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倉庫リノベーション徹底解説!活用方法やメリット・デメリット、注意事項も紹介

倉庫をリノベーションしたいけど分からない、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間の様々な経験から、倉庫リノベーションの活用方法やメリット・デメリットをまとめてみました。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

倉庫のリノベーションを行いたいものの、具体的な活用方法やメリット・デメリットなどについて知らない人も多いのではないでしょうか。

 

新品のような倉庫を手に入れられる従来のリノベーションだけでなく、倉庫の雰囲気と独自性あふれる空間に魅了され、倉庫リノベーションを検討する方々が増えてきています。
倉庫ならではの広さと高さを活かした倉庫リノベーションでは、魅力的な空間を生み出すことが可能です。

今回の記事では、新しい価値を生み出す倉庫リノベーションについて詳しく解説し、メリットやデメリット・注意事項について説明していきます。
倉庫の魅力を活かしてオリジナリティあふれる空間を作り出す、新しい倉庫リノベーションの可能性を一緒にチェックしてみましょう。

倉庫リノベーションの定義

倉庫リノベーションとは新品のようにキレイにする従来のリノベーションだけでなく、人が住める、または人が常在できる空間にすることを指します。

一般的な倉庫は鉄骨造ですが、基本構造を活かしながら内装や設備を作り替え、新しい価値を持つ素敵な建物に仕上げるリノベーション工事です。

倉庫の特性を活かして再利用することで、新たな生活やビジネスの場を創り出せることも魅力です。

建築基準法における倉庫の用途

建築基準法における倉庫の用途に関して表にまとめたものです。

 

用途 説明
倉庫業を営む倉庫 他人の物品を保管、貯蔵する施設。
倉庫業を営まない倉庫 自己の物品の保管、貯蔵に使用する施設。
農産物の生産、集荷、処理又は貯蔵 農作業小屋や農産物用倉庫などの施設。

 

建築基準法上では、倉庫は通常、人が常駐しない場所です。
しかし、住宅は人が常に存在する可能性が高いため、倉庫リノベーションにおいては建築基準や安全面の観点から倉庫の用途変更が制約されることがあります。

 

なお、倉庫リノベーションにおける用途変更は本記事の後半で詳しく解説していますので、住宅や店舗・オフィスとしての利用を検討している方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。

倉庫リノベーションのメリット・デメリット

倉庫リノベーションのメリット・デメリットは以下の通りです。

 

メリット デメリット
開放的な空間にできる インフラ設備工事が必要な場合がある
空間を優先した個性的なデザインを実現できる 性能の向上と補強が必要
解体費用が抑えられる 綿密な採光・換気計画を立てないといけない
格安で購入できることがある  

 

メリットとデメリットを考慮しながら、倉庫リノベーションを検討することが重要です。

倉庫リノベーションのメリット

倉庫リノベーションの主なメリットは、以下の4つです。
 

メリット
  1. 開放的な空間にできる
  2. 空間を優先した個性的なデザインを実現できる
  3. 解体費用が抑えられる
  4. 格安で購入できることがある

 

詳しく見てみましょう。

1.開放的な空間にできる

 

倉庫リノベーションによって、開放的で魅力的な空間が実現できます。倉庫の特徴として、荷物を多く収容するために天井が高めに設計されていることが一般的です。

倉庫ならではの特徴を活かしたリノベーションでは、高天井による広々とした空間を創出しやすくなります。
特にリビングやオフィスなど人が多く集まる空間に適しており、開放的なレイアウトの実現が可能です。

また、構造部分を残せば、間取りをゼロから作りやすく、好みや用途に合わせた柔軟なレイアウトが作成できます。

2.空間を優先した個性的なデザインを実現できる

 

倉庫には一般的な住宅のような間仕切りがないため、空間を最大限に活かした個性的なデザインにも対応が可能です。

例えば、梁や柱を露出させたり、工業風のインテリアを取り入れたりなど、倉庫のテイストを活かして、独自のデザインを取り入れられます。

倉庫は木造ではないケースが多く、間取りの自由がききやすいということもあり、

倉庫リノベーションによって、他の住宅や建物とは異なる独特なデザイン性を持つ住まいや施設を創造しやすくなるでしょう。

3.解体費用が抑えられる

 

