具の配線工事。 | 4% | 88万円 | 102万円 | 117万円 |
屋内給排水工事 |
キッチンやトイレ、浴室などの水回りの配管工事。 |
1.5% | 33万円 | 38万円 | 44万円 |
換気システム工事 |
家の空気の対流・換気を目的とした換気システムの工事。(シックハウス法が施行されて以来、24時間換気システムの設置が義務付けられている) |
2% | 44万円 | 51万円 | 58万円 |
住宅設備工事 |
キッチンや浴槽、洗面化粧台などの設備を取り付ける工事。 |
8.5% | 186万円 | 218万円 | 249万円 |
小計 | 82% | 1800万円 | 2100万円 | 2400万円 |
付帯工事
付帯工事とは、家の建築に付随する工事で全体の工事費の15~20%程度を占めます。
工事名 | 概要 | 総費用に占める割合 | 30坪の場合 | 35坪 | 40坪 |
地盤調査・改良工事 |
地盤の強度をはかり、地盤を改良する。 地盤改良工事には、 表層改良工事:土と強固材を混ぜ合わせて地盤を強化する 柱状改良工事:コンクリートの柱を地盤に差し込み強化する 鋼管杭改良工事:鋼管を地盤に差し込み強化する の3種類がある。 |
2% | 44万円 | 51万円 | 58万円 |
屋外給排水工事 |
家の内部から水道メーターや公共マスまで汚水排水管や雨水排水管などの配管をする工事。敷地内に排水管が入っていないときは前面の道路から引き込む工事も必要になる。 |
1.5% | 33万円 | 38万円 | 44万円 |
屋外電気工事 |
屋外のコンセントや照明器具の配線工事。 |
1% | 22万円 | 26万円 | 29万円 |
インテリア工事 |
カーテンやブラインドなどの窓回りの設備工事などを含めたインテリアの工事。 |
1.2% | 26万円 | 31万円 | 35万円 |
冷暖房工事 | 空調設備の工事。 | 1.3% | 28万円 | 33万円 | 38万円 |
外構工事 |
お庭やカーポート、玄関アプローチの仕上げなどの家の周りの工事。 |
6% | 132万円 | 154万円 | 176万円 |
小計 | 13% | 285万円 | 332万円 | 380万円 |
工事諸経費
工事諸経費とは直接工事にかかわらない費用のことで、5%程度を占めています。
概要 | 総費用に占める割合 | 30坪の場合 | 35坪 | 40坪 | |
確認申請等費用 | 確認申請や建物滅失登記の手続きなどにかかる費用。 | 5% | 110万円 | 128万円 | 146万円 |
現場諸経費 | 現場管理などにかかる費用。 | ||||
小計 | 5% | 110万円 | 128万円 | 146万円 | |
合計 | 100%(税別) | 2195万円 | 2560万円 | 2926万円 |
建て替え費用を抑えるコツ!
こだわりのお家をできるだけ低価格で完成させたいですよね。
この章では、建て替え費用を抑えるコツをご紹介します。
- コンパクトな家にする
- 外観や間取りをシンプルにする
- 住宅設備や素材のグレードを見直す
- リノベーションの選択肢も考える
以上4点についてご説明していきます!
コンパクトな家にする

費用を抑えるには、まず家をコンパクトにすることを考えてみましょう。
これが費用を抑える最も手っ取り早い方法です!
床面積を減らすことで、施工にかかる費用や材料費などを抑えることができます。生活動線が短くなり、暮らしやすいという利点もありますね。
ですので、費用を抑えたい場合にはまず家をコンパクトにすることを考えてみてください。
外観や間取りをシンプルにする
外観や間取りをシンプルにすることで、費用を抑えることにつながります。
ここで言う「シンプル」とは、外観の凹凸をなくしたり部屋数を減らしたりすることです。
具体的な方法としては以下の2つがあります。
- 「総二階」にする
- オープンな間取りにする
それぞれについて解説していきます。

「総二階」にする
総二階とは、1階と2階の面積がほぼ等しい家のことです。
これによって凹凸のないすっきりとした外観になります。同じ床面積であれば、凹凸のある家よりない家のほうが外壁面積が少なくなるため、使用する材料が最小限で済み、材料費や施工費などのコストを抑えることができます。また、通し柱や梁などの構造が単純なため、複雑な構造の建物と比べて耐震面で優れるという利点もあります。

