
「暖房を強めても足元が冷える」そんな悩みから窓のリフォームを考えたのに「マンションはできない」と言われた方は少なくありません。本記事では、マンションの窓が「リフォームできない」と言われる理由や、認められる条件を紹介。費用相場や流れも解説しま
目次

株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
「暖房を強めても足元が冷える」「外の音が気になって眠れない」そんな悩みから窓のリフォームを考えたのに、「マンションはできない」と言われた方は少なくありません。
管理規約には、住まいの性能を高める工事を認める規定が置かれています。窓は共用部分にあたるため、住戸の判断だけで交換はできない決まりですが、窓のリフォームができる方法もあるのです。
この記事では、マンションの窓リフォームについて以下のポイントを解説します。
- マンションの窓が「リフォームできない」と言われる理由
- マンションの窓フォームで認められる条件
- マンションでできる窓リフォーム3つの方法と費用相場
- 管理組合への申請から工事完了までの流れ
マンションの窓が「リフォームできない」と言われる理由
マンションで窓のリフォームができないと言われる理由は、おもに以下の2つです。
- 窓サッシ・ガラスは専有部分ではなく「共用部分」
- 外観の統一と防火性能を守るルールがある
窓サッシ・ガラスは専有部分ではなく「共用部分」
マンションの窓を自由に変えられない理由は、窓枠と窓ガラスが住民全員で共有する「共用部分」にあたるからです。
国土交通省が示すマンション標準管理規約でも、窓枠と窓ガラスは専有部分に含まれないと定めています。専有部分にあたらない建物の部分は、共用部分として扱う決まりです。
壁紙やフローリングなら、ご自身の判断で張り替えられます。けれども窓は、同じ感覚で手を加えられません。
ただし窓には、各住戸が使う権利が認められています。そのため日常の掃除や、うっかり割ってしまったときのガラスの入れ替えは、住んでいる方の負担です。
外観の統一と防火性能を守るルールがある
窓に制限がかかるのは、建物全体の見た目と安全を守るためです。
1戸だけ違う色や形のサッシが入ると、外観の統一が崩れます。マンションの外観は資産価値にも関わるため、勝手な変更は認められていません。
もう一つが防火の問題です。防火地域や準防火地域に建つ建物では、窓に火災を防ぐ性能が求められる場合があります。
たとえば、ガラスの中にワイヤーが入った網入りガラス。これは火災のときにガラスが落ちるのを防ぐもので、防火設備として法令上認められています。見た目が気になるからといって、透明なガラスに入れ替えられません。
玄関ドアやバルコニーも同じ扱いになる
共用部分の扱いを受けるのは、窓だけではありません。
玄関扉は、錠と内側の塗装部分だけが専有部分です。扉そのものの交換や、穴を開ける工事はできません。
バルコニーも、各住戸が使う権利のある共用部分です。火災時の避難経路にあたるため、物置を置きっぱなしにしたり、床を勝手に改修したりはできません。
窓だけが特別に厳しいわけではなく、共同住宅で暮らす以上の共通のルールと考えましょう。
実は例外あり|管理規約しだいで窓リフォームは可能
窓は共用部分ですが、条件を満たせばリフォームできるケースがあります。鍵になるのは「住まいの性能が上がるかどうか」です。
ここからは、許可が下りる工事と、確認しておきたいポイントを解説します。
標準管理規約が認める「性能が向上する工事」
防犯・防音・断熱といった住み心地を良くする工事なら、自分の家だけで進められるケースがあります。これを定めているのが、マンション標準管理規約の「窓ガラス等の改良」という決まりです。
基本の考え方として、こうした工事は管理組合が全体の修繕として行うものだとされています。ただし、結露で出たカビやダニで健康を損ないそうな場合など、自分の家だけ急いで直したい事情が起きるケースも。管理組合がすぐに動けないときは、理事長に申し込んで書面で許可をもらえば、自分の費用で工事を進められます。
窓のリフォーム許可が下りるケース・下りにくいケース
- 外から見て変わらない
- 住まいの性能が上がる
- 細かいルールの範囲に収まる
室内側に取り付ける内窓は、外から見えず、断熱と防音の性能が上がるため、多くのマンションで認められています。使用細則で仕様や色があらかじめ決まっており、その範囲に収まる工事も通りやすい傾向です。