倉庫は最初から空っぽであることが一般的です。
リノベーションの際に不要となるものを取り除くための解体費用が、中古物件と比較して安くなる傾向にあります。

4.格安で購入できることがある


何かしらの用途で新しく建物を購入する方にとって、中古物件の事務所や住宅を購入するよりも倉庫は安く抑えられます。

格安で購入できるという点も魅力でしょう。

倉庫は一般的な需要が低いため、購入競争が少なくなりやすいことが要因です。

特に、店舗経営を検討している方や倉庫リノベーションが気になる方にとって、倉庫は活用しやすい個性的な空間を低コストで入手するための選択肢になるといえます。

倉庫リノベーションのデメリット

倉庫をリノベーションする際は、以下のようなデメリットをあらかじめ把握し、計画段階から環境や居住性を考慮した計画を綿密に立てることが大切です。

 

デメリット
  1. インフラ設備工事が必要
  2. 性能の向上と補強が必要
  3. 綿密な採光・換気計画が必要

 

詳しく見てみましょう。

1.インフラ設備工事が必要

 

倉庫を人が常在できる建物にするには、インフラ設備工事が必要です。
電気や水道、ガスなどの基本設備を整備するため、設備の取り付けや配管工事などの追加費用がかかります。

インフラ設備にかかる費用は、リノベーション費用に上乗せされることが一般的です。
倉庫を別の用途に変える際には、必要な設備の確認と費用面の計画が欠かせません。

また、自治体によってはインフラの開通や契約手続きに各種費用が掛かることも考慮しなければならないでしょう。
倉庫をリノベーションする際には、設備工事に伴う費用や手続きについて事前に確認し、予算とスケジュールを適切に計画する必要があります。

2.性能の向上と補強が必要

 

人が常在するためには、倉庫内の性能向上と補強も必要です。
倉庫内の基礎工事が必要になり、それなりに費用がかかるため注意しておきましょう。

通常、倉庫には人が常在しないため、断熱性能や防音性能が十分に考慮されていません。
場合によっては、耐火性を持つ材料やアスベストが使用されていることもあります。
住宅や店舗・オフィスなどにリノベーションする際は、断熱材の追加や耐火被覆の除去などが必要です。

倉庫の建物補強やメンテナンスも必要になることも忘れてはいけません。

 

倉庫は人が定住する前提で作られていないので、雨漏りや耐震性などに問題があるケースもあります。
安全性や快適性を確保するために「ホームインスペクション」など、専門の調査機関に倉庫の状況調査を依頼しましょう。

3.綿密な採光・換気計画が必要

 

倉庫で考慮されていない綿密な採光・換気計画を立てなければならない点もデメリットだといえます。

倉庫は元々、商品の保管や貯蔵のために設計されているため、本来は人が滞在する場所ではありません。
そのため、倉庫リノベーションでは窓やベランダなどの増設が必要となる場合があります。
 

倉庫リノベーションの費用相場

倉庫リノベーションの費用相場は工事内容や目的だけでなく、基礎工事や設備の有無なども影響します。
人が常在するためには、倉庫内はもちろん外壁や窓もそのまま住居として使用するには不十分です。

倉庫リノベーションは全般的に工事を行うため、トータルで1,000~2,000万円の工費を見ておくとよいでしょう。

倉庫リノベーションで良く取り上げられる、以下の4パターンの費用相場についてご紹介します。

 

倉庫リノベーションで取り上げられる例
  1. 倉庫として新しくリノベーションする場合
  2. 住宅へリノベーションする場合
  3. 店舗へリノベーションする場合
  4. オフィスへリノベーションする場合

 

リノベーションしたい倉庫の使用目的に合わせて予算を慎重に計画し、施工会社とよく相談しながら計画を立てましょう。

倉庫として新しくリノベーションする場合

倉庫の補修工事に関しては、数十万円あれば十分だといわれています。
しかし、倉庫として新しくリノベーションする場合の費用相場は、一般的に20〜100万円程度かかります。

