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マンション配管リフォーム費用はいくら?|相場・自己負担の範囲・工期を解説

マンションの配管リフォーム費用は、住戸の中にあっても管理組合が負担する部分と自分で負担する部分に分かれ、同じ工事内容でも住戸の構造によって金額が変わります。本記事では、マンション配管リフォーム費用の相場や、費用を抑える方法などを解説します。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

ユニテがマンション一室の間取り変更でかかった配管リフォーム費用は約65万円です。

 

ただ、この金額を見て「そのうち自分が払うのはどこまでなのか」「うちの場合は結局いくらになるのか」と気になった方も多いのではないでしょうか。マンションの配管は、住戸の中にあっても管理組合が負担する部分と自分で負担する部分に分かれています。同じ工事内容でも住戸の構造によって金額が大きく変わります。

 

この記事では、マンション配管リフォーム費用について、以下のポイントを解説します。
 

  • マンション配管リフォーム費用の相場
  • マンションの配管工事で自己負担になる範囲
  • マンション配管リフォーム費用を抑える方法

マンションの配管リフォーム費用相場

先ほどもご紹介したように、ユニテがマンション一室の間取り変更でかかった配管リフォーム費用は約65万円です。
マンションの配管リフォームは、床や壁を開けて古い管を取り出し・新しい管を通し・最後に内装を元どおりに戻す。この一連の作業がセットになって初めて工事が完了します。

 

マンション配管リフォーム費用は、配管そのものよりも「どこまで壊して、どこまで戻すか」で決まります。

費用の内訳|配管本体より内装の解体・復旧費のほうが高い

配管の材料費と工賃そのものより、床や壁を開けて元どおりに戻す費用のほうが大きくなるケースが多いです。

マンションの配管は床下や壁の中に隠れており、そこにたどり着くには内装を壊します。工事が終われば当然、元の状態に戻す必要があるからです。

 

見積書に並ぶおもな項目
  • 配管の材料費
  • 配管工事費
  • 解体費
  • 内装復旧費(設備を外して付け直す作業のこと。復旧する床材やクロスのグレードによっても金額が変動する)
  • 諸経費

 

見積書を受け取ったら、配管費と内装復旧費が分けて書かれているかを確かめましょう。ひとまとめの金額しか書かれていないと、他社と比べたときにどこで差がついているのかが見えません。

水回り1カ所だけなど部分交換も可能

劣化や漏水の場所がはっきりしている場合は、部分交換も可能です。

 

解体する範囲が狭ければ、そのぶん内装を戻す費用も少なく済みます。キッチン下の排水管だけ、洗面台まわりの給水管だけ、といった限られた範囲の工事がこれにあたります。

 

ただし、同じ時期に取り付けられた配管は、他の場所も同じように劣化が進んでいると考えるのが自然です。部分交換を繰り返していると、解体と復旧の費用を何度も払うことになり、結果として割高になってしまいます。

 

ほかの配管の状態を確かめたうえで、部分交換で足りるのか、まとめて交換したほうがよいのかを判断しましょう。

マンションの配管工事で自己負担になるのは「専有部分」

マンションの配管工事で自己負担になるのは、原則として専有部分の配管だけです。共用部分については管理組合が修繕積立金で対応します。これは区分所有法と、国土交通省が示している「マンション標準管理規約」で定められているためです。

 

標準管理規約のコメントでも、配管の取替え費用のうち専有部分にあたるものは、それぞれの区分所有者が実費に応じて負担すべきものとされています。

共用部分(縦管・パイプスペース)は修繕積立金から支出

パイプスペースを通る給排水の縦管など、共用部分の更新は修繕積立金から支払われます。工事のたびに個人が直接お金を出す場面はありません。

長期修繕計画に沿って、管理組合が全戸分をまとめて計画し、発注する仕組みになっているからです。

 

境界の目安として、標準管理規約(単棟型)の別表では、給水管は本管から各住戸の水道メーターを含む部分までを共用部分としています。メーターから先の蛇口までの配管や、住戸から縦管へつながる横引き管は専有部分です。

 

修繕積立金は毎月支払っているお金ですから、共用部の工事も間接的には自分たちで負担していることになります。

専有部と共用部の境界は管理規約で決まる|工事前の申請も必要

境界を判断する基準になるのは、ご自宅のマンションの管理規約です。標準管理規約はあくまでひな型なので、実際には各マンションが定めた規約が優先されます。

 

