
ご自宅のドアを引き戸に変更する際、そもそもできるのか、予算はどれぐらいか心配になる方も多いでしょう。本コラムでは、引き戸の種類、費用相場や設置方法を解説します。
「ドアを引き戸に変えたい」
「予算って、いくらぐらいかかるの?」
「引き戸に変えるデメリットがあれば、先に知りたい」
など、引き戸リフォームに関する疑問をお持ちの方は多いでしょう。
そこで、本記事では以下の点を解説します。
- 引き戸とは
- ドアの引き戸リフォームの費用相場
- リフォームで引き戸を設置する方法
- ドアを引き戸にリフォームするメリット
- ドアを引き戸にリフォームするときの注意点
- 引き戸リフォームの事例
玄関や室内ドアをリフォームする際の参考になれば幸いです。
引き戸とは

引き戸は、ドア本体を左右に滑らせて開閉する構造が特徴です。
和室の障子や襖、最近ではリビングやトイレにも使われるようになっています。
開き戸は開けるために前後どちらかにスペースが必要ですが、引き戸は横に動かすため、限られた空間でも使いやすい点が特徴です。
設置場所やお住まいの方の特徴に応じて、どちらの扉が適しているかを選ぶことが大切です。
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ドアの引き戸リフォームの費用相場

ドアを引き戸にリフォームする場合の相場は、ドアの設置場所によって異なります。
一般的に、開き戸から引き戸にリフォームする際の費用は以下の通りです。
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バリアフリーや断熱性能など、機能性をプラスしたい場合は、もう少し値段が上がる場合があります。
リフォーム会社に相談するときは、プラスしたい機能と予算の両方を伝えることをおすすめします。
そうすることで、予算を踏まえながら現実的な施工内容を提案してもらいやすくなるでしょう。
引き戸の種類
一口に引き戸といっても、種類は5つに分けられます。
この章では、5つの引き戸それぞれの特徴を紹介します。
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片引き戸

片引き戸は、壁に沿って扉をスライドさせることで開け閉めするタイプです。
引き戸の中でも、最も一般的に取り入れられています。
閉めているときはレール部分や壁が露出しているため、掃除がしやすい点がメリットです。
一方で、ドアの内側に扉を入れられないため、開閉のために横幅の面積が必要です。
引き分け戸

引き分け戸は、2枚の扉をそれぞれ左右にスライドさせて開け閉めする扉です。
スーパーの自動扉などをイメージしてもらうと、分かりやすいかもしれません。
扉を大きく開けるため、開けたときには開放感が生まれます。
2つの部屋の間に設置し、用途に合わせて扉を開けることで、ひとつの部屋としても使用できます。
一方で横幅が必要なため、広い空間でないと設置できない点には注意が必要です。
引き違い戸

引き違い戸は、2枚の扉を左右どちらにでもスライドさせることができる引き戸です。
引き分け戸と同じく、引き違い戸も2つの部屋の間に設置することで、開けているときは1つの広い部屋として使うことが可能。
しかし、左の扉は左に、右の扉は右にしか動かせない引き分け戸と異なり、引き違い戸は2枚の扉を左右好きな方向に動かすことができます。
そのため、引き分け戸を設置するほどの横幅がなくても施工できます。
それぞれの扉の間に隙間ができやすく、熱や音が漏れやすい点だけ注意が必要です。
引き込み戸

引き込み戸とは、扉を開ける際に壁の内側に入れるタイプです。
壁の内側に扉を片付けられるため、横幅が限られている場所でも設置しやすい点がメリットです。
一方、レールが扉の中に隠れているため、掃除が難しいです。
折れ戸

折れ戸とは、扉を開けた際に中央部分で扉が折れ曲がる使用になっているタイプのことです。
クローゼットやお手洗い、お風呂場など、スペースが限られる場所によく設置されます。
開き戸のように扉を開けることで廊下がふさがれてしまう心配がありません。
一方で、開け閉めのときにやや音がなる点には注意が必要です。
リフォームで引き戸を設置する方法
引き戸には、扉の種類だけではなく設置方法もさまざまです。
この章では、引き戸にリフォームするときに考えたい設置方法をお伝えします。
- レールの設置方法:レール式と上吊り式
- レールの設置場所:インセットとアウトセット
レールの設置方法:レール式と上吊り式
引き戸をスライドさせる方法には、レール式と上吊り式の2種類があります。
レール式は、床にレールを設置し、その上に扉を設置してスライドさせる方法です。
上吊り式は、天井側にレールを設置して引き戸を吊るす方法。カーテンの開け閉めと同じ要領で扉を開閉できます。
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レールの設置場所:インセットとアウトセット
レールの設置場所は、インセットとアウトセットの2つに分けられます。
それぞれ、扉を開けた際に扉板がどこに来るかが異なります。
インセットは、レール沿いの壁を薄くする方法。
アウトセットは、扉の厚みはそのままに、壁の手前にレールを設置する方法です。
インセットの場合、壁を薄くする施工が必要です。そのため、耐震壁など建物を支える柱の役割を持つ壁が扉の近くにある場合はアウトセットしか選べない点だけ、注意が必要です。
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ドアを引き戸にリフォームするメリット
ドアを引き戸にする主なメリットは、次の5つです。
- デッドスペースを減らし空間を広々と使える
- 狭い空間にも使える
- ライフステージや用途に合わせられる
- お年寄りやお子さんのケガを防げる
- プライバシーに配慮できる
デッドスペースを減らし空間を広々と使える

