
マンション建て替えの費用や流れ、建て替えが実施される条件を解説します。建て替え決議の仕組みや住民負担の目安、大規模修繕との違い、費用が払えない場合の対処法までわかりやすく紹介します。
目次

株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
「マンションの建て替えは本当に行われるの?」「建て替え費用はいくらかかる?」「建て替えが決まったら住民はどうなる?」などの疑問をお持ちではないでしょうか。
マンションの建て替えは老朽化した建物を新しくできる有効な手段ですが、多額の費用や住民の合意形成が必要となるため、簡単に実施できるものではありません。そのため、多くのマンションでは建て替えではなく大規模修繕が選択されています。
しかし、耐震性の不足や設備の老朽化が進んでいる場合、容積率に余裕がある場合などは、建て替えが現実的な選択肢となるケースもあるのです。
この記事では、マンション建て替えの条件や流れ、費用相場、住民負担の仕組み、建て替え費用が払えない場合の対処法までわかりやすく解説します。
マンションの建て替えとは?実際に行われるケースは少ない
マンション建て替えとは、老朽化したマンションを解体し、新たなマンションを建築することです。建物の耐震性や設備性能を向上させられる一方で、多額の費用や住民の合意形成が必要となるため、簡単に実施できるものではありません。
実際には、多くのマンションで大規模修繕による維持管理が選択されており、建て替えがおこなわれるケースは限られています。まずは、マンション建て替えが検討される主な理由と、実際の建て替え件数について見ていきましょう。
マンション建て替えが検討される主な理由
マンション建て替えが検討される主な理由は、建物や設備の老朽化です。築年数の経過に伴い、給排水管やエレベーターなどの設備が劣化し、修繕費用が増加するためです。
また、1981年以前の旧耐震基準で建築されたマンションでは、耐震性への不安から建て替えが検討されるケースもあります。近年では、間取りや設備が現在のライフスタイルに合わなくなったことを理由に、建て替えが議論されることも少なくありません。
さらに、駅前再開発や市街地再整備などの再開発事業に伴い、築年数にかかわらず建て替えがおこなわれるケースもあります。建物の状態や立地条件によっては、大規模修繕よりも建て替えの方が合理的と判断される場合もあるのです。
実際の建て替え件数は少ない
マンションの老朽化が進むと建て替えが検討されますが、実際に建て替え工事が実施されるケースは多くありません。
引用:国土交通省「マンション建て替えの実施状況」「マンションを取り巻く現状について(1)」
国土交通省のデータを参照すると、実際に建て替えとなったマンションの数は、2023年3月1日時点で累計282件となっています。全国には数多くの分譲マンションが存在することを考えると、建て替えが実現した事例は決して多いとはいえません。
また、この件数には老朽化したマンションだけでなく、再開発事業によって建て替えられたマンションも含まれています。そのため、純粋に老朽化を理由として建て替えがおこなわれたマンションの数はさらに少ないと考えられます。
マンション建て替えには多額の費用負担や住民の合意形成が必要となるため、老朽化したからといって必ず建て替えがおこなわれるわけではありません。実際には、大規模修繕によって建物を維持しながら住み続けるケースが多いのが現状です。
マンション建て替えの条件
マンションは老朽化したからといって、必ず建て替えがおこなわれるわけではありません。建て替えには多額の費用や住民の合意形成が必要になるため、実際に実現するケースは限られています。
一般的に、マンションの建て替えが検討されやすい条件は以下の通りです。
- 築40〜60年以上が目安
- 旧耐震基準で建築されている
- 設備の老朽化が進んでいる
- 容積率に余裕がある
- 区分所有者の賛同が得られる
ここでは、マンション建て替えの判断材料となる主な条件について解説します。
築40〜60年以上が目安
マンション建て替えが検討される築年数の目安は、一般的に築40〜60年以上とされています。築年数が経過すると、外壁や屋上防水、給排水管、エレベーターなどの設備の老朽化が生じるためです。
ただし、築年数だけで建て替えが決まるわけではありません。適切な修繕やメンテナンスがおこなわれているマンションであれば、築60年以上でも住み続けられるケースもあります。
そのため、実際には築年数だけでなく、建物の状態や修繕履歴などを総合的に判断して建て替えの必要性を検討する場合が多いです。
旧耐震基準で建築されている
1981年5月31日以前に建築確認を受けたマンションは、旧耐震基準で建てられている可能性があります。
旧耐震基準は、震度5程度の地震を想定して定められた基準です。一方、1981年6月以降に適用された新耐震基準では、震度6〜7程度の大規模地震でも倒壊しないことが求められています。
