対面キッチンにしたいけどどうしたら良いか分からない、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間の様々な経験から、対面キッチンの種類やメリット・デメリットをまとめてみました。
目次
株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
SNSやHPで見かけるオシャレな対面キッチン。
一方で、従来の壁付けキッチンの安定感も捨てがたいという方もいるでしょう。
今回の記事では、対面キッチンの種類・メリットやデメリットを徹底解説します。
対面キッチンを検討している方は、後悔しないようぜひチェックしてみてください。
対面キッチンとは?
対面キッチン(カウンター式キッチン)とは、リビングと壁で仕切られていない開放的なキッチンのことです。
名前が示すように、料理をしながら家族やお客さんと顔を合わせることで会話が楽しめます。
本章では、対面キッチンの特徴と種類について詳しく解説します。
対面キッチンの特徴と種類ごとの特色を把握し、あなたに最適なキッチン選びの参考にしてみてください。
対面キッチンの特徴
対面キッチンの特徴は以下の通りです。
- 視線が通りやすく、生活の中心が一目瞭然
- 家族とのコミュニケーションを深められる
- 家事とリラクゼーションを同時に楽しめる
- 子どもの様子を見ながら家事ができる等、子育て中の家庭に便利
特に対面キッチンはファミリー層に人気の高いキッチンスタイルで、ユニテでも子育て世代のご家族を中心に人気です。
対面キッチンの種類
対面キッチンにはさまざまな種類があり、主に以下の5種類に分けられます。
対面キッチンの種類 | 特徴 |
アイランドキッチン | キッチンが島のように独立した配置 |
ペニンシュラキッチン | キッチンの左右どちらかが壁に接している |
I型対面キッチン | コンロやシンクなど直線に並んでいる |
L型対面キッチン | L字型に配置され、シンクとコンロが90度で向き合う |
セパレート型キッチン | コンロとシンクが分離している(「II型」とも) |
それぞれの特性や利点が異なるため、自分のライフスタイルや家族構成、住まいの間取りに合わせて選ぶことが大切です。
詳しくは次の章で個々に解説していきます。
アイランドキッチン
アイランドキッチンとはリビングやダイニングから見て、まるで島のように独立して配置された対面キッチンの一種です。
四方全てが開放されていて自由に動き回れるほか、料理中でも家族との会話や来客時のコミュニケーションを楽しむことができます。
また、アイランドキッチンは部屋の中央に位置することが一般的であるため、部屋全体を見渡せるのも大きな魅力です。
しかし、配置には十分なスペースが必要となります。
ペニンシュラキッチン
ペニンシュラキッチンは、左右の一方が壁に接している対面キッチンの一種で、名前の由来は半島(Peninsula)からきています。
アイランドキッチンとは異なり、一方向が壁に固定されているため、キッチン設備を壁面に設置しやすく、配管工事も容易です。
さらに、開放感とプライバシーを両立したいときや、空間を有効に活用したい場合に適しています。
一方で、周囲を自由に歩くことは難しいため留意しましょう。
I型対面キッチン
I型対面キッチンは、コンロやシンクなどが横一直線に並んだシンプルな配置を特徴とするキッチンスタイルです。
壁付けキッチンとしても、対面キッチンとしても対応可能なため、レイアウトの自由度が高いキッチンタイプです。
一直線上に配置された調理スペースは動線を最小限に抑え、効率的な調理ができます。
ただし、その特性上、広いキッチンスペースを必要とするため、部屋の間取りやスペースによっては配置が難しい場合もあることを覚えておきましょう。
L型対面キッチン
L型対面キッチンは、キッチンカウンターがL字型に配置されているスタイルです。
多くの場合、シンクとコンロが90度の角度で配置されています。
この配置により、調理空間と食事空間が自然と分かれるため、調理中の飛び跳ね油や匂いがリビングスペースに広がりにくいという利点があります。
ただし、キッチンとリビングの間に壁がないため、生活音は気になるかもしれません。
セパレート型キッチン
セパレート型キッチンは、コンロとシンクが独立して設置されている特徴的なキッチン形状です。
別名「II型キッチン」とも呼ばれています。
セパレート型の形状は効率的な動線を提供しつつ、調理スペースと洗い物スペースを分けやすい構造です。
