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リノベーションのメリット・デメリットとは?費用や実例で見る失敗しない選び方

リノベーションには大きなメリットがある一方で、想定外の費用や工期の長さなど、デメリットも存在します。本記事では、リノベーションのメリット・デメリット、失敗しないポイントを詳しく解説。ユニテの実例やリノベーションの費用も紹介します。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「子どもの成長に合わせて間取りを変えたい」「老後を見据えて住みやすい家にしたい」と、リノベーションを検討されている方も多いのではないでしょうか。
リノベーションには大きなメリットがある一方で、想定外の費用や工期の長さなど、デメリットも存在します。

 

この記事では、リノベーションについて以下のポイントを解説。

 

  • リノベーションのメリット・デメリット
  • ユニテの実例で見るリノベーションの費用
  • リノベーションを失敗しないポイント

 

リノベーションのメリット・デメリットを知り、理想の住まいを実現したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

リノベーションとは?リフォームとの違い

リノベーションとリフォームの違いを知っていますか?

 

リノベーションは「理想の暮らしを実現するための改修」リフォームは「元の状態に戻すための修繕」です。家族構成やライフステージの変化に合わせて暮らしやすい住まいにしたいなら、リノベーションがおすすめです。

 

フルリノベーション・部分リノベーション・リフォームの違いをまとめました。

 

 

フルリノベーション

部分リノベーション

リフォーム

定義

家全体を骨組みだけ残して解体し、間取りから設備まで丸ごと新しく作り変える

気になる部分だけを改修して、より快適で使いやすくする

古くなったり壊れたりした箇所を新しくして、元の状態に戻す

目的

ゼロからプラスへ(部分的な価値を向上する)

マイナスをゼロに戻す(原状回復)

具体例

・全体の間取り変更

・耐震・断熱性能を向上させる

・二世帯住宅化

・水回の交換

・LDKの間取り変更

・和室を洋室に変更

・壁紙・床の張り替え

・設備の交換

・外壁の塗り替え

向いている方

・間取りを大きく変えたい

・ライフスタイルに合わせて一新したい

・特定の場所だけ改善したい

・予算に制限がある

・段階的に改修したい

・予算を最小限に抑えたい

・現在の間取りで満足

リノベーションの3つのメリット・デメリット

リノベーションにはそれぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。

 

リノベーションのメリッ
  • 間取り・デザインの自由度が高い
  • 費用を抑えられる
  • 立地条件を優先できる

 

タイトルを入れる
  • 予算が膨らみ、工事が長引く可能性がある
  • 間取りと耐震問題
  • 住宅ローンの金利が高い

リノベーションのメリット1.間取り・デザインの自由度が高い

リノベーション最大の魅力は、間取りやデザインを自分たちの暮らしに合わせて自由に設計できることです。

 

お子さまの独立後に個室を減らして広いリビングにしたり、在宅ワークのための書斎を確保したりと、家族の変化に柔軟に対応できます。収納を増やして家事の負担を減らすなど、新築では実現しにくいオーダーメイドの空間づくりが可能です。

 

長年住んでいるからこそ分かる、家の良い点・悪い点をリノベーションに活かせます。

リノベーションのメリット2.費用を抑えられる

リノベーションは、新築住宅の購入や建て替えに比べて、総費用を抑えられます。


中古物件の購入したとしても、購入価格は新築より割安です。物件費とリノベーション費用を合わせても、大幅にコストを削減できるケースもあります。実際に、国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査」では、注文住宅の購入資金は平均5,867万円なのに対し、中古戸建住宅は平均3,532万円です。

 

特に都心部や人気エリアでは、新築物件の価格が高騰しています。リノベーションは、限られた予算の中で立地と住み心地を両立させたい方におすすめです。

リノベーションのメリット3.立地条件を優先できる

リノベーションは立地条件の良い物件を選べます。新築物件は郊外などに建つことが多く、希望する立地で見つけるのが難しいケースが多いからです。

 

今お住いの住宅をリノベーションすれば、ご近所付き合い・地域のコミュニティ・友人関係などをそのまま維持できます。家族の通勤・通学ルート・かかりつけの病院なども変わらないため、住み慣れた環境が変わらないことは、大きなメリットです。

リノベーションのデメリット1.予算が膨らみ、工事が長引く可能性がある

リノベーションは、当初の見積もりより費用が膨らむ可能性があります。

 

