バリアフリーリフォームをしたいけど分からない、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間様々な経験から、バリアフリーリフォームの概要などをまとめてみました。
目次
株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
自身や家族・パートナーなど、ひとつ屋根の下で暮らす誰かに以下のような状況があり、自宅に使いづらい部分が生じはじめている方もいるのではないでしょうか。
- ライフスタイルの変化
- 健康状態の変化
そんな方におすすめしたいのが「バリアフリーリフォーム」です。バリアフリーリフォームは、障がい者の方や介護が必要なご家庭が考えるものだというイメージが一定数見られます。しかし、どんな状況の人でも使いやすい家にするという意味では、ケガ人や妊婦さんなど幅広い方におすすめできるリフォームです。
今回はバリアフリーリフォームについて、概要や費用感・おすすめできる方についてご紹介します。
今回はバリアフリーリフォームについて、概要や費用感・おすすめできる方についてご紹介します。ユニテが実際に手掛けた施工事例も写真付きでご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【必要性】バリアフリーリフォームとは?
「バリアフリーリフォーム」とは、居住者が安全かつ快適に過ごせる住環境づくりを前提としたリフォームのことです。バリアフリーリフォームを導入することで、住宅内事故を防止できます。
東京消防庁が発表したデータによると、令和3年中に日常生活内の事故により救急搬送された方の中で死亡・重篤の割合が多く生じた場所は全年代において「住宅等居住場所」だそうです。
上記のグラフからもわかるように、特に70代以降の高齢者の割合が多く、住宅にいかに危険が潜んでいるかがわかるのではないでしょうか。さらに、高齢者に限らず、0歳~4歳の乳幼児はもちろん、10代以降から右肩上がりに数値が増えていることがわかります。
高齢者だけでなく小さなお子様や若者層など、年齢を問わず住宅での事故にあっているケースもあるのです。バリアフリーリフォームを実施することで、家庭内の事故防止につながり、どの年代でも快適に過ごせる環境を作れます。
バリアフリーにリフォームするべき場所と防げる事故内容
以下は、バリアフリーリフォームで防げる主な住宅内事故の内容です。
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上記の事故は、それぞれ住宅内の以下の場所および順番で発生しています。
住宅内事故が多い箇所
- 居間
- 階段
- 廊下
- 浴室
バリアフリーリフォームのメリット
バリアフリーリフォームは障がい者の方や介護が必要な方だけでなく、全ての方にとって住みやすいデザインとされています。
その理由は、アメリカのノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス氏が提唱した「ユニバーサルデザイン」が前提とされているからです。
「ユニバーサルデザイン」には以下の7つの原則が存在し、できるだけ多くの方が安心して利用できるようにした建物や製品・空間をデザインすることが定義とされています。
- どんな人でも公平に使えること
- 使う上で自由度が高いこと
- 使い方が簡単で、すぐに分かること
- 必要な情報がすぐに分かること
- うっかりミスが危険につながらないこと
- 弱い力でも楽に使えること
- 利用するための十分な大きさと空間があること
【チェックリスト】バリアフリーリフォームがおすすめの方
バリアフリーリフォームを検討するタイミングは、自身または家族の誰かが快適に過ごせないと感じたときです。日本だとバリアフリーリフォームという言葉を見聞きすると、障がい者や介護向けのリフォームをイメージしてしまうかもしれません。
しかし、バリアフリーリフォームは「バリアを取り除く」という意味から、以下の状況下にある方にとってもおすすめです。
バリアフリーリフォームをおすすめする人
- 高齢の方
- 障害を持つ方
- 介護が必要な方
- ケガをしている方
- 妊婦の方
以下にチェックリストとして具体例を示しますので、バリアフリーリフォームをするかどうか迷っている方は参考にしてみてください。
