
家を建て替えたいけどお金がない、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間の様々な経験から、家の建て替えに必要な金額やコスト削減のポイントをまとめてみました。
目次
「家を建て替えたいけど、お金がない…」
「費用が足りなくても建て替えってできる?」
「最低いくらあれば建て替えられるのか知りたい!」
家の建て替えは、建物本体の費用だけでなく、解体・付帯工事・仮住まい・引越しなど、見落としがちな費用まで含めると総額が大きくなりがちです。そのため、上記のようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
たとえば35坪・2階建ての場合、建て替え費用は約2,700万円前後が目安になります。しかし、工法・設備・解体費などで100〜300万円以上変動することも珍しくありません。
結論からいうと、お金がない状態からでも、建て替えを実現する方法はあるのです。
この記事では、建築・リノベーションのプロであるユニテが、今の予算でもムリなく建て替えを進めるための具体的な道筋について詳しく解説していきます。
- お金がないときに建て替えする方法
- 建て替え費用の内訳と最低限かかる金額
- コストを抑えるポイント
- 場合によっては“リノベのほうが安い”ケース
まずは焦らず、できるところから一緒に考えていきましょう!
【4000万】実家の建て替え費用にかかる平均相場
まずは、一軒家の建て替え費用における平均相場から紹介していきます。
国土交通省のデータによれば、令和元年から令和5年度までの5年間における、建て替え費用の平均相場は4,028万円です。
令和5年度の建て替え平均費用は5,000万円を超過しており、昨年・一昨年の平均相場よりも大幅に上昇していることがわかっています。
引用:国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査報告書」
この背景には、2020年後半から続く建築費の高騰があります。実際、国土交通省の「建築工事費デフレーター」によると、2024年時点で2015年度の約130%台にまで上昇していることがわかります。
しかし一方で、自己資金の平均相場は横ばいの2,000万円前後です。足りない分は、ローンなどの借入でまかなうケースが一般的になりつつあります。
ただし、今後の建築工事費の推移状況によっても平均相場は変動するため、あくまでも目安としてお考え下さい。
【シミュレーション】35坪2階建ての家なら最低2700万円必要
先ほどの相場を加味すると、家族が住む一般的な規模(35坪・2階建て)の建て替えなら、最低でも約2,700万円が必要というのが現実的なラインです。
大別すると以下のような内訳になります。
【35坪2階建ての家にかかる費用の内訳】
| 工事名 | 内容 | 費用 |
| 建築主体工事 | 基礎工事、外壁工事、内装工事 などの家の建築工事 |
2,100万円 |
| 付帯工事・諸経費 | 地盤改良工事、外構工事などの 家の工事に付随する |
460万円 |
| 解体工事 | 現在の家の解体工事 | 140万円 |
| 計 | 2,700万円 | |
建て替え費用のうちの大部分を占めるのが家の建築費用です。ただし、建て替えには解体工事や付帯工事が必要になるだけでなく、引っ越し費用などの諸経費も発生します。
各工事の細かい内訳は以下の記事に詳しく記載しているので、こちらもぜひご覧ください!
それでも「お金がなくても建て替えできる」理由とは
建て替え費用は高騰していますが、お金がない状態からでも建て替えを実現する道はあります。
ポイントは以下の通りです。
- 補助金・助成金・減税などで負担を減らせる
- 年収が低くても借入できるローンがある
- リフォームという代替手段も検討できる
まず、「補助金・助成金・減税制度」といった自治体や国の支援が活用できれば、数十万〜100万円以上のコスト軽減が期待できます。また、建て替え特有の「つなぎ融資」や、収入に合わせたローンを選択すれば、無理なく借りられる場合もあるのです。
さらに、建て替えでなく「リフォーム」を採用することで、建て替えより数百万円〜1,000万円以上安くなるケースもあります。「建て替えしかないと思っていたけど、蓋を開けてみたらリノベで十分だった」というパターンも多いです。
