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リノベーションマンションのデメリット6つ!買うなら築30年前後がおすすめ
監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「リノベーションのメリットとデメリットって?」
「リノベーション済みのマンションは本当にお得?」

 

リノベーション済みの中古マンションの購入を検討している人の中には、こんなことをお考えの方も多いのではないでしょうか?

 

結論から言いますと、割安なリノベーションマンションにもデメリットは存在します。

 

マンションを購入したり借りたりするための費用とリノベーションの料金がセットになっているため安く感じますが、デメリットを知らないと思わぬ欠点に悩まされるかもしれません。

実際安いと思って購入したリノベーションマンションが、実は自分で中古マンションを購入して

リノベーションするよりも割高だったという失敗例もあるのです。

 

この記事では、25年以上リノベーション業界に携わってきた経験を生かし、以下の内容について詳しく解説していきます。

  • リノベーション済みマンションの思わぬデメリット
  • リノベーション済みマンションの選び方と種類
  • リノベーション済みマンションのメリット

 

この記事を読めば、リノベーションマンションのデメリットがよく理解できるようになりますよ!

【やめたほうがいい?】リノベーションのメリットとデメリット

まずは、「リノベーション」という工事内容に関してのメリット・デメリットについてみていきましょう。中古物件はデメリットが多いため、リノベーションを途中でやめてしまう人も多いようです。

そのため、どんなデメリットがあるのかを事前にしっかり把握しておくことが大切になります。

新築と比較した築古物件リノベーションのデメリット

新築物件と比較した場合のリノベーションにおけるデメリットは、以下の通りです。

 

【築古物件をリノベーションするデメリット】

  1. 物件自体の寿命が短い
  2. 光熱費がかさみやすい
  3. 耐震性への不安がある
  4. 定期的にメンテナンスする必要がある
  5. リノベーションできる範囲に限りがある
  6. イメージと異なる雰囲気に仕上がる場合もある

 

中古物件を購入する場合、どうしても物件自体の寿命は短くなってしまいます。また、築古物件は断熱性能や耐震性能がアップデートされていないのがデメリットです。そのため、適切なリノベーションをおこなわなければ、快適かつ安全に暮らせない可能性もあります。

 

デメリット解消のために注意すべきこと

 

デメリットを解消するためには、以下の対策を検討することが大切です。

 

【リノベーションにおけるデメリットを解消するコツ】

  1. 定期的なリフォーム・リノベーションで状態を維持する
  2. 断熱リフォームでランニングコストを軽減する
  3. 耐震診断や耐震補強工事をおこなう
  4. アフターサービスが充実している業者を選ぶ
  5. 物件を決める前にプランが実現できるか検討する

 

築古物件のリノベーションでは、定期的なメンテナンスが前提になります。そのため、最初に可能な限り不安のある部分や劣化が激しい部分をしっかり改修しておくことが大切です。

また、定期的にメンテナンスすることを見込んで、アフターサービスが充実しているリノベーション業者に依頼することも検討するといいでしょう。

 

新築と比較した築古物件リノベーションのメリット

築古物件をリノベーションするメリットは以下の通りです。

 

【築古物件をリノベーションするメリット】

  1. 物件の選択肢が豊富
  2. 新築よりもコストが安くなりやすい
  3. 資産価値が下がりにくい
  4. 工事の自由度が高い

 

詳しい内容については「【基礎知識】リノベーションとは?リフォームとの違いやメリットやデメリットについて解説」をご覧ください。

【物件選びの注意点】リノベーション済みマンションに潜むデメリット6選

ここからは、ユニテがリノベーションに25年以上携わってきた経験から、知っておくべき「リノベーション済みマンション」のデメリットについて解説していきます。 リノベーション済みのマンションを購入する際は、これから紹介する6つのデメリットに留意しつつ、物件選びをおこないましょう。

 

  1. リノベーション箇所が部分的である
  2. 耐久性に乏しい
  3. 断熱性に優れていない
  4. 間取りや電気設備が古く不便
  5. 外見が古い
  6. 割高になっている

 

