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小上がり和室のメリットデメリット|設置する前に知っておきたい実例と最適な使い方

小上がり和室を設置したいけど分からない、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間様々な経験から、小上がり和室のメリット・失敗しないためのコツをまとめてみました。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「小上がり和室の使い勝手は実際どうなの?」
「小上がり和室を作りたいけど、失敗したくない」

 

小上がり和室は、従来の和室よりも使い勝手が良いことから近年人気を集めており、リフォームや注文住宅などでLDKに併設されるケースが増えてきています。

しかし、実際の使い勝手が分からず、導入しようか迷っている人が多いのも事実です。

 

この記事では、小上がり和室の特徴や性質について詳しく解説し、その汎用性の高さや注意点を分かりやすく説明していきます。

さらに、失敗しないためのコツやユニテが手掛けた実例についてもあわせて紹介していきますので、小上がり和室を作りたいと考えている人はぜひチェックしてみてください。

【小上がり和室とは?】設置に失敗しないための基礎知識

「小上がり」は、元々は飲食店などの「フロアよりも高い場所に設置された座敷席」を指す言葉です。

つまり「小上がりの和室」とは、床から一段高く作られた和室という意味を持ちます。
 
従来の伝統的な和室が独立した1室であるのに対し、小上がり和室の場合はLDKの一角に設置されるのが一般的です。大きな和室を設置するほどのスペースが確保できない場合や、寝転んでくつろげるだけの広さがあれば十分という場合に導入される傾向があります。

まずは、小上がりの和室に最適なサイズ感や活用方法について詳しくみていきましょう。

小上がり和室の妥当な広さと高さ

小上がり和室の条件は、LDKの広さや和室設置の目的など、ニーズによって大きく異なります。

設置する位置やサイズを見誤ると、せっかく小上がり和室を作っても、狭くて使い勝手が悪くなってしまうでしょう。

一般的な小上がり和室の広さや高さについては、以下を参考にしてください。

 

【一般的な小上がり和室の広さと高さ】

広さ 3畳〜4.5畳
高さ 20cm〜40cm

 

設置の際は、用途に合った十分な広さがあるか、その広さの小上がり和室をリビングに設置しても問題なく使えるかどうかについてよく検討しましょう。

まずは「どのように活用したいか」をよく考え、事前に設計士に伝えておくことが大切です。

それぞれ適切なサイズや設備について解説していきますので、実際に小上がり和室を作る際の参考にしてください。

小上がり和室の適切な広さ

 

小上がり和室の一般的な広さは3畳〜4.5畳です。

多目的な使い方をするなら、最もポピュラーな4.5畳が最適な広さになります。

目的ごとに適した広さについては以下を参考にしてください。 

2~3畳 趣味部屋・家事室・仏壇
臨時の仕事場や子どものスタディスペース
4~4.5畳 客間・畳ダイニング・臨時の寝室
6畳以上 寝室・客間など
(独立させるのがベター)

 

たとえば、小上がり和室を寝室代わりに利用したいと考えている場合は、最低でも4.5畳の広さが必要です。

その場合は布団をすぐ収納できるよう、押し入れなども併設することをおすすめします。

 

さらに、6畳以上の広さにする場合は、間仕切り壁などを設置して、別室として独立させたほうがいいでしょう。

反対に、LDKなどの兼ね合いでスペース確保が難しい場合は、3畳程度にとどめておくことをおすすめします。

小上がり和室の適切な高さ

 

小上がりの高さも重要なポイントになります。

一般的な小上がりの高さは20〜40cmですが、それぞれのメリットは以下の通りです。

【小上がりの高さごとのメリット】

20cm
(おおよそ階段1段分の高さ)
30~40cm
(ダイニングチェアの座面に近い高さ)
上り下りしやすい
圧迫感が出にくい
落下時にケガをする危険性が低い
腰掛けとして使える
小上がり部分を収納にできる
別空間(半個室)のような雰囲気にできる

 

和室の活用方法やLDKの広さによって、適切な小上がりの高さは異なります。

ただし、段差が小さすぎるとかえってつまづきやすくなるので注意が必要です。

特に、10cmは視界に入らない高さなのであまりおすすめしません。

 

