
擁壁のリフォームは、軽い補修の段階で行うと費用を抑えられますが、全面的な作り直しは数百万を超えるケースがあります。本記事では擁壁リフォームの費用相場や費用が高くなるケースを解説。擁壁リフォームに使える補助金や業者選びのポイントも紹介します。
目次

株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
「我が家の擁壁(ようへき)、このままで大丈夫かな?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
擁壁のリフォーム費用は、軽い補修なら10万円ですむ場合がありますが、全面的な作り直しになると数百万を超えるケースもあります。特に富山・北陸エリアは、冬の凍結や春の雪解け水が擁壁の劣化を早める地域特有のリスクがあるので、早めの確認と対処が大切です。
この記事では、擁壁リフォームについて以下のポイントを解説します。
- 擁壁リフォームの費用相場
- 擁壁リフォーム費用が高くなるケース
- 擁壁の劣化サイン
- 擁壁リフォームに使える自治体の補助金・助成金
- リフォーム業者選びのポイント
擁壁リフォームが必要になるのはどんなとき?
擁壁はコンクリートやブロックで造られていますが、年月とともに劣化します。劣化を放置すると擁壁が崩れる危険があるため、早めに状態を確認しておくことが大切です。
まずは、自宅の擁壁がどの種類で、どのくらいの寿命を持つものかを把握しましょう。
擁壁の種類と耐用年数(30〜50年)
擁壁には複数の種類があり、素材や工法によって耐用年数が変わります。一般的な目安は30〜50年です。
擁壁のおもな種類は以下の通りです。
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※耐用年数は目安です。富山・北陸エリアでは冬の凍結融解サイクルの影響で、実際の寿命が短くなるケースがあります。
擁壁のリフォームが必要になるケース
擁壁のリフォームが必要になるきっかけは、劣化・損傷だけではありません。おもなケースは4つあります。
- 劣化・損傷 :ひび割れ・傾き・排水不良など、目に見える問題が出ている状態
- 不適格擁壁:昭和40〜50年代の造成地に多い、現行の建築基準法を満たしていない古い擁壁。新築や建て替えの際に、行政から是正を求められるケースも
- セットバック:擁壁が道路の境界線をはみ出しており、後退工事が必要なケース
- 高低差のある土地の造成:新たに擁壁を設置・やり替える必要がある場合
注意したいのは、売却や建て替えの際に初めて「不適格擁壁だった」と発覚するケースが少なくない点です。気になる方は、早めに専門家へ相談しましょう。
(参考:建築基準法第88条・施行令第142条)
放置は危険!今すぐ確認したい擁壁の劣化サイン3つ
擁壁の劣化は、外から見ただけで分かる形で変化が現れます。
ここで知っておきたいのが、民法第717条(土地工作物責任)という法律です。擁壁が崩れて隣の家や通行人に被害を与えた場合、所有者は「無過失責任」を負います。「知らなかった」「前の持ち主が建てた擁壁だから関係ない」という主張は、法律上一切通りません。最悪の場合、数千万円規模の損害賠償を求められる可能性があります。
擁壁の劣化に早めに気づいて対処し、崩壊リスクを防ぎましょう。
1. ひび割れ・ふくれ・変形
ひび割れや変形は、擁壁の内部で劣化が進んでいるサインです。専門家などに早めに診てもらいましょう。
表面的には小さなひびに見えても、内部では鉄筋の腐食や水の浸入が進んでいる可能性があります。特に富山など北陸では、ひびから入り込んだ水が冬に凍ると体積が膨らみ、コンクリートを内側から押し広げます。この「凍結融解作用」が毎冬繰り返されることで、見た目以上に劣化が進みます。
判断の目安は以下の通りです。
- ヘアークラック(0.2mm未満):軽度。定期的な観察と防水処理で対応可能
- 構造クラック(0.2mm以上):要注意。内部の鉄筋腐食が進んでいる可能性が高い