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バリアフリーリフォームの主な工事内容と費用相場
上記のグラフからもわかるように、特に70代以降の高齢者の割合が多く、住宅にいかに危険が潜んでいるかがわかるのではないでしょうか。
さらに、高齢者に限らず、0歳~4歳の乳幼児はもちろん、10代以降から右肩上がりに数値が増えていることがわかります。
住宅内事故について、以下にまとめました。
ころぶ | 倒れた際に高低差の移動を伴わず受傷したもの |
落ちる | 倒れた際に高低差の移動を伴って受傷したもの |
はさむ、はさまれる | 物体間または物体内に挟まれたもの |
おぼれる | 浴槽、プール、河川等で溺れたもの |
上記の事故は、それぞれ住宅内の以下の場所および順番で発生しているようです。
- 居間
- 階段
- 廊下
- 浴室
このように、高齢者だけでなく小さなお子様や若者層など年齢を問わず住宅での事故にあっているケースがあることがわかります。
バリアフリーリフォームを実施することで、家庭内の事故防止につながり、どの年代でも快適に過ごせる環境を作れます。
【場所別】バリアフリーリフォームのデザイン事例と費用感
「ユニバーサルデザイン」の概念を住宅に当てはめると、以下のようなバリアフリーリフォームとなります。
バリアフリーリフォームを取り入れた例
- 手すりを設置する
- 段差をなくす
- 足元を照らすライトの設置
- 床材を変更する
- 温度差をなくす
- 設備を変更する
- ドアを交換する
- 間取りを変更する
- スロープを採用する
バリアフリーリフォームは私たちがイメージしやすい障がい者や高齢者だけでなく、全ての年代の人も使えるような住居デザインが採用されるということがわかるのではないでしょうか。
では、実際にバリアフリーリフォームを検討するうえで気になる費用感を見てみましょう。前述でピックアップした事例を費用感とともに以下に簡単に示しています。
工事内容 | 費用相場 |
手すりを配置する | 2万円から ※工事費込み |
段差をなくす | 3万円~20万円ほど |
足元を照らすライトの設置 | 2万円前後 ※工事費は別途 |
床材を変更する | グレードアップで10万前後 |
温度差をなくす | ・浴室暖房:8万円ほど ・トイレ暖房:6万円ほど※電気式の場合 ・浴室・トイレ内窓:3万円~6万円ほど ※大きさや仕様により価格差あり |
設備を変更する | ・トイレの設備変更:15万円~40万円ほど ・キッチン設備変更:100万円~200万円ほど ・浴室の設備変更 :80万円~150万円ほど |
ドアを交換する | ・室内建具:5万円前後 ・玄関ドア:50万円から |
間取りを変更する | 施工範囲によって金額に幅あり。 例:8帖間を仕切る場合20万円から |
スロープを採用する | 玄関スロープ:15万円~50万円ほど ※範囲によって+α 住宅内スロープ:1.5万円~/箇所 |
工事の内容によって費用は変化しますが、おおよそ20万円~100万円前後を見積もる必要があります。工事規模や面積などによっては、それ以上かかることも考慮しなければなりません。
【施工場所別】ユニテのバリアフリー化リフォーム事例
ここからは、先述した主なバリアフリーリフォームを施工箇所別に紹介していきます。
- 手すりを設置するバリアフリーリフォーム
- 段差解消のバリアフリーリフォーム
- フットライトを設置するバリアフリーリフォーム
- 床材を変更するバリアフリーリフォーム
- 温度差をなくすバリアフリーリフォーム
- 設備を変更するバリアフリーリフォーム
- ドアを交換するバリアフリーリフォーム
- 間取りを変更するバリアフリーリフォーム
弊社ユニテが実際に担当した施工例を参照して解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
手すりを設置するバリアフリーリフォーム
手すりの設置は、段差を上り下りしやすくするバリアフリーリフォームの代表的存在と言っても良いでしょう。手すりが必要な主な箇所は以下の通りです。
- 階段
- 浴室
- トイレ
- 廊下
高齢者の方が必要性を感じているケースもありますが、子どもやケガ人、妊婦さんも手すりがあると移動しやすくなります。
手すりを設置する際は、握りやすさも検討する要素のひとつです。握りやすい手すりを探すことをおすすめします。