旧耐震基準のマンションでは、耐震性への不安から、耐震改修や建て替えが検討されるケースが多いです。ただし、旧耐震基準のマンションでも耐震診断や耐震補強工事によって安全性を確保できる場合もあるため、必ずしも建て替えが必要になるわけではありません。
設備の老朽化が進んでいる
建物や設備の老朽化も、建て替えを検討する大きな要因です。
例えば、以下のような問題が発生している場合は、建て替えが議論されることがあります。
- 給排水管の劣化による漏水トラブル
- エレベーターや電気設備の老朽化
- 外壁のひび割れや剥離
- バリアフリー未対応
- 間取りや設備が現代の生活スタイルに合わない
大規模修繕によって改善できる場合もありますが、修繕費用が高額になる場合や、建物そのものの性能向上が難しい場合は、建て替えの方が合理的と判断されるケースもあります。
容積率に余裕がある
マンション建て替えでは、容積率に余裕があるかどうかが重要なポイントになります。容積率とは、敷地面積に対して建築できる延床面積の割合のことです。
例えば、現在のマンションが容積率を十分に使い切っていない場合、建て替えによって住戸数を増やせる可能性があります。増えた住戸を販売することで建て替え資金を確保できるため、住民の負担を軽減しやすくなるのです。
一方、すでに容積率を上限まで使用しているマンションでは、建て替えによる事業収支が成り立ちにくく、建て替えが進まない要因になることがあります。
区分所有者の賛同が得られる
マンション建て替えを実現するためには、区分所有者の合意形成が欠かせません。区分所有法では、建て替え決議を成立させるために、区分所有者数および議決権の各5分の4以上の賛成が必要とされています。
建て替えには多額の費用負担や仮住まいへの引っ越しが伴うため、すべての住民が同じ意見になるとは限りません。特に高齢者や住宅ローン返済中の世帯では、建て替えに慎重な意見が出ることもあります。
建物の状態だけでなく、住民の理解と協力を得られるかどうかも、建て替え実現の重要な条件のひとつです。
老朽化したマンションが建て替えに至らない3つの理由
先述したように、老朽化したマンションの多くは建て替え実施に至っていません。
マンション建て替えが進んでいない理由は主に以下の3つです。
- 住民の合意形成が難しい
- 費用負担が大きい
- 法律や容積率の制限がある
マンションの建て替えは、そこに住む所有者の同意が必須となります。
しかし建て替え費用は原則、所有者負担となるため、特に分譲マンションは同意が得にくい傾向があるのです。ここからは、マンションの建て替えが進まない理由について詳しくみていきましょう。
住民の合意形成が難しい
マンション建て替えが進まない最大の理由は、「住民の賛成が得られない」ことです。マンションの建て替えには区分所有法に基づき、区分所有者数および議決権の各5分の4以上の賛成が必要です。
しかし、建て替えには費用負担や仮住まいへの引っ越しが伴うため、全ての住民が賛成するとは限りません。特に高齢者世帯や住宅ローン返済中の世帯では、経済的な理由から反対意見が出るケースもあります。
費用負担が大きい
建て替えには解体費用や建築費用、設計費用など多額の資金が必要です。修繕積立金だけでは不足するケースが多く、区分所有者が追加負担を求められることも少なくありません。
一戸あたり数百万円から数千万円の負担が発生する場合もあるため、費用面が建て替え実現の大きな障壁となっています。ただし、容積率に余裕があるマンションでは、建て替え後に住戸数を増やして販売収益を得られるため、住民の負担を軽減できるケースもあります。
法律や容積率の制限がある
建て替えを検討しても、法律上の制限によって実現できないケースがあります。
代表例が「既存不適格建築物」です。既存不適格建築物とは、建築当時は法令に適合していたものの、その後の法改正によって現在の基準を満たさなくなった建物を指します。
また、容積率に余裕がないマンションでは、建て替え後に住戸数を増やせないため、事業として採算が取れず建て替えが難しくなることもあります。
マンション建て替えの流れ
マンションの建て替えは、建て替えを検討してから完成・再入居まで10年以上かかるケースも珍しくありません。建て替えには住民の合意形成や資金計画、行政との調整など多くの手続きが必要です。
ここでは、マンション建て替えの一般的な流れを6つのステップに分けて解説します。
- 建て替えの検討
- 建て替え計画の作成
- 建て替え決議
- 建て替え組合の設立
- 解体・建築工事
- 再入居
1.建て替えの検討
まずはマンションの老朽化状況や修繕履歴を確認し、建て替えが必要かどうかを検討します。建物診断や耐震診断を実施し、大規模修繕で対応できるのか、それとも建て替えが必要なのかを調査するのが一般的です。
この段階では管理組合を中心に勉強会や説明会がおこなわれることも多く、専門家の意見を参考にしながら方向性を検討します。
2.建て替え計画の作成
建て替えの方向性が固まったら、具体的な事業計画の作成に進みます。建物の規模や間取り、資金計画を検討するほか、デベロッパーや設計会社、施工会社の選定もおこないます。
