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鉄筋コンクリートの戸建てって実際どうなの?費用・メリット・注意点を解説

「鉄筋コンクリートの戸建てって、木造と比べて何が違うの?」そんな疑問を持つ方は多いでしょう。この記事では、鉄筋コンクリート造・木造・鉄骨造の違いやメリット・デメリットを解説。鉄筋コンクリート造戸建ての費用相場もご紹介します。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「鉄筋コンクリートの戸建てって、実際どうなの?」「木造と比べて何が違うの?」そんな疑問を持つ方は多いでしょう。

 

この記事では、鉄筋コンクリートの戸建てについて、以下のポイントを解説します。
 

  • 鉄筋コンクリート造・木造・鉄骨造の違い
  • 鉄筋コンクリート造戸建ての費用相場
  • 鉄筋コンクリート造戸建てのメリット・デメリット

 

鉄筋コンクリートの戸建てを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

鉄筋コンクリート(RC)造の戸建てとは

鉄筋コンクリート(RC)造とは、鉄筋とコンクリートを組み合わせてつくる建物の構造です。マンションやビルでよく使われるイメージがありますが、戸建て住宅に採用されるケースもあります。

 

まずは鉄筋コンクリート造の基本的な仕組みと、ほかの構造との違いを整理しましょう。

鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造のしくみ

鉄筋コンクリートのRC造とは、Reinforced Concrete(補強されたコンクリート)の略です。

 

コンクリートは押す力に強い一方、引っ張る力には弱いという性質があります。逆に鉄筋は引っ張る力に強いですが、単体では錆びやすく、熱にも弱い面があります。
この2つを組み合わせることで、お互いの弱点を補い合う、非常に強固な構造が生まれるのです。

 

鉄筋コンクリート造の戸建ては、柱・梁(はり)・壁・床のすべてを鉄筋コンクリートで構成します。
鉄筋はコンクリートのアルカリ性環境に守られ錆びにくい状態が保たれるため、建物の耐久性が高く、長い寿命を維持するのが特徴です。

木造・鉄骨造との違いを比較

鉄筋コンクリート造・木造・鉄骨造は、それぞれ異なる特徴があります。
鉄筋コンクリート造・木造・鉄骨造の違いをまとめました。

 

 

鉄筋コンクリート造

木造

鉄骨造

主な構造材

鉄筋とコンクリート

木材

鉄骨・重量鉄骨

耐火性

防音性

間取りの自由度

工期が短い

リフォームのしやすさ

鉄筋コンクリート造戸建ての建築費用

鉄筋コンクリート造の戸建てを検討するうえで、多くの方が最初に気になるのが費用です。木造と比べると建築費は高めになりますが、その理由と実際の金額感を正しく把握しておけば、資金計画が立てやすくなります。

 

鉄筋コンクリート造戸建ての費用を抑える方法もあわせて解説します。

坪単価の目安は135万円

鉄筋コンクリート造戸建ての坪単価は、約135万円が目安です(2025年平均)。木造の戸建ては約76万円なので、約2倍ほど差があります。
鉄筋コンクリート造の戸建ては、型枠の組み立て・解体、コンクリートの打設・養生といった工程が多く、人件費と材料費がかさむため、コストがかかるからです。

 

延床面積30坪の場合、本体費用の目安は約4,050万円以上(土地・地盤改良・諸費用は別途)と費用は高めですが、次に紹介する3つの方法でコストを抑えられます。

費用を抑える3つの方法

鉄筋コンクリート造は構造自体のコストが高めなので、変動しやすい部分で調整しましょう。「費用を抑える=性能を妥協する」ではありません。工夫次第でコストを現実的な水準に近づけられます。

 

①設備グレードを調整する
キッチン・浴室・床材などを標準グレードにして本体費用を抑えましょう。内装建具や床材などを国内規格品にすれば、1,000万円ほどコストを抑えられるケースもあります。

 

②建物形状をシンプルにする
凹凸や曲線の少ない四角い外形にして、型枠コストを削減しましょう。複雑なデザインは特殊な型枠が必要になり、費用が上がります。


③工法・構造を工夫する
プレキャスト工法(工場でコンクリートパーツを製造する工法)を使うと、現場での工期と人件費を短縮できます。また、1階を鉄筋コンクリート造・2〜3階を木造にする「混構造」にすれば、鉄筋コンクリート造のメリットを部分的に取り入れながらコストを抑えることも可能です。

鉄筋コンクリート造戸建ての法定耐用年数は47年

鉄筋コンクリート造の戸建ては、法定耐用年数は47年です。これを聞いて「47年で住めなくなるの?」と不安に感じる方もいますが、そうではありません。

 