ここから先は、費用を押さえながら建て替えを進める方法を、具体的に解説していきます。
【2025年最新】お金がなくても家を建て替える6つの方法
ここからは、2025年の最新情報を加味した具体的な手法を6つご紹介していきます。
- 補助金・支援制度を活用する
- 住宅ローンや借換えで予算を確保する
- 実家の建て替えなら「親子ローン」を使う
- 建て替えとリフォームを比較する
- 解体費・諸経費を削って総額を下げる
- ハウスメーカーは必ず「相見積もり」を活用する
「老朽化した家や実家を建て替えたいけど、お金がない…」というときには、ぜひ参考にしてみてください。
なお、予算が1,500万円の場合の建て替え規模については、以下の記事をご覧ください。
「家の建て替え費用を1500万円に抑えるには?予算内訳や節約のコツ8選」
1.補助金・支援制度を活用する
建て替え費用を節約するには、国や自治体の給付金や減税措置などを利用するという方法もあります。家の規模や性能によって利用できる内容は異なるため、事前に調べておくことが大切です。
建て替えでは「長期優良住宅化リフォーム推進事業」「子育てエコホーム支援事業(2025年)」など、条件次第で30〜80万円ほどの補助が受けられます。特に、2025年度は省エネ住宅への支援が強化されており、断熱性能を満たす建物は補助額が増える傾向です。
ただし、建て替えが“対象外”になる制度もあるため注意してください。ポイントは「新築扱いで申請できるか」「解体費が対象になるか」の2点です。
制度ごとに要件が異なるため、早めに施工会社へ確認し、利用できる制度を一覧化しておくと総額を大きく下げられるでしょう。
現在利用できる国の補助制度については、国土交通省の「住宅リフォームの支援制度」をチェックしてみてください。
2.ローンを組む
建て替え時に住宅ローンを活用している人の割合は全体の47.8%にのぼります。そのうち、自己資金率の平均は55.4%で、半額程度はローンを活用してまかなっている人が多いようです。
建て替えには「建て替えローン」という仕組みがあり、現在の住宅ローンを一度まとめて完済し、新しいローンで建築費と旧ローン残債を合算して借り直せます。そのため、まとまった自己資金がなくても建て替えが可能です。
また、返済中のローンを低金利の銀行へ借換えることで、月々の支払いを1〜2万円下げ、その分を建て替え費用に充てる方法もあります。ただし、審査を通りやすくするには「年収に対して返済比率を下げる」「クレカの延滞をなくす」などの事前準備が大切です。
さらに、複数銀行の金利を比較することで、総返済額を大きく減らせます。残債分の金利が下がる場合もあるので、まずは検討・相談してみるといいでしょう。
引用:国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」
なお、リフォームローンの金利相場については、以下の記事をご覧ください。
「リフォームローンの金利相場が知りたい!銀行別でみる金利比較も」
3.実家の建て替えなら「親子ローンを使う」
実家を建て替える場合、「親子リレーローン」を使うと大きなメリットがあります。親が高齢でも、子どもが返済を引き継ぐ前提で審査されるため、単独ではローンが難しいケースでも建て替えが実現しやすくなるのです。
また、完済時期を長く設定できるため、毎月の返済負担を軽減できるメリットもあります。ただし、将来的に相続が発生する場合は「名義をどうするか」「兄弟間のトラブルを避ける方法」を事前に話し合っておくことが大切です。
さらに、親族から建て替え費用を援助してもらうのも1つの手でしょう。一緒に暮らす両親・祖父母とお金を出し合って新しく家を建て替えるのは、よくある解決法ではないでしょうか。
資金などの贈与時には税金が課されるのが一般的です。しかし、直系尊属からの贈与で建て替えや増改築をする場合は、条件に該当すれば「住宅取得資金贈与の非課税制度」が受けられます。
詳しい内容については、国税庁の「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」をご覧ください。
4.建て替えとリフォームを比較する
リフォームやリノベーションは、老朽化した部分のみを修繕する工事で、水回り交換・外壁や屋根の補修・内装リニューアルなどが対象です。建て替えより費用を抑えられるケースが多いものの、築50年以上の古い家や、内部構造が劣化している物件には向いていません。