リノベーション済みマンションは、写真上では内装も綺麗に見えるかもしれません。しかし実際に住んでみると、一部しかリノベーションされていなかったり設備に問題があったりと、契約を後悔するようなレベルの物件も存在しているため、注意が必要です。

デメリット1:リノベーション箇所が部分的である

リノベーション済みのマンションといっても、部屋全体をリノベーションした物件とは限りません。

家全体をリノベーションする工事は「フルリノベーション」と呼ばれます。しかし、フルリノベーションではない限定的なリノベーション工事で、同じ「リノベーション済み物件」になってしまうのです。

 

例えばトイレやキッチンなど最低限の設備だけ新しいものに変え、そのほか内壁や床がそのままの物件は、リノベーションされている実感が得られにくいでしょう。

新品同様の部屋を安く手に入れる目的でリノベーション済みのマンションを選ぶなら、フルリノベーションされた物件を選ぶのがおすすめです。
 

デメリット2:耐久性に乏しい

リノベーションマンションは、築20年以上経過している物件が多く、耐久性に乏しい可能性があります。

マンションは、リノベーションできる「専有部分」と規約で手を加えられない「共有部分」に分けられているため、建物すべてを改修できるわけではありません。そのため、各部屋の内装をリノベーションし、外壁や共用部分はそのままというケースがほとんどなので、耐久性には劣ります。

また耐震性に関しては、1981年以前に建てられた築40年以上のマンションに特に注意する必要があるでしょう。耐震基準が厳格化され、現在の水準になったのは1981年以降なので、それ以前に建てられた物件は大規模な地震に対した十分な備えがない状態です。

 

加えて昨今の災害リスクも当然反映されていないので、小規模の自然災害でも被害に遭う可能性は否めません。

そのため、築年数が経過している物件を選ぶ場合は、管理状況や修繕計画をしっかりチェックしておくことが大切です。

デメリット3:断熱性に優れていない

リノベーションマンションは十分な断熱材が入っていない可能性もあります。新しい物件は壁・床・天井にそれぞれ断熱材を入れますが、古い物件は十分に入ってないか、全く入っていない可能性もあるのです。

断熱機能がないと外に空気が逃げてしまうため、冷暖房を使ってもあまり効果が感じられません。

また室温を保てないので、電気代もそれだけ高くなってしまいます。

デメリット4:間取りや電気設備が古く不便

築古マンションをリノベーションしたマンションでは、間取りや電気設備に関して不便さを感じるかもしれません。最近はひと部屋が広々とした間取りが増えていますが、古い物件は壁が多く、部屋数も多い特徴があります。

 

また部屋が多い分自然光が入りにくい部屋もあり、結果として使いにくい部屋が発生しがちです。このような部屋の間取りは、現在の最新物件と比較すると生活しにくさを感じる可能性があります。

 

また電気の契約容量が小さく、家電の多い現在の生活に適していないリノベーションマンションも存在するため注意しましょう。一般的に電気容量が少ないとされているのは「30アンペア」以下の物件です。

 

▽アンペア数の目安

  • 30A・・・1~2人世帯
  • 40A・・・3人世帯
  • 50A・・・4人世帯
  • 60A・・・5人以上

 

一応30Aあれば一人暮らしでは十分な電気容量ですが、エアコン・IHクッキングヒーター・食洗器など、使う家電が多い場合は30Aでは足りません。

電気容量はそのマンションの都合上変更できないことが多いので、事前にしっかり確認しておけると安心です。

デメリット5:外見が古い

内装は新築のようにきれいでも、外見は少し古びた外観のリノベーションマンションがほとんどです。

なかには外見だけでなく、エントランスや玄関前の廊下もリノベーションされていない場合があるので、外見もきれいな状態がよいという方にはリノベーションマンションはあまりおすすめできません。

ただし外壁塗装もリノベーション済みの物件もあるので、外見が気になる方は外装や共有部分もしっかりリノベーションされているか、不動産検索サイトなどでチェックしてみるといいでしょう。