手すり設置の費用感は以下を参照ください。
バリアフリーリフォームの中でも一番実施しやすい費用帯だといえます。
【手すり設置時の費用感】
1本当たり | 2万円から ※工事費込み |
手すりの設置は、バリアフリーリフォームの中でも一番実施しやすい費用帯だといえます。
段差解消のバリアフリーリフォーム
住宅内事故の原因のトップは「転倒」。その原因は住宅内のちょっとした敷居というケースもあるようです。特にちょっとした段差は、高齢者や車いす・杖の利用者だけでなく妊婦さんや子どもにとってもケガの元。この段差を取り払うことで、どの年代のどのような方でも安心できる住宅へ変貌出来るでしょう。
また、単に敷居などの段差をなくすだけでなく、階段とエレベーターを設置することで転倒を防止するケースもあります。
【段差をなくす工事の費用感】
部屋と部屋の間の敷居を撤去する | 3万円~20万円ほど |
住居内の段差を全てなくし、高さを揃えるために廊下全体を上げる | 要相談 |
家にエレベーターを搭載する場合 | 300万円前後 ※2階までのEVで300万円ほど |
フットライトを設置するバリアフリーリフォーム
オシャレに見える足元へのライト設置もバリアフリーリフォームのひとつです。階段など段差のある場所にライトを設置することで、足元が明るくなり、段差も見えやすくなります。夜の暗がりの中でも、光があることで安心して移動できますね。
ただし、足元へのライト設置は、電源が比較的近くにあることを想定しなければなりません。以下は、電気工事が発生する場合のフットライト設置費用です。
【フットライト設置時の費用感】
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床材を変更するバリアフリーリフォーム
滑りやすい床材は転倒のもとになるため、床材の変更もバリアフリーリフォームとしておすすめです。クッション材や滑りにくい素材を採用することで、以下のような事故が防止できます。
・足を踏み外しての転倒
・杖や車いすの滑り
・浴室内での転倒防止
リビングだけでなく、すべりやすい浴室なども床材を変更することで転倒防止対策が可能です。費用感は使用する床材や面積によって値段は変化しますが、おおよそ以下の金額を見積もることをおすすめします。
【床材を変更する際の費用感】
床材を変更 | ※面積や種類によって変動有 グレードアップで10万円前後 |
温度差をなくすバリアフリーリフォーム
浴室やトイレなどの温度差を無くす工事もバリアフリーリフォームのひとつです。浴室やトイレは、居間と異なり常に使用するわけではないので、一般住宅では暖房が備わっていないことが多くあります。
しかし冬場は、浴室やトイレの温度差が引き起こす「ヒートショック」によって、死亡者が発生するケースがあるのです。
- 65歳以上の高齢者の方
- 日頃から血圧が不安定な方
参考:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202111/1.html
寒暖差によるヒートショックを防止し、より安全に浴室やトイレを利用するには、暖房を入れて温度差を解消することが大切です。
また、内窓を採用することでも外気との温度差を軽減できますので、併せて視野に入れてみましょう。
費用感は、浴室やトイレの規模、暖房を入れるか内窓を採用するかなど、工事内容によって変化します。
まず暖房を導入する場合、ガス温水式なのか電気式なのかを選ばなければなりません。さらに、本体価格と工事費用を考慮する必要もあります。業者によっては本体価格と工事費用がセットになっている場合がありますので、しっかり見積をとり、担当者と打ち合わせを重ねてください。
以下にガス温水式の場合と電気式による本体価格と工事費用込みでの費用感をご紹介します。
【暖房導入時の費用感】
ガス温水式 | 10万以上 (本体価格と工事費用) |
電気式 | 10万円以内 (本体価格と工事費用) |
当社の場合は、浴室暖房8万ほど、トイレ6万ほど(電気式の場合)の費用感となります。
【内窓採用時の費用感】
内窓設置時の費用目安 | 3万円~6万円ほど ※大きさや仕様により価格差あり |
内窓を採用する場合も、窓の大きさやガラスの枚数によって値段が異なることを念頭に置くとよいでしょう。
設備を変更するバリアフリーリフォーム
