
近代的でおしゃれなスケルトン天井。インテリア性の高さが魅力的ですが、音の響きや空調効率など、生活面で気になる点も。この記事ではスケルトン天井について詳しく解説します。ユニテでの施工事例も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次

株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
「スケルトン天井っておしゃれだけど、実際に導入してみたらどうなのかな?」
「スケルトン天井のメリット・デメリットを知って安心して導入したい!」
近代的でおしゃれなスケルトン天井。インテリア性の高さが魅力的ですが、音の響きや空調効率など、生活面で気になる点も。
しかし、スケルトン天井は導入時に工夫することで、おしゃれで快適な住まいを実現することができます。
この記事ではスケルトン天井について詳しく解説します。ユニテでの施工事例も紹介しているため、導入後のイメージを膨らませたい人もぜひ参考にしてみてください。
スケルトン天井とは
スケルトン天井とは、配管や配線・柱・梁などが見えるようにした天井をいいます。コンクリートや木材が見える状態となっており、無機質でスタイリッシュなデザインとして人気があります。
天井が高いことが特徴であり、スタジオやカフェなどおしゃれで開放的な空間でよく採用される傾向に。近年ではデザイン性の高さからオフィスや自宅、賃貸などでも取り入れられるようになっています。
スケルトン天井に似たものとして「躯体表し(くたいあらわし)」があります。躯体表しとは、コンクリートなど建物の構造(躯体)を仕上げ材で隠さず、そのまま見せるデザインのこと。
「躯体表し」は構造部分のみを見せるのに対し、「スケルトン天井」は構造に加えて、配管や配線などの設備まで見せるという点が大きな違いです。どちらも無骨で開放感のある空間づくりに向いており、好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
躯体表しについては「躯体現しとは?知っておきたいメリット・デメリットを紹介」で解説しているため、参考にしてみてください。
スケルトン天井の3つのメリット
スケルトン天井の3つのメリットは以下になります。
- デザイン性が高い
- 開放感を得られる
- 配線や配管のメンテナンスがしやすい
詳しく見ていきましょう。
デザイン性が高い
スケルトン天井はコンクリートがむき出しになったり、配管や空調も見えているため無機質な空間になります。この無機質な空間がスタイリッシュでおしゃれな雰囲気にできるため人気です。
スケルトン天井のむき出しになっているコンクリートを白く塗ることで、無骨さをやわらげたきれいめのスタイルに変更することもできるでしょう。
さらに、コンクリートにアイアンなどのインテリアと組み合わせることで、よりおしゃれな空間を演出できるようになります。
開放感を得られる
スケルトン天井は天井の高さを確保できるため、開放感のある心地よい空間を演出できます。天井が低いと圧迫感や閉塞感がありますが、スケルトン天井では視界が広がるため、室内が広く感じられることもメリットといえるでしょう。
高さに制限のあるマンションや、築年数が古く低めになっている家にもスケルトン天井はおすすめです。
配線や配管のメンテナンスがしやすい
スケルトン天井は配線や配管が見える状態のため、メンテナンスがしやすい点も大きな魅力です。
通常の天井では、問題箇所を探すために天井を剥がす必要がありますが、スケルトン天井ならその手間がかかりません。張り替えの費用や時間も省けるため、効率的に点検・修理を行うことができます。
スケルトン天井の5つのデメリット
スケルトン天井の5つのデメリットは以下になります。
- 定期的な掃除が必要
- 音が響きやすい
- 空調効率が下がる
- 部屋が暗くなりやすい
- 天井工事のコストが増えることがある
詳しく見ていきましょう。
定期的な掃除が必要
スケルトン天井では床や机にほこりが溜まりやすいため、定期的な清掃が必要であることがデメリットです。