基礎や柱が傷んでいると大規模補強が必要になり、リフォームのほうが高額になることもあります。特に、耐震補強は100〜200万円以上かかることもあるため、建て替えとの費用差が広がりやすいのがポイントです。
家の状態次第で「安い方」が変わるため、専門家に診断してもらい、建て替えとリノベのどちらが100万円以上安くなるかを比較するのが後悔しない近道になるでしょう。
なお、予算1,000万円でできる戸建てリノベーションについては、以下をご覧ください。
「予算1000万円でどこまでできる?一戸建てリノベーションを賢く進めよう【事例あり】」
5.解体費・諸経費を削って総額を下げる
建て替えでは、解体費が1坪1.5〜3万円ほどかかりますが、相見積もりを取ることで10〜30万円下げられるケースが多いです。また、仮住まい費用や引越し費用も、シーズンを避けて予約したり、短期賃貸を早めに押さえたりすることで、数万円単位節約できます。
さらに、タイミングによっては固定資産税が減額される場合があるため、解体の時期を工務店と調整するのがおすすめです。火災保険が解体費に使えるケースもあるので、契約内容を一度見直しておくと、思わぬ節約につながるでしょう。
6.ハウスメーカーは必ず「相見積もり」を活用する
ハウスメーカーや工務店の見積もりは、同じ大きさ・同じ設備でも50〜150万円ほど差が出ることもあります。これは、得意な工法や標準仕様、仕入れ価格が会社ごとに異なるためです。特に「外構費」「設備グレード」「付帯工事費」は価格を下げやすい項目です。
そのため、相見積もりを取る際は同じ条件で依頼し、不要なオプションが入っていないか確認することが重要になります。また、「予算内で提案してほしい」と明確に伝えることで、値引きやプラン調整がしやすくなるでしょう。
お金がないときに注意すべき落とし穴
お金がないときに建て替えをおこなう際は、以下の4つの注意点に留意しましょう。
- 見積書の比較は“項目”を揃えないとダメ
- 安い工務店のリスク
- ローン審査に通らない原因
- 固定資産税が上がる可能性
建築費を抑えようと補助金に頼る場合、対象外の制度もあります。エコや子育て支援など、条件を満たさないと使えない補助金もあるため、事前に確認することが大切です。
また、複数の業者で見積もりを取る際、項目がバラバラだと正確に比較できません。建物本体、解体費用、諸経費など、同じ基準で揃えてチェックしましょう。
施工費用が安い業者は、手抜きや追加費用の発生リスクがあります。安さだけで決めず、実績や口コミ、保証内容を確認することが重要です。
さらに、住宅ローンを組む場合、年収や借入状況、物件の評価によって審査に通らないことがあります。予算を確保する前に、ローン審査の条件を理解しておきましょう。
建て替え後は、建物評価額が上がることで固定資産税が増えることがあります。補助金やローンだけでなく、将来的な税負担も含めた資金計画が必要です。
建て替え費用の目安と見積もりの見方
家を建て替えるときは、建築費だけでなく解体費や諸経費も含めて総額を把握することが大切です。家を建て替えるためには、主に以下の2つの費用が必要になります。
家を建て替えるのに必要な2つの費用
| 家を建て替える際に係る費用 | 費用の概要 | 費用例 | 具体的な金額 |
| ①建て替え工事費用 | 付帯工事・解体工事費用 | 地盤改良工事費、外構工事費など | 1坪あたりの解体費用:3~8万円 地盤改良工事費用:30~200万円 |
| 建築主体工事費用 | 基礎工事費、内装工事費など | 家の延べ面積×坪単価 | |
| 諸経費 | 確認申請費用、現場管理費など | ||
| ②その他住居移転に係る費用 | 引越しや仮住まいのための費用 | 引越し代、ホテル代など | 状況によって変わる |
これらの2つの金額を合わせた金額が「家を建て替えるために必要な費用」です。ここでは「建物本体」「解体費用」「諸費用」の3つの視点から、費用の目安と見積もりの読み方を解説していきます。
それぞれ目安金額についてもあわせて解説しますので、予算組みの参考にしてみてください。事前にポイントを押さえておけば、予算オーバーのリスクを減らせますよ。
建て替え費用の総額が高くなる原因は?