住宅の安全性だけでなく、利便性を向上するために設備変更も視野に入れれば、失敗しないバリアフリーリフォームが実現できるでしょう。
バリアフリーリフォームの場合、設備変更の代表箇所は以下の通りです。
トイレ | 例:タンクレスで広いスペース、和式から洋式便器への変更 |
キッチン | 例:車いすを使っても移動しやすい広々スペース、座った位置でも快適に作業できる高さ |
浴室 | 例:浴槽の段差を低くする、安定したベンチで座ってシャワーができる |
費用感は工事箇所や設備の新旧、規模などさまざまな要因で変化しますが、それぞれ以下の通りです。
【主な設備変更時の費用感】
トイレ | 15万円~40万円ほど |
キッチン | 100万円~200万円ほど |
浴室 | 80万円~150万円ほど |
ドアを交換する
部屋の各所にあるドアを交換することで移動がスムーズになるため、バリアフリーリフォームとして好まれる傾向にあります。左右に開閉できる引き戸を採用することで、高齢者の方だけでなく子どももドアを開閉しやすくなるので、おすすめです。
引き戸の種類も、洋式だけでなく和風の襖を採用する事例もあり、住宅の雰囲気や好みに合わせて選びやすいでしょう。
また、ドアの交換は引き戸の採用だけではありません。
ドア自体を大きくすることで出入りがしやすくなるリフォームも注目されています。
費用はドアの種類や幅によって変化するため、以下を目安に考えておくと安心です。
【ドア交換時の費用感】
室内建具 | 5万円前後 |
玄関ドア | 50万円から |
間取りを変更するバリアフリーリフォーム
住宅の一部分にバリアフリーリフォームを取り入れるだけでなく、住宅の間取り自体を変更する場合もあります。
- 生活空間を1階にまとめる
- 廊下を広くする
- 車いすでも使いやすいようにトイレやリビングを設計し直す
ただし、間取りを変更する場合は住宅の構造や柱の位置・居住する住宅の契約が関わってくることを考慮しなければなりません。
間取りを変更するバリアフリーリフォームを検討する場合は、プロへの相談が必要だといえます。
費用についても前述の通り、住宅構造などさまざまな要因が関係することから一概に示すことが難しいものです。複数業者に見積をとりながら、自身の理想を叶えるバリアフリーリフォームを実現してくれそうな業者を探すことをおすすめします。
【費用感】
費用目安 | 要見積 ※施工範囲によって金額に幅があります。8帖間を仕切る場合20万円から |
間取りに関する複数の記事がありますので、参考にご覧ください。
スロープを設置するバリアフリーリフォーム
住宅の内外にスロープを採用するバリアフリーリフォームもあります。
スロープの採用で特に多いのは玄関です。車いすの方や足腰に不安がある方だけでなくベビーカーを使う方にとっても使いやすく、どの年代にもおすすめです。
また、住宅内の場合は①玄関と②住宅内の階段を全て撤去するという2パターンの工事内容が挙げられます。それぞれの費用感は以下の通りですので、参考にしてみてください。
【スロープを採用する際の費用感】
玄関外の階段をスロープ化する | 5万円~50万円ほど ※範囲によって+α |
室内の階段を撤去し、スロープを採用する | 1.5万円~/箇所 |
②after【建物別】バリアフリーリノベーションの施工範囲と注意点
バリアフリーリフォームは、一戸建ての場合とマンションの場合で、施行できる場所が異なります。
一戸建ての場合 | マンションの場合 |
・部分的~全体をリフォーム可能 ・建物の基礎によって工事できる箇所が変わる |
・施工箇所が限定される ・管理会社の許可が必要 |
それぞれについて詳しく見てみましょう。
一戸建て・一軒家のバリアフリーリフォーム
一戸建ての場合、部分的な工事から全体までバリアフリーリフォームすることができます。
マンションと比較すると自由にカスタマイズでき、自身の状況や導入したいバリアフリー設備によっても工事規模が変化します。
ただし、住宅の基礎や柱の場所などによってできる工事とできない工事がありますので、担当業者とよく相談しながらリフォーム計画をすすめなければなりません。
マンションのバリアフリーリフォーム
マンションにおけるバリアフリーリフォーム工事は、主に以下の内容が採用されることが多くあります。
- 床の段差を解消する
- 浴室・キッチン・トイレなどの水回りをバリアフリー仕様にする
