
木造住宅は、リフォームすることで長期にわったって安全に暮らせるようになります。しかし、施工内容の制限や追加費用が生じる場合も。事前に注意点をよく知り、理想の住処を叶えましょう。
目次
「木造住宅って、具体的にどんなリフォームができるの?」
「築年数が古い家だけど、リフォームできるの?」
こうした木造住宅のリフォームに関する疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、木造住宅のリフォームは可能です。
弊社でも、数多くの木造住宅や築古住宅のリフォームを手がけてきました。
ただし、住宅の状態によっては施工内容に制限があったり、追加の工事が必要になる場合があります。
その結果、思っていた完成形と違ったり、予算を超えてしまったりすることもあるかもしれません。
だからこそ、リフォームを始める前に木造住宅の特徴や注意点をしっかり理解しておくことが大切です。
本記事では、施工前後のギャップをできるだけ減らし、理想の住まいづくりを実現していただけるよう、以下のポイントを解説していきます。
- 木造住宅のリフォームでできること
- 築年数別のリフォーム内容の違い
- 木造住宅リフォームの注意点
- 費用相場と利用できる補助金について
- リフォーム事例の紹介
- 木造住宅で後悔しないためにすべきこと
リフォーム後のイメージを明確に持ちながら、後悔のない住まいづくりに役立てていただければ幸いです。
木造住宅のリフォームでできること
木造住宅のリフォームでは、主に以下5つの施工ができます
- 間取りの変更
- 内装のリフォーム
- 外観のリフォーム
- 部分的なリフォーム
- バリアフリー化
間取りの変更

壁や仕切りの位置を変更もしくは取り壊すことで、部屋の配置や広さを変えることができます。
ご家族のライフスタイルによって間取りや動線を変えたくなったときは、その旨をリフォーム会社に相談してみましょう。
内装のリフォーム

内装リフォームでは、壁紙の張り替えや床材の交換、建具の取り替えなどが中心となります。
古くなったクロスやフローリングを新しくすることで、部屋全体の雰囲気が一新し、清潔感や明るさが増します。
家の老朽化そのものは気にならないものの、室内の汚れや傷をどうにかしたいときや、好みが変わったときなどに、やってみましょう。
外観のリフォーム

外観のリフォームとは、壁紙や塗装の張り替えをすることです。見た目を改善することはもちろんですが、建物の耐久性や防水性能を高める役割もあります。
ご自身やご家族の好みだけでなく、機能面にも焦点を当てて素材を選びましょう。
長く住み続けるためのメンテナンスにつながることもあります。
部分的なリフォーム

家全体ではなく、水回りなど特定の場所のリフォームを依頼することも可能です。
設備の劣化や不便さを感じてみたら、その部分だけリフォームを依頼してみましょう。
具体的な施工内容を、表にまとめてみました。
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バリアフリー化

バリアフリーリフォームは、高齢者や子ども、身体に障がいのある方も安全に快適に暮らせる住環境を作るための工事です。
転倒やケガのリスクを減らせるため、家族全員が安心して過ごせるでしょう。
現在の生活に不便がなくとも、今後を見据えてバリアフリーを取り入れる方もいます。
【築年数別】木造住宅のリフォーム内容

木造住宅のリフォームを検討していても、具体的に何から手をつければいいか分からない方も多いでしょう。
「ついでに直しておいた方がいい箇所はある?」「配管は問題ないだろうか?」といった不安を感じることもあるかもしれません。
木造住宅のリフォーム内容は、ご本人の希望だけでなく築年数によっても変わってきます。築年数が経つほど、劣化や傷みが進んでいる箇所が増えるためです。
そこで、築年数別によく行われるリフォーム内容をまとめました。
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住宅の状態は築年数だけでなく、周辺環境や過去の災害被害、日々の使い方によっても大きく変わります。
そのため、実際の施工内容はリフォーム会社に相談しながら決めていくことが重要です。
木造住宅をリフォームするときの注意点
木造住宅をリフォームする場合、必ずしも希望通りに進められるとは限りません。
なぜなら、構造や設備による制約があったり、想像以上に劣化が進んでいたりすることも珍しくないためです。
そこで、木造住宅のリフォームで発生しやすいケースを2つご紹介します。
- 希望の間取りにできない場合がある
- 配管や配線工事が必要な場合がある
希望の間取りにできない場合がある