具体的な費用はリノベーションの規模や内容・設備の更新などによって異なります。
必要な補修や改修の範囲によって費用が変動するため、個別の見積もりが必要です。

住宅へリノベーションする場合

倉庫から住宅にリノベーションする費用相場は、条件によって異なります。
費用の目安を表でまとめましたので、参考にしてみてください。

状況 費用の目安
電気やガス、水道、断熱・防音性能が揃っていない場合 1,000万円~
電気やガス、水道が揃っていて、断熱・防音性能が整っていない場合 1,000万円前後
電気やガス、水道だけでなく、断熱・防音性能が整っている場合 500万円前後

 

上記はあくまで目安です。
費用を抑える余地があるとすれば、インフラ設備が整っている場合や外壁の板金を再利用するなどが考えられます。
費用削減の余地があるかどうかも含め、用途を変更する際は複数の施工業者へ見積を取ることがおすすめです。

店舗へリノベーションする場合

倉庫から店舗へのリノベーション費用の目安は、約200~1,500万円が相場とされています。
素材や設備の選択・間取りの変更などこだわりや要望が多いと、1,000~2,000万円以上のコストがかかることもあるでしょう。

オフィスへリノベーションする場合

倉庫からオフィスへのリノベーション費用の目安は、1平方メートルあたり12万円~18万円程度とされています。

 

例えば、60平方メートルのオフィススペースの場合、720万円~1,080万円でのリノベーションが可能という計算です。

ただし、店舗へのリノベーションと同様にオフィスにおいても設備や間取りの変更などで費用は変動します。

倉庫リノベーションにおける注意事項

倉庫リノベーションでは用途変更の手続き確認や、リノベーション後の税金も考慮しましょう。

具体的な用途や地域の条例によって手続きや費用が異なる場合もありますので、複数の施工会社から事前に情報を収集したうえで、アドバイスをもらうと安心です。

用途変更の手続きの有無を確認しておく

倉庫を住宅や店舗に改装する場合は、用途変更手続きが必要なケースがあります。

具体的な条件としては、倉庫から「特殊建築物」に用途変更する場合や、変更する床面積が200平方メートルを超える場合などです。
ただし、店舗部分の床面積が200平方メートル以内であれば、用途変更手続きは不要になることもあります。

また、倉庫をリノベーションするうえで、住宅や店舗・オフィスといった人が常在する用途に変更する際は、建築基準法だけでなく消防法・食品衛生法などに適合しなければなりません。
具体的な手続きは自治体ごとに異なるため、物件が所在する市区町村の自治体ホームページで確認しましょう。

費用に税金を考慮してリノベーション計画を立てる

倉庫の時に納めていた税金よりも、納付額が増える可能性が高いことも考慮しておきましょう。
倉庫から住宅や店舗・オフィスとして用途変更する場合は、リノベーションによって建物の評価額が上がるため、固定資産税や都市計画税が増える可能性があります。

具体的な評価額は変更される用途や改築後の内容によって異なるため算出が困難ですが、税務署や市町村役場などで相談すれば、概算がわかるかもしれません。

法律が関わってくる問題ですので、心配な方は工事を依頼する前に司法書士などの専門家にご相談されることをおすすめします。

富山県で倉庫のリノベーションを検討している際はユニテにご相談ください

富山県周辺で倉庫のリノベーションを検討している方は、ぜひユニテへお気軽にご相談ください。
豊富な施工実績と専門知識を活かし、倉庫リノベーションのご相談に応じています。


プロの視点から最適なプランを提案し、理想の空間を実現するお手伝いをいたします。

 

まずは、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

倉庫リノベーションを考える際のメリットやデメリット・費用相場・注意事項などについて詳しく解説しました。

倉庫に関するリノベーションは、一般的な倉庫への改修だけでなく、住宅や店舗・オフィスなど、さまざまな用途の可能性を秘めています。

広々とした空間や個性的なデザインにより、一味違った場所づくりができる一方で、実現に向けては人が常在するための設備導入や性能向上のための補強など、倉庫ならではのデメリットも改善しなければなりません。

リノベーションにおける費用相場は用途や条件によって異なりますが、予算や用途変更の手続きなど注意事項もあります。

本記事を参考に、ぜひ倉庫リノベーションの可能性を探ってみてください。