
この記事では、ユニットバスとシステムバスの違いや、お風呂の選び方について詳しく紹介します。 ユニットバスとシステムバスの施工事例やおすすめの人も紹介しているので、お風呂選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
目次

株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
「ユニットバスとシステムバスって、何が違うの?」と迷っていませんか?
ユニットバスとシステムバスは大きな違いはありません。
ユニットバスは浴槽や浴室の壁・床・扉・天井などを工場で作成し、現場で組み立てる浴室のことです。システムバスは別名でもあるため、違いはありません。
この記事では、ユニットバスとシステムバスの違いや、お風呂の選び方について詳しく紹介します。
ユニットバスとシステムバスの施工事例やおすすめの人も紹介しているので、お風呂選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
ユニットバスとシステムバスの違い
システムバスとユニットバスに大きな違いはありません。
システムバスとは、あらかじめ工場で作られた浴槽・壁・天井・扉などを現場に搬入し、組み立てて完成させる浴室のことです。
もともとユニットバスはお風呂とトイレが一体になった浴室を指していましたが、近年では追い焚き機能やミストサウナなど、高機能なタイプもあります。
そのため、従来のイメージと区別する目的で「システムバス」という呼び方が使われるようになりました。
ユニットバスとシステムバス以外のお風呂
ユニットバスとシステムバス以外では以下のお風呂もあります。
- 在来工法
- ハーフユニットバス
違いや特徴を知ってリノベーションの検討材料にしてみてください。
在来工法

在来工法とは、モルタルで仕上げる工法で作られたお風呂のことです。
モルタルとは、砂・セメント・水を混ぜ合わせて作る建築材料で、システムバスが登場する前はこの在来工法が主流でした。
壁や床をコンクリートで作り、その上からモルタルとタイルで仕上げるのが一般的な方法です。
在来工法の最大のメリットは、空間や形状の制約が少なく、自分好みのデザインに仕上げられること。ヒノキ風呂や大理石など、素材にこだわった浴室も設置できます。
一方で、ユニットバスと比べると工期が長く、費用も高くなる傾向があります。
また、断熱性が低いため冬場は寒くなりやすく、ヒートショックのリスクが高まる点にも注意が必要。
近年は、ユニットバスでもメーカーやオプションによって多様なニーズに応えられるようになったため、在来工法のお風呂は減少傾向にあります。
ハーフユニットバス

ハーフユニットバスとは、浴槽や床など浴室の下半分を工場で生産し、壁や天井など上半分を現場で施工するタイプのお風呂です。
既製品とオーダーメイドの中間的な位置づけで、在来工法とユニットバスの両方の特徴をあわせ持っています。
ユニットバスは肩湯や採光など、さまざまなオプションを組み込みやすい一方、タイルや天然石など自然素材を生かした浴室には向きません。
ハーフユニットバスであれば、ユニットバスの機能性や断熱性・暖かさを保ちながら、在来工法のように素材にこだわった空間を実現できます。
お風呂のリノベーションについては「お風呂のリノベーションを徹底解説!費用相場や施工事例も紹介」で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ユニットバスとシステムバスのメリット4つ
ユニットバスとシステムバスのメリットは以下の4つです。
- 掃除がラク
- 断熱性に優れている
- 工事期間が短い
- 防水性が高い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①掃除がラク
ユニットバスは浴槽・床・壁・天井が一体となった構造のため、つなぎ目が少なく掃除がしやすいのが特徴です。
さらに、水はけのよい床材や、汚れがたまりにくい排水口形状など、掃除しやすい工夫が施されている点もポイントです。
メーカーによっては、より掃除をラクにするオプション機能も用意されているため、導入時に検討してみるとよいでしょう。
- 浴槽床キレイ快適セット:浴槽や床に除菌水をかけてカビや汚れが溜まるのを防ぐ機能(TOTO)
- 床ワイパー洗浄:ボタンをおすとワイパー水流が出て汚れを排水口へ流す(TOTO)
- お掃除浴槽:ボタンを押すとノズルからお湯が出て洗浄してくれる
掃除しやすい床や扉もあるためオプションで検討してみましょう。
②断熱性に優れている