- ふくれ・はらみ出し:土圧に負け始めているサイン。崩壊リスクが高く、緊急対応が必要
- 傾き・変形:目視で確認できる場合は、すぐに専門業者へ相談を
2. 排水の不具合(水抜き穴の詰まり・水のしみ出し)
擁壁の崩壊原因として特に多いのが、排水不良です。まず、水抜き穴の状態を確認し、以下のポイントをチェックしましょう。
- 水抜き穴が落ち葉・土砂・コケで詰まっていないか
- 擁壁の面全体から水がしみ出していないか(正常なら水抜き穴からのみ排水される)
- 大雨や雪解けの後、水抜き穴から水が出ているか
対処法は、水抜き穴の清掃や新設が基本です。詰まりがひどい場合は、排水管を新たに埋め込む工事が必要になるケースもあります。
3. 白色生成物(白華現象)
擁壁の表面に白い粉や縦筋状の染みが出ている場合、「白華(エフロレッセンス)」と呼ばれる現象が起きています。コンクリート内部に水が浸み込み、石灰成分が溶けて表面に染み出したものです。
軽度であれば見た目の問題にとどまりますが、広範囲に広がっている場合や、ひび割れと同時に発生している場合は、内部の劣化が進んでいるサインです。
擁壁リフォームの費用相場【工事内容別】
擁壁リフォームの費用は、補修で済むか、作り直しが必要かによって大きく変わります。
擁壁を新設する場合、現場の環境や条件によって費用は変わりますが、1㎡あたり10万円前後が一般的な相場です。
劣化の程度・擁壁の高さ・面積・立地条件によって工事内容が変わるため、費用の幅は広くなります。
補修・メンテナンス|10~50万円前後
ひび割れへの充填や水抜き穴の清掃など、軽微な補修は10~50万円ほどです。
放置すればするほど工事の規模が広がり、費用も増えていきます。擁壁は早めに補修し、トータルの工事費を抑えましょう。
構造補強|100万円以上
擁壁が表面的な補修では対応できないほど劣化が進んでいる場合、構造補強工事が必要になります。その場合の費用は100万円以上になるケースが一般的です。
放置すればするほど工事の規模は大きくなるため、気になるサインが出たら早めに専門家へ相談しましょう。
別途かかる費用(解体撤去・残土処分・重機回送)
本体の工事費に加えて、以下の費用が別途かかるのが一般的です。見積もりを取る際は、必ず内訳を確認しましょう。
- 解体・撤去費
- 残土処分費
- 重機回送費
これらが上乗せされると、本体工事費だけの金額より総額が2〜3割ほど高くなる場合があります。
正確な費用は現地調査で確認を
ここまで紹介してきた費用はあくまで目安です。擁壁リフォームの正確な金額は、現地を見なければ算出できません。
土質・水はけ・高低差・周辺の環境など、現場ごとの条件が費用に大きく影響するためです。同じ面積の擁壁でも、立地や工法の違いで総額が大きく変わることがあります。
見積もりを取る際は、「本体工事費」「解体費」「残土処分費」「重機費」が個別に記載されているか確認しましょう。
ユニテでは現地調査とお見積もりを無料で行っています。まずはお気軽にご相談ください。
擁壁リフォーム費用が高くなる2つのケース
同じ面積の擁壁でも、条件次第で費用が大きく変わります。特に注意が必要なのは以下の2つのケースです。
- 立地条件が悪い
- 高さ2mを超える擁壁
ケース①立地条件が悪い
高低差が大きい・急斜面・周辺道路が狭くて大型重機を搬入できないなどの場合は、人力施工や小型重機の多用により人件費と工期が増えます。
近隣への影響を抑えるための交通規制や養生の費用も加わります。
ケース②高さ2mを超える擁壁
高さ2mを超える擁壁の場合、建築基準法に基づく「工作物確認申請」の提出が義務付られており、申請費用・構造計算費・設計費・検査費が追加でかかります。
(参考:建築基準法施行令第142条)
自治体の補助金・助成金を活用し費用を抑える
擁壁の軽微な補修に使える補助金は基本的にありません。補助金が下りるのは「防災工事」として認められる一部のケースに限られます。
富山県内で活用できる可能性がある制度は、おもに以下の2つです。
- 富山市・高岡市など各自治体で実施