一般的な天井は、配管部分にたまるほこりは天井がうけとめて屋根裏に溜まります。しかし、スケルトン天井ではそのまま部屋にホコリが落ちてしまい、ホコリが床や机に溜まりやすいため清掃が欠かせません。
また、配線やダクトにたまったほこりが見えてしまうため、こまめに清掃をしないと清潔感に欠ける部屋となってしまうため清掃頻度が高くなることもデメリットといえるでしょう。
音が響きやすい
一般的な天井には、吸音性や遮音性の高い素材が使われることで防音効果を得ています。しかし、スケルトン天井では遮音性のある素材がないため音が響きやすくなることがデメリットになります。
そのため、近隣の部屋の人に音が漏れてしまう可能性があるため対策が欠かせません。
対策としては、吸音パネルを設置したり、カーペットなどで床からの反響を抑えたりする方法がありますが、追加の費用がかかる点には注意が必要です。
空調効率が下がる
一般的な天井は断熱を考慮して設計されていますが、スケルトン天井では断熱材がないため外気の影響を受けやすくなります。内装や間仕切りを外すことで冷房が効きにくくなり、電気代がかかりやすくなってしまうでしょう。
また、コンクリートは熱しやすく冷えやすい素材であるため、外気の影響をより受けて部屋の温度に影響します。
スケルトン天井の空調効率を上げるにはシーリングファンの設置を検討しましょう。シーリングファンを設置することで空気の流れができるため、室温を保つことができます。
スケルトン天井では空気循環も考慮し、効率よく快適な室温にできる工夫が必要となるでしょう。
部屋が暗くなりやすい
スケルトン天井は天井が高いため、照明の光が届きにくく部屋が暗く感じやすいです。部屋が暗いと気分が落ち込んだり、目の疲れや視力低下の原因になるため注意しましょう。
対策としては、ライトの種類や数を増やして部屋全体を明るくする方法があります。特に、広い範囲を照らせるシーリングライトがおすすめです。
また、天井を白やアイボリーなど光を反射しやすい色に塗装することで、空間全体を明るく見せることもできるでしょう。
照明や塗装を工夫することで、部屋を明るく快適に過ごせるようになります。
天井工事のコストが増えることがある
普通の天井をスケルトン天井にリノベーションする場合、天井の撤去費用が発生します。賃貸の場合は、退去時には天井を張り直す手間や費用がかかることがデメリットといえるでしょう。
加えて、むき出しになっているダクトのカバーなど追加で費用が必要となることもあります。そのため、現在の天井を活かす場合に比べて内装工事のコストが高くなる傾向にあるため、事前に業者とよく相談しておくことが大切です。
スケルトン天井を採用するときの4つのポイント
スケルトン天井を採用するときの4つのポイントは以下になります。
- ホコリなどの掃除方法を知っておく
- 天井は明るい色がおすすめ
- 賃貸やオフィスの場合は許可を取る
- コンクリート状態を確認しておく
詳しく見ていきましょう。
ホコリなどの掃除方法を知っておく
スケルトン天井のメンテナンスには、しっかりとした清掃が必要となります。清掃は以下の方法で行うとよいでしょう。
スケルトン天井は埃や汚れが溜まりやすいため、最低でも年に一度は天井の清掃をしましょう。スケルトン天井をこまめにメンテナンスをおこなうことで床や机にホコリが落ちにくくなり、部屋の清潔を保つことに繫がります。
数年に1度は専門業者にメンテナンスをお願いするとなおよいでしょう。
天井は明るい色がおすすめ
天井は明るい色がおすすめです。明るい色は反射作用があるため、部屋を明るく見せる効果があるためです。
おすすめの色はホワイトやアイボリーです。ブラックやシルバーはシックな印象になりますが、やや部屋の印象が暗くなるデメリットがあるため導入には注意が必要です。
シックな色を採用する場合はライトを多めに採用するなど、照明を工夫しましょう。
賃貸やオフィスの場合は許可を取る
賃貸やオフィスにスケルトン天井を採用する場合は、許可を取っておくとトラブルを未然に防ぐことができます。