建て替え費用が当初の予算を超えやすい原因は、「仕様変更」「追加工事」「諸費用の見落とし」が大半です。特に、建築中に仕様変更をすると坪単価が上がり、解体費や外構費も膨らみやすい傾向があります。
予算内に収めるためには、見積もり段階でオプションや追加費用の有無を確認し、不要な工事や高額オプションを整理することが大切になるでしょう。
なお、建て替え費用については以下の記事もご覧ください。
「建て替え費用はどのくらい?知って得する内訳やお得に進める方法を解説」
1.建物本体の費用
建築費用は、新しく建て直すために必要な「建物主体工事費用」のことを指します。1坪あたりの相場は建築業者の種類によって異なるため、以下は目安としてお考えください。
【建築業者ごとの1坪あたりの建築費用目安】
| 建築業者の種類 | 1坪あたりの費用目安 |
| 大手企業や高価格帯住宅がメインの会社 | 70万円以上 |
| 一般的なハウスメーカー | 30~50万円 |
| 工務店 | 50万円以上 |
建築費用は、「延べ面積×坪単価」で概算が可能です。一般的に、一戸だけの建築に必要な総費用のうち、約7割が本体工事費、約2割が付帯工事費、残りの1割が諸費用だといわれています。
また、建物本体の費用は、構造や坪数によって大きく変わります。
| 建物の構造 | 1坪あたりの費用目安 |
| 木造 | 60〜80万円 |
| 鉄骨 | 70〜90万円 |
| RC(鉄筋コンクリート) | 90〜120万円 |
さらに、設備や内装のこだわりによっても費用は変動します。見積もりを比較するときは、坪単価だけでなく仕様や工法もしっかり確認しましょう。
2.解体費用の相場
一軒家の解体費用の相場は構造によって変動します。構造ごとの1坪あたりの解体費用は以下の通りです。
【建物の構造ごとの解体費用相場】
| 家の構造 | 1坪あたりの費用相場 |
| 木造 | 3~5万円 |
| 鉄骨造 | 3.5~6万円 |
| 鉄筋コンクリート造 | 4~8万円 |
処分費や廃材の運搬距離でも金額が変動するため、複数業者に見積もりを依頼して比較することが重要です。解体費は総額に占める割合が意外と大きいため、節約できるポイントを把握しておけるといいでしょう。
また、地盤調査をおこなった際に、敷地の問題点が見つかった場合は、地盤を補強し直す「地盤改良工事」が必要です。工事内容によっても異なりますが、簡単な工事であれば30〜50万円程度、大掛かりな工事であれば100〜180万円かかることもあります。
3.諸経費
建て替えでは、建築費と解体費のほかにも諸費用がかかります。
代表的なものは以下の通りです。
【家の建て替えにかかる諸経費と費用の目安】
| 諸経費 | 内容 | 費用の目安 |
| 印紙税 | 工事請負契約書に必要 工事の金額によって課税 |
1,000万円以下:5,000円 5,000万円以下:1万円 1億円以下:3万円 (※軽減税率適用時) |
| 登録免許税 | 不動産の登記手続き時に課税 | 所有権保存登記:固定資産税評価額×0.15% 抵当権抹消登記:1件につき1,000円 抵当権設定登記:ローン借入額×0.1% (※軽減税率適用時) |
| 不動産取得税 | 不動産を取得した際に課税 | 課税対象の家が50㎡~240㎡以下の場合 固定資産税評価額-1,200万円×0.03% (※軽減税率適用時) |
| 火災・地震保険料 | 家の大きさ・構造・補償額で変動 | 木造:15~25万円 鉄骨造・鉄筋コンクリート造:8~13万円 |
※軽減措置は2027年(令和9年)3月31日まで適用されるため、本則税率よりも低い税率で課税
上記の費用以外にも、思いがけない費用が発生する可能性があるため、予算は余裕を持って準備しておきましょう。
これらは意外と総額を押し上げる要因になるため、見積もりに含まれているか確認しておくと安心です。上記の費用以外にも、思いがけない費用が発生する可能性があるため、予算は余裕を持って準備しておけるといいでしょう。
たとえば、建て替えの際に見落としてしまうお金として、以下の2つが考えられます。
- 仮住まい費用
- 引っ越し費用
家の建築とは直接関わらないお金も忘れないようにしましょう!