ユニットバスは、床暖房機能や浴室全体を覆う断熱層により、タイル張りのお風呂に比べて断熱性に優れています。
壁や浴槽などが一体化しているため、隙間から熱が逃げたり冷気が入り込んだりするのを防ぎ、気密性の高さが外部からの冷えを予防します。
近年は「断熱材」や「高断熱浴槽」を採用できるメーカーや施工業者も増えており、お湯の温度低下を抑えることも可能に。
さらに、床材もタイルではなく足元が冷えにくい素材を使用することで、足からの冷えを防ぎます。
断熱性の向上には浴室の窓も重要。
内窓を取り付けて二重窓にしたり、熱伝導率の低いガラスを採用したりすることで、浴室全体の冷えを効果的に防ぐことができます。
③工事期間が短い

ユニットバスの工期はオプション内容にもよりますが、一般的には4日程度、長くても10日ほどです。
あらかじめ決まった規格サイズの製品を組み立てるだけであれば、1日で完成することも。
一方、在来工法からユニットバスへ変更する場合は、やや工期が長くなる点に注意が必要です。
工期が短い分、仮設のお風呂や銭湯を利用する回数を減らせるのは大きなメリットです。
ただし、繁忙期には職人の確保が難しく、工期が延びることも考慮しなければなりません。
特に年末年始などの繁忙期は避け、スムーズに工事が進められるよう早めに手配しておくと安心です。
④防水性が高い

ユニットバスは浴室は一体化しているため防水性も高く、水漏れのリスクが少ないことがメリットです。
また、FRP(繊維強化プラスチック)などの水に対して強い素材が使われていることも防水性の高さに繋がっています。
ユニットバス・システムバスのデメリット3つ
ユニットバス・システムバスのデメリットは以下の3つです。
- 通気性が悪くカビが生えやすい
- 設置可能なサイズやオプションが限られる
- 狭さを感じるときがある
それぞれ詳しく解説します。
①通気性が悪くカビが生えやすい
ユニットバスは気密性が高いため、通気性が悪くカビが発生しやすいというデメリットがあります。
断熱性や防水性には優れていますが、その分湿気がこもりやすくなる点に注意が必要。
対策としては、入浴後に換気扇を回したり、窓を開けて湿気を逃がすことが大切です。
また、ワイパーなどで壁や床の水滴を落としておくと、カビの発生をさらに抑えられます。
なお、入浴後すぐにドアを開けると、湿気が脱衣所に移動してカビの原因になるため、窓や換気扇のみを使って換気するようにしましょう。
②設置可能なサイズやオプションが限られる
ユニットバスには「規格サイズ」が決まっており、サイズを超える製品は設置できません。
浴室をリフォームする際、設置場所によっては従来より狭くなったり、そもそも設置できない場合もあるため、事前に業者とよく相談しておくことが大切です。
また、ユニットバスは規格品であるため、対応していないオプションもあります。
どうしても付けたい機能や仕様がある場合は、メーカーのカタログや仕様書を確認し、対応している製品を選びましょう。
③狭さを感じるときがある
ユニットバスは、一般的にコンパクトに設計されているものが多く、人によっては狭く感じる場合があります。
特に身長が高い方や体格が大きい方は、規格サイズのユニットバスでは快適に使えないことも。
浴槽やシャワーの高さはサイズ選びの重要なポイントとなるため、事前に業者とよく相談しましょう。
賃貸物件やマンションでは浴槽の大きさが決められていることも多いため、可能であれば浴室の拡張も検討してみるとよいでしょう。
実際の利用シーンを想定したうえで、ショールームでサイズ感を確認しておくと、後悔のない快適なバスタイムを実現できます。
ユニットバスとシステムバスのリフォーム価格は?
ユニットバスとシステムバスのリフォーム価格のおおよそは以下になります。
浴室やオプションなどによって価格は大きく変わります。
水回りリフォームの費用は「水回りリフォームでできること。費用と流れ、実際の施工事例を紹介」で解説しているため、参考にしてみてください。
弊社ユニテでのユニットバスとシステムバスの施工事例
ここからは弊社ユニテでのユニットバスとシステムバスの施工事例を紹介します。
- 弊社ユニテでの施工事例①老後も安心。暖かくバリアフリーな浴室へ
- 弊社ユニテでの施工事例②約一坪の暖かい浴室
- 弊社ユニテでの施工事例③ユニットバスからユニットバスへリフォーム
- 弊社ユニテでの施工事例④ハーフユニットからユニットバスへ
- 弊社ユニテでの施工事例⑤在来工法からあたたかいユニットバスへ
それぞれ写真付きで解説するので、参考にしてみてください。
弊社ユニテでの施工事例①老後も安心。暖かくバリアフリーな浴室へ