解体すると柱や土台がシロアリの被害にあっていたり、雨漏りによって腐食していたりするケースがあるからです。また、断熱材が入っていなかった、古い配管が劣化していたといった問題が見つかることも。

 

こうした問題が見つかると、補修工事が追加で必要になります。当初の見積もりよりも費用が上乗せになったり、工事期間が延長になったりするケースも。リノベーション前には建物診断を行い、建物の状態を確認しましょう。

リノベーションのデメリット2.間取りと耐震問題

建物の構造によっては、取り除けない柱や壁があり、理想通りの間取り変更ができないことがあります。
戸建ては耐震性を保つために動かせない柱や梁があり、マンションは壁式構造だと間仕切り壁を撤去できないケースも。

 

また、1981年以前に建てられた古い家は旧耐震基準で建てられており、震度5強程度にまでしか耐えられません。築40年以上の建物をリフォームするときは耐震診断や、状況に応じた耐震補強工事を行いましょう。

リノベーションのデメリット3.住宅ローンの金利が高い

中古物件を購入してリノベーションする場合、リノベーション費用には住宅ローンが適用されず、リフォームローンを利用することになります。
リフォームローンは住宅ローンに比べて金利が高く(2〜5%程度)返済期間も短いため、月々の返済負担が大きくなる可能性があるので注意しましょう。

 

金融機関によって住宅ローンの条件が異なるため、事前に複数の金融機関をチェックすると良いです。

 

リノベーションのローンについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
【リノベーションローン】2024年最新版|リフォームに使える住宅ローンの種類とメリット

戸建てリノベーション・中古マンションリノベーション・リノベーション済み物件どちらを選ぶ?

物件購入を検討中の方の中には「戸建てをリノベーションするか、中古マンションをリノベーションするか、それともリノベーション済み物件を買うか」で悩む方は少なくありません。
以下の表を参考に、ご自身のライフスタイルや優先順位に合わせて選びましょう

 

 

戸建てリノベーション

中古マンションリノベーション

リノベーション済み物件

予算

高め(物件+工事費)

中程度(物件+工事費)

物件価格のみ(工事費不要)

自由度

◎ 非常に高い

間取り・外観も変更可能

〇 高い

室内は自由だが構造制限あり

✕ ほぼなし

完成済みから選ぶのみ

メリット

・建て替えも可能

・外観も自由にデザインできる

・立地が良い物件が多い

・管理がラクで安心

・戸建てより安く自由設計できる

・すぐに住める

・工事の手間がない

・完成品を見て決められる

・トータル費用が明確

・住宅ローンだけでOK

デメリット

・管理や修繕が全て自己責任

・費用が高額になりがち

・耐震補強費用がかかる場合も

・管理費・修繕積立金が必要

・専有面積が限られる

・構造上の制約がある

・どんな工事をしたか不明

・割高な場合がある

・選択肢が限られる

こんな方におすすめ

・自由に設計したい方

・将来建て替えも検討している方

・管理がラクな方がいい方

・セキュリティ重視の方

 ・通勤・通学の利便性重視の方

・すぐに入居したい方

・ 工事の手間を省きたい方

・完成品を見て決めたい方

・予算を明確にしたい方

リノベーション済み物件のメリット・デメリット

リノベーション済み物件は、購入後すぐに入居できる手軽さが魅力です。しかし、表面は美しくても、見えない部分で手抜き工事が行われている可能性があります。建物の問題(雨漏りの跡、構造の傾きなど)が見えにくくなるので、注意が必要です。

 

リノベーション済み物件をチェックするときは、情報をしっかりと確認し、納得した上で購入を判断しましょう。
 

リノベーション済み物件のチェックポイン
  • どのような工事を行ったかが分かる工事履歴を開示してもらう
  • 給排水管・ガス管の更新状況を確認
  • 断熱・耐震工事の有無を確認
  • アフターサービスや保証はあるのか
  • マンションは共用部の管理状態も確認

ユニテの実例で見る、リノベーション費用とできること

ここからは、ユニテが手がけた実例を見ながら、リノベーション費用を確認しましょう。

部位別のリフォーム費用の目安はこちらを参考にしてください。
 

 