また、40cm以上の高さは圧迫感が出やすく、上り下りが大変なので小上がり和室には不向きです。

特にこだわりがない場合は、目ではっきり段差が視認でき、なおかつ転んだ時に咄嗟に手をつきやすい30〜35cmの小上がりをおすすめします。

小上がり和室の実用性

和室というと客間や仏間、寝室のイメージがある部屋です。思いのほか使い勝手が悪く、「せっかく和室を設けたのに実際はあまり使っていない」というケースも少なくありません。

一方で、小上がり和室は通常の和室よりも多目的に活用できるため、汎用性が高いというメリットがあります。リビングに併設すれば、お茶を飲んで休憩したり横になって休んだりと、普段使いできるくつろぎ空間になるでしょう。

 

また、間仕切りを付けることにより、独立した空間としても活用できます。従来の客間や寝室としての使い方はもちろん、来客が寝泊まりする際のスペースとして活用することも可能です。

 

さらに、子どもや家族が病気になった際の療養部屋としても大いに活用できるでしょう。キッチンの近くで家事をしながら看病できるので、飲み物や氷枕などをすぐに用意できます。

 

寝室以外での使い道は?

 

先ほど紹介したように、小上がり和室にはさまざまな活用方法があります。寝室として活用する以外にも、家族のライフスタイルに合わせて以下のような使い方が可能です。

小上がり和室の活用例
  • 客間や応接室
  • 仏間
  • 子どもの遊び場
  • 寝室
  • テレワーク中の仕事場
  • 授乳・おむつ替え・お昼寝スペースなど

 

小上がり和室はくつろぎスペースとしてだけではなくさまざまな用途に使えます。仕切りを付けることで臨時の個室としても活用できるので、使い方は無限大です。

洗濯物を畳む・アイロンがけをする・赤ちゃんのおむつ替えをするなど、家事・育児をサッとこなせるスペースとしても有効活用できます。

 

たとえば子どもの遊び場にする場合は、キッチンに隣接させることで家事をしながら見守ることも可能です。その場合は、周囲から見やすいよう仕切りは設置しないほうがいいでしょう。

小上がり和室設置のメリットとデメリット

小上がり和室の設置を検討しているなら、まずはメリットとデメリットをしっかり把握しておくことが重要です。

 

【小上がり和室の特徴】

小上がり和室のメリット 小上がり和室のデメリット
  1. 段差を収納に利用できる
  2. 腰掛けがわりにしてくつろげる
  3. 空間にメリハリが出る
  4. 寝室として使えばベッド代わりになる
  5. 座ったり寝転んだ時の不快感がない
  1. バリアフリー向きではない
  2. 部屋に圧迫感が出る
  3. ロボット掃除機が上がれない
  4. 落下や転倒の危険性がある
  5. 物置になりがち

 

小上がり和室の特性を踏まえた上で「どういう使い方をするか」を検討することが後悔しないためのコツになります。

小上がり和室のメリット

小上がりの和室のメリットは以下の5つです。

 

小上がり和室のメリット
  1. 段差を収納に利用できる
  2. 腰掛けがわりにしてくつろげる
  3. 空間にメリハリが出る
  4. 寝室として使えばベッド代わりになる
  5. 座ったり寝転んだ時の不快感がない

 

小上がり和室の大きな特徴は「段差があること」です。

そのため、フラットな和室よりも利便性が高く、多目的に利用できるという魅力があります。

しかし、小上がり和室のメリットはそれだけではありません。それぞれ詳しくみていきましょう。

1.段差を収納に利用できる

 

小上がり和室の段差部分は空洞になっているため、収納スペースとして大いに活用できるメリットがあります。

小上がり和室を設置すれば、その部屋の収納量をアップすることができるのです。

家が狭くて十分な収納スペースが確保出来ない場合や、なるべく物を置かないスッキリとしたLDKにしたい場合などは、小上がり和室の活用をおすすめします。

2.腰掛けがわりにしてくつろげる

 

小上がり和室の段差は、ベンチやソファーのような「腰掛け」として活用することもできます。段差部分に数人並んで座れるため、家族団らんスペースや来客時のちょっとしたお茶などのタイミングで大いに重宝できるのです。 

段差を腰掛けとして使うことで、フラットな和室よりも目線が高くなるため、テレビが見やすくなるというメリットもあります。

また、段差を利用して掘りごたつを設置すれば、正座ができない人でも無理なくくつろげるでしょう。

3.空間にメリハリが出る

 

洋風のLDKに小上がりの和室があると、メリハリが出てスタイリッシュな空間になります。段差によって奥行き・立体感が出るため、間延びしたLDKもおしゃれな印象になるのです。