仮住まい費用
建て替えは半年〜1年程度かかることが多く、仮住まいが必要になります。賃貸マンションやマンスリーマンション、ビジネスホテルなどがありますが、仮住まいにはマンスリーマンションがおすすめです。
マンスリーマンションがおすすめな理由は、以下の4つがあります。
- 敷金・礼金がかからない
- 水道光熱費が賃料に含まれている
- 家具家電がついている
- Wi-Fi無料の場合も多い
比較的に賃料が高めですが、水道・光熱費が含まれていたりすることで結果的に安く抑えられます。
実際にビジネスホテル、マンスリーマンション、一般賃貸を比べてみました。
| 期間 | ビジネスホテル | マンスリーマンション | ワンイヤーマンション | 一般賃貸 |
| 6か月 | 93万円 | 65万円 | - | 89万円 |
| 9か月 | 140万円 | 96万円 | - | 116万円 |
| 1年 | 180万円 | - | 104万円 | 143万円 |
| 利用料 5000円/日 |
利用料 10万円/月 退去クリーニング費用 |
利用料 8万円/月 退去クリーニング費用 |
家賃7万円/月 礼金 |
|
| お得になる 滞在期間 |
1週間以内 | 1年未満 | 1年 | 2年以上 |
滞在期間によってはお得になる物件が変わるので、ご自身が滞在する期間に合わせて選ぶことが大切です。
引っ越し費用
建て替えをおこなう際には、引越し費用も忘れてはいけない経費です。サービス内容や時期によっては、費用が高くなってしまうので十分注意しましょう。
同一の都道府県内で引越しの場合、かかる費用の目安は以下の通りです。
| 時期 | 単身者 | 2~3人家族 |
| 通常期(5~2月) | 3~4万円 | 6~8万円 |
| 繁忙期(3・4月) | 4~6万円 | 8~12万円 |
特に、繁忙期(3・4月)や土日祝日は料金が高くなるため、できるだけ避けた方がよいでしょう。
また、トラックを貸し切って輸送するのが一般的ですが、専用ボックスに積み込めるだけ積み込み、そのボックス1本としての料金(2〜4万)を支払うという引っ越しサービスもあります。家財が少ない場合にはこのようなサービスもおすすめです。
さらに、すぐに使わないものをトランクルームに預けておくことで、引越し費用を抑える方法もあります。上手く組み合わせて出来るだけ費用を抑えられるようにしましょう!
建て替えまでの流れと費用を支払うタイミング
ここからは、建て替えまでのスケジュールと、各工程における費用を支払うタイミングについて詳しく解説していきます。
家の建て替えの流れと費用の支払いタイミングについては、以下を参考にしてください。
【建て替えの流れと費用の支払いタイミング】
| 建て替えの流れ | 必要になる費用 |
| ①建築会社の選定 | 特になし |
| ②工事請負契約の締結 | 印紙税 契約金 |
| ③住宅ローンの契約と仮住まいへの引っ越し | 仮住まい費用 引っ越し費用 住宅ローン手数料 |
| ④解体会社の選定 | 特になし |
| ⑤解体工事・新築工事 | 着手金・中間金 地盤改良工事費用 建物滅失登記費用 |
| ⑥引き渡しと登記手続き | 最終金 登記手続き費用 登録免許税 不動産取得税 火災・地震保険料 引っ越し費用 |
建て替えのスケジュール全体とお金がない人の注意点
その他費用については先述したので、ここからは工事の費用の支払いタイミングと、それぞれの費用の目安について詳しくみていきましょう。
建て替えにかかる期間の目安は、6〜12カ月です。
- 相談(家族や建築会社に希望や現状を相談)
- 調査(建物の状態や耐震性、土地の調査)
- 見積もり(建築費・解体費・諸経費を確認)
- 契約(工事請負契約やローン契約を締結)
- 解体(現在の家を解体して整地)
- 建て替え(新築工事を実施)
- 完成・引き渡し(登記手続きや引越しを完了)
建て替え費用を支払う際には、契約金・着手金・中間金・最終金と段階的に支払うことが多いです。そのため、建て替え費用に余裕がない場合は、最初に予算を確定することが最重要になります。
特に、以下の項目を事前に整理することで、工事中に慌てることなく、計画的に建て替えを進められるでしょう。
- ローンの借入可能額を把握する
- 補助金・助成金の活用を検討
- 見積もりに諸経費や仮住まい費用も含まれているか確認
ここからは、各ステップの詳細について解説していきます。
①建築会社の選定
まずは建て替えの依頼先を決定します。複数社から見積もりを取る「相見積もり」を活用して、信頼できる依頼先を見極めましょう。最低でも2〜3社から見積もりをもらい、費用・施工内容・担当者の雰囲気などを比較し、決定するのがおすすめです。
