実家を二世帯住宅にしたいけど分からない、失敗したくないという想いをお持ちではないでしょうか?私たち株式会社ユニテが30年間様々な経験から、二世帯住宅の基本や費用・事前に考えておくべきことをまとめてみました。
目次
株式会社ユニテ 設計部
設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。
【 保有資格 】
一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士
「二世帯住宅って、どんな生活になるだろう?」
「親世帯と住んで、トラブルにならない?」
「実際、リノベーションにかかる費用はどれぐらい?」
などの不安や疑問を持っている方はいるのではないでしょうか。
二世帯住宅は2つの世帯が一緒に暮らすので、自分の好みだけではなく、もう一方の世帯の気持ちやライフスタイルも考えながら設計することが大切です。また、期間や費用がかかるので、後悔しない設計にしたいところ。
納得できる生活空間になるよう、二世帯住宅についての基本的な知識や実際の体験談を見ていきましょう。
今回は、次の5つに焦点を当てていきます。
- 二世帯住宅の基本知識!向いているのはどんな人?
- 種類ごとのメリット・デメリット
- よくある後悔事例
- 長期的に暮らしやすい住宅づくりのヒント
- かかる費用とつかえる補助金
ご家族の希望をふまえながら読むと、理想どおりの二世帯住宅のイメージを膨らませられるはずです。
そもそも二世帯住宅って何だろう?
二世帯住宅とは、親世帯・子世帯が一緒に暮らせるように設計された家のこと。生活空間をすべて分けた設計もあれば、玄関やキッチンなど一部の空間のみをシェアした設計もあります。
具体的にイメージしやすいよう、よくある3つの質問に回答してみました。
Q. 同居とはどう違うの?
二世帯住宅とは、親子二世帯が一緒に暮らせるように設計された住宅そのものです。一方で同居は、同じ家に2つ以上の世帯が一緒に暮らしている状態を言います。
そのため、キッチンやお風呂などを、一部でも生活習慣を共有していれば同居とみなされます。二世帯住宅のなかでも玄関をはじめすべての空間が分かれている家で暮らしている場合は、同居としてあつかわれません。
Q. 二世帯住宅のメリットは何?
1. もう一方の世帯と一定の距離感をたもって生活できる
特に玄関から寝室まですべての空間を分けた設計にした場合、あいさつ程度の関係にとどめることも可能です。もしくは食事の時間は一緒に過ごすのもあり。遠すぎず近すぎず、ほどよい距離感を保てるでしょう。
2. 子どもの面倒を見てもらえる
急な仕事の予定で家を空けないといけないときや、子どもが発熱してお迎えが必要なとき、代わりに親世帯に面倒を見てもらえます。そのため、仕事と子育てを両立したい人にはおすすめです。
3. 親の介護ができる
親の介護が必要になったとき、二世帯住宅に住んでいれば、わざわざ様子を見に行く必要がありません。認知症による徘徊や、急な体調不良が起きても、すぐに対応できます。
Q. 二世帯住宅が向いているのはどんな人?
二世帯住宅の最大のメリットは、一緒に暮らしながらもプライベートの時間や空間も確保できることです。そのため、次の希望がある人は、二世帯住宅を検討してみても良いかもしれません。
- 一定の距離感を保ちながらも一緒に暮らしたい人
- お子さんが小さいが、共働きしたい人
- 将来的に親の介護を考えている人
理想に合わせて選べる3種類の二世帯住宅
二世帯住宅の種類は、大きく分けて次の3つです。
1. 完全同居型
2. 完全分離型
3. 一部共有型
家族にとってベストな住宅を選ぶには、プライバシーの優先順位・世帯間での距離感の理想・予算の3点を中心に考えてみるのがおすすめ
家族にとってベストな住宅を選ぶには、プライバシーの優先順位・世帯間での距離感の理想・予算の3点を中心に考えてみるのがおすすめ。
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どれが自分の理想に合うのか具体的に知りたい人は、ぜひそれぞれの特徴・メリット・デメリットを参考にしてください。
1. 完全同居型
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2. 完全分離型
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3. 一部共有型
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二世帯住宅にして後悔したのは、こんな時!