引き戸は、扉が横にスライドするため、開き戸のように開閉時に前後のスペースを必要としません。
これにより、扉の動作に干渉しないように家具を避けて配置する必要がなくなり、室内をより自由に使えるようになります。
例えば、ベッドやソファを扉の近くに配置できるため、限られた面積でも空間を効率よく活用できます。また、視覚的にもすっきりとした印象になるため、部屋全体が広く感じられるのも魅力のひとつです。
特にコンパクトな住まいでは、引き戸を用いることで、より空間を自由に使いやすくなるでしょう。
狭い空間にも使える

廊下やトイレ、洗面所、押し入れのような限られたスペースでは、開き戸を使うと扉の開閉で通行が妨げられることがあります。
その点、引き戸なら横にスライドするだけなので、狭い空間で圧迫感が生じることがありません。
例えば、廊下に面したトイレのドアを開き戸にすると、人の動線とぶつかって危険になることもありますが、引き戸にすればそうした心配がありません。
省スペースな設計を求められる住宅では、非常に実用的な選択肢といえるでしょう。
ライフステージや用途に合わせられる

引き戸は部屋を繋いだり区切ったりと、自由に切り替えられる柔軟性があります。そのため、家族構成や生活スタイルの変化にも対応しやすい扉です。
例えば、子どもが小さいうちは遊び場と寝室を一体の空間として使い、成長してからは引き戸を閉めて個室にすることもできます。
壁のように空間を区切ることができる一方で、不要なときは開放できるという柔軟さが、大きな魅力です。
お年寄りやお子さんのケガを防げる

引き戸は、日常の安全性を高めるためにも優れた選択肢です。
開き戸のように前後に動かないため、開けた瞬間に人や物とぶつかるリスクが少なく、廊下や室内での事故を防ぐことができます。
さらに、上吊り式であれば床にレールが不要になるため、つまずきや段差によるケガのリスクも減らせます。
使いやすさと安全性を両立した引き戸は、年齢を問わず安心して暮らせる住まいづくりに役立ちます。
プライバシーに配慮できる

引き戸は、視線を遮りたい場所に仕切りを作るのにも適しています。
例えば、脱衣所と洗面所の間に引き戸を設けることで、家族同士でも気を遣わずに同時に使用できるようにした施工事例があります。
また、リビングの一角を間仕切って在宅ワーク用のスペースにするなど、開け閉めがしやすい引き戸なら、必要なときだけ空間を分けることができます。
例えば、普段は開け放しておいて開放感を出し、来客時や在宅ワーク時など、必要なタイミングで仕切り、一部のスペースを隠すことも可能です。
ドアを引き戸にリフォームするときの注意点
ドアを引き戸にリフォームするときは、事前に考慮しておくべき点が4つあります。
それぞれの理由と解決策をまとめたので、リフォーム会社に相談する際に、ぜひ参考にしてください。
- 掃除がしづらい
- 断熱性や遮音性に劣る
- 扉を引き込むスペースが必要
- コンセントやスイッチの設置ができない
掃除がしづらい

引き戸のレール部分にはホコリや髪の毛がたまりやすく、放置すると滑りが悪くなったり、見た目も不衛生になります。
掃除機だとレールの凹凸が邪魔をして、ゴミを吸い出しにくいです。定期的に拭き掃除をすると、ゴミが取りやすいでしょう。
また、引き込み戸は扉が壁の中に隠れる構造のため、掃除が困難になりがちです。もし掃除が手間に感じるようであれば、レールが露出しているタイプか上吊り戸のリフォームをおすすめします。
断熱性や遮音性に劣る