木造住宅は間取り変更が比較的しやすい構造ですが、すべての希望が叶えられるわけではありません。
建物を支える柱や耐力壁は、撤去や移動ができないことがあり、広い空間や大きな開口部を作るのが難しい場合もあります。
また、天井や床下の構造上、設備の位置変更が制限されることもあります。
わずらわしく感じるかもしれませんが、こうした制約を守ることは耐震性や安全性を保つためには欠かせません。
配管や配線工事が必要な場合がある

築年数の古い木造住宅では、見えない部分にある配管や配線が老朽化していることがあります。特に、排水溝からの悪臭や水漏れが気になる場合は注意しましょう。
水道管や排水管の劣化は、水漏れや詰まりの原因になり、電気配線の劣化は火災リスクにもつながるため、リフォームの際に一緒に修繕してもらうことが大切。
予算を上回る可能性はありますが、長期的に安心して暮らせる家づくりをするためには欠かせません。
木造住宅のリフォームにかかる費用

木造住宅のリフォームにかかる費用相場は、以下の通りです。
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各施工費には人件費も含まれているため、一部だけをリフォームするよりも、気になる箇所をまとめて施工したほうが結果的にお得になる場合があります。
費用を抑えるために必要不可欠な箇所のみを依頼するのも、ひとつの手段。ですが、木造住宅は鉄筋コンクリートに比べて劣化が早いです。
少しでも心配な箇所や修繕してほしい箇所があれば、まとめて施工を依頼することをおすすめします。結果として、相談の手間や最終的な出費を抑えることにもつながります。
木造住宅のリフォームで使える補助金

木造住宅のリフォームには、まとまった費用が必要になります。決して安い買い物ではないため、負担を少しでも軽くできる方法を知っておくことが大切です。
ここでは、木造住宅のリフォームで利用できる補助金を4つご紹介します。
条件や対象工事についてもまとめています。希望する施工内容と照らし合わせながら、申請可能かどうかを確認してみてください。
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子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーンは、環境への配慮と支援を両立しながら、新築やリフォームで省エネ性能の高い住宅づくりを促進する行政の補助制度です。
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先進的窓リノベ
先進的窓リノベとは、既存住宅の窓や玄関ドアを高断熱性能を備えた製品に取り換える場合、その工事費の一部を補助する制度です。
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介護保険法にもとづく住宅改修
介護保険法にもとづく住宅改修とは、要介護または要支援認定を受けている高齢者や障害のある方を対象とした制度です。
在宅で安全・快適に暮らせるようにするための住宅改修費が、介護保険から支給されます。
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参考:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/toukatsu/suishin/dl/07.pdf
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、既存住宅の性能を向上させ、長く快適に住み続けられるようにするリフォームを支援する国土交通省の事業です。
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参考:https://r07.choki-reform.mlit.go.jp/overview/requirement.html
自治体の補助金
上記の補助金以外にも、お住まいの自治体が独自に実施している補助金制度を利用できます。
詳細は自治体の公式サイトで確認するか、役所の窓口に問い合わせてみましょう。
国の補助金制度と比べると、自治体の補助金は条件の自由度が高く、活用しやすい傾向があります。
先ほど紹介した制度は、省エネ性能やバリアフリー化など、機能面の向上を目的とした施工が主な対象です。その分、もともとの施工費も高くなる可能性があるでしょう。
一方で、自治体の補助金には、京都府の「木造住宅耐震改修事業費補助金」のように、木造住宅の改修そのものを対象にしているケースもあります。
特に機能面の向上が必要でない方は、自治体の補助金のほうが利用しやすいかもしれません。
木造住宅のリフォーム事例
実際にリフォームしたい内容が決まっても、内装や外観のイメージがなかなか湧かない方もいらっしゃるでしょう。
「今は傷んでボロボロだけど、リフォーム後には本当にきれいになるのだろうか?」と不安に感じている方も多いはずです。
そこで、弊社が手がけたリフォーム事例を3件ご紹介します。完成後のイメージづくりの参考にしていただければ幸いです。
- 薄暗い屋内から、明るく清潔感あふれる空間に
- 汚れの目立つ空間から、新居同然の室内に
- 落ち着く雰囲気はそのまま、よりすっきりした空間に
薄暗い屋内から、明るく清潔感あふれる空間に