オープンな間取りにする
部屋数や仕切りの少ないオープンな間取りにすることで、骨組みや壁、建具の施工費やクロスなどの材料費を抑えることができます。開放感のあるお家になるというメリットもあります。
住宅設備や素材のグレードを見直す
住宅設備や素材のグレードを下げることで費用を抑えることができます。
全てグレードの高いものを選んでいくとその分費用が高くなってしまいますが、少しずつ見直していくことでコスト削減につながります。
例えば、以下の表のように見直すことができます。
こだわり | 費用を抑える工夫 | 実際の費用変化 |
グレードの高いシステムキッチンやバスルームにこだわりたい |
|
本体価格での比較 トイレ:20~70万円 洗面台:15~100万円 |
|
同等の坪数・総費用でも外観のデザインや素材によって100万円近くの費用の違いが出る。 | |
無垢の床に憧れる |
|
6畳のお部屋 無垢材で仕上げた場合:約20万円 複合フローリングで仕上げた場合:約10万円 |
例えば、最近のトイレには様々な機能が搭載されており、その分サイズが大きいことも多いです。大きなトイレを選んでもトイレの空間が広くなければ圧迫感を感じてしまいますよね。また、考えてみれば全く使っていない機能もあるはず。
空間の広さに合った設備の大きさや必要な機能を考え、不要なものを削っていきましょう!
また、どうやって優先順位を考えたらいいの?という方もいらっしゃると思います。こだわる優先順位は断熱性や家事動線、見た目のおしゃれさなど人それぞれですよね。
まずは、今の家のどこに不満を感じているか、に注目して考えてみましょう。
例として、以下のような点を考えることができます。
- 現在家事をするのに家の中を行ったり来たりしていて非効率的だと感じている
⇒一方向で最短の家事動線にすることを考える
- 冬場の窓からの冷気や隙間風が気になりとても寒い
⇒二重サッシや断熱材に予算をかけ、断熱性能を高める
このように、今の不満を解消していくことで満足のいく家を建てることができますよ!
リノベーションの選択肢も考える
建て替えにこだわらず、「リノベーション」という選択肢も考えてみましょう。家を綺麗に生まれ変わらせるのは、建て替えだけではありません。リノベーションは建て替えよりも安い場合が多く、できるだけ費用を抑えて家を綺麗にしたい場合にはリノベーションのほうがよいでしょう。
あなたの家は建て替えとリノベーション、どちらが向いている?
建て替えが向いている場合とリノベーションが向いている場合があります。あなたの家はどちらが向いているのでしょうか。
建て替えとリノベーションに分けてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください!
建て替えが向いている場合
まずは建て替えのほうが良い場合です。
- 基礎や地盤の強度が不安な場合
- 間取りの自由度を優先したい場合
以上の2点についてご紹介します。

基礎や地盤の強度が不安な場合
リノベーションでは一般的に基礎と地盤は直すことはせず、基礎から上を改修することが多いですが、建て替えでは「地盤改良」を行うことができます。土台となる部分が軟弱だと、長期的に見て家の強度に不安が残ります。
例えば、家そのものが傾いてしまったり、地盤沈下を起こしてしまうことがあるので、基礎や地盤が心配な方は建て替えをおすすめします。

間取りの自由度を優先したい場合
建て替えでは間取りの選択肢を無限に考えることができます。
リノベーションの場合「取り壊せない壁・柱」が存在し、それによって間取りの自由度が制限されてしまうことがあります。ですが、建て替えは一からの設計・建築になるため、間取りの自由度がぐっと上がります。なので、間取りにこだわりたい方は建て替えがおすすめで
リノベーションが向いている場合
建て替えよりもリノベーションのほうが良い場合もあります。
- 現在の家の思い出を残したい場合
- 費用を抑えることを優先したい場合
以上2点についてご紹介します。

現在の家の思い出を残したい場合
建て替えでは家を全て解体してしまいますが、リノベーションではお気に入りのお部屋や忘れたくないお家の雰囲気などを残しながら綺麗にすることができます。現在の家の使えるものを活用しながらリノベーションを行うことで費用削減にもつながりますね。
気に入っていたレンガ調の壁を残して内装を全体的に整えた事例や、玄関の雰囲気が好きだから照明と式台をそのままにした事例などがあります。
今のお家も気に入っている、愛着もあり解体してしまうのは寂しいと感じる方はリノベーションがおすすめです!

費用を抑えることを優先したい場合
リノベーションは建て替えよりも低価格で行うことができる場合が多いです。理由としては、すべてを解体せずに再利用できるものを活用したり、残すべきところは残してリノベーションをしていくためです。
なので、費用を抑えることにこだわりたい方はリノベーションのほうが向いています。
リノベーションの施工事例を見てみたいという方はぜひこちらをご覧ください!
お悩みの方はユニテにご相談ください!
建て替えとリノベーションどちらにすればいいのか分からないという方は、ぜひユニテにご相談ください。お客様と一緒に悩み、最適なご提案をさせていただきます!
まとめ
建て替えの費用には、建築に直接かかるものだけでなくそれに付随する工事の費用も含まれています。どのような工事に費用がかかっているのかを知り、必要な箇所、必要でない箇所を考えていく必要がありますね。
素敵なお家を完成させることができるよう、妥協せずとことん考えていきましょう!