会社を決定したら、設計に関する打ち合わせをしていきます。担当者とプランや希望を相談し、必要な設備や建材を決定していきましょう。
②工事請負契約
見積もり内容の詳細やプランの計画・確認が終わったら「工事請負契約」の締結をおこなう形です。その際は総工事費用の約10%程度である「契約金」を支払います。総工事費用が2,700万円の場合は270万円程度の自己資金が必要です。
ただし、話し合いにより10%以下でも成立するケースもあります。住宅会社によって取り決めがあり、契約金として支払う最低ラインも異なるため必ず確認しておきましょう。
また、このタイミングで印紙税も発生するため、忘れずに用意しておいてください。
③住宅ローンの契約と仮住まいへの引っ越し
契約締結と並行して、住宅ローンの相談も進めていきます。金融機関の相談窓口やファイナンシャルプランナー、住宅金融支援機構などに相談し、申し込み先や内容を決定していきましょう。
また、建て替え工事開始までには、仮住まいへの引っ越しも必要になります。実家などに戻る場合は引っ越し費用のみが必要ですが、賃貸物件に引っ越す場合は仮住まい先を探して契約しなければなりません。
すぐに見つからないケースもあるため、早い段階で仮住まい探しを始めることをおすすめします。また、こまめに工事中の様子をチェックしたい場合は、現場近くで探すのがいいでしょう。
④解体会社の選定
新築時とは異なり、建て替え工事には解体工事が必要です。そのため、解体工事を依頼する業者の選定もおこなわなければなりません。建築会社と同様に相見積もりを取り、比較検討してください。
ただし、建築会社によっては解体工事と新築工事をセットでおこなっているところも存在します。まとめて依頼することにより、効率よく作業が進んだり、コストカットできたりするメリットがあるため、あわせて検討してみてください。
⑤解体工事・新築工事
引っ越しが完了したら、解体工事が始まります。工事が終わり次第地盤調査をおこない、内容次第では「地盤改良工事」の費用が必要です。解体工事には3〜10日、地盤改良工事には1〜2日ほどの工期がかかります。
また、解体後は「建物滅失登記」が必要になるため、忘れずにおこないましょう。地盤調査や改良工事が終わり次第、新築工事に移行します。新築工事には4〜6ヵ月の工期が必要です。
着工時には総工事費用の30%程度である「着手金」を支払います。また、基礎工事が完了した段階でさらに「中間金」を支払う形です。中間金は、着手金と同様、総工事費用の30%が目安となっており、ここまでで総工事費用の70%を支払うことになります。
⑥引き渡しと登記手続き
工事が完成したら引き渡しをおこないます。引き渡し時には残りの30%程度の費用である「再集金」の支払いが必要です。また、引き渡し後は登記手続きをおこなうため、手続き関連の費用がかかります。
家の建て替え費用は工事内容でコストを抑える!
工事内容に工夫をすれば、建築費用を抑えることも可能です。建て替えで最もお金がかかるのは新築費用なので、あれこれこだわってしまうと費用がかさんでしまいます。できるだけシンプルな形や間取りの家にすることが大切です。
建て替え費用を抑えるポイントは、大きく分けて5つあります。
- 外壁工事に着目する
- 屋根工事に着目する
- 建具工事に着目する
- 住宅設備工事に着目する
- 解体工事と新築工事をまとめる
どのように費用を抑えられるのか参考にしてみてください!
1.外壁工事費用に着目する
外壁工事は素材によって金額が大幅に変わるため、コスト削減ができる費用です。
代表的な外壁材について以下の表にまとめました。
| 種類 | 外観 | 単価 (1m²あたり) |
耐用年数 | メンテナンス頻度 | メリット | デメリット |
| 窯業系 サイディング |
3,500円 ~5,000円 |
25年 | 7~8年 | コスト・機能性・デザイン性のバランス | ・継ぎ目のコーキング材の経年劣化 | |
| 金属系 サイディング |
4,000円 ~6,000円 |
30年 | 10~15年 | ・メンテナンス周期が長い ・防水性 |
・もらいさびに注意 | |
| 木質系 サイディング |
6,000円 ~8,000円 |
10年 | 7~10年 | ・断熱性 | ・メンテナンスコストが高い ・水に弱い |
|
| モルタル | 1,500円 ~4,000円 |
30年 | 5~10年 | ・防火性 | ・ひび割れしやすい ・汚れやすい |
|
| タイル | 7,000円 ~9,000円 |
40年 | 10~15年 | ・耐久性 | ・浮きや剥がれが起きる | |
| ALC | 7,000円 ~15,000円 |
60年 | 10~15年 | ・軽量 ・断熱性 |
・水を吸収しやすい |
