
中古マンションは、価格面や立地面から、マイホームとして人気があります。しかし、価格が安いという理由だけで購入すると、後で後悔してしまうことも少なくありません。本記事では、安い理由や背景、購入で失敗しないための具体的な注意点を紹介します。

株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
中古マンションは、新築より価格を抑えつつ、希望の立地を選びやすいというメリットから、マイホームとして人気があります。
しかし、価格が安いという理由だけで購入してしまうと、住んでから後悔したり、想定外の出費が発生したりすることも少なくありません。
本記事では、安い中古マンションが安い理由や背景を深く掘り下げながら、購入で失敗しないための具体的な注意点と安全な選び方を紹介します。
中古マンションの購入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください
安い中古マンションが安い理由
中古マンションの価格は、需要やエリアごとの供給状況によって変動しますが、個々の物件の価格を左右する主な要素は以下の4つです。
- 1.立地・周辺環境の利便性が悪い
- 2.物件の広さ・間取りがコンパクト
- 3.築年数・老朽化が経過している
- 4.売主の事情
価格が相場より安い場合には、これらのいずれかに該当している可能性があります
1.立地・周辺環境の利便性が悪い
中古マンションの価格を最も大きく左右するのが、立地や周辺環境です。
次のような要因に当てはまる物件は、一般的に価格が下がりやすくなります。
- 中心部や駅からの距離が遠い
- スーパー・病院・学校といった生活施設へのアクセスが悪い
- 線路・大通り・工場など、騒音の発生源が近い
利便性が低い立地の場合、価格は割安になりやすくなります。
2.物件の広さ・間取りがコンパクト
物件の広さも価格に直結します。
単身者向けや二人暮らし向けのコンパクトな間取り(1LDK、2DKなど)は、ファミリー向け(2LDK〜4LDK)と比較すると価格が抑えられます。
3.築年数・老朽化が経過している
築年数が経過するにつれて、中古マンションの価格は下がるのが一般的です。
特に、築10年を超えると下落率が大きくなる傾向にあり、築20年、築30年と経過すると、立地が良い物件を除いて大きく値下がりします。
ただし、築年数が古くても、共有部分の清掃や設備メンテナンスが良好な物件は、価格の下げ幅が小さくなります。
逆に、築年数以上に劣化が激しい物件は、購入後に高額な修繕費がかかるリスクが高いため、その分を差し引いて相場よりもさらに安く設定されやすい傾向にあります。
4.売主の事情
物件自体に大きな欠点がなくても、売主の個人的な事情により価格が安く設定されることもあります。
急な転勤、相続問題、資金調達など、「早く売ってしまいたい」という売主側の都合で、相場より安く販売されるケースも少なくありません。
また、定期借地権付きマンションのように、期限が来ると更地にして返却する必要があるため、所有権付きの物件より安くなるケースもあります。
中古マンション購入の費用相場
安い中古マンションを探す際も、物件価格以外の費用も把握し、無理のない資金計画を立てておくことが重要です。
物件の相場
富山県でのマンションの費用相場は以下の通りです。(過去5年間)
▼間取り別の販売価格
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さらに、築年数別の㎡単価は以下の通りです。
▼建築年別の㎡単価
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諸費用
マンション購入時は、物件購入費用のほかに、取得諸費用がかかります。
これらはすべて合わせると、物件価格の5~8%が目安です。
たとえば、3,000万円の中古マンションの場合、150〜240万円程度の諸費用が必要です。
▼中古マンション購入にかかる諸費用
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修繕積立金
修繕積立金は、約10〜15年ごとに行われる大規模修繕工事(外壁補修など)の費用を賄うために、毎月徴収され、積み立てられる費用です。