玄関はすりガラスの扉とタイル張りで、冬場は特に冷えを感じやすかった住宅。緑のカーペットが全体的にひかれた床も相まって、室内全体が薄暗い印象でした。
リフォーム後の玄関扉は、ガラス部分を残して自然光を取り入れつつ、幅広のものに交換。廊下や玄関周りも広めに設計し、車いす利用者にも配慮したバリアフリー仕様を実現しました。
室内は、柔らかい色合いのウッド素材に加え、白とグレーを基調とした明るく優しい空間に一新。光が行き渡ることで、家全体が暖かく包まれるような印象となりました。
汚れの目立つ空間から、新居同様の室内に


リフォーム前は、設備全体が古く、汚れも目立っていたこちらの住宅。
どこか重苦しい雰囲気がありましたが、フルリノベーションにより新築同様の清潔感あふれる空間へと生まれ変わりました。
フローリングは明るめの色調に一新し、天井には複数の照明を設置。
これにより、部屋全体がより明るく開放的な印象となり、居心地の良い住まいに仕上がっています。
落ち着く雰囲気はそのまま、よりすっきりした空間に


もともと窓が多く、カーテンの重なりで重苦しく狭く感じられたこちらの住宅。
リフォーム後は、大きめの窓を採用し、必要な自然光を十分に取り込みつつ、不必要な窓は撤去して室内を広々と使えるようにしました。
また、濃いめの色調の木材を中心に用いることで、落ち着きのある雰囲気をしっかりと守りつつ、快適な空間を実現しています。
木造住宅のリフォームで後悔しないためにすべきこと
最後に、木造住宅のリフォームで後悔しないためにすべき3つのことをお伝えします。
- 耐震診断を受ける
- 住宅診断を受ける
- 複数のリフォーム会社に相談する
決して安くはない金額を払ってリフォームするのであれば、快適に長く住める住宅にしたいですよね。
そのためには、事前に住宅の状態を正しく把握し、専門家の意見も踏まえながら検討することが大切です。
耐震診断を受ける

耐震診断とは、専門家が住宅の構造や基礎、壁の強度などを調査し、地震に対する耐久力を評価する検査のことです。
築年数が経った木造住宅は、建築当時の基準と現在の基準に差があるため、耐震性が不足している場合があります。
診断結果をもとに必要な施工内容を提案してもらうことで、地震被害のリスクを減らし、安心して住み続けられるようになります。
住宅診断を受ける

住宅診断は、建物の劣化状況や配管・設備の状態などを詳しく調査するサービスです。
目に見えない不具合や問題点を把握でき、リフォーム計画の参考になります。
費用はかかりますが、後々のトラブル回避や適切な予算配分に役立つため、結果的にはお得かもしれません。
複数のリフォーム会社に相談する

リフォーム会社によって提案内容や費用が異なるため、複数社に相談して比較検討することが大切です。
見積もりだけでなく、施工実績や対応の丁寧さ、アフターサービスの充実度も確認しましょう。
複数の中から一番相談しやすい会社を選ぶことで、満足度の高いリフォームを目指せます。
富山県で木造住宅のリフォームを検討中なら、ぜひユニテにご相談ください!
ユニテは、木造住宅や築年数の古い住宅のリフォーム実績が豊富な会社です。
一級建築士が在籍しており、お客様のお悩みやご要望を丁寧にお伺いしたうえで、最適なリフォームプランをご提案いたします。ご家族のライフステージの変化やバリアフリー対応も得意としております。
ぜひ一度、現在のお悩みや理想の暮らしについて、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、木造住宅のリフォームについて、以下の項目をお伝えしました。
- 木造住宅のリフォームでできること
- 築年数別のリフォーム内容の違い
- 木造住宅リフォームの注意点
- 費用相場と利用できる補助金について
- リフォーム事例の紹介
- 木造住宅で後悔しないためにすべきこと
築年数が古い住宅でも、適切なリフォームを行えば理想の住まいを実現できます。
ぜひこの記事を参考に、満足のいくリフォームを目指してください。