広いLDKに憧れる人は多いのですが、実際に住んでみるとどこか殺風景で物足りないと感じるケースもあるかもしれません。小上がり和室を設置することでアクセントになり、空間に魅力が出ることから、イメチェンとして後付けするケースも多くあります。

4.寝室として使えばベッド代わりになる

 

また、寝転んだ時の不快感がない小上がり和室は寝室にも適しています。フラットな和室に布団を敷いた場合は、年齢によっては起き上がるのが困難になってしまうかもしれません。

しかし小上がりの和室なら、段差を利用してベッドのように楽に起き上がれます。フラットな和室で寝るよりも、寝転がったり起き上がったりする動作が楽におこなえるので、足腰が弱い人や療養用の寝室として大いに活用できるでしょう。

 

さらに、押し入れを設置しておけば布団が収納できるので、ベッドを置くスペースがない場合にもおすすめです。日中は別のスペースとして活用することもできるでしょう。

5.座ったり寝転んだ時の不快感がない

 

小上がり和室は地面との段差があるため、寝転んだ時の不快感も軽減されます。フラットな和室に寝転ぶと地べたのような感覚になってしまい、手放しでくつろげないという人も多くいます。

さらに、段差がないと廊下やリビングなどの併設する空間からゴミや埃が入ってきやすい傾向があります。段差があればゴミが侵入しにくいため、小上がり和室は「床に寝転ぶのは抵抗があるけどゴロゴロしてみたい」という人にもおすすめです。

小上がり和室のデメリット

汎用性の高い便利な小上がり和室ですが、いくつかデメリットも存在します。以下の5つのデメリットについてしっかり把握した上で導入するよう心掛けましょう。

 

小上がり和室のデメリット
  1. バリアフリー向きではない
  2. 部屋に圧迫感が出る
  3. ロボット掃除機が上がれない
  4. 落下や転倒の危険性がある
  5. 物置になりがち

 

どんな小上がり和室でも便利に使えるというわけではありません。設置するLDKの大きさや、和室をどのように使うかによって適切なサイズや設備は異なります。

また、段差があることで生じてしまうデメリットも存在するため、十分注意してください。

1.バリアフリー向きではない

家族にお年寄りがいる場合や、自分たちの老後を考えて設置する場合は、小上がりの段差を高くしすぎないことが大切です。

そもそも小上がり和室はバリアフリーに向いていないため、老後のことを考えて生活に支障が出ないような工夫をしなければならないでしょう。

段差を低くする、踏み台などで登りやすくするなどの対策が必要になります。

2.部屋に圧迫感が出る

 

十分な広さがないLDKに小上がり和室を作ってしまうと、圧迫感が出て狭く見える可能性があります。リビングの広さや天井の高さ、和室の位置も重要なポイントです。

 

小上がり和室は空間を立体的に見せてメリハリをつけてくれますが、そのぶん存在感があり、実際より狭く見えてしまうというデメリットがあります。

LDK全体の見栄えが気になる場合は、段差の高さを低くしたり、フラットな和室も検討するといいかもしれません。

 

また、間仕切りのない開放感のある小上がり和室にするのも1つの手です。

40cmの段差だと別空間感が強くなりますが、段差が低ければ低いほどLDKとの一体感が生まれます。

ただし、低すぎる段差は目線に入りづらいため、つまずく危険性にも留意しなければならないでしょう。

また、LDKの動線上に小上がりがあると、角にぶつかってケガをしたり、通るたびにストレスになったりする可能性もあります。その場合は角を「隅切り」にするなどの工夫をするといいでしょう。

3.ロボット掃除機が上がれない

 

ロボット掃除機にリビングの掃除を任せている場合は、小上がり和室があると不便になります。ロボット掃除機は段差を乗り越えられないので、小上がりの和室の部分のみ自分で掃除しなければなりません。

さらに、30cm以上の段差がある場合は、掃除機を担いで上り下りするのが大変かもしれません。

毎日の掃除で上り下りしなければならないとなると、億劫に感じる人もいるでしょう。中途半端なサイズ感だと、掃除機自体かけづらい可能性もあります。

4.落下や転倒の危険性がある

 

小上がりは段差があるため、脚を滑らせたり踏み外したりして落下する可能性があります。

特に、幼い子どもやお年寄りが居る家庭は十分注意する必要があるでしょう。

ハイハイしたての赤ちゃんやよちよち歩きの子どもの場合は、頭から落ちてケガをしやすいため、必ず大人が側にいるようにしなければなりません。

あるいは、ベビーサークルを設置したり、襖を閉めておくなど、何らかの対策が必要になります。

5.物置になりがち

 