鉄筋コンクリート造が実際にどのくらい長持ちするのかを確認しましょう。

木造の2倍以上、資産価値が下がりにくいしくみ

「耐用年数が47年ということは、47年で住めなくなる?」と思う方がいますが、そうではありません。法定耐用年数とは、税法上の減価償却を計算するための指標であり、建物の実際の寿命とは別の話です。
国税庁が定める鉄筋コンクリート造住宅の法定耐用年数は47年で、木造(22年)の2倍以上にあたります。

 

実際の寿命は47年をはるかに超えます。国土交通省によると、鉄筋コンクリート造の物理的寿命は117年と推定されています。

 

ただし、この長寿命はきちんとメンテナンスを行った場合の話です。外壁の防水・ひび割れ補修を10〜15年ごとに実施することが、資産価値を守る基本になります。これを怠るとコンクリートが中性化し、内部の鉄筋が錆びて寿命が大幅に短くなるので注意しましょう。

鉄筋コンクリート造戸建てのメリット

建設費用が高い鉄筋コンクリートの戸建てですが、耐震性・遮音性・デザイン性など、木造やほかの構造では得にくいメリットがあります。

 

ここでは、鉄筋コンクリート造ならではの3つの強みを紹介します。

 

  • 耐震性・耐火性・耐久性が高い
  • 遮音性・防音性に優れている
  • メンテナンスの手間が少ない

耐震性・耐火性・耐久性が高い

鉄筋コンクリート造は、自然災害に対して木造・鉄骨造を上回る強さを持っています。

 

  • 耐震性

コンクリートは圧縮に強く、鉄筋は引張りに強いという特性が、地震の揺れを受け止めます。建物と基礎の間に継ぎ目がなく、外から加わる力を全体に分散できる点も強みです。鉄筋コンクリート造自体の重量が揺れを抑える効果もあります。

 

  • 耐火性

コンクリートは燃えません。鉄筋もコンクリートに包まれているため、高温でも強度を保てます。準耐火〜耐火構造の認定を受けやすく、火災時の延焼リスクが低い構造です。
 

  • 耐久性

シロアリ・腐食・凍害に強く、寒冷地でも安定した品質が保たれます。木造のような防腐処理や防蟻処理が不要なため、維持管理の手間も少なくすみます。

遮音性・防音性に優れている

コンクリートは密度が高く重いぶん、音の振動が伝わりにくい素材です。これが鉄筋コンクリート造の高い遮音性につながっています。

 

こんな方におすすめ
  • 幹線道路沿いや線路の近くに家を建てる方
  • ピアノやドラムなど楽器の演奏を楽しみたい方
  • シアタールームや防音室を設けたい方

 

ただし、完全な防音性が確保できるわけではありません。より高い防音性を求める場合は、追加の防音工事が必要なケースもあります。

メンテナンスの手間が少ない

鉄筋コンクリート造の戸建ては、木造と比べてメンテナンスの手間が少ない点も魅力のひとつです。木造住宅では定期的な防腐処理や防蟻処理が必要ですが、鉄筋コンクリート造はシロアリや腐食の影響をほぼ受けないため、こうした処理が不要です。

 

木造のように頻繁な手入れは必要ないものの、定期的な点検と補修を続けることが、鉄筋コンクリート造を長持ちさせます。

鉄筋コンクリート造戸建てのデメリットと対策

鉄筋コンクリートの戸建ての、知っておくべき注意点は以下の通りです。

 

  • 建築・解体コストが高い
  • 湿気・結露が起きやすい
  • 地盤改良や固定資産税などコストがかかる

 

ただし、デメリットのほとんどは事前に把握して対策を取れば、大きく軽減できます。

建築・解体コストが高い

鉄筋コンクリート造の戸建ては、型枠工事・コンクリート打設・養生など工程が多く、人件費と材料費がかさみます。解体時も重いコンクリートの撤去や産業廃棄物の処分費用もかかるでしょう。また、工期が長いため、建て替えや新築の場合は仮住まいの費用が別途発生します。

 

とはいえ、鉄筋コンクリート造の物理的寿命は117年と長く、長く住むほど1年あたりのコストは下がります。初期費用の高さだけで判断せず、長期的な視点で比較しましょう。

湿気・結露が起きやすい→外断熱と換気で防ぐ

鉄筋コンクリート造の戸建ては気密性が高いぶん、湿気がこもりやすいデメリットがあります。コンクリートは製造時に大量の水を使用しており、乾燥・硬化には数年かかります。建築後しばらくの間は水分が放出され続けるため、結露やカビが発生しやすい環境になりがちです。

 