確認しておきたい書類
  • 管理規約
  • 使用細則(リフォーム細則)
  • 竣工図面


どの書類も管理組合または管理会社に問い合わせれば見せてもらえます。

そしてもう一つ、忘れてはいけないのが工事前の申請です。標準管理規約では、専有部分の修繕であっても共用部分や他の住戸に影響を与えるおそれのある工事は、事前に申請して承認を受ける必要があると定められています。
 

  • 申請先は理事長
  • 承認するかどうかを判断するのは理事会
  • 理事会が月に1回しか開かれないマンションなら、申請から承認まで数週間かかることも
  • 工事のスケジュールを立てるときは、この期間も見込んでおく

 

なお、マンションによっては共用部の更新に合わせて専有部の配管も一斉に更新する計画を持っている場合があります。その場合は自己負担が軽くなる可能性があるため、管理組合に確認してみましょう。

書類の準備や管理組合とのやり取りは、マンション工事の経験があるリフォーム会社であれば代行してくれます。

同じ工事でもリフォーム費用が変わる|金額を左右する条件

マンションの配管リフォーム相場の幅がこれほど広いのには理由があります。同じ間取りで同じ工事内容でも、住戸の構造によって費用は2倍近く変わってしまうことも。

 

金額を左右するのは次の3つです。
 

  • 配管の通し方(埋め込みか露出か)
  • 床下の構造(コンクリートに埋まっているか)
  • 配管が床を貫通しているか

 

どれも「配管にたどり着くまでに、どれだけ壊す必要があるか」に関わる条件です。
自宅がどの条件に当てはまるかが分かれば、おおよその費用も見えてきます。

露出配管より埋め込み配管の方が費用がかかる

配管をどう通すかによって費用が変わります。

 

埋め込み配管(費用がかかる)
  • 床や壁の中を通っている(見た目がすっきり)
  • 交換するには広い範囲を壊して、また元に戻す(工事が大がかりになり費用も日数)

 

露出配管
  • 壁際や床の上に配管を通す
  • 解体はほとんど必要ない(費用と工期を抑えられる)

 

露出配管はカウンターの下・収納の中・部屋の隅などを通すルートを設計すれば、日常生活でほとんど目に入らない仕上がりにできます。

床下がシンダーコンクリートなら費用大

床下のコンクリート(シンダーコンクリート)に配管が埋め込まれている場合、それを削る「ハツリ」という作業が必要になり、費用が大きく上がります。

 

コンクリートを削る作業は手間がかかるうえ、出た廃材の処分費もかさみます。場合によっては、配管の交換そのものより負担が大きくなることもあります。

 

作業が1日で終わらないことも多く、工具でコンクリートを削る音は相当なものになるため、近隣への事前の案内や作業時間の調整が欠かせません。
 

ハツリが必要なケース
  • コンクリートに直接床材を貼った直床の構造
  • 1980年代以前に建てられたマンションによく見られる

自宅がどのタイプかを見分ける方法

自宅がどのタイプかは、竣工図面の確認と点検口からの目視で、ある程度は見当をつけられます。
 

配管タイプの確認方法
  • 管理組合や管理会社に竣工図面(衛生設備の図面)を見せてもらう
  • 洗面所などの点検口を開けて床下をのぞく
  • 床を軽く叩いて音の違いを確かめる

 

ただし、配管が床を貫通して下の階の天井裏を通っているケースもあります。この場合、工事をするには下の階の住戸に入って天井を開ける必要が。
自宅の工事が自分の住戸だけで完結するのかどうかも、図面と現地を見なければ分かりません。

 

下の階への対応が必要になるかどうかも含めて、ユニテの現地調査でお伝えできます。

マンションの配管リフォーム費用を抑える方法

費用を抑えるうえで大切になるのは、次の2つです。

 

  • 工事をまとめる
  • 交換以外の方法も検討する

水回りリフォームやリノベーションと同時に工事する

キッチンや浴室などの設備交換と同じタイミングで配管を更新すると、配管だけを単独で工事するより費用を抑えられます。
解体と復旧の費用、人件費、仮設や廃材処分の費用を一度にまとめられるからです。

 

たとえば浴室をユニットバスに交換するときは、床や壁を解体します。そのタイミングで配管も更新してしまえば、追加の解体費はかかりません。

 

管理組合に、共用部の更新計画があるかどうかを確認しましょう。一斉に施工すれば費用を抑えられるので、タイミングを合わせられないか、一度聞いてみてください。

 

ユニテが行ったおしゃれなマンションのリノベーション事例は、こちらをご覧ください。


【施工事例5選】中古マンションを購入しておしゃれにリノベーションする3つのコツ
マンション内装リフォームの事例を紹介!場所別の費用や注意点も解説

 