お風呂はライフスタイルに合わせて変化させることが大切な場所です。
将来を見据えた安心・快適な浴室づくりも、リフォームによって実現できます。
例えば、段差の解消や手すりの設置・ヒートショック対策として断熱性の高い浴槽や暖房設備の導入・さらに冷えにくく滑りにくい床材の採用などを検討するとよいでしょう。
介護が必要になった場合でも使いやすい設計にすることで、毎日の入浴をより安全で快適な時間にできます。
弊社ユニテでの施工事例②約一坪の暖かい浴室

約一坪サイズの浴室へリフォームした事例です。
採用したのは、ハウステックの「フェリテ」であり、断熱性に優れており暖房機も備えているため、冬場の寒さも気になりません。
さらに、お手入れのしやすさにも配慮。皮脂などの汚れを防ぐ「クリーンフロア」の床や、取り外し可能なカウンターを採用し、日常の掃除がぐっと楽になりました。
こちらの事例は「【高岡市】くつろぎを生む家事ラク間取りの住まい(旧高岡モデル)」で紹介しているため、参考にしてみてください。
弊社ユニテでの施工事例③ユニットバスからユニットバスへリフォーム

Before


After

浴槽には、人造大理石素材の「ルフレトーン」を採用しました。
FRP浴槽に比べて汚れが落ちやすく、キズも付きにくいため、お手入れがしやすいのが特長です。
鏡はマグネットタイプを選択し将来水垢が落ちにくくなっても簡単に取り外して交換できるものを採用しました。
さらに、鏡を外せば裏側の壁面も掃除できるため、近年特に人気の高い仕様です。
弊社ユニテでの施工事例④ハーフユニットからユニットバスへ

Before

After


After
窓からの寒さを防ぐために、断熱性の高い窓にも取替えました。(※Low-Eペアガラスガス入り)
既設がハーフユニットの場合は、ユニットバスの設置面が土間になっていないことがたまにあるため注意が必要です。
在来の場合は確実に土間になっており、土間打設工事が必須となるため業者と相談しておきましょう。
弊社ユニテでの施工事例⑤在来工法からあたたかいユニットバスへ

Before


After

ユニットバスは断熱タイプのもの(高断熱浴槽含む)にリノベーションした事例です。
浴暖もつけたことにより、在来工法の浴室に比べ断熱性が向上し暖かいバスルームを実現しました。
ユニットバスとシステムバスの違いでよくある質問
ユニットバスとシステムバスの違いでよくある質問をまとめてみました。
- システムバスの耐用年数は?
- おすすめのシステムバスメーカーは?
- ユニットバスとシステムバスはどっちがあたたかい?
それぞれ解説していきます。
システムバスの耐用年数は?
システムバスの耐用年数はおおよそ20年前後といわれますが、交換時期は使用状況によって異なるため、あくまで目安として捉えておきましょう。
次のような症状が見られる場合は、交換を検討するタイミングです。
また、ライフスタイルの変化も交換のきっかけになります。
特に高齢になりバリアフリー化が必要になった際は、またぎやすい浴槽や手すりの設置など、安全で快適に使える浴室へのリフォームを検討しましょう。
おすすめのシステムバスメーカーは?

弊社ユニテでは以下のポイントからLIXILリデアがおすすめです。
お手入れしやすく、暖かいバスルームを探している人はLIXILリデアを検討してみましょう。
ユニットバスとシステムバスはどっちがあたたかい?
ユニットバスとシステムバスは大きな違いがないため、暖かさも変わりません。
モルタルやタイルを使用している在来工法と比べると、ユニットバスの方が断熱性や気密性が高いため暖かい浴室になります。
お風呂の寒さが気になる人は浴室の断熱工事や窓の工夫、浴室暖房の導入などを検討しましょう。
ユニットバスとシステムバスの違いのまとめ
ユニットバスとシステムバスは、大きな違いはほとんどありません。
どちらも工場で製造したパーツを現場で組み立てる浴室で、断熱性や防水性、掃除のしやすさなど多くのメリットがあります。
近年では、追い焚き機能やミストサウナなど高機能なユニットバスが普及したことで、差別化のために「システムバス」という呼び方が使われるようになりました。
一方で、通気性の悪さやサイズ制限といったデメリットもあるため、暮らしのスタイルや家族構成に合わせて選ぶことが大切です。
お風呂は毎日の疲れを癒す空間。ライフスタイルや住宅環境に合った浴室を選び、より快適な暮らしを手に入れましょう。
ユニテではユニットバスのリフォーム実績が豊富です。快適なバスタイムを検討している方は、ぜひユニテへご相談ください。