また、区分所有者への説明会やアンケートを実施し、住民の意見を反映しながら合意形成を図ることも重要なプロセスです。
3.建て替え決議
計画案がまとまったら、区分所有者による建て替え決議がおこなわれます。区分所有法では、区分所有者数および議決権の各5分の4以上の賛成が必要です。
建て替えには費用負担や仮住まいへの引っ越しなどが伴うため、住民への十分な説明と理解を得ることが欠かせません。この決議が成立しなければ建て替えは実施できません。
建て替えする方向に進んでいく場合は「どのように建て替えをおこなうか」を具体的に計画するフェーズへと移行します。
4.建て替え組合の設立
建て替え決議が可決されると、事業を進めるための建て替え組合が設立されます。建て替え組合は、資金管理や権利変換手続き、工事発注などを担う組織です。
また、行政機関との協議や各種認可申請なども進められます。事業全体を円滑に進めるための中心的な役割を果たす重要な組織といえるでしょう。
5.解体・建築工事
工事開始前には住民が退去し、仮住まいへ引っ越します。その後、既存マンションの解体工事がおこなわれ、新しいマンションの建築工事へと進みます。
工事期間は建物規模や立地条件によって異なりますが、一般的には2〜4年程度かかるケースが多いでしょう。工事期間中は現地に住み続けることはできません。
6.再入居
建物が完成すると、新しいマンションへの再入居が始まります。建て替えに賛成した区分所有者は、権利変換手続きに基づいて新しい住戸を取得するのが一般的です。
ただし、建て替え前と比べて住戸の広さや間取り、管理費などが変更される場合もあるため、事前に条件を確認しておくことが大切です。
マンションの建て替えにかかる費用相場
マンション建て替えで最も気になるのが費用負担ではないでしょうか。
建て替え費用はマンションの規模や立地条件によって異なりますが、区分所有者が数百万円から数千万円の負担を求められるケースもあります。ここでは、マンション建て替えにかかる費用の内訳や一戸あたりの負担額の目安についてみていきましょう。
マンション建て替え費用の内訳
マンション建て替えでは建築費だけでなく、解体費用や仮住まい費用なども発生します。
負担費用の内訳については以下を参考にしてください。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 解体費用 | 既存マンションの解体 |
| 建築費用 | 新マンションの建築 |
| 設計費用 | 設計・監理業務 |
| 事務費用 | 組合運営や手続き |
| 仮住まい費用 | 家賃・敷金礼金 |
| 引っ越し費用 | 退去時・再入居時 |
ただし、 解体費用や設計費用などは、周辺環境や建物の構造、延床面積の規模や設備のグレードによって金額が変わります。特に建築費の高騰が続いていることから、近年は建て替え事業全体のコストが増加傾向にあります。
一戸あたりの負担額の目安
建て替えによる区分所有者の負担額は、1,000〜3,000万円程度が目安です。
ただし、立地条件や容積率、修繕積立金の積立状況によって大きく変動します。また、仮住まい費用や引越し費用も必要になるため、実際にはさらに多くの資金が必要になるケースもあります。
この費用も加味することを考慮すると、最低でも1,500万円程度は用意しておくべきでしょう。
65㎡マンションの費用シミュレーション
マンションの建て替え費用は建物の規模や立地条件によって異なりますが、ここでは専有面積65㎡のマンションを例に、おおよその負担額をシミュレーションしてみましょう。
マンションの建て替えでは専有部分だけでなく、廊下やエレベーターなどの共用部分の費用も負担することになります。そのため、一般的には専有面積の約1.4倍を負担面積の目安として計算します。
65㎡の場合、共用部分を含めた負担面積は約91㎡(約27.5坪)です。建築費を1坪あたり100万円、解体費を建築費の10%と仮定すると、以下のような費用が想定されます。
| 項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 建築費 | 約2,750万円 |
| 解体費 | 約275万円 |
| 合計 | 約3,025万円 |
上記はあくまでも概算であり、実際の費用は建物の構造や設備のグレード、建築エリアの相場などによって大きく変動します。また、仮住まい費用や引っ越し費用などは含まれていないため、建て替えを検討する際は余裕を持った資金計画を立てることが大切です。
自己負担なしまたは軽減されるケース
マンションによっては、住民の自己負担が発生しないケースもあります。例えば、容積率に余裕があるマンションでは、建て替え後に住戸数を増やして販売収益を得られるため、その利益を建て替え費用に充当できるのです。
ただし、すべてのマンションで適用できるわけではなく、立地条件や市場性などによって左右されます。
【分譲マンション】建て替えが決まった場合住民はどうなる?