- サッシの色や形が既存と違う
- 防火に関する性能の確認が取れない
- 全戸一斉の交換が計画されている時期と重なる
- 前例がなく、細かいルールも決まっていない
管理会社に窓の改良工事に関する規定と使用細則があるか、認められている仕様の範囲はどこまでかを確認しましょう。
マンション大規模修繕のタイミングなら実現しやすい
大規模修繕の計画に窓の改修が入っていれば、住戸の負担を抑えて断熱性の高い窓に変えられる可能性があります。規約はもともと、性能を高める窓の工事を計画修繕の対象と位置づけているためです。
大規模修繕の前に自費でサッシを交換すると、費用が重なってしまうこともあります。
管理会社へ「次の大規模修繕はいつで、窓は対象に入っているか」を確認しましょう。
マンションでできる窓リフォーム3つの方法と費用相場
マンションでできる窓リフォームの種類は、おもに以下の3つです。
- 内窓(二重窓)の設置
- 窓ガラス交換
- 外窓交換(カバー工法)
それぞれの方法と費用相場を紹介します。
内窓(二重窓)の設置|最も許可が下りやすい
内窓は、今ある窓の室内側にもう1枚窓を足す方法です。マンションで最も現実的な選択肢といえます。
2枚の窓の間に空気の層ができることで、断熱・防音・結露を抑える働きがあります。工事は室内だけで終わるので、外から見た様子が変わりません。そのため管理組合の承認を得やすいです。
工期は1窓あたり30分から1時間ほど。壁を壊さないため、住みながら工事を進められます。
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窓ガラス交換|指定の仕様を満たせば可能
サッシはそのままに、ガラスだけを入れ替える方法です。管理組合の承認と、仕様の確認が前提になります。
ガラスも共用部分にあたるため、色合い・厚み・防火性能など、マンション側の指定に合わせなければなりません。加えて、既存サッシの溝の幅によって、入れられるガラスの厚みに上限があります。
網入りガラスが入っている窓は、火災を防ぐ性能が求められる場所に取り付けられています。防火の指定がある窓では、内窓しか選べない場合があるので注意しましょう。
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外窓交換(カバー工法)|条件が合えば効果は最大
既存のサッシ枠を残したまま、その上から新しい枠をかぶせて交換する方法です。3つの中で最も大きな変化が期待できる反面、承認のハードルも高くなります。
サッシ本体が変わって外観に影響するため、管理組合の承認と細則への適合が前提です。
既存の枠を壊さないので、粉じんや騒音が抑えられます。立て付けの悪さ・すきま風・ゴムパッキンの劣化といった長年の不具合も、まとめて解消できるメリットがあります。
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寒さ・騒音・結露|悩み別に選ぶ最適なリフォーム
3つの方法と費用が分かっても「うちはどれを選べばいいのか」で迷いますよね。工法ではなく今困っている内容で判断しましょう。
寒さ・騒音・結露、悩みごとに向いている選び方をお伝えします。
断熱を高めたいとき
冬の暖房時に外へ逃げる熱のうち約58%、夏の冷房時に入ってくる熱のうち約73%が、窓やドアを通っているとされています。(出典:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会)
家の中で最も熱が出入りする場所が窓だからこそ、性能を上げると変化を実感しやすくなります。
費用と承認のハードルを抑えたい場合は内窓がおすすめです。すきま風などの不具合もまとめて直したい場合は外窓交換が向いています。
断熱リフォームについて知りたい方は、こちらの記事が参考になります。
断熱リフォームの失敗事例5選|寒い家のままで終わらせない対策と業者選び
騒音を抑えたいとき
幹線道路沿いや線路の近くで音が気になる場合は、内窓の設置が向いています。2枚の窓の間にできる空気の層が、音の伝わりを弱めるためです。
内窓と既存の窓で厚みの違うガラスを組み合わせると、聞こえ方が落ち着く場合があります。防音を重視するなら、厚めのガラスを選びましょう。
騒音の効果を左右するのは気密性です。すきまが残ると音は入ってくるので、既存の窓の建て付けもあわせて見てもらいましょう。