- 手すりを設置する
- 扉を引き戸に変える
マンションの場合、バリアフリーリフォームに限らず部屋をリフォームする際は管理会社の承認が必要です。
承認が下りないと工事ができなかったり、間取りの変更を伴う工事ができない場合もありますので、お住まいのマンションの管理会社に問い合わせる必要があります。
バリアフリーリフォームで使える補助金や助成金
バリアフリーリフォームは何かと費用がかかりますが、補助金や助成金を上手に活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。バリアフリーリフォームで使える補助金や助成金は主に以下の3パターンです。
- 介護保険の住宅改修支援制度
- お住まいの地域自治体の補助金
- バリアフリーリフォームの減税制度
まずは、上記3パターンの補助金および助成金について簡単にまとめました。
介護保険の住宅改修支援 | 自治体の補助金 | バリアフリーリフォームの減税制度 | |
概要 | 要支援・要介護認定を受けている方は、介護費用の一部を負担してくれる | 高齢者や障害者がリフォームを必要としたときに使える | 対象になっているバリアフリーリフォームを行うことで、所得税や固定資産税が減額される |
支給額/控除額 | ・対象工事費用上限20万円に最大18万円 | 自治体によって異なる | ・所得税(投資型)の特例措置:10% ・所得税(ローン型)の特例措置:バリアフリーリフォームの場合2% |
適用できる工事 | ・手すりの設置 ・段差解消 ・床材の変更や滑り止めの設置 ・扉の変更・交換 ・トイレの交換 ・上記の工事で必要な下地工事 |
自治体によって異なる | ・所得税(投資型)の特例措置:200万円まで ・所得税(ローン型)の特例措置:バリアフリーリフォーム部分250円まで (工事全体で1,000万円まで) |
条件 | あり | 自治体によって異なる | あり |
それぞれについて詳しく見てみましょう。
1.介護保険の住宅改修支援制度
「介護保険の住宅改修支援制度」とは、介護保険に加入しており、要支援・要介護認定を受けている方を対象に介護費用の一部を負担してくれるという制度です。
介護保険自体は40歳から加入義務があるため、確認しましょう。
「介護保険の住宅改修支援制度」を受けるためには工事範囲が以下に限定されています。
- 手すりの設置
- 段差解消
- 床材の変更・滑り止めの設置
- 扉の変更・交換
- トイレの交換
- 上記の工事で必要な下地工事
厚生労働省によれば、「介護保険の住宅改修支援制度」を利用するためにはケアマネージャーなど介護のプロに住宅改修が必要である旨を相談しなければなりません。
必要書類の提出などもあるため、「介護保険の住宅改修支援制度」を利用する場合は注意が必要です。
参考:介護保険における住宅改修
2.お住まいの地域自治体の補助金
お住まいの地域によっては、自治体がバリアフリーリフォームに関する支援を行っている場合があります。
地方自治体によって支援金額や適用範囲内・条件などが異なりますので、注意しましょう。
例えば、富山県においては以下の減税制度がありますので、参考にしてみてください。
また、以下のサイトではその他お住まいの地方自治体での補助制度を簡単に検索できます。
https://www.j-reform.com/reform-support/
3.バリアフリーリフォームの減税制度
確定申告時にできる減税制度の活用もおすすめです。
バリアフリーリフォームの場合、対象となる住宅において所得税や固定資産税の減税措置があります。
所得税の場合は、以下の特例措置から1つを選ぶと控除が受けられる形です。
- 所得税減税投資型
- 所得税減税ローン型
- 住宅ローン減税
所得税減税については適用期間も2023年12月31日までと延長されましたので、バリアフリーリフォームを検討している方はチェックしておくとよいでしょう。ただし、住宅ローン減税制度とは併用不可ですので、注意が必要です。適用の条件は以下の通り定められており、自身が対象かどうかを確認する必要があります。