ここからは、マンションの建て替えが実施されるケースについてみていきましょう。建て替えが実施される場合、建て替え決議での立場ごとの選択肢は以下のようになります。
- 建て替えに賛成する場合
- 建て替えに反対(立ち退く)する場合
- 建て替え前に売却する場合
建て替えが計画される前であれば、3つ目の選択肢であるマンション売却という手段も検討可能です。ただし、どの選択肢を選ぶにしても、資金の用意は必要になるでしょう。
自分にとってどの方法が最善かをよく吟味して選択するよう心掛けてください。
建て替えに賛成する場合
マンション建て替えに賛成する場合は、建て替え費用を負担して再入居することになります。区分所有者に一定の費用負担はあるものの、一般的には建て替えに賛成し、再入居する方法が最も安く済むとされています。
なぜなら、建て替えに賛成した場合は以下のメリットがあるからです。
- 土地の権利を既に持っている
- 建築費の一部を修繕積立金でまかなえる
- 住み慣れた環境を変えなくて済む
建て替えのメリットを分かりやすくイメージすると、建物代金の一部を支払うだけで新築マンションを購入できるということです。仮住まいを用意する必要はありますが、経済的にも精神的にも再入居の方が安心できるでしょう。
建て替えに反対する場合
マンション建て替えに賛成できない場合は、建て替え組合の「売り渡し請求」という手続きを利用して立ち退く形になります。売り渡し請求に応じると、そのマンションを時価で売却できるメリットがあるので、その金額を新居の購入費用に充てることができます。
ただし、建て替えが必要なマンションは、築年数が経過しているケースがほとんどです。建て替えは老朽化などに起因して検討される傾向があるため、時価はかなり安くなることが予想されるでしょう。
売却したとしても、その金額で新築物件を購入するのは難しいため、経済的なデメリットが大きくなる場合が考えられます。新居の費用がマンション売却金額と自己資金でまかなえるかどうか、よく検討してから反対するべきです。
建て替え前に売却する場合
賛成も反対もしたくない場合は、建て替えが決定する前にマンションを売却して手放してしまう方法もあります。
建て替え決定後にマンションを売り出すのは難しいため、必ず計画される前に売却をおこないましょう。これから建て替えになる物件に入居したいと考える人はいないので、買い手がつきにくいのです。
建て替えの自己負担費用はマンションの状況によって異なりますが、急に1,000万円単位の出費が必要になると困ってしまいます。
現在築年数の古いマンションに住んでいる場合は、建て替えの話が出る前に売却することも視野に入れて検討しましょう。自分でマンションを売却する場合は、好きなタイミングで売却できます。建て替え決定後よりも高く売却できる可能性も考えられるでしょう。
ユニテでは、不動産の買取事業もおこなっております。富山近郊でマンションの売却を視野に入れている方は、お気軽にご相談ください。
建て替え費用が払えない場合の対処法
マンション建て替えでは、一戸あたり数千万円規模の負担が発生するケースもあります。そのため、「建て替え費用を用意できない」「老後資金を取り崩したくない」と不安を感じる方も少なくありません。
その際は以下の選択肢が浮上します。
- 売り渡し請求に応じる
- マンションを売却する
- 住み替えを検討する
建て替え費用が払えないからといって、必ずしも多額の借り入れをする必要はありません。売却や住み替えなど複数の選択肢があるため、早めに情報収集を始めることが重要です。
売り渡し請求に応じる
建て替え決議が成立した後に費用を負担できない場合は、建て替え組合からの「売り渡し請求」に応じる方法があります。
売り渡し請求とは、建て替えに参加しない区分所有者の住戸を、建て替え組合が時価で買い取る制度です。住戸を売却して建て替え事業から離脱できるため、多額の費用負担を避けられるメリットがあります。
ただし、売却価格だけで新居の購入費用をまかなえるとは限らないため、事前に資金計画を立てておくことが重要です。
マンションを売却する
建て替えの話が具体化する前であれば、自分でマンションを売却するという選択肢もあります。建て替え決議後は買い手が見つかりにくくなる傾向があるため、売却を検討している場合は早めに行動することが大切です。
また、自分で売却する場合は売却先や売却時期を選べるため、売り渡し請求よりも高く売却できる可能性があります。築年数が古く、今後建て替えの議論が進みそうなマンションでは、早めに資産価値を確認しておくとよいでしょう。