防音について知りたい方は、こちらの記事が参考になります。
防音室マンションは本当に音が漏れない?賃貸の探し方と後付け防音室まで徹底解説
結露を止めたいとき
結露は、ガラスが冷え、空気中の水分が水滴に変わる現象です。窓の断熱性を上げることが、根本的な対策になります。
国も、結露によるカビやダニを防ぐための断熱工事を、住戸ごとに認める理由の一つとして想定しています。そのため、管理組合へ申請するときの説明がしやすくなります。
あわせて換気と湿度の管理も行うと、効果が安定しやすくなりますよ。
結露対策について知りたい方は、こちらの記事が参考になります。
結露対策はリフォームで解決できる? 原因・費用・補助金もまとめて解説
マンションの窓リフォームに使える補助金
マンションの窓リフォームは、「先進的窓リノベ2026事業」を使うと、費用の負担を大きく抑えられます。
今ある住宅の窓を断熱性の高い仕様に改修する工事が対象で、上限は1戸あたり100万円。補助額が5万円以上になるケースが条件です。
先進的窓リノベ2026事業は、マンションの補助額が手厚く設定されています。金額は窓の断熱性能によって変わりますが、4階建以上の集合住宅では、1製品あたり以下の通りです。
内窓の設置:中サイズ(1.6〜2.8平方メートル)で37,000円〜64,000円
外窓交換(カバー工法):中サイズで104,000円〜302,000円
(出典:先進的窓リノベ2026事業)
管理組合への申請から工事完了までの流れ
窓のリフォームは、次の4つの手順で進みます。
① 管理規約と使用細則の確認
窓の改良工事に関する規定があるか、認められる仕様はどこまでかを調べます。分からない点は管理会社へ問い合わせましょう。
② リフォーム会社への相談・現地調査・見積もり
窓の実測・既存サッシの確認・補助金の試算までを行います。このとき、補助金の登録事業者かどうかもあわせて確認しておきましょう。
③ 理事長へ申請し、理事会の承認を得る
工事の内容・工期・施工業者・製品の仕様を書いた申請書を提出します。理事会は月に1回の開催が一般的なため、承認まで数週間から1か月以上を見ておくと安心です。
④ 近隣への挨拶・着工・完了報告
上下左右の住戸へ工事の日程を知らせます。終わったあとに管理組合への報告を求められる場合も。
つまずきやすいのは①と③です。余裕をもった計画を立てましょう。
マンションの窓リフォームに関するよくある質問
ここからは、マンションの窓リフォームに関するよくある質問をご紹介します。
Q1賃貸マンションでも窓リフォームはできますか
国の補助金制度では、借りて住んでいる方も対象者として認められています。ただし窓は共用部分であり、建物自体が他人の所有物です。貸主と管理組合の承諾が前提になります。
退去するときに元へ戻す必要があるかどうかも、事前に貸主と決めておきましょう。承諾が得られない場合は、断熱シートや厚手のカーテンなど、取り外せる方法から試してみてください。
Q2窓リフォームにデメリットはありますか
窓リフォームによって気密性が上がるため、換気を怠ると湿気がこもりやすくなります。
それぞれの方法別でみるデメリットは以下の通りです。
- 内窓:開け閉めの手間が増える、掃除する面も多くなる
- 外窓交換:費用と手続きの負担が大きい、ガラスの面積もわずかに小さくなる
こうした点を踏まえたうえで悩みに合った方法を選びましょう。
マンションの窓リフォーム「できない」とあきらめる前に、まず相談を
マンションの窓は共用部分です。管理規約の内容はマンションごとに違いますが、条件を満たせばリフォームできます。ご自身のマンションの管理規約を確認しましょう。
- 窓は共用部分にあたるため、住戸の判断だけでは交換できない
- ただし、性能を高める工事は承認を得れば進められる規定がある
- 方法は内窓・ガラス交換・カバー工法の3つ
- マンションは補助額が手厚く設定されている
- 補助金の申請は登録された事業者を通じて行う
窓のリフォームでいちばん時間がかかるのは、工事そのものではなく、その前の確認と手続きです。
ユニテでは、富山県内のマンションなど数多くの窓リフォームをお手伝いしてきました。ユニテは補助金の登録事業者として、制度に合った製品の選定や申請も担当させていただきます。
富山でマンションの窓にお困りでしたら、ユニテにお気軽にお問い合わせください。