おしゃれなリビングなど、リノベーション事例はこちら。
おしゃれなリビング実例18選|失敗しないレイアウトとインテリアのコツをプロが解説

配管を交換しないライニング工法も検討する

既存の配管の内側を樹脂でコーティングして再生する更生工事(ライニング工法)もあります。解体を伴わないため、費用と工期を抑えられます。

 

ただし、この工法は主に管理組合が共用部の縦管で採用するものです。専有部の配管について個人が単独で選べる場面は限られます。

 

もう一点、押さえておきたいのが、これは延命であって解決ではないという点です。国土交通省のガイドラインでは、更生の周期を19〜23年、取替えの周期を30〜40年としています。更生で寿命を延ばしても、いずれ取替えの時期がやってきます。

マンション配管の寿命と交換のタイミング|国の目安は築30〜40年

国土交通省のガイドラインでは、給排水管の取替えの目安を築30〜40年としています。ただし配管の材質と状態によって、適切な時期は前後します。

 

チェックする時期
  • 築20年前後:ランニング工法による延命を検討し始める時期。ガイドラインでは19〜23年という周期
  • 築30〜40年:取替えの目安。専有部分の配管については28〜32年という周期も。

 

最終的な判断は、診断の結果によります。「築何年だから交換」と機械的に決めるのではなく、材質、築年数、劣化のサインという3つを合わせて考えてみましょう。

配管材質別の耐用年数

配管の材質によって、実際に使える年数は30年から40年以上まで幅があります。金属の管は腐食、樹脂の管は経年による劣化と、傷み方の仕組みが材質ごとに違うためです。
また、税法上の耐用年数(給排水設備は15年)と、実際に使える年数は別のものです。

 

材質

年数の目安

特徴

亜鉛メッキ鋼管

すぐに交換

現在水道用には使用できない

塩化ビニルライニング鋼管

約20年~25年

鋼管の内側にコーティングしたもの

塩化ビニル管

約40年~60年

・価格が安い

・施工もしやすい

・サビや腐食の心配がない

・排水管を中心に多く使われている

・給湯管には適さない

ポリエチレン管

約30年~35年

・近年の給水給湯で主流

・さや管ヘッダー工法などに使われる

劣化のセルフチェック

赤水や水圧の低下といったサインが出たら、漏水が起きる前に点検を受けることをおすすめします。
配管の劣化は内部で進むため、目に見える異常が出た時点では、すでにかなり傷んでいることが多いからです。

 

自宅で確認できるポイント
  • 朝一番の水が赤茶色に濁る
  • シャワーや蛇口の水圧が落ちた
  • 排水の流れが遅い、においがする
  • 水を使っていないのに水道メーターが動く
  • 床や天井にシミがある

マンションの配管リフォーム費用に関するよくある質問

ここからは、マンションの配管リフォーム費用に関する質問と回答をまとめました。

中古マンションの購入前に配管の状態を確認できる?

確認できます。竣工図面のうち衛生設備の図面を見れば、給水管・給湯管・排水管それぞれの材質が分かります。

 

あわせて、専有部の配管がリフォーム済みかどうか、管理組合の長期修繕計画で共用部の更新がいつ予定されているかも確かめておきましょう。

内見のときは、洗面台の下にある点検口も見ておくと参考になります。

配管工事だけを単独で依頼できる?

依頼できます。ただし解体と復旧の費用が単独でかかるため、割高になりやすいです。

水回り設備の交換時期が近いなら、まとめて行ったほうが総額を抑えられます。

見積もりより金額が上がることがある?

床下を開けて初めて分かる状況があるため、追加費用が生じる場合があります。想定以上の腐食・コンクリートへの埋設・他の配管の劣化などが代表例です。

 

事前調査を丁寧に行うリフォーム会社を選び、どんなときに追加費用が発生するのかを契約前に確認しておきましょう。

マンション配管リフォーム費用は現地調査で確認を

ユニテがマンション一室の間取り変更でかかった配管リフォーム費用は約65万円です。
マンションの配管リフォームは、床や壁を開けて古い管を取り出し、新しい管を通し、最後に内装を元どおりに戻す。この一連の作業がセットになって初めて工事が完了します。

 

自己負担になるのは専有部分だけで、共用部分は修繕積立金から支払われます。ただし境界はマンションごとの管理規約で決まるため、まずは規約の確認から始めましょう。

 

ユニテでは、無料の現地調査とお見積もりを承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。