小上がり和室は、明確な目的があって設置した場合でないとただの物置になってしまう可能性もあります。日頃から意識して整理整頓しないと、すぐにおもちゃや洗濯物などの仮置きスペースになってしまうでしょう。

せっかく費用を出して小上がり和室を作っても、いざという時に物が散乱して活用できないのでは意味がありません。小上がり和室には物を置かない、おいてもその日のうちに片づけるなど、ルールを設け徹底して守ることを意識しましょう。

また、置きっぱなしを防ぐため、すぐに収納できる環境を整えることも大切です。

小上がり和室を後付けする場合の費用相場

ここからは、小上がり和室の設置費用について、以下のケースごとに詳しく解説していきます。

【小上がり和室を後付けするケースの費用相場】

  • 畳スペースの広さ別の費用相場
  • 畳の種類別の費用相場
  • 畳の素材別の費用相場
  • 付加設備を設置する場合の費用相場

 

既存のLDKの内装はそのままに、小上がり和室だけを後付けすることも可能です。グレードや内容によっても相場は変動するため、ぜひ参考にしてみてください。

畳スペースの広さ別の費用相場

既存のLDKをそのまま残し、新たに小上がり和室を新設する場合の費用相場は以下の通りです。

 

【畳スペースの広さ別の費用相場】

畳スペースの広さ 費用相場
3畳 15万円〜
4畳 20万円〜

 

ただし、畳スペースとあわせてLDKのリフォームもおこなう場合は、壁や天井の施工も必要になるため、追加で費用が発生します。さらに、ダイニングやリビング全体をまとめて施工する場合には、総額50万円以上かかるケースが多いです。

 

畳の種類別の費用相場

採用する畳の種類によっても、小上がり和室の印象や施工金額は変動します。料金はそれぞれ以下が目安です。

【畳の種類と施工費用】

畳の種類 1畳当たりの費用
縁付き畳
(1等品)
1.1万円~
縁なし畳
(琉球畳)
1.7万円~
(2枚分で1畳の大きさ)

 

縁なしの「琉球畳」は正方形に近い半畳サイズで、パッと見で何畳なのか直感的に分かりにくいため、実際より広く感じられる効果があります。

比較的モダンな印象になるため、洋室の雰囲気に馴染ませたい時にもおすすめです。

ただし、通常の畳と比較すると1.6倍以上費用がかかるので、予算としっかり相談してください。

畳の素材別の費用相場

畳は、使っている素材によってもグレードが異なります。以下は畳の素材ごとの料金目安です。

 

【畳の素材別の費用相場】

畳の素材 費用相場(1畳あたり)
い草畳(一等品) 1.1万円〜
和紙畳(ダイケン) 1.3万円〜
樹脂畳(セキスイ) 1.3万円〜

 

上記はいずれも「縁付き畳」の料金目安です。「和紙畳」は、変色しにくく耐久性に優れた抗菌仕様の畳で、カビやダニに強い特徴があります。

また「樹脂畳」は、耐久性に優れたポリプロピレンと無機材料から作られている樹脂素材の畳です。デザイン性にも優れており、モダンな内装にもマッチします。

付加設備を設置する場合の費用相場

和室そのものだけでなく付加設備も設置する際は、以下の追加費用がかかります。

 

【付加設備を設置する場合の費用相場】

付加設備 費用相場
間仕切り 2枚建の引き戸違い:18万円〜
可動式:8万円程度
ロールスクリーン:4万円程度
掘りごたつ 30〜40万円程度
(電気工事代込み)
収納 出来合い品:6万円程度
造作:20万円〜

 

また、後付けの小上がり和室に収納をつけたい場合は、メーカーの出来合い品(収納付き畳スペース)を設置すると安価に施工できます。出来合い品で施工する場合は、6万円程度の工事費用と商品の購入代金のみがかかる形です。

 

もちろん、小上がり部分に造作工事してもらうことも不可能ではありません。

ただし、造作だけで20万円以上の追加費用が必要になります。そのため、特にこだわりがないのであれば出来合い品でも十分でしょう。

【実例から学ぶ】小上がり和室のおしゃれな活用法

最後に、ユニテが実際に手掛けた小上がり和室の事例を4つ紹介していきます。

紹介するのはすべて新築物件になりますが、後付けリフォーム等も対応可能です。

既存のLDKをそのままにして、小上がり和室を新設するリフォームの場合は、50万円程度の費用がかかります。床を組むためのコストが必要なことと、小上がり和室を作るための材料が高騰していることが理由です。