実際に二世帯住宅で生活していると、下のような不満が出てきます。
- 親世帯との距離が分からない
- 親の介護がしんどくなってきた
- 親が介護施設に入った
- 子どもの生活習慣が変わった
- ローンの支払いが負担になってきた
せっかく一緒に暮らすのであれば、できるだけトラブルは起こらないようにして、快適に暮らしつづける家にしたいですね。
ここでは、よくある事例を見ていきます。起こり得る問題と対策を考えてみましょう。
後悔1.「親世帯との距離が分からない」
完全分離型のように、生活空間を分けている場合に起こりやすいお悩みです。プライベート空間が保てるため人気の分離型ですが、共有スペースがゼロだと顔を合わせる機会が少なく、よそよそしくなってしまう場合も。
後悔2.「親の介護がしんどくなってきた」
子育てや仕事と親の介護を両立できるように二世帯住宅を選んでも、介護が負担に感じてしまうときがあります。一緒に暮らしているからこそ、なかなか目を離せない・常に手を貸してしまうためです。介護される側も気を遣ってしまうことがあります。
後悔3.「親が介護施設に入った」
せっかく二世帯住宅にしても親が施設に入るとなると、もったいないことに親が生活していたスペースがからっぽになってしまいます。使わないのに掃除だけは欠かせないなど、家事の負担が増えてしまったという声があがっています。
後悔4.「子どもの生活習慣が変わった」
親よりもライフスタイルが変わりやすいのが子どもです。受験期間に入ると、1人で勉強に集中できる静かな空間が必要になります。また、部活動・サークル・遊び・アルバイトで夜おそくに帰ってくることもあるでしょう。このとき、玄関を開ける音や足音にたいして、親世帯が不満をつのらせてしまうケースもあるようです。
後悔5.「ローンの支払いが負担になってきた」
二世帯住宅に建て替えるときは、二世帯でお金を出し合うため予算に余裕がでます。しかし、どちらの世帯も時間が経てば収入・出費は変わってきます。
例えば、親世帯は退職すると年金暮らしに変わって収入が減るかもしれません。子世帯は学費・受験費・医療費がかかってきます。今の収入と支出のみでローンをたてると、将来的に困ってしまいます。
二世帯住宅リノベーション前に相談しておくこと
実際に後悔しない二世帯住宅リノベーションをすすめるために、世帯間の関わり方や設計、お金に関することがらを二世帯間で先に相談しておくのがおすすめ。
とくに考えておくと良いのは以下の5つです。
- 親とのコミュニケーションの頻度
- バリアフリーの設置
- 賃貸としての活用
- 子どもの成長に対応できる設計
- マネープランの作成
1. 親とのコミュニケーションの頻度
完全分離型の場合、顔を合わせる機会が減ってしまいます。距離感があるといざというとき頼りにくく感じたり、気を使い過ぎてしまうので、定期的にコミュニケーションをとる機会を設けておくといいでしょう。
例えば数日に1回は食事をするなど、決めておくのがおすすめ。おたがいのプライバシーを大切にしながらも、関係性を築いていく工夫が大切です。
2. バリアフリーの設置
バリアフリー機能が充実していれば、子世帯が抱える介護への負担が軽減されます。
そのために、次の工夫ができます。
- 玄関と廊下の段差を低くしておく
- 階段の段差をゆるやかにする
- お手洗いやお風呂には手すりを設置する
- すべりにくい床材を選ぶ
- 暖房設備をととのえヒートショックを防ぐ
- 引き戸にして開け閉めしやすくする
助けが必要なときはお互いさま。ですが、どちらか一方がしんどいさや辛さを感じないような設計を考えておくのも欠かせません。
3. 賃貸としての活用を検討
親世帯が介護施設にうつったり、亡くなった場合は、空きスペースを賃貸として活用できます。しかし、賃貸として使用できるのは完全分離型のみなので、注意が必要です。
4. 子どもの成長に対応できる設計
子どもの成長を考えると、パーテーションで部屋を区切れる設計がおすすめ。小さいうちは親と一緒に眠り、成長してきたら子どもだけで過ごせる空間をつくれるよう工夫しておきましょう。
5. マネープランの作成
親世帯も子世帯も、ライフステージによって返済できる金額は変わってきます。そのため、リノベーションの予算をたてるときは、今後の収入・支出も考慮しましょう。親世帯は退職後のゆとりを、子世帯は子どもの養育にかかる費用を考慮することが大切です。
二世帯住宅にかかる費用は?ケース別に説明!