1戸あたり月額13,000円前後が目安とされています。
築年数が浅いマンションでは比較的低く設定されていることが多いですが、築年数が経過するにつれて金額が上がっていく傾向にあります。
もとの修繕積立金の設定額が低すぎる場合、いざ大規模修繕工事を行う際に、工事資金が不足し、修繕積立金の値上げや、居住者への高額な一時金の徴収が発生する場合もあります。
リフォーム・リノベーション費用の目安
中古マンションを理想の住まいに近づけるために、リフォーム・リノベーションを検討する場合、実施する工事の種類や規模によって大きく異なります。
▼リフォーム・リノベーション費用の目安
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▼スケルトンリノベーションの費用相場
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安い中古マンション購入でよくある失敗ケース
ここでは、安いマンションを購入をした後に、多くの方が直面する具体的な失敗例を紹介します。
騒音がひどく、住環境にストレスが生じる
エレベーターやエントランスに近い部屋では、ドアの開閉音や住人の足音、話し声が頻繁に響き、精神的なストレスにつながる場合があります。
また、道路や線路に面している物件だと、車や電車の騒音が想像以上に響き、特に夜間の睡眠を妨げられることがあります。
上階からの生活音・足音が響いて気になるケースも、特に築年が古い物件ではよくある失敗です。
設備の老朽化・配管トラブルで追加費用が発生した
安い物件は、設備や配管の築年が古いことが多く、購入後すぐに予期せぬ大きな出費に見舞われることがあります。
・給湯器などの主要設備がすぐに故障した。
・水道管や排水管のサビや詰まりによる水漏れが発生し、階下への影響も含め数十万円〜数百万円の予期せぬ修繕費用が発生した。
旧耐震基準の物件で耐震性に不安がある
1981年(昭和56年)6月以前に建築確認を受けて建てられた物件は旧耐震基準です。
物件価格が安いため購入を決めたものの、後に旧基準であることを知り、大地震に対する不安が拭えず、精神的な負担となることがあります。
修繕積立金が高く、費用負担が想定より高い
物件価格の安さに惹かれて購入したものの、毎月の修繕積立金が他の物件より高い設定になっている場合があります。これは、将来の大規模修繕に備えて不足分を急いで積み立てているケースなどに多く見られます。
結果として、月々の住宅費用の総額(ローン返済+管理費+修繕積立金)が、当初の想定より高くなってしまいます。
希望するリフォーム・リノベーションができなかった
「安く購入して、好みに合うようにリノベーションすればいい」と考えていたが、マンションの管理規約でリノベーション工事が厳しく制限されており、理想の間取りを実現できないことがあります。
よくある制限には、以下のようなものがあります。
・水回りの移動
・床材の変更
中古マンションのリノベーションで後悔しないポイントはこちら
【後悔しない】中古マンションのリノベーション実現のコツ!費用相場や物件選びのポイントを解説
管理状態が悪く、資産価値が下がる
管理組合の機能不全により、エントランスや外壁の汚れ、ゴミ集積所の散乱、放置自転車など、共有部分の管理状態が悪い物件を購入してしまった失敗談もよくあります。
快適な生活が送れないだけでなく、将来的に物件の売却を検討する際の資産価値も大幅に下落してしまいます。
価格が安すぎる理由に後から気づいた
目立った理由がないにも関わらず、相場より極端に安い物件には必ず理由があります。
購入時は問題視しなかったものの、入居後に以下のようなマイナス要因に気づくことがあります。
・特定の近隣住民とのトラブル
・近くに建設予定の大きな商業施設などによる日照権・景観の問題
・周辺にゴミ処理場、下水処理場、火葬場、刑務所などがある
これらの失敗を避けるためには、価格だけでなく、物件の重要事項調査報告書や管理規約をしっかりと確認することが不可欠です。
【失敗しない買い方】中古マンションを安全に購入するための7つの注意点
失敗ケースを踏まえ、安い中古マンションを安全に購入するために、特に注意すべき7つのポイントを解説します。