詳しい内容についてはお気軽にお問い合わせください。

小上がりの畳スペースを現代風の客間として活用

広さ6畳・高さ21cmの小上がり和室です。

縁なしの半畳を採用することにより、現代風のモダンな雰囲気に仕上がっています。

段差が低めなので、ストレスなく楽々上り下りができるのも魅力的です。

客間として活用することを想定しているため、引き戸タイプの障子を仕切りに採用し、個室としても機能するよう工夫しています。開け放した時に空間の広がりがより実感できるよう、和室の端の柱をなくしたのがこだわりです。

 

また、リビングのソファーに座っている家族と同じ目線になる高さに設定されているため、開けっ放しにしている時は腰掛けて談話したりテレビを見たりできます。

全体的にナチュラルで優しいテイストに統一しているので、リビングとの一体感も感じられるでしょう。

将来的に仏間として活用することも考慮し、押し入れの隣にスペースを設けています。

詳しい内容については「家事動線と収納力を考え抜いたゆとりある住まい」をご覧ください。

リビングとの融合でモダンに仕上げた小上がり和室

開放的な吹き抜けと、ヘリンボーン柄のモダンな無垢材が特徴的なリビングです。

小上がり和室の広さは4.5畳・高さは30cmで、よりモダンテイストにマッチするよう作られています。
 

小上がり和室を設置した理由は、来客用の応接間として活用するためです。

先程の事例に比べると、小上がりの段差はやや高めに設計されています。

さらに、壁をくりぬいたようなデザインを採用し、独立した部屋のような印象に仕上げました。

また、モダンテイストの強いリビングと調和させるため、間仕切りには襖ではなくシンプルな白の引き戸を採用しています。

さらに、和室内でもモダンなテイストを感じられるよう、インテリアのチョイスにもこだわりました。

テーブルや照明に北欧風のテイストを取り入れ、リビングとの調和を意識しています。

詳しい内容については「ヘリンボーン無垢床のナチュラルアンティークの住まい」をご覧ください。

設備場所を工夫したアクセスのいい小上がり和室

広さ4.5畳・高さ20cmで作られた小上がり和室です。気軽に寝そべれて、多目的に使える畳スペースが欲しいというご要望により設計いたしました。

段差を設けることで、併設する空間からの汚れが入り込みにくく、扉で仕切ることにより別空間の個室としても使えます。

こちらの事例の大きな特徴は、玄関とLDKの両方からアクセスできる間取りです。扉を2か所設置することでどちらからも行き来ができ、多目的に使えるよう工夫しています。

玄関側の小さな扉から入れば飲食店の個室のような少しかしこまった印象に、リビング側の戸を開け放して使えば家族団らんのスペースとして活用できるのです。

詳しい内容については「小上がり和室と薪ストーブでくつろぐ家」をご覧ください。

小上がり和室をちょっとした休憩スペースとして活用

ナチュラルテイストにアンティーク感をプラスした、落ち着いた雰囲気のLDKです。写真手前側にある、広さ3畳・高さ21cmの小上がり和室は、ちょっとした休憩スペースとして活用できます。

この小上がり和室は、間仕切りを設置せずLDKと完全一体型にしています。主に家族団らん時や育児・家事スペースとして、LDK使用時に活用する目的で設計いたしました。お子様のお昼寝はもちろん、腰掛けてテレビを見るのにも丁度いい高さです。

詳しい内容については「カリフォルニアスタイルの収納・生活動線重視の家」をご覧ください。

小上がり和室を快適に設置するためのコツと注意点

デメリットで紹介したように、小上がり和室に失敗しないためには対策が必要です。

小上がり和室は、以下のポイントを押さえた上で検討することを心掛けましょう。

小上がり和室設置のコツと注意点
  1. 設置位置や動線を考慮する
  2. 間仕切りの有無を考慮する
  3. 天井との差を考慮する
  4. しまうものに合わせた収納を設置する
  5. 小上がり和室かフラットかを判断する

 