リフォーム部位

費用目安

内装

畳→フローリング

15~60万円

壁クロスの貼り替え

6~30万円

リビングに収納棚

40~90万円

2室を1室に

50~80万円

和室→洋室

50~200万円

ダイニングの改修

100~200万円

リビングの改修

200~400万円

水回り

洗面化粧台の交換

20~50万円

タンクレストイレへの交換

30~50万円

IHコンロへの交換

18~80万円

壁付キッチン→対面型キッチン

75~200万円

システムバスの交換

60~150万円

キッチン全体のリフォーム

80~400万円

オール電化への改修

100~200万円

基礎

耐震補強

100~200万円

出典:リフォームの内容と価格について(国土交通省)

 

リノベーションの費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【実例あり】リノベーション費用はいくらかかる?工事パターン別で解説

ブルーが鮮やかな暮らしやすさを追求したリノベーション実例

 

築年数

40年

構造

木造

費用

1,600万円

工期

120日(4か月)

 

寝室やお風呂が2階にありましたが、1階に移動させ、生活スペースを1階に集めました。

 

寝室・キッチン・トイレなどにブルーをアクセントに取り入れました。居心地の良いリビングにしたり、広い空間の洗面脱衣室にしたりと、年齢を重ねても暮らしやすい家にしたのがポイントです。

マンションの管理規約に配慮したリノベーション実例

 

築年数

23年

構造

木造

費用

680万円

広さ

21坪

 

間取りはそのまま活用し、費用を抑えたリノベーションの実例です。部屋ごとの用途を変えたので、和室を洋室に変更しました。ナチュラルカラーで統一し、明るく過ごしやすい室内に。

 

窓は共有部分になりますが、インナーサッシを取り付け、マンションの管理規約に配慮し、断熱性も高めました。

築90年以上の古民家を活かしたリノベーション実例

 

築年数

90年以上

構造

木造

費用

約1,000万円

和室工事:約540万円

薪ストーブ:約140万円

外壁:約80万円

トイレ:約90万円

工期

120日(4か月)

 

「築90年以上の思い入れのある家なので、できるだけ形を残したい」というご依頼に、襖や天井の梁などは残しつつ寒さをしのげるように断熱材を入れました。薪ストーブの熱を逃げにくくするために天井を低くして、暖かく過ごせるリビングに

 

外壁は剥がれている部分のみ貼り替え、増築されたトイレを新しくし暖かい空間にしました。

リノベーションを失敗しないための3つのポイント

リノベーションを成功させるために、以下のポイントをチェックしましょう。

 

  • 予算計画は余裕を持って立てる
  • 建物の状態を徹底的に確認する
  • 信頼できるリノベーション会社を選ぶ

 

リノベーションで最も多い失敗が、予算オーバーです。予定よりリフォーム箇所が増えたり、見えない部分の配管・電気工事などで追加費用が発生したりします。予算の1〜2割は予備費として残しておくと良いでしょう。

 

建物の劣化によって想定外の修繕費が発生することがあります。修繕履歴や土台・柱・外壁の劣化など、目に見えない部分を確認しましょう。

 

リノベーションは担当者との信頼関係など、リノベーション会社との相性が大切です。リノベーションの設計経験が豊富で、些細なことでも丁寧に説明してくれるリノベーション会社を選びましょう。

 

リノベーションのデメリットや対策については、こちらの記事が参考になります。
リノベーションのデメリットと対策集!戸建て・マンション・賃貸など物件別に解説

マンションから古民家までリノベーションならユニテへおまかせください!

マンションから古民家までリノベーションならユニテへおまかせください!

 

「築年数がたっているけど、リノベーションできるかな?」そんな疑問をお持ちの方も、まずはユニテにご相談ください。マンション・戸建て・古民家など、建物の種類を問わず、これまで数多くのリノベーションを手がけてきました。

 

構造や築年数による制約も、経験豊富なスタッフがしっかりと確認。物件の特性を活かしながら、暮らしやすさとデザイン性を両立した住まいをご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。

リノベーションのメリット・デメリットを知り、新築以上の満足度を実現しよう

リノベーションにはそれぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。

 

リノベーションのメリット
  • 間取り・デザインの自由度が高い
  • 費用を抑えられる
  • 立地条件を優先できる

 

リノベーションのデメリット
  • 予算が膨らみ、工事が長引く可能性がある
  • 間取りと耐震問題
  • 住宅ローンの金利が高い

 

リノベーションのメリット・デメリットを正しく理解し、信頼できるリノベーション会社と進めれば、新築以上の満足度を手に入れられます。理想の暮らしに向けて、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。