実際にリノベーションをする際、どれぐらいの費用がかかるのでしょうか?
二世帯住宅にするとき、次の2パターンに分けられます
- フルリノベーションする場合
- 一部リノベーションをする場合
現在のデザインと希望の設計を照らし合わせ、二世帯で予算の相談をしておきましょう。
フルリノベーションする場合
フルリノベ―ションとは、骨組みはそのままに壁などを取り壊してたて直すこと。そのため、コストはかかりますが、希望に沿った設計をお願いできます。
次の希望がある人は、フルリノベーションを検討してみてください。
- 間取りを変えたい
- 水回りの配置や数を変えたい
費用感は、以下の通りです。
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※設備機器や建材の種類により差が生じます。
一部リノベーションする場合
大規模な工事はおこなわず、希望の箇所だけ変更することも可能です。フルリノベーションほど細やかに希望に沿うのはむずかしいですが、予算をおさえられます。
次の希望がある人は、一部のリノベーションがおすすめです。
- 二世帯が暮らせる部屋が十分にある
- 完全同居型を考えている
- お風呂やトイレがすでに2つ以上ある
- 今の家にバリアフリー機能をプラスしたい
施工内容ごとの参考価格は、以下の通りです。
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二世帯住宅のリノベーション費用をおさえるには?
リノベーションにかかる費用をおさえるために希望の施工を諦めることもできますが、おすすめはしません。なぜなら家は生活の中心であり、長期的に使う場所だからです。
支払いの負担を減らしながら、生活スタイルにあわせた住宅を叶えるためにおすすめなのが、給付金の活用です。
こちらでは、次に当てはまる方におすすめの給付金を紹介します。
- 富山市内で二世帯住宅を考えている方
- バリアフリー機能の追加を考えている方
富山市にお住まいの方におすすめの給付金
富山市内で二世帯住宅を検討している方は、「ふるさと回帰リフォーム等補助事業」を利用できます。実家を改装する際は、次の条件に当てはまるかどうかまずは確認してみてください。
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※他、要件あり
バリアフリー機能を検討中の方におすすめの制度
要介護・要支援認定をうけている人が家族内にいる場合、介護保険の住宅改修費制度を検討してみてください。必要におうじてバリアフリー機能を付ける際の費用を、一部負担してもらえます。
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富山県で二世帯住宅を検討している際はユニテにご相談ください
富山県周辺で二世帯住宅へのリノベ―ションを検討している場合は、ぜひ一級建築士が在籍する「ユニテ」にお気軽にご相談ください。
築年数が長い古い家のリノベーション経験が豊富。
家族がつどう温かな空間づくりや、バリアフリーを前提とした施工が得意。
ご実家を二世帯一緒に暮らしやすい空間へと変えられるよう、ご提案いたします。
まとめ
今回は二世帯住宅のおもな種類と、後悔しないリノベーションにつながるヒントをお伝えしました。
【今回ご紹介した内容はこちら】
- 二世帯住宅3種類の説明
- 二世帯住宅にして後悔するケース
- リノベーションの前に考えておくこと
- リノベーションにかかる費用
- 少しでもお手頃に工事をする方法
二世帯でしっかりと話し合ったうえで、双方が納得できるような住宅にできるよう、参考にしてください!