
「ミッドセンチュリーの家にしたいけど何から決めればいい?」という方へ。リフォームで取り入れる素材・色・形のポイントと、床・キッチン・照明など場所別のコツ、費用相場、失敗しないための注意点を解説。ユニテが手がけた施工事例もご紹介します。
目次

株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
「ミッドセンチュリースタイルにしたいけれど、何から決めればいいか分からない」と悩む方は多いです。素材・色・形のポイントを押さえれば、リフォームで理想の空間に近づけます。家全体を変えなくても、床・キッチン・照明など一部のリフォームで取り入れることも可能です。
この記事では、ミッドセンチュリーについて以下のポイントを解説します。
- ミッドセンチュリースタイルの特徴
- リフォームする場所別のポイント
- ミッドセンチュリーにリフォームする費用相場
- リフォームで失敗しないための注意点
ミッドセンチュリーに仕上げたユニテの事例も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
リフォームするなら知っておきたい!ミッドセンチュリーとは?
ミッドセンチュリーは、20世紀半ばのアメリカで生まれたデザインスタイルです。スタイルの特徴や似たスタイルとの違いを知っておくと、リフォーム会社との打ち合わせで理想のイメージを伝えやすくなります。
1940〜1960年代に生まれたデザインスタイル
ミッドセンチュリーとは、1940〜1960年代に戦後のアメリカで広まった、シンプルで機能的なデザインを指します。戦争中に開発された新しい素材や技術を家具に取り入れ、美しさと使いやすさを両立したのが特徴です。大量生産ができるようになり、多くの家庭に広まりました。
- チャールズ&レイ・イームズ:イームズラウンジチェア、シェルチェア
- ジョージ・ネルソン:マシュマロソファ、ココナッツチェア
こうした名作家具の多くは、今も現行品として購入できます。リフォーム後の家具選びに困らない点も、ミッドセンチュリーの魅力です。
ミッドセンチュリーと北欧デザインの違い
ミッドセンチュリーと北欧デザインには、どちらもシンプルで機能的という共通点があります。ただし印象は大きく異なり、ミッドセンチュリーはモダンで大胆、北欧はナチュラルでやわらかい雰囲気です。
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どちらにするか迷ったら、「床の色を濃くするか」「差し色を入れるか」で方向性を決めると分かりやすくなります。
リフォームでミッドセンチュリーの内装をつくる3つの要素
ミッドセンチュリーらしい空間は、以下の3つでつくられます。
- 素材
- 色
- 形
この3つを先に夫婦で共有しておくと、床材や照明を選ぶときに好みがずれにくいのでおすすめです。
素材|ウォールナットやチークにスチール・ガラスを合わせる
ミッドセンチュリーの素材選びは、深みのある木材と、スチールやガラスなどの無機質な素材を組み合わせるのが基本です。木の温もりと都会的な印象を両立でき、空間が単調になりません。
- 木材:ウォールナットやチーク
- スチール
- FRP(繊維強化プラスチック)
- レザー
- ガラス
床や建具、造作家具は木、照明や家具の脚は金属というように、役割を分けると取り入れやすくなります。
使うほど色が深まり、小さな傷も味わいとして楽しめるのが木の良さです。子育て中のご家庭でも、気を使いすぎずに暮らせます。
色|アースカラーをベースに差し色を入れる
ミッドセンチュリーの色使いは、ブラウンやベージュなどのアースカラーを土台にして、鮮やかな色を少しだけ加えるのが基本です。落ち着いたベースがあるからこそ、差し色が引き立ちます。深い色の木を多く使うため、部屋全体がブラウン系の落ち着いた印象に仕上がるのも特徴です。
- マスタードイエロー
- アボカドグリーン
- オレンジ
- ターコイズブルー
内装で取り入れるなら、アクセントクロスを1面だけ張ったり、キッチンや洗面にカラータイルを使ったりする方法が代表的です。ソファ・チェア・クッションなど、家具や小物で取り入れる方法もあります。