デメリット6:割高になっている

リノベーション済みのマンションは、契約した金額が割高になっている可能性があるため、注意が必要です。

リノベーションマンションは、既にリノベーション済みであることから、

中古マンションの契約料+リノベーション費用を計算しなくてよい点にメリットがあります。

しかし、リノベーションマンションの契約料を改めて計算しなおすと、自分でリノベーションした方が安かったという事例もあるのです。

リノベーションマンションは必ずしもお得ではない点に注意しましょう。

【欠点だけじゃない】リノベーション済みマンションのメリット

もちろんリノベーション済みのマンションには、たくさんのメリットがあります。
リノベーションマンションのメリットは次のとおりです。

 

①購入価格が新築物件よりも安い
②新しい設備が使える
③自分でリノベーションする手間がかからない
④立地のよいマンションが多い

 

ここではリノベーション済みマンションの醍醐味ともいえる、4つのメリットについて紹介していきます。

メリット1:購入価格が新築物件よりも安い

リノベーションマンション1つ目のメリットは、購入価格(賃料)の安さです。築年数が経っている分、耐久性や設備の充実性に劣るので、新築マンションと比べると費用が安くなります。

「新しい設備のあるマンションに住みたいけど、部屋の内装は気にしない」方や、「内装だけはどうしても譲れない」方は、一部のみを改修したリノベーションマンションがおすすめです。

メリット2:新しい設備が使える

リノベーションマンションは設備が新しいのにも関わらず、費用が安く抑えられるのもメリットの1つです。内装はそのままに、設備のみをリノベーションした物件が多いので、内装には特にこだわりがない方なら快適に暮らすことができます。

なかには新築同然の新しい設備でありながら、費用が相場よりもコストがかからない物件も多く存在しているのが、リノベーションマンションの魅力です。
 

メリット3:自分でリノベーションする手間がかからない

リノベーションマンションは、リノベーションする手間や料金が一切かかりません。

そのため、「中古マンションのリノベーションには興味があるけど、自分でリノベーションプランを考えたり工事を依頼したりするのは面倒」という方には、リノベーション済みの物件がおすすめです。

中古マンションを自分でリノベーションすると、マンションの管理組合や周囲の住人に許可や配慮しなければならず、思いのほか手間がかかります。

その点リノベーション済みマンションは既にリノベーションが完了しているので、そういった手間をかけずに済むのです。

 

特にエントランス部分などの共有部分は、自分でリノベーションできない箇所になります。リノベーション済みマンションなら施工の範囲も広いので、エントランスや廊下もキレイなところが多い傾向です。

メリット4:立地のよいマンションが多い

立地のよさも、リノベーションマンションのメリットです。土地は使い勝手のよい土地から埋まっていくので、古いマンションが立地のよい場所を占めています。

よって立地のよい中古マンションをリノベーションした場合、立地がよく新築のようにきれいなマンションに住めるのです。

住みたい場所が決まっている場合、リノベーションマンションを探すと案外穴場になっている可能性があります。

立地のよさは生活の質に直結するので、ぜひリノベーションマンションも検討してみてください。
 

リノベーション済みマンションの種類や選び方のコツ

住みやすく満足度の高いリノベーションマンションを選ぶには、まずリノベーションマンションの種類を把握しておくことがポイントです。自分のニーズをしっかり把握しておくと、条件に合ったリノベーションマンションが見つかりやすくなります。

その選び方のコツについて詳しくみていきましょう。 リノベーション済みのマンションは、大きく分けて上記の4種類に分けられます。
 

種類 部屋の内装だけ 一部の水回りのみ 内装+機能面 マンション全体
おすすめの人 きれいな部屋に住みたい方 内装よりも機能面にこだわりたい方 新築のようなマンションに割安で住みたい方 新築のようなマンションに割安で住みたい方
物件数 普通 多い 少ない 少ない

 

中古マンションの種類①部屋の内装だけをリノベーションした物件

部屋の内装や間取りのみをリノベーションしたマンションは、きれいで独特な部屋に住みたい方におすすめです。キッチンやトイレは古いままですが、広々とした間取りのリノベーションマンションも多く、部屋にこだわりを持ちながら費用を安く抑えられます。