さまざまな外壁材がありますが、費用を抑えたい場合は金属系サイディングの1つであるガルバリウム鋼板をおすすめします。おすすめする理由は、比較的材料費が安く、耐久性にも優れているからです。
初期費用が安くても頻繁に修理が必要になったり、メンテナンス費用が高かったりすると結果的に高額な費用がかかってしまうことがあります。ガルバリウム鋼板はメンテナンスが必要になる周期が長く、お手入れもカンタンにできるためおすすめです。
工事費用だけでなく、維持費やメンテナンス費用についても考慮しておくことが大切ですね。
2.屋根工事費用に着目する
屋根工事の費用を抑えるためには、屋根の形状についても考える必要があります。なぜなら、屋根の形状によって工事のしやすさや施工費用が大きく変化するからです。
特に工事費用が安いとされているのは、以下の2つの形状です。
1.切妻屋根
切妻屋根は、いわゆる「三角屋根」で最も親しみのある屋根だといえるでしょう。シンプルな形状で、工事やメンテナンスが容易にできるため、費用を抑えたい方におすすめです。
2.片流れ屋根
片流れ屋根は、その名の通り片方に流れている屋根のことです。こちらはデザイン性もありますが、シンプルな構造なので工事が比較的容易です。そのため費用を抑えることができます。
また、屋根の断熱性向上については、以下の記事をご覧ください。
「断熱は屋根から!失敗しない工法選びと費用の目安」
3.建具工事費用に着目する
建具工事は、建具の数を減らすことで費用を抑えられます。理由は、建具工事にかかる費用は建具の数とグレードに比例するからです。費用を抑えるには、具体的に以下のようなポイントがあります。
- 間取りをオープンにしてドアやふすまの数を減らす
- 窓を小さくしたり、数を少なくする
また、それぞれの建具の取り付けにかかる費用の相場を表にまとめました。
| 内容 | 費用相場 |
| 室内ドア取り付け | 8~25万円 |
| 障子取り付け | 5~10万円 |
| ふすま取り付け | 4~5万円 |
| 網戸取り付け | 3~5万円 |
少しずつ費用を抑えていくことで予算内に抑えることができます!
4.住宅設備工事費用に着目する
住宅設備工事でも費用を抑えられます。トイレやキッチンなどの住宅設備は、グレードによって幅広い金額設定がされているからです。価格の安い設備を選んでいけば、その分費用を抑えられるでしょう。
具体的な費用を以下の表にまとめたので参考にしてみてください!
| 設備 | 本体価格 |
| トイレ | 20~70万円 |
| 洗面台 | 15~110万円 |
| システムキッチン | 50~230万円 |
| バスルーム | 60~270万円 |
設備にこだわるとその分費用がかかってしまいます。しかし、本当にこだわりたいところを考え、設備のグレードを見直すことにより、費用を抑えつつ理想を叶えることができるでしょう。
5.解体工事と新築工事をまとめる
建て替えをおこなう際は、解体工事と新築工事をまとめて1つの業者に依頼するのがおすすめです。ワンストップ型でおこなう業者なら、何かトラブルが発生したとしても素早く対処してもらえます。
さらに、解体費用も含めた金額で住宅ローンが利用できるのもメリットです。別々に依頼した場合は、連携が上手く取れなかったり、依頼先を探す手間がかかったりしていまいます。建て替え工事を依頼する際は、解体工事も対応してもらえるか相談してみるといいでしょう。
リノベーションなら費用を抑えて家をきれいに!お悩みの方はぜひユニテへ
家の建て替えは高額になることもありますが、リノベーションを選べば費用を抑えながら住まいを快適にできます。
リノベーションとは、既存の建物を活かして機能を改善・刷新する工事のことです。ライフスタイルや希望に合わせて改修できるため、住み心地や価値を高めつつ、建て替えよりも費用を抑えられる場合があります。
- 今の家の思い出を残しつつ、快適にしたい
- 直したい箇所が決まっている
- 気になる部分から少しずつ工事したい
ユニテでは、建て替えかリノベーションか迷っている方も、専門スタッフが最適な提案をおこなます。費用や工事内容の相談も可能なので、まずはお気軽にお問い合わせください。
「お金がないときの家の建て替え」に関するよくある質問にユニテが答えます
最後に、弊社ユニテが「お金がないときの家の建て替え」に関するよくある質問を紹介していきます。
- 家を建て替えるか迷ったときの判断基準は?
- 建て替えすべきか迷ったときは他にどんな選択肢がある?
- 家の建て替え費用1,000万円でどこまでできる?
- 50代になってからでも家の建て替えはするべき?
- 家族構成ごとの建て替えケース別アドバイスは?
リノベーション業に30年以上携わってきた、プロフェッショナルの観点から解説しますので、ぜひ参考にしてください。
家を建て替えるか迷ったときの判断基準は?