1.昼間だけでなく、朝・夜・休日の状況も確認する
周辺環境や住環境を正確に把握するためには、一度の内見だけでは不十分です。
曜日や時間帯を変えて内見を行い、音の状況や周辺の雰囲気を徹底的にチェックしましょう。
- 朝: 通勤・通学時間帯の交通量や騒音、エレベーターの混雑状況
- 夜: 治安、街灯の明るさ、近隣の騒音など
- 休日: 近隣の公園や商業施設の人出、住民の過ごし方
2.見えない部分のメンテナンス状況まで細かく確認する
目に見える内装のきれいさだけでなく、配管などの見えない部分のメンテナンス状況も重要です。
特に、築25年以上の物件では、配管の交換履歴があるかを確認しましょう。
交換されていない場合には、将来的な配管トラブルのリスクが高くなります。
3.共有部分の管理状況をチェックし、管理組合の質を見極める
マンションの資産価値は、管理組合の活動によっても大きく左右されます。
管理状態をしっかり見極めることで、管理組合の質を事前に見極めましょう。
- エントランス、廊下、階段、ゴミ置き場などの共有部分が清潔に保たれているか
- 植栽が手入れされているか、放置された私物がないか
- 掲示板に、管理組合の活動報告や長期修繕計画などが適切に掲示されているか
4.リノベーションが可能かどうかを確認する
中古マンションを安く購入してリノベーションを計画する場合、どの規模のリノベーションが可能かは物件によって異なります。
購入前に、管理規約を確認し、リノベーションの制限事項を把握しましょう。
- 水回りの移動が可能か(躯体の配管位置)
- 床材の変更に関する規約(遮音等級)
- 壁の撤去(構造)に関する制限
- 間取り変更に制限がないか
5.周辺マンションの価格相場を確認し、相場より安すぎる理由を確認する
価格が安いこと自体が、リスクのサインである場合があります。
相場より安すぎる物件は、必ずその理由を確認しましょう。
・同一エリアの築年数、広さ、間取りが近い他のマンションの価格を不動産会社に提示してもらい、客観的な相場を把握します。
・相場より著しく安い場合は、売主の都合なのか、物件の向上や管理上の問題なのかを確認しましょう。後者の場合は、購入を避けるべきです。
6.修繕積立金と長期修繕計画を確認し、資金計画を立てる
管理費や修繕積立金は、毎月の固定費として支払い続ける費用です。
購入前に、長期修繕計画書と合わせて毎月の支払額を把握し、資金計画に無理がないか確認しましょう。
計画されている修繕費用に対して、現在の積立金残高が十分にあるかを確認します。
残高不足の場合、将来的な値上げや一時金徴収のリスクにつながります。
7.将来的な資産価値・売却リスクを見極める
安い中古マンションは、購入して終わりではなく、将来的に売却することも想定して選ぶ必要があります。
なぜなら、転勤や家族構成の変化などで住み替えが必要になった際、売却できなければ、その物件が負債となってしまうからです。
価格が安くても、駅からの距離や利便性が悪すぎる物件は、将来的に売却が難しくなる可能性があります。
新耐震基準を満たしていること、そして管理状態が良好であることは、買い手にとって安心材料となり、資産価値を維持する上で不可欠な条件になります。
中古マンションの購入に失敗したくないなら、弊社の相談会に参加しよう
価格が安い理由を適切に見極めたうえで、理想の住まいを購入するには、専門知識が不可欠です。
弊社ユニテでは、お客様一人ひとりの状況に合わせた物件選びから資金計画、リノベーションの可能性まで、トータルでサポートする相談会を実施しています。
・価格が安い掘り出し物を見つけたい方
・リフォーム・リノベーションを前提に物件を探したい方
ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
まとめ
安い中古マンションを購入することは、賢い資産形成と理想の住まいを手に入れるための有効な手段です。
しかし、価格の安さには必ず理由があり、その理由を深く理解し、適切な対策を講じることが必要になります。
物件自体の価格だけでなく、将来的な修繕費用や日々の快適な暮らしを総合的に判断することが、中古マンション選びで失敗しないためのポイントです。
本記事で解説した注意点と選び方を参考に、理想のマンションを購入しましょう。