それぞれ詳しく紹介していきますので、設置の際はぜひ意識してみてください。

1.設置位置や動線を考慮する

使用頻度の高い空間にするためには「小上がり和室をどこに配置するか」も重要なポイントになります。小上がり和室はさまざまな用途に使うことを想定しているため、LDKの一角に設けるケースが一般的です。

 

その他の個室に設置することもできなくはないのですが、ベッド代わりなど用途が限定されてしまいます。小上がり和室は多目的に使えるのが魅力なので、もったいない使い方かもしれません。

以下のように、目的に合わせて設置場所を工夫すると大いに活用できます。

 

小上がり和室設置の設置場所の例
  • ダイニングの位置(座卓で食事もできる)
  • キッチン前(カウンターと付けて軽食・家事をしながら子供の面倒が見れる)
  • ベランダに繋げる(庭やウッドデッキに出やすい間取り)

2.仕切りの有無を考慮する

小上がり和室を設置する際は、仕切りの有無もしっかり検討しなければなりません。

仕切り無しの場合はプライバシーが確保できないため個室としては使えませんが、狭いLDKでも空間に圧迫感が出にくいというメリットがあります。家事をしながら子どもを見守りたい場合などは、仕切り無しが良いかもしれません。

 

一方、仕切りがあれば独立した間取りとしても活用できます。仏壇や客間・応接室のほか、寝室やリモートワークなどの臨時の個室にできるので、より幅広い使い方ができるでしょう。

ただし間取りによっては仕切りを閉めた時に存在感が出てしまいます。

仕切りを設置する場合は、メーカー既製品が使えないケースが多いため、オリジナル建具をつくることになるでしょう。

たとえば2枚の引き違い戸を設置する場合は、約20万円程度の費用が必要です。

3.天井との差を考慮する

意外と見落としがちなのが、畳から天井までの高さです。小上がり和室は段差があるぶん天井にも近くなりますが、天井が近いと狭く窮屈に感じたり、背の高い人だと頭をぶつけたりしてしまいます。

 

床から天井までの高さは2m程度確保できるのが理想で、180cm程度だと低く感じる可能性が高いです。ただし、中には低い方が落ち着くと感じる人もいるため、用途や好みも考慮しつつ、しっかり検討することをおすすめします。

4.しまうものに合わせた収納を設置する

小上がり和室の収納のタイプは、大きく分けて以下の3種類です。
 

収納タイプ メリット デメリット
引き出し 気軽に出し入れできる 奥のスペースが使いにくい
天面開口・跳ね上げ 大きい荷物を出し入れしやすい 畳の上にものがあると開けられない

 

収納タイプにはそれぞれメリット・デメリットがあるため、上手く組み合わせて設置することをおすすめします。

引き出しタイプの収納は気軽に出し入れできるため、子どものおもちゃや消耗品のストックなど、よく使うものを入れると便利です。

引き出しの奥のほうは使い勝手が悪くなるので、季節外の衣類や寝具など、普段あまり使わないものを収納するといいでしょう。

手前は「引き出し」タイプを採用し、奥は「天面開口タイプ」や「跳ね上げタイプ」を採用するなど、複数の収納タイプを組み合わせると上手く活用できます。

5.【いらないケース】小上がり和室かフラットかを判断するコツ

フラットな和室と小上がり和室のどちらを作るべきか悩んでいる場合は、「何のために設置したいのか」という自分のニーズを洗い出してみると明らかになります。

 以下に適しているケースをそれぞれ挙げているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

小上がり和室が適しているケース
  • 限られたスペースに収納がほしい
  • 寝室として活用したいので埃やゴミの侵入を防ぎたい
  • 多目的な用途に使いたい
  • 具体的な使い道がイメージできている

 

フラットな和室が適しているケース
  • 安全第一で設置したい(高齢者や幼い子どもがいるなど)
  • ロボット掃除機など掃除で楽がしたい
  • LDKが狭い・天井が低い(小上がりにすると圧迫感が出る)

 

小上がり和室はユニテへおまかせください

小上がりの和室は、LDKの広さや活用する目的に合わせて作ることが大切です。

なんとなく設置したいだけだと失敗しやすいので、仕切りや収納の有無などもあわせてしっかり検討しましょう。

「何が最適なのか自分だけでは判断できない」ケースや、「既存のLDKにマッチした小上がり和室が知りたい」という場合は、お気軽にユニテまでご相談ください。

 

ユニテでは自宅にいながら住宅のプロに無料で相談できる「オンラインリフォーム相談会」を実施しています。資料請求もできますので、ぜひお問い合わせください。