「水回りなどのきれいさは譲れない」という方も多いので、部屋の競争率が低いのもポイントです。

中古マンションの種類②一部の水回りだけをリノベーションした物件

リノベーション済みのマンションで最も多いのが、「キッチンとトイレ」あるいは「キッチンだけ」など、一部の水回りだけを刷新したものです。リノベーションマンションのなかでも特に費用が安く、機能面さえ整っていれば部屋が古くてもよいという方に適しています。

 

ただし、このタイプのマンションは、写真だけだと状態が伝わりにくい傾向があるので、実際に内覧をして直接確認するのがおすすめです。

中古マンションの種類③内装と機能面を全体的にリノベーションした物件

新築同様のきれいさを持ち合わせており、割安で住めるのが内装と機能面をリノベーションしたマンションです。

エントランス部分やマンションの外観は少し古く感じますが、部屋のなかはしっかりきれいにリノベーションされています。一部をリノベーションしたマンションよりも少し費用がかかりますが、新築マンションと比較すると格安で住めるケースが多いでしょう。

物件のなかには、間取りにこだわったデザイナーズの物件もあり、こだわりを追求できるのもポイントです。

中古マンションの種類④マンション全体をリノベーションした物件

物件数はかなり少なくなりますが、マンションをフルリノベーションした物件ももちろん存在します。

外装やエントランス部分もリノベーションしてあるので、新築のようにきれいな物件に住みたい方におすすめです。

立地がよい家もあり、部屋も広々としているマンションが多いですが、家賃は新築とほとんど同じになってしまうでしょう。
 

リノベーションマンションのおすすめは築30年前後の物件!

リノベーションに25年以上携わってきたユニテがおすすめする物件は、築30年前後のマンションです。築30年前後の物件は、以下の3つの要素を満たしています。

  • 現在の耐震基準を満たしている
  • 費用が安い
  • 耐久性がある程度確保されている

 

1981年以前に建てられた築40年以上のマンションは、建築基準法による基準が古く、耐震性が乏しいという懸念点があります。

また老朽化も進んでいるので、耐久性・耐震性含め、フルリノベーションした物件でない限りはおすすめできません。

 

その点、築30年前後の家は耐震基準を満たしており、安く購入できるのに対し、老朽化もさほど進んでおらず、安心・快適に住みやすい傾向があります。

リノベーションマンションを選ぶ際は、費用や内装のきれいさだけでなく、「災害に耐えられるマンションであるかどうか」もしっかり着目してください。

入居前にしっかりチェック!リノベーションマンションは自分の目で確認するのが大切

リノベーションマンションを契約する際は、しっかり自分の目で確かめるのが大切です。写真では見えない場所、工事の精密さ、使い勝手の良さは直接確認しないとわかりません。

 

最後に、リノベーションを検討する際に確認すべきポイントを簡単に紹介していきます。

 

【リノベーションマンション検討時に確認すべきこと】

  1. 築年数よりも管理状況や修繕計画の確認を重視する
  2. 見えない配管部分もしっかり改修されているか確認する
  3. 後からさらに改修工事をしてもいいかどうか確認する

 

リノベーションマンションを選ぶ際は、この記事で紹介したメリット・デメリットを参考にしながら、実際にそのマンションを確認して選んでくださいね。

リノベーションマンションをお考えの方はぜひユニテへ!

25年以上の運営実績を誇る「ユニテ」では、部分的なリフォームからフルリノベーションまで幅広く対応しており、お客様のご要望に寄り添ったご提案をおこなっております。富山県でマンションのリノベーションをお考えの方はぜひユニテへご相談ください。

まとめ

リノベーション済みのマンションは、デメリットに留意しつつ、自分の希望に合った種類のものを選ぶことが大切です。そのため、物件選びをする前に、自分は何を重視するのか、妥協できる部分はどこかをしっかり決めておくことをおすすめします。

紹介したメリットやデメリット、選び方のコツを参考にして、後悔しない物件選びで快適な暮らしを手に入れましょう。