それぞれのスペースが独立しているため、1つの作業が他の作業に影響を与えにくいのが大きな利点です。
対面キッチン・壁付けキッチン・独立型キッチンの違い
キッチンの配置は、使い勝手や空間の利用に大きく影響します。
キッチンレイアウト自体は主に以下の3つに分類され、それぞれに特徴と利点があります。
- 対面キッチン
- 壁付けキッチン
- 独立型キッチン
本章では、以下の項目から、それぞれの違いについて詳しくご紹介します。
1.レイアウトと配置
キッチンタイプ | 特徴 |
対面キッチン | リビングと一体化した開放的な配置、会話を楽しみながら家事ができる |
壁付けキッチン | 壁に向かって設置、リビングの一角を占める |
独立型キッチン | 壁で仕切られた独立した空間、集中して家事ができる |
キッチンはそれぞれのレイアウトにより、使い勝手や雰囲気が変わります。
対面キッチンはリビングと一体化した開放的な配置で、会話を楽しみながら家事ができます。
また、壁付けキッチンは壁に向かって設置されるため、リビングの一角になりやすく、やや閉鎖的だといえます。
一方、独立型キッチンは壁で仕切られた独立空間で、集中して家事ができるのが特徴です。
2.機能性
キッチンタイプ | 機能性 |
対面キッチン | ・開放感があり、会話を楽しみながら家事ができる。 |
壁付けキッチン | ・作業スペースが確保しやすい。 ・ただし、リビングとの距離があるため、交流が制限される。 |
独立型キッチン | ・独立した空間だからこそ孤立感も感じにくい可能性がある。 |
キッチンの形状は機能性にも大きく影響します。
対面キッチンは、開放感があるためリビングにいる人とコミュニケーションを取りながら家事ができるのが最大の魅力です。
一方で壁付けキッチンは作業スペースを確保しやすくなるため、リビングとの距離があり、リビングにいる人との交流が限られます。
独立型キッチンは、リビングと部屋が区切られている独立した空間ゆえに集中出来ることから、孤立感を感じにくいかもしれません。
3.雰囲気・空間の使い方
キッチンの種類 | 雰囲気 | 空間の使い方 |
対面キッチン | ・リビングと一体化した開放的な雰囲気 | ・一体感のあるリビングとキッチンの空間を活用し、複数人での料理やパーティーなどに最適 |
壁付けキッチン | ・壁に向かっているため個々の活動に集中しやすい雰囲気 | ・キッチンの作業スペースとリビングが分離されており、作業に集中することが可能 |
独立型キッチン | ・完全に独立した空間で、静かで落ち着いた雰囲気 | ・キッチンが完全に別部屋となっているため、他の部屋の活動に影響を与えずに作業することが可能 |
対面キッチンと同じくリビングと一体感のある構造の壁付けキッチンは、構造上壁を向いて作業をするという点に違いがあります。
リビングやダイニングにいる人とのコミュニケーションが取りづらく、1人で作業することが多くなりがちです。
同じ空間に居ながら孤独感を感じたくないという方は、キッチン専用の部屋が確保できる独立型キッチンまたは対面キッチンの利用を検討するとよいでしょう。
対面キッチンのメリット
対面キッチンのメリットは以下の通りです。
- コミュニケーションが取りやすい
- オープンな空間作りが可能
- 収納スペースが豊富
- 家事動線が効率化できる
詳しく見てみましょう。
コミュニケーションが取りやすい
対面キッチンの大きなメリットは、家族や来客時でもコミュニケーションが取りやすい点です。
対面キッチンはリビングスペースと一体になっているため、家事をしながらでも家族や来客時も会話が可能です。
家事時間を質の高い家族との交流時間に変えることができます。
また子育て世代にとっては、子どもの様子を見ながら料理ができる点が安心感を生み出します。
オープンな空間作りが可能
オープンな空間作りが可能であることも、多くの家庭で対面キッチンが選ばれている理由の1つです。
キッチンがリビングやダイニングと一体化しているため、家事をしながらでもテレビや音楽を楽しめます。
このため、家事をしながらもリラクゼーションを同時に楽しむことが可能となります。
また、空間が広々として見えることから、オープンで明るい印象を与えられます。
収納スペースが豊富
対面キッチンの特徴の1つに、収納スペースが豊富であることが挙げられます。
対面キッチンはリビングと一体化しているため、キッチン周辺にも収納スペースを確保することが可能です。
例えば、天井まで利用したパントリー収納を設けることで、大量の食材や調理器具を整理整頓しつつ、手軽に取り出せる状態を保てます。