引き戸は構造上、扉と壁の間に隙間ができやすいです。そのため、開き戸に比べて気密性が低く、音漏れや熱の出入りがしやすい傾向にあります。
室内では気にならなくても、外部と接する玄関などでは快適性に大きく影響します。断熱性・遮音性が不十分だと、冬の寒さや外の騒音が室内に伝わりやすくなります。
扉を引き込むスペースが必要

引き戸は横にスライドして動くため、扉の移動先となる壁面に十分なスペースが必要です。
横幅が限られている場合は、設置が難しくなるでしょう。
また、引き込み戸にする場合は壁の中に扉を収納する構造となるため、構造変更や壁の増設が必要になることもあります。
コンセントやスイッチが設置できなくなる

引き戸は扉が壁に沿ってスライドするため、スイッチやコンセントを設置している壁面に扉が被ってしまう場合があります。
その結果、引き戸を閉めるとスイッチが隠れて使いにくくなったり、コンセントの位置が制限されてしまうことがあります。
特に、引き込み戸のように扉が壁の中に完全に収納されるタイプでは、内部に配線が通せなくなるため注意が必要です。
引き戸リフォームの事例
この章では、実際に引き戸にリフォームした弊社の事例を5つ紹介します。
- 限られた空間でも開放感を生み出した例
- バリアフリーを叶えた例
- 仕切りとして使用した例
- 採光と断熱性を取り入れた例
- プライバシーに配慮した例
限られた空間でも開放感を生み出した例

部屋の入口にはインセットの片開き戸を採用。クローゼットには、レール式の折れ戸を取り入れました。
引き戸を用いることで、横に広くクローゼットを設置することが可能に。
6畳という限られた空間でも、開き戸のように家具の配置を制限されることなく、自由なレイアウトを楽しめます。
引き戸でバリアフリーで安心安全を叶える

家の扉を、ほぼすべて引き戸に変更した、こちらのご家庭。ご高齢の方がいるため、将来を考えてバリアフリー設計を用いました。
開け閉めに強い力がいらず、横にスライドさせるだけなので誰でも簡単にひとりで移動できます。
また、引き戸を用いることで廊下などのスペースが限られる箇所も、広い導線を維持できるよう工夫。車いすの方でも、楽に移動できます。
引き戸を仕切りとして使用。自由自在な空間

こちらの住宅では、キッチンから続く2部屋を引き戸で仕切れるように工夫しました。
用途に合わせてすべて開けることで、開放感が生まれるように。
仕切りたいときは扉をスライドさせるだけで簡単に仕切れるため、来客時も安心です。
通常、中央の部屋はあまり自然光が取り入れられません。しかし、仕切り扉を開けることで、キッチン側と和室側から自然光が伝わってくるため、明るく湿気防止に繋がります。
引き戸でも採光と断熱性に優れた玄関

こちらのご家庭では、同じ引き戸でも断熱性の高いものに交換。
もともとガラスがはめ込まれ採光に優れた玄関扉でしたが、外気が伝わりやすい性質でした。そのため、冬は玄関の寒さが厳しく、結露もできやすかったそうです。
新しい引き戸では、同じくガラスがはめ込まれたタイプを採用。優れた採光を維持しつつ、断熱性能の高い扉を選ぶことで、玄関から伝わる冷気に悩まされなくなりました。
引き戸でプライバシーに配慮した浴室に

こちらのご家庭では、脱衣所と洗面所を分けるために引き戸を設置。
普段は湿気が脱衣所に溜まらないように解放しておき、入浴時は引き戸を閉める。そうすることで、他の家族が入浴中でも、洗面所を使うことができます。
二世帯住宅など、家族数が多くプライバシーへの配慮が必要なご家庭におすすめです。
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富山県で引き戸へのリフォームを検討している方は、ぜひユニテにご相談ください。
ユニテは古い住宅やご高齢がお住まいの住宅への実績が豊富。
現在のお悩みに合ったリフォームを提案させていただきます。
まとめ
今回は、引き戸のリフォームについて、以下の点をお伝えしました。
- 引き戸とは
- ドアの引き戸リフォームの費用相場
- リフォームで引き戸を設置する方法
- ドアを引き戸にリフォームするメリット
- ドアを引き戸にリフォームするときの注意点
- 引き戸リフォームの事例
引き戸は限られた空間でも設置しやすく、かつお子さんやご高齢の方にも優しい設計です。
しかし、引き戸の種類によっては掃除しにくいなどのデメリットが生じてしまいます。
それぞれの引き戸の特徴を知ったうえで、よりご自身に合うリフォームを見つけましょう。