住み替えを検討する
建て替え費用の負担が難しい場合は、住み替えを検討するのもひとつの方法です。特に、高齢者世帯や住宅ローンが残っている世帯では、建て替え後も長期間住み続ける予定がないケースもあります。
その場合は、現在のマンションを売却して中古マンションや戸建てへ住み替えた方が、経済的な負担を抑えられることもあります。建て替えに参加するかどうかは、費用だけでなく今後のライフプランも踏まえて判断することが大切です。
マンション建て替えと大規模修繕はどちらを選ぶべき?
マンションの老朽化が進んだ場合、「建て替え」と「大規模修繕」のどちらを選ぶべきか悩む方も多いでしょう。どちらにもメリット・デメリットがあり、建物の状態や資金状況によって適した選択肢は異なります。
| 建て替え | 大規模修繕 | |
|---|---|---|
| 費用 | 高い | 比較的低い |
| 工期 | 長い | 短い |
| 仮住まい | 必要 | 原則不要 |
| 資産価値 | 向上しやすい | 維持が中心 |
| 合意形成 | 難しい | 比較的容易 |
ここでは、それぞれの特徴や向いているケースについて、詳しくみていきましょう。
建て替えのメリット
建て替えの最大のメリットは、建物を新築同様の状態にできることです。耐震性能や断熱性能の向上はもちろん、最新の設備やバリアフリー設計を取り入れられるため、住みやすさの改善が期待できます。
また、建物の資産価値が向上し、将来的な売却もしやすくなる可能性もあるでしょう。
建て替えのデメリット
建て替えには多額の費用がかかるほか、住民の合意形成にも長い時間を要します。建て替え期間中は仮住まいへの引っ越しが必要となり、家賃や引っ越し費用などの負担も発生します。
また、区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成が必要なため、実現のハードルは高いといえるでしょう。
大規模修繕のメリット
大規模修繕は、建て替えと比べて費用負担を抑えやすい点がメリットです。外壁や防水、共用設備などを計画的に修繕することで、建物の寿命を延ばせます。
また、多くの場合は住みながら工事を進められるため、仮住まいを用意する必要がありません。住民の合意も得やすく、実施しやすい点も魅力です。
大規模修繕のデメリット
大規模修繕は建物を維持するための工事であり、建物そのものを新しくするわけではありません。そのため、耐震性や間取り、設備の古さなどの根本的な問題を解決できない場合があります。
また、修繕を繰り返すほど費用がかさみ、将来的な負担が増える可能性もあります。
建て替えが向いているケース
建物の老朽化が著しく進んでいる場合や、旧耐震基準で建築されている場合は建て替えが向いています。容積率に余裕があり、建て替えによって住戸数を増やせるマンションも建て替えのメリットを得やすいでしょう。
また、長期的な資産価値の向上を重視する場合にも適した選択肢です。
大規模修繕が向いているケース
建物の構造自体に大きな問題がなく、まだ十分に居住できる状態であれば大規模修繕が向いています。
建て替えに必要な資金を用意するのが難しい場合や、住民の合意形成が難しい場合も現実的な選択肢となるでしょう。コストを抑えながら住み続けたい場合に適しています。
マンション敷地売却制度という選択肢もある
また「マンション敷地売却制度」が利用できるか検討する方法もあります。資金不足で建て替えできない場合に、都道府県知事が認定したマンションデベロッパーなどが買い受けてくれるという制度です。
| メリット | デメリット |
| 資金がなくても実行できる | 行政が認定したマンションのみ適用可能 5分の4以上の賛成が必要 |
マンション敷地売却制度が利用できる場合では、マンション全体を売却する形になります。ただし、この制度を受けられるマンションは「耐震性が不足し倒壊の恐れがあるため除去すべきである」と行政が認定した物件のみです。
資金面のハードルは低いものの、建て替え決議と同程度の賛成数が獲得できないと実行できないというデメリットがあります。建て替えのケースと同じように、住民へ十分な説明と周知をおこない、意識の醸成を図る必要があるのです。
詳しい内容については、公益社団法人全日本不動産協会の「マンション・敷地売却制度」をご覧ください。
【Q&A】マンション建て替えに関するよくある質問にユニテがお答えします!