- 高低差2m超・傾斜角30度以上のがけに近い住宅を、安全な場所へ移転する費用を助成する制度
- 解体費などで最大数百万円の補助を受けられる
- 「擁壁を直す」制度ではなく、「危険な場所から家ごと移転する」制度
- 令和6年能登半島地震で液状化の被害を受けた宅地限定
- 富山市・高岡市・射水市・氷見市・滑川市で液状化被害を受けた宅地が対象
- 対象工事費から50万円を差し引いた額の3分の2(上限766万6千円)が支援
工事の着工前に、各市町村の防災課・建築課の窓口で確認しましょう。
知っておきたい手続きと業者選びのポイント
擁壁工事には、法的な手続きが必要になるケースがあります。手続きを知らずに工事を進めると、後からトラブルになるケースも。
信頼できる業者選びと合わせて確認しましょう。
高さ2mを超える場合は工作物確認申請が必要
高さ2mを超える擁壁を新設・やり替える場合、建築基準法に基づく「工作物確認申請」の提出が法律で義務付けられています。
高い擁壁は崩壊した際の影響が大きいため、工事前に行政が構造の安全性を確認する仕組みです。
申請には構造計算書・設計図書・配置図などが必要で、専門家が作成します。申請費用は数万〜十数万円が目安です(規模や申請機関によって異なります)。
高さ2m以下の擁壁でも、自治体の条例によっては届出や許可が必要な場合があります。工事前に必ず地元の建築指導担当課に確認しましょう。
無確認で施工した場合、是正命令や罰則の対象になることがあります。
信頼できる業者を見極める3つのチェックポイント
まず大前提として、「安すぎる見積もりを鵜呑みにしない」ことが大切です。残土処分費や重機費の高騰が続く現在、極端に安い見積もりには諸経費の記載漏れや不適切な処分が隠れているリスクがあります。
業者を選ぶ際は、以下の3点を確認しましょう。
【チェック1】地元の土木規制・条例に詳しいか
市区町村ごとに擁壁に関する条例や規制が異なります。富山県内のルールを把握している業者を選ぶと安心です。
【チェック2】見積書に諸経費が個別に記載されているか
解体費・残土処分費・重機回送費が明確に記載されているか確認してください。「一式」という表記だけの見積もりは要注意です。
【チェック3】擁壁工事の施工実績があるか
写真付きの施工事例を見せてもらえるか確認しましょう。口コミや評判も参考になります。
担当者の説明が分かりやすい、質問に対して丁寧に答えてくれるかどうかもチェックしましょう。
リフォームについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
相見積もりは失礼?リフォーム会社がマナー違反にならない策を解説
擁壁のリフォームもユニテへおまかせください!
擁壁のリフォームも、ぜひユニテにお任せください。ユニテは富山県を中心に、外構・擁壁工事からリノベーションまでを一括してお引き受けしている地域密着型のリフォーム会社です。
富山の土木規制や気候特性を熟知したスタッフが、現地調査から施工・アフターフォローまで対応します。「まず話を聞いてみたい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。
擁壁リフォームはプロへの相談が安心への近道
擁壁の耐用年数は30〜50年が目安ですが、富山・北陸では凍害や雪解け水による劣化が早まるリスクがあるので注意が必要です。
擁壁は劣化を放置するほど工事の規模が大きくなり、費用も増えていきます。擁壁は早めにリフォームして、コストを抑えましょう。
- 補修・メンテナンス|10~50万円前後:ひび割れへの充填や水抜き穴の清掃など、軽微な補修
- 構造補強|100万円以上:表面的な補修では対応できないほど劣化が進んでいる場合
- 別途かかる費用:解体・撤去費、残土処分費、重機回送費。工事費全体の2〜3割増しになるケースも
気になるサインが一つでもあれば、まずは現地調査からはじめてみてください。ユニテでは、現地調査とお見積もりを無料でお伺いしています。お気軽にご相談ください。