迷ったときは、内装はベースカラーにとどめ、差し色は家具や小物で入れるのがおすすめです。家具や小物なら、好みが変わってもあとから気軽に変えられます。
形|直線的な空間に曲線の家具や照明を取り入れる
ミッドセンチュリーの形の特徴は、直線的な空間に曲線を取り入れることです。壁や天井はシンプルな直線でまとめ、家具・照明・R壁(アーチ状の壁)で丸みを加えます。直線と曲線の組み合わせが、やわらかくモダンな印象を生み出すポイントです。
- ジョージ・ネルソンのバブルランプ
- シェルチェア
- アーチ状の垂れ壁
- 丸みのある造作洗面台
ただし、曲線を使いすぎるとまとまりがなくなります。曲線を取り入れる場所は、1〜2箇所に絞るのがおすすめです。
【場所別】ミッドセンチュリーにリフォームするポイント
ミッドセンチュリーにリフォームするなら、床や壁・建具や家具・水回り・照明の順に決めるのがおすすめです。面積の大きい部分から決めると、全体の印象がぶれません。
ここからは、場所ごとにミッドセンチュリーに仕上げるポイントを紹介します。
床・壁|ウォールナットの床と木目パネルやアクセントクロス
床はダークトーンの木目、壁は一部にアクセントを入れるのが基本です。床と壁は面積が大きく、部屋の印象を最も左右します。
- ウォールナットの無垢材
- 突板フローリング
- ヘリンボーン柄
- コルクタイル
- モルタル調など
- ダークブラウンの木目調パネル
- リブパネル
- マスタードやオリーブグリーンのクロス
- 幾何学模様のクロスなど
アクセント壁は1面だけにすると、やりすぎた印象になりにくいのでおすすめです。
建具・造作家具|木目調で統一し、低めの収納で水平ラインをつくる
ドアや枠などの建具は深みのある木目調でそろえ、造作家具は低めにつくるのがポイントです。横に長いラインが強調され、空間が広く落ち着いて見えます。
具体的には、木製建具への交換・リビングの壁面収納・低めのサイドボードの造り付けなどが代表的な方法です。輸入建具を使えば、本格的なアメリカンスタイルにも仕上げられます。
今使っている家具を活かす場合は、その高さや色を基準に造作すると一体感が出るのでおすすめです。
キッチン・洗面|木目扉とサブウェイタイルの組み合わせ
キッチンと洗面は、フラットな木目扉と、白やカラーのサブウェイタイル(長方形のタイル)を組み合わせるのが定番です。木の温もりとタイルの清潔感で、モダンさとレトロ感を両立できます。
- 木目調キッチンへの交換
- 壁面のタイル張り
- 曲線と木目を取り入れた造作洗面台
- タイル張りのカウンター
トイレや玄関もタイルや木目のクロスでそろえると、家全体に統一感が生まれます。
水回りはタイルで差し色を入れやすく、部分リフォームでも取り入れやすい場所です。
照明|ミッドセンチュリーを感じる照明を空間の主役にする
ミッドセンチュリーの空間では、照明を主役として選ぶのがポイントです。デザイン照明を1つ取り入れるだけで、一気にミッドセンチュリーらしい雰囲気になります。
- ルイスポールセンのPH5
- ハーマンミラーのバブルランプ
天井の配線に直接つなぐ照明の取り付けには、電気工事士の資格が必要です。あとで困らないように、照明の位置と配線をまとめて計画しておきましょう。
場所別のおすすめリフォームと仕上がりの雰囲気
場所ごとのおすすめ仕様と仕上がりの雰囲気、予算を抑える方法を表にまとめました。打ち合わせの前に、夫婦でイメージと予算感を共有するときに役立ててください。
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ミッドセンチュリーの参考になるリフォーム・リノベーション事例
実際の事例を見ると、自分たちの家でできることがイメージしやすくなります。ここでは、ユニテが富山市で手がけた一戸建てのリノベーション事例を紹介します。
木の色や差し色の取り入れ方に注目してみてください。
お庭の景観を楽しむ、開放感あふれるリビングスペースの家
富山市の築約52年の和風住宅を、開放感のあるLDKの住まいにリノベーションした事例です。
LDKの床には、ミッドセンチュリーの定番素材でもあるウォールナットの無垢材を使っています。濃い木の色が空間を落ち着いた印象にまとめ、年月とともに深まる色合いも楽しめるのが魅力です。