24時間換気システムを活用したり、調湿性のある仕上げ材を使ったりと、対策を設計段階から組み込めば、湿気や結露の問題はほぼ防げます。

地盤改良や固定資産税など、費用面の注意点

鉄筋コンクリート造の戸建ては建物自体が重いため、地盤への負荷が大きくなります。地盤調査で軟弱地盤と判定された場合は、改良工事が必要です。

建築前には必ず地盤調査を行い、改良工事費も含めた見積もりを取っておきましょう。

 

固定資産税についても注意が必要です。鉄筋コンクリート造は木造より評価額が高く設定されるため、年間の税負担が重くなりやすい傾向があります。

 

こうした費用を事前に把握して計画に組み込み、想定外の出費に焦らないようにしましょう。

鉄筋コンクリート造戸建てのよくある質問

鉄筋コンクリート造の費用や中古物件に関する疑問を中心に、よく寄せられる質問に答えます。

1,000万円台で鉄筋コンクリート造の戸建ては建てられる?

残念ながら、新築でフル鉄筋コンクリート造の家を1,000万円台で建てるのはほぼ不可能です。鉄筋コンクリート造の坪単価は100万円〜150万円が目安のため、1,000万円台では延床面積7〜10坪程度の極小住宅が上限になります。一般的な家族向けの住宅としては現実的ではありません。

 

ただし、工法・構造・購入形態を工夫すれば、鉄筋コンクリート造のメリットを手の届く範囲で取り入れる方法はあります。
 

  • 混構造にする:1階を鉄筋コンクリート造、2〜3階を木造にする「混構造」であれば、鉄筋コンクリート造のメリットを部分的に取り入れながらコストを抑えられる
  • 中古鉄筋コンクリート造物件を購入してリノベーションする:物件価格とリノベーション費用の合計で考えると、新築より現実的な費用に収まるケースがある

 

中古の鉄筋コンクリート造戸建てを買うメリット・デメリットは?

中古の鉄筋コンクリート造の戸建ては、新築より低いコストで鉄筋コンクリート造の性能を手に入れられる点が大きな魅力です。遮音性・耐震性を活かしながら、立地の選択肢も広がります。

 

一方で、確認しておくべき点もいくつかあります。
 

  • 1981年以前に建てられた物件は耐震補強が必要になるケースがある
  • コンクリートの中性化やひび割れ、鉄筋の錆びといった目に見えない劣化が進んでいるケースも→コンクリートの中性化診断や圧縮強度試験の実施をする
  • 2006年以前に建てられた鉄筋コンクリートの建物はアスベストが使われている可能性が→購入前に専門業者による調査を行う

 

中古物件は、購入後のリノベーション費用も含めたトータルコストで新築と比較しましょう。まずはリノベーション会社に相談することをおすすめします。

 

中古の鉄筋コンクリートをリノベーションしたいと考えている方は、こちらの記事が参考になります。

中古住宅リノベーション完全ガイド!物件選びに後悔しないためのコツと注意点

フルリノベーションの費用を徹底解説!物件タイプ別に実例やシミュレーションを紹介

戸建てのリノベーション費用はいくら?実例や失敗しないための方法も解説

鉄筋コンクリート戸建てのリノベーションなら、ユニテへご相談ください!

鉄筋コンクリート造の戸建ては、構造が特殊なため「対応できない」と断られるケースがあります。実際にユニテには、「複数の会社に相談したものの断られてしまい、最終的にユニテへたどり着いた」というお客様からのご相談が寄せられています。

 

木造とは異なる構造特性をしっかり理解したうえで対応できる会社は、決して多くありません。「他社に断られた」「どこに頼めばいいかわからない」という場合でも、まずはユニテにご相談ください。

 

富山県内のリノベーションについて、ご要望やお悩みをお聞きしながら、実現できる可能性をいっしょに考えます。ご相談は無料です。ぜひお気軽にお問い合わせください。

鉄筋コンクリート造戸建てを知れば、選択肢はぐっと広がる

鉄筋コンクリート造の戸建ては、耐震性・耐久性・遮音性・資産価値の高さを持つ住宅です。初期費用は高めですが、法定耐用年数47年・物理的寿命117年という長さで割ると、1年あたりのコストは木造と大きく変わりません。

 

  • 坪単価は全国平均約135万円
  • メリットは耐震・耐火・遮音・メンテナンスの手間が少ない
  • デメリットは建築・解体コスト・湿気・地盤改良・固定資産税。事前の計画と対策で対処しよう

 

「鉄筋コンクリート造の性能は欲しいけれど、新築は予算的に難しい」という場合は、中古の鉄筋コンクリート造戸建てを購入してリノベーションする方法も。新築より低いコストで、鉄筋コンクリート造ならではの強さや静かさを活かした住まいが実現します。