家の状態によっては、リフォームをしても根本的な改善が難しく、建て替えが望ましいケースがあります。特に注意すべきポイントは「劣化」「耐震性」「基礎・雨漏り」の3つです。
以下のチェックリストに複数当てはまる場合は、建て替えを優先して検討することをおすすめします。
- 基礎に幅1mm以上のひび割れがある
- 屋根・外壁の雨漏りが繰り返し発生している
- 床の傾きが5mm以上ある
- 土台・柱に腐食や白蟻被害がある
- 旧耐震基準で建てられている
一方、構造部分に大きな問題がなく、建物の骨組みがしっかりしている場合は、リフォームで十分に対応できます。壁紙や水回りの交換、部分的な床の張替えなどはリフォームで改善可能です。また、柱や梁を残せる状態であれば、間取り変更も大きな制限なくおこなえます。
判断のポイントは、「今ある構造体をどれだけ活かせるか」です。柱や梁を傷めずに工事ができる場合や、耐震補強が可能な状態であれば、費用を抑えつつ快適性を高めることができます。「使える部分は残して、必要な場所のみ更新する」という選択肢も有効です。
建て替えすべきか迷ったときは他にどんな選択肢がある?
建て替えすべきか迷ったときの選択肢は以下の通りです。
- 建て替え
- リフォーム・リノベーション
- 売却
- 別の用途で再利用
家の老朽化がどの程度進行しているかや、予算がどのくらいかによって、最適な方法は異なります。建て替え資金が賄えない場合は、家や土地を売却して手放す方法も選択可能です。
- 古家付きの土地として売却する
- 解体して更地として売却する
- 別の用途で土地を再利用する
- 解体して更地として売却する
家をそのまま売るなら、リフォーム前提の「古家付き土地」として価格を抑えて販売するのが現実的です。解体して更地にすれば費用はかかるものの、新築希望者から事業用途まで幅広い買い手にアピールできるメリットがあります。
また、家や土地を賃貸・駐車場など別用途で再利用し、新居費用の足しにするのも1つの方法です。ただし、利用者や需要がなければ収益が生まれないため、立地と需要の見極めが重要になるでしょう。
家の建て替え費用1000万円でどこまでできる?
予算1,000万円でできる家の建て替えについては、以下の記事を参考にしてください。
50代になってからでも家の建て替えはするべき?
50代は家の建て替えのタイミングと重なりやすい年代です。20〜30代で家を建てた場合、木造住宅の平均寿命である築30年に差し掛かるのが50代前後になります。
そのため、建て替えまたはリフォーム・リノベーションのどちらかをおこない、安全かつ快適に住める家にすることが推奨されるでしょう。50代以降の建て替え・リフォームでは、老後の生活を見据えた計画を立てることが大切です。
生活導線をコンパクトにしたり、使っていない部屋をどうするか考えたりと、ライフスタイルに合わせて本当に必要な箇所だけ施工することをおすすめします。
家族構成ごとの建て替えケース別アドバイスは?
家族構成を考慮した、建て替えケース別アドバイスは以下の通りです。
- 親と同居 → 親子リレーローン
- 夫婦共働き → ダブル名義+借換え
- 単身・収入少なめ → 予算を絞った建替えアイデア
建て替えるべきか、リノベーションをするべきか分からない、という方でも当社の経験豊富なプロがお客様の状況を判断し最適なご提案をさせていただきます。建て替えたい方もリノベーションをしたい方も、どちらか迷っている方も、ぜひユニテにご相談ください!
お金がないときに実家を建て替えて後悔していることは?
「お金がないときに建て替えをして後悔していること」として、多く挙げられているのは主に以下の3つです。
- リフォームなどの小規模な修繕で十分だった
- 仮住まい・引っ越し費用を視野に入れていなかった
- 業者選びに失敗した
詳しい内容については、以下の記事も参考にしてください。
「【最悪だ...】リノベーションで起こった失敗談13選とその対処法」
まとめ
家の建て替えに必要な費用は最低でも約2,700万円で、さらに仮住まいや引っ越しなどの追加費用も発生します。費用を抑えたい場合は、建て替えだけでなくリノベーションを選ぶ方が安く済むケースもあるため、目的や予算に合わせて比較検討することが大切です。
コスト削減のポイントを押さえながら、自分に合った住まいの改善方法を選んでみてください。