対面キッチンは、料理にこだわりたい方やたくさんの食器などを大きな収納スペースにしまっておきたい方にもおすすめです。
家事動線が効率化できる
家事動線の効率化ができることも忘れてはいけません。
料理ができあがった際、対面キッチンだとそのままダイニングに料理を運ぶことができます。
また、使い終わった食器をキッチンから直接下げることも簡単です。
ダイニング側の家族も気軽に手伝えることから、家事の協力がスムーズになり、時間や手間の節約につながります。
対面キッチンは、家事を円滑に進める上で便利なスタイルだといえます。
対面キッチンのデメリット
一体感を大切にしながらも利便性を兼ね備えた対面キッチンですが、デメリットや欠点についても把握する必要があります。
考慮しておきたいデメリットは、以下の通りです。
- ニオイや油はねの問題
- プライバシーの問題
- コストがかかる可能性
詳しく見てみましょう。
ニオイや油はねの問題
対面キッチンを選ぶ際には、ニオイや油はねの対策を考慮する必要があります。
特に揚げ物を調理する際には、ニオイや蒸気と一緒に上昇した油が拡散し、壁や家具に油汚れがつきやすくなります。
対面キッチンの場合、油汚れがリビングに流れて拡散する可能性もあり、掃除やニオイの対策が必要です。
また、リビングのエアコンなどに油汚れが付着することもあるため、定期的な清掃やメンテナンスもしなければなりません。
プライバシーの問題
プライバシーを重視する場合や集中して作業したい場合、対面キッチンはデメリットとして挙げられます。
対面キッチンでは、家事をする際に手元が見えてしまうため、家族や来客によって自身が家事をしている様子を観察される可能性があります。
特に自分の手元や作業中の様子を見られることで、独自の家事スタイルやプライベートな作業が制約されることも考慮しなければなりません。
コストがかかる可能性
対面キッチンを導入する際には、予算に応じた計画と工事費用の見積もりをしっかりと行うことが重要です。
対面キッチンは、カウンターやキッチンアイランドの追加や配置変更が必要となる場合があります。
また、水回りやガスなどの設備配管の変更や電気工事が必要な場合もある点を考慮しなければなりません。
対面キッチンを設置する工事やリフォームにはある程度の費用がかかるため、キッチンに割くべき予算をどのくらいにするか考慮する必要があります。
さらに、対面キッチンにはカウンターや収納スペースなどの要素が多く含まれるため、デザインや材料の選択肢も増え、それに伴ってコストも増加する可能性があります。
対面キッチンの選択を後悔しないためのポイント
キッチンは毎日の生活に欠かせない場所ですので、後悔しないようにリフォームしたいですよね。
自身のライフスタイルや家族の要望を汲み取った対面キッチンを設置する際には、以下のポイントを考慮すると後悔しづらくなります。
- ライフスタイルとのマッチングを重視する
- 予算を考慮する
- 家族の意見を取り入れる
ライフスタイルとのマッチングを重視する
対面キッチンを選択する際には、自身のライフスタイルとのマッチングを重視することが重要です。
対面キッチンはコミュニケーションやオープンな空間を重視する方に向いていますが、自身の生活スタイルや家族構成に合っているか考慮する必要があります。
料理や家事に時間をかける方やプライバシーを重視する方には、壁付けキッチンや独立型キッチンの方が合っている場合もあるため、家族でよく話し合いながら選択することが大切です。
また、キッチンスペースの広さや収納のニーズ、家族の人数なども考慮してピッタリのキッチンを選択しましょう。
自分のライフスタイルに合った機能やレイアウトを持つ対面キッチンを選ぶことで、後悔することなく快適なキッチン空間を実現できます。
予算を考慮する
対面キッチンを選ぶ際には、予算を適切に考慮することで、満足度の高い対面キッチンを選ぶことができます。
対面キッチンはデザインや機能性によって価格が大きく異なります。
予算を明確に設定し、キッチンの仕様や素材、設置方法などを検討することで、無理のない範囲で理想的な対面キッチンの選択が可能です。
また、長期的な視点での予算について考慮することも重要です。
メンテナンスや修理費用・将来のリフォームの可能性などを考え、経済的な面も考慮しましょう。
家族の意見を取り入れる
対面キッチンを選ぶ際には、家族の意見を十分に取り入れることが重要です。
家族全員が快適に使えるキッチンを作るためには、各々のニーズや希望を考慮する必要があります。
家族の生活スタイルや使い勝手の好みなどをよく話し合い、共通の意見を見つけましょう。