①その者が所有しかつ 主として居住の用に供する家屋であること ②住宅の引渡し又は工事完了から6ヶ月以内に居住の用に供すること ③床面積が登記簿表示上で50㎡以上あること ④店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用であること ⑤次のいずれかに該当する者であること ⅰ. 50歳以上の者 ⅱ. 要介護又は要支援の認定を受けている者 ⅲ. 障害者である者 ⅳ. 上記ⅱ. もしくはⅲ. に該当する者又は65歳以上の者 のいずれかと同居している者 ⑥合計所得金額が3,000万円以下であること 【留意点】住宅ローン減税制度とは併用不可です。他の改修工事に係る所得税額の特別控除とは併用可です。 |
引用:国土交通省 長寿命住宅(200年住宅)税制の創設 (登録免許税・不動産取得税・固定資産税)
また、固定資産税は地方税に値するため、お住まいの自治体に納めます。
富山県内の場合、工事完了年の翌年度から固定資産税が3分の1が減額可能です。
ただし100㎡分までが限度ですので工事範囲を事前に確認することをおすすめします。
ユニテのバリアフリーリノベーション事例
ユニテでは、富山県内を中心にこれまで100件以上のバリアフリーリフォームの実績があります。
実際のバリアフリーリフォームの住宅をご紹介します。
N様は高齢のお母様がひとり暮らしをされていました。
いずれは娘様ご夫婦もご入居予定ですが、すぐの引っ越しではないため、部屋の一部をバリアフリーのワンフロアにリフォームしています。
きっかけ | ・高齢のお母様がひとり暮らししているお住まいを、娘さん家族が遊びに来やすいようにしたい ・ダウンジャケットが手放せない住宅だった |
要望 | ・暖かさを追求し、寒い冬でもお孫さんが遊びに来やすいように ・高齢のためバリアフリーに |
施工箇所 | ・寝室 ・LDK ・浴室など |
ポイント | ・寝室や浴室・LDKと言った生活動線がワンフロアになり、使いやすさが向上した ・断熱材を入れ、窓・サッシも断熱性の高い素材に変更したことで、気になる寒暖差も解消した ・以前の雰囲気も保ちながら住みやすい家に |
N様邸で行ったバリアフリーリフォーム事例は以下より詳しく閲覧できますので、是非ご覧ください。
富山県でバリアフリーリフォームを検討している際はユニテにご相談ください
富山県周辺でバリアフリーリフォームを検討していると言う場合は、ぜひ一級建築士が在籍する「ユニテ」にお気軽にご相談ください。
バリアフリーリフォームに関する施工実績は、これまで100件以上。
リフォームをする場合ほぼすべての工事はバリアフリーを前提として設計しています。
介護や高齢ですぐにバリアフリー化する必要がある方は、ぜひユニテにお問い合わせください。
バリアフリーリフォームに関するよくある質問にユニテが答えます
最後に、バリアフリーリフォームに関するよくある質問に、リノベーション業に30年以上携わってきた弊社ユニテがお答えしていきます。
・バリアフリーリフォームの注意点を教えてください。
・車椅子のバリアフリーリフォームのポイントは?
・高齢者や介護のためのバリアフリーリフォームのポイントは?
バリアフリーリフォームの注意点を教えてください。
バリアフリーリフォームの注意点は以下の通りです。
・対象者の身体状況(不自由な部位・身長や身体能力など)を意識する
・対象者以外の家族も暮らしやすいかという視点も持つ
「対象者の体のどこがどんなふうに不自由なのか」によって、どんなバリアフリーリフォームが必要かも変わってきます。また、設置した手すりが小さな子供にとって危険性はないか、ぶつかってケガをすることはないかなど、対象者以外にも目を向けることが大切です。
車椅子のバリアフリーリフォームのポイントは?
高齢者や介護が必要な方のためのバリアフリーリフォームのポイントは以下の通りです。
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まとめ
バリアフリーリフォームは、障害を持つ方や高齢者の方だけでなく、子どもや妊婦の方など誰もが使いやすい「ユニバーサルデザイン」をもとに造られた住宅の形です。全ての年代で生じやすい家庭内事故も防止できるため、幅広い層に注目されています。
また、一戸建てとマンションでは、できる工事内容に差が生じますので、事前に確認しておくと安心です。
バリアフリーリフォームで使える国や地方自治体の補助金や助成金をはじめ、減税制度も準備されていますので、ぜひ活用してみてください。今回の記事を参考に、事前に必要な情報を確認して、自身に合ったバリアフリーリフォームを検討してみましょう。