さらに、くすみカラーの扉やライトグリーンのクロスを差し色に取り入れ、木の温もりに明るさを加えました。
子どもの頃の思い出の家を老後の住まいにリノベーション
東京にお住まいのご夫婦が、ご主人が子どもの頃を過ごした富山で老後を暮らすためにリノベーションした、築47年の一戸建てです。室内は濃い木目と明るいクロスを組み合わせ、シンプルで落ち着いた空間に仕上げました。
室内の建具はすべて引き戸なので、年齢を重ねても開け閉めしやすい住まいです。キッチン横には廊下とつながるパントリーがあり、買い物から帰ってすぐに食品をしまえます。濃い木目にアクセント壁を合わせた内装は、ミッドセンチュリーの空間づくりにも参考になる組み合わせです。
ユニテのリフォーム・リノベーション事例は、こちらからご覧いただけます。
リビングのリフォーム・リノベーション実例集|費用相場や成功のコツ
ミッドセンチュリーにリフォームする費用相場
ミッドセンチュリーのリフォーム費用は、工事の範囲によって大きく変わります。
住宅リフォーム推進協議会の2024年度の調査では、リフォームにかかった平均費用は434.2万円で、過去最高になりました。検討時の予算は平均290.7万円で、実際の費用が予算を上回った人は約3割にのぼります。
最初にリフォームする場所の優先順位を決めておくことが大切です。
リフォームの費用目安
ミッドセンチュリーは、1箇所数十万円の部分リフォームからでも取り入れられます。建具・照明・造作家具など、ポイントを絞れば費用を抑えられるのが特徴です。
以下の金額は、あくまで目安です。住まいの状態や素材によって変わる点に注意してください。
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部分リフォームでは、「どこを主役にするか」を決めてから予算を配分しましょう。たとえば照明を主役にするなら、配線工事とデザイン照明に予算を多めに回します。
費用を抑えながらミッドセンチュリーを取り入れるコツ
費用を抑えたいときは、「内装はベースを整え、家具と照明で仕上げる」と考えるとうまくいきます。リフォームが予算を超えるのは、途中で工事箇所が増えたり、設備のグレードを上げたりするのが主な原因です。最初に優先順位を決めておくと、予算オーバーを防ぎやすくなります。
- 夫婦で「どうしても変えたい場所」を1〜2箇所決める
- 床は突板、アクセントはクロスで表現する
- 照明は配線だけ先に工事し、照明器具はあとから購入する
優先順位は、リフォーム会社の担当者と相談しながら決めると安心です。
ミッドセンチュリーのリフォームで失敗しないための注意点
ミッドセンチュリーの空間では、内装は控えめにして家具を引き立て、差し色は1点に絞るのが失敗しないコツです。色や素材を詰め込みすぎると、まとまりのない印象になりやすくなります。
コンセントが家具に隠れたり、届かなかったりすることがあるため、置きたい家具を先に決め、それに合わせて造作やコンセントの位置を計画しましょう。打ち合わせには、家具のサイズと写真を持っていくとスムーズに進みます。
マンションでは、専有部分のリフォームでも、管理規約による制限や届出が必要なケースが多いです。特にフローリングは、床の遮音等級(LL-45以上など)が決められていることが多くあります。
無垢材を直接張ると基準を満たせない場合があるほか、床材をカーペットに限るなど独自のルールを設けたマンションもあるので確認が必要です。
リフォームで理想のミッドセンチュリーの住まいに
ミッドセンチュリーのリフォームは、素材・色・形の3つを押さえ、場所ごとに取り入れることで理想の住まいに近づけます。部分リフォームから全面リフォームまで、予算に合わせた方法を選べる点も魅力です。
まずは、夫婦で好みのイメージと優先したい場所を話し合ってみてください。そのうえで、費用の目安や寸法・照明・管理規約などの注意点を確認しておくことが、後悔しないリフォームのポイントです。
ユニテでは、施工事例のご紹介やご相談、お見積もりを承っています。「まずは1箇所だけ」という方も、お気軽にお問い合わせください。