スケルトン天井にするには天井材を取り外し、天井裏の配線を整える必要があります。工事の内容によっては、ほかの入居者や建物全体に影響を与えることもあるため承諾を得ておきましょう。
賃貸借契約や規約によっては、物件に対して許可されている工事の範囲が定められています。オフィスや賃貸は様々な法律に基づいて作られており、天井に関しては排煙窓の位置が関係することがあるため確認しておきましょう。
たとえば、排煙窓には「天井面から50cm以内(建物によっては80cm以内)」という設置基準があります。スケルトン天井を採用して天井を高くすると、これまで排煙窓として機能していた窓が基準を満たさなくなり、排煙窓として認められない可能性があります。
自然排煙ができなくなると、建築基準法や消防法に抵触するトラブルになりかねないため事前に必ず相談しておきましょう。
コンクリート状態を確認しておく
スケルトン天井を採用するときは、コンクリートの状態を事前に確認しておくことが大切です。劣化が進んでいる場合は、補強や塗装といった追加工事が必要になり、想定外の費用がかかる可能性があるからです。
事前に状態をしっかりチェックすることで、予期せぬトラブルや追加コストを避けつつ、安全で魅力的なスケルトン天井を実現できるでしょう。
スケルトン天井の施工事例
ここではユニテでのスケルトン天井の施工事例を紹介します。
スケルトン天井は以下のように天井高が高くなるため、開放的な空間を実現することができます。
スケルトン天井は天井高が高くなるため部屋が暗くなるというデメリットも。以下のようなダウンライトを採用することで明るさも兼ね備えたリビングになるでしょう。



木材を活かすために暖かみのあるライトを採用することで、よりナチュラルで落ち着きのある空間に仕上げることができます。
ユニテではスケルトン天井の施工事例があるため、検討している人はぜひご相談ください。
スケルトン天井でよくある質問
スケルトン天井でよくある質問を集めてみました。
- スケルトン天井は木造の家でもできますか?
- スケルトン天井の施工費用のめやすは?
- スケルトン天井はなぜオフィスで人気なのか?
詳しく見ていきましょう。
スケルトン天井は木造の家でもできますか?
スケルトン天井は木造の家でも施工できます。スケルトン天井を木造の家で導入する場合、以下のポイントをチェックしておきましょう。
リフォーム後にすぐ立て替えが必要にならないよう、導入前に上記のポイントを確認しておきましょう。スケルトン天井のリフォームをする場合、同時に耐震・断熱工事も相談しておくとより快適な空間になります。
デザイン性だけでなく安全や保温性も高く、安心できる家作りを心がけましょう。
スケルトン天井の施工費用のめやすは?
スケルトン天井の施工費用のめやすは、坪単価で20~40万といわれています。内装などを全て撤去し、空調設備や電気設備などを設置する必要があるため、通常の内装工事よりも費用が高くなりがちです。
希望予算を決めてから業者と相談し施工するとよいでしょう。
スケルトン天井はなぜオフィスで人気なのか?
スケルトン天井は、天井が高いため開放的になり、広々とした空間を作ることができます。そのため、社員のクリエイティビティや業務パフォーマンスの向上にもつながると考えられているため人気があります。
天井の高い空間はアイディアの創出に適しているとも言われているため、創造性を大切にしたい業種にもスケルトン天井はおすすめといえるでしょう。
スケルトン天井のまとめ
スケルトン天井はおしゃれで開放感のあるデザイン性や、配線・配管のメンテナンスがしやすいメリットがあります。一方、掃除の手間や音の響き、空調効率の定価など、生活面でのデメリットもあります。
しかし、導入前にポイントを抑えて対策することで、スケルトン天井でも快適に過ごすことができます。
この記事で紹介したメリット・デメリットや注意点を参考に理想の住まいづくりに役立ててください。
ユニテではリノベーションの相談も受け付けております。スケルトン天井を検討されている人はぜひ気軽にご相談ください。