マンション建て替えに関する以下の質問について、マンションや戸建てのリフォーム・リノベーション事業に30年間携わってきたユニテが回答いたします。
- マンション建て替えは何年かかる?
- マンションは最大何年まで住める?
- マンションは何年で建て替える必要が出てくる?
- マンションの建て替えには平均していくらかかる?
- 建て替えに反対するとどうなる?
- 修繕積立金は建て替えに使える?
- 建て替え決議に必要な賛成割合は?
上記の疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
マンション建て替えは何年かかる?
マンション建て替えは、検討開始から再入居まで10年以上かかるケースも珍しくありません。住民の合意形成や事業計画の策定、行政との調整などに時間を要するため、工事期間だけでなく準備期間も長期化する傾向があります。
マンションは何年で建て替える必要が出てくる?
1981年までの「旧耐震基準」で建てられたマンションの場合は、築60年前後で建て替えが検討されるケースが多いです。それ以降の「新耐震基準」で建てられているマンションなら、建て替え検討までの期間はより長くなるでしょう。
ただし、築年数はあくまでも目安であり、実際はさまざまな要因によって建て替えが検討されます。メンテナンスの状況はもちろん、立地条件や容積率の余剰なども加味される形です。
マンションの建て替えには平均していくらかかる?
マンションの建て替えにかかる費用の平均は、1戸あたりおよそ1,000円です。ただし、仮住まい費用なども加味すると、最低でも1,500万円の費用が必要になります。
ただし、この金額は物件の資産価値や専有部の面積によって変動するため、条件によっては金額が大きく異なるケースもあるでしょう。
マンションは何年で建て替える必要が出てくる?
1981年までの「旧耐震基準」で建てられたマンションの場合は、築60年前後で建て替えが検討されるケースが多いです。それ以降の「新耐震基準」で建てられているマンションなら、建て替え検討までの期間はより長くなるでしょう。
ただし、築年数はあくまでも目安であり、実際はさまざまな要因によって建て替えが検討されます。メンテナンスの状況はもちろん、立地条件や容積率の余剰なども加味される形です。
マンションの建て替えには平均していくらかかる?
マンション建て替えの費用は物件の規模や立地によって異なりますが、区分所有者の負担額は1戸あたり1,000万〜3,000万円程度が目安とされています。さらに、仮住まい費用や引っ越し費用なども発生するため、余裕を持った資金計画が必要です。
建て替えに反対するとどうなる?
建て替え決議が成立した場合、反対した区分所有者は建て替えに参加しない選択も可能です。その場合は、建て替え組合からの「売り渡し請求」に応じ、住戸を時価で売却して退去することになります。
修繕積立金は建て替えに使える?
修繕積立金は原則として建て替え費用には使用できません。
修繕積立金は、原則としてマンションの維持管理や修繕工事のために積み立てられている資金です。そのため、建て替え費用にそのまま充当できるとは限りません。実際の取り扱いは管理規約や総会決議によって異なるため、事前の確認が必要です。
建て替え決議に必要な賛成割合は?
マンションの建て替えを実施するためには、区分所有法に基づき、区分所有者数および議決権の各5分の4以上の賛成が必要です。この条件を満たさなければ建て替え決議は成立せず、事業を進めることはできません。
富山近郊でマンションの売却や住み替えを検討している方へ
建て替え費用の負担が難しい場合や、住み替えを検討している場合は、マンション売却という選択肢もあります。
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まとめ
今住んでいる分譲マンションの老朽化が進んでいる場合は、住み替えするべきかをよく検討することをおすすめします。マンションを売却して住み替える場合は、建て替え計画が始動する前に動き出すことが大切です。
建て替えの計画が始まるまでにマンションを売却するか、あるいは建て替えに備えて資金を潤沢にしておくのか、自分に合った方法を選択してください。