また、家族の中でのコミュニケーションや動線の確保、プライバシーの考慮なども重要な要素です。
家族全員が納得し、快適に使える対面キッチンを選ぶことで、後悔することなく満足度の高いキッチン空間を実現できます。
対面キッチンのニオイ対策をしっかり行う
対面キッチンを選ぶ際には、ニオイ対策も忘れずに行いましょう。
以下の点を考慮しながら、リビングへニオイが伝わらないようキッチン内を効率良く換気する工夫が必要です。
- 適切な換気扇の選択
- 換気扇の配置
- ニオイに効果的な換気システムの導入
また、定期的な清掃もニオイ対策には欠かせません。
食材の残りカスや油汚れをこまめに取り除き、衛生的な状態を保つことが大切です。
ニオイ問題に対してしっかりと対策を行うことで、快適な対面キッチン環境を実現し、後悔することなく家事や料理を楽しめます。
リフォーム時に知っておきたいの対面キッチンのポイント
対面キッチンにリフォームする際に知っておきたいポイントは以下の通りです。
- 空間の活用方法を考える
- 照明を工夫する
- 子どもの成長や生活の変化を考慮する
詳しくご紹介します。
空間の活用方法を考える
対面キッチンをリフォームする際には、空間の活用方法について考えましょう。
スペースを最大限活用することで、対面キッチンの使い勝手の向上が期待できます。
例えば、アイランドキッチンや対面カウンターには、引き出しやキャビネットを設置することで、使いやすく整理された収納スペースを確保できます。
また、壁面を利用してシェルフやラックを設置することで、おしゃれな収納スペースの構築が可能です。
また、施工業者のリフォーム事例やポイントも参考になります。
リフォーム時には収納計画を立てて、必要なキッチン用品や食器類の収納スペースを確保し、スペースの有効活用に役立てましょう。
照明を工夫する
照明はキッチンの機能性だけでなく、雰囲気づくりにも影響を与える重要な要素です。
特にキッチンにこだわりを持つ方にとって、対面キッチンの照明は重要なポイントではないでしょうか。
適切な照明の配置や種類によって、キッチンの明るさや使い勝手を向上できます。
ユニテで手掛けた黒部市N様邸の施工事例をご紹介します。
奥様のこだわりがつまった対面キッチンの照明には、ガラスのペンダントライトを採用。
さらに、照明と下がり天井で、カフェのカウンターのような雰囲気に仕上げています。
こだわりの詰まったN様邸の対面キッチン施工詳細は『カフェ風×オールドアメリカン風な家』でご確認いただけます。
子どもの成長や生活の変化を考慮する
子どもの成長や生活の変化を考えた設計は、対面キッチンを施工する際に欠かせない要素の1つです。
小さなお子さまがいる場合、対面キッチンは便利な選択肢です。
カウンターと壁の間にゲートを設置することで、子どもがキッチンに侵入しにくくなります。
ただし、将来的な成長や安全面の観点から、油物を作る時のリスクや衛生面などを考えることがおすすめです。
子どもが小学生にあがると、居心地のよい対面キッチン周辺で宿題をすることもあるかもしれません。
消しゴムのカスやお菓子の梱包材など、生活の中で起こるゴミや汚れに対応する方法も考慮しましょう。
子どもの成長や家族の生活スタイルの変化に合わせて、対面キッチンのリフォームを計画することが大切です。
富山県での対面キッチンリフォームはユニテへお任せください
富山県で対面キッチンのリフォームを検討している方は、ぜひユニテへご相談ください。
キッチンのリフォームは、リビングや住まい全体の構造を考慮したうえでプランニングすることが重要です。
当社では年間1,000件以上のリノベーションのご依頼をいただいており、キッチンを含めた住まいづくりの経験が豊富にございます。
まずは、実績豊富なプロの判断を仰ぎながら検討してみてはいかがでしょうか。
イメージや要望に合った対面キッチンをご提案させていただきます。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
リビングと同居する対面キッチンには、家族や来客とのコミュニケーションの促進やオープンな空間作りなど、多くのメリットがあります。
一方で、ニオイ・油はねの問題やプライバシーの制約などの課題も覚えておかなければなりません。
特に子育て世代に人気のある対面キッチンは、子どもの成長や生活の変化に基づいた安全性を考慮する必要があります。
今回ご紹介した内容を踏まえながら、自身のライフスタイルや家族の意見、予算なども含めて総合的にリフォームを計画しましょう。