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ペニンシュラキッチンの実例を紹介!理想に合ったキッチンの選び方

この記事では、家事をより快適にするペニンシュラキッチンの選び方を紹介しています。家族とのコミュニケーションも円滑になるキッチン空間を手に入れた実例もご紹介!ペニンシュラキッチンに憧れる人は、ぜひ記事を最後まで読んでください。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

 

「ペニンシュラキッチンに興味はあるけど、実際使いやすいの?」

「今の間取りで、設置できるか不安!」

 

など、ペニンシュラキッチンに憧れはあるものの、具体的なイメージが沸かない方は多いのではないでしょうか。

 

キッチンは毎日使う空間なので、自分の好みやライフスタイルに合うか事前に考えておくことが大切です。

 

そこで本記事では、次の内容をお伝えしていきます。

  • ペニンシュラキッチンの特徴
  • 実際のペニンシュラキッチンのデザイン例
  • ペニンシュラキッチンのメリットとデメリット
  • リフォーム前に考えておくこと
  • 設置にかかる費用

 

理想の空間をつくれると、家族との会話も料理も楽しめます。そのために、ペニンシュラキッチンについて詳しく知っていきましょう。

そもそもペニンシュラキッチンとは?

 

ペニンシュラキッチンとは、片方の側面だけが壁に接しているため、リビングを眺めながら料理できる対面キッチンの一種です。その様子が半島に似ているため、「ペニンシュラ」と呼ばれるようになりました。

 

キッチンは、大きく次の4種類に分けられます。

I型キッチン

  • 調理台・コンロ・シンクが一列に並んでいる
  • 壁と向かい合って調理する
  • 限られた空間でも設置できる

L型キッチン

  • L字型になっているキッチン
  • 全面壁つけ・一部対面のどちらかを選べる
  • I型よりも作業スペースが広く導線が短い

アイルランドキッチン

  • 対面キッチンの一種
  • 四方が壁から離れていている
  • 設置には広い空間が必要

ペニンシュラキッチン

  • 対面キッチンの一種
  • 側面1面だけが壁に接している
  • アイルランドキッチンほどの面積は不要

ほかのキッチンと比べると、ペニンシュラキッチンは

  • リビングの様子をみながら料理できる
  • 広い空間がなくても設置を検討できる

という特徴があります。

ペニンシュラキッチンの設置例3つ

一概にペニンシュラキッチンといっても、デザインや空間の使い方はさまざまです。参考になるように、ペニンシュラキッチンのあるリビングを3つ紹介します。

1. 限られた空間でも、開放感溢れるキッチンを実現

仕切りのないペニンシュラキッチンならではの特徴や、お庭を眺められる大きな窓を活かした開放感のある空間。リビングの横幅の狭さを感じさせないデザインです。カフェのようなおしゃれなデザインは、リフォームだからこそ実現できました。

2. シンプルだけど会話のある空間

白を貴重とし、無駄なものを一切はぶいたシンプルなキッチン。調理台とテーブルのあいだに、低いカウンターを設置しているため、水がはねても手前のテーブルが汚れません。家族と一緒にテレビを見ながら料理ができるのも嬉しいポイント。

3. 収納力と導線にすぐれたデザイン

こちらのキッチンの特徴は、うしろに広い空間をもたせたこと。これにより、調理器具台・食器棚・冷蔵庫を壁側に置けるようになりました。食材や食器は振りむいて取り出し、そのままキッチンで料理をし、できた料理をカウンターに置けば家族が机に並べてくれるという、導線にすぐれたデザインです。

ペニンシュラキッチンを設置するメリット

ペニンシュラキッチンを設置する主なメリットは、次の5つです。

  • 開放感がある
  • 家族とコミュニケーションが取りやすい
  • 限られた空間にも設置できる
  • ベビーゲートを設置しやすい
  • 食事の準備がスムーズ

 

それぞれのポイントを詳しくお伝えしていきます。

1. 開放感がある

ペニンシュラキッチンは、I型キッチンやL型キッチンとは異なり、目の前に壁・仕切り・棚がありません。空間がリビングやダイニングと一体となっているため視界が開け、広々とした空間に感じられます。

2. 家族とコミュニケーションが取りやすい

キッチンから、リビングやダイニングの様子をながめられるのは対面キッチンだからこそできること。家族との会話を楽しんだり、一緒にテレビを見ながら、もしくは遊んでいる様子や宿題をしている様子を見守りながら料理ができます。

3. 限られた空間でも設置できる

同じ対面キッチンでも、四方が壁から離れているアイルランドキッチンに比べると必要な面積は少なくなります。さらに、前方のカウンターに食事用のテーブルをくっつけて配置する家庭も多いので、限られた面積でも開放感あふれる空間をつくれます。

4. ベビーゲートを設置しやすい

リビングからペニンシュラキッチンに入るのは一か所のみ。そこにベビーゲートを設置しておけば小さなお子さんの侵入を防げます。一方でI型やL型キッチンは背面全体が空いているので、包丁や油を使っているときにお子さんが近づいてきそうで不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

5. 食事の準備がスムーズ

リビングとは別の部屋にある独立型キッチンだと、できた料理を毎回リビングに運ばなくてはいけません。一方でペニンシュラキッチンは、手前のカウンターに完成した料理を並べておけば、あとは机に置くだけ。食事の準備がスムーズになります。

ペニンシュラキッチンを設置するデメリット

利便性が高く、家族とのコミュニケーションも楽しめるペニンシュラキッチンですが、デザインによってはデメリットも生じてしまいます。

 

特に後悔の声があげられるのは次の4つ。

  • 収納スペースが限られる
  • キッチンの中が丸見え
  • 油はねや水はねが心配
  • においが広がりやすい

 

長く愛せるキッチンにできるよう、それぞれのデメリットと対策を見ていきましょう。ご自身の理想やライフスタイルに合うか検討する際の参考にしてください。

1. 収納スペースが限られる

ペニンシュラキッチンは、目の前に壁がないため頭上に棚を設置できません。リフォームをする際に設置したとしても、せっかくの開放感ある空間がせせこましく感じるうえ、視界も悪くなります。別のスペースに収納力をもたせる工夫が必要です。

 

【対策】

  • うしろ側に食器棚などを設置できる十分なスペースを確保する
  • 床下収納をつくる
  • カウンターに調理器具や調味料を置き、見せる収納として活用する

2. キッチンの中が丸見え

ペニンシュラキッチンには仕切りがないため、調理している様子が丸見えになってしまいます。冷蔵庫にマグネットをたくさん張っていたり、調理台が汚れていたりすると、リビング全体が乱雑に見えてしまいます。お客さんが来ると人目も気になるので、常に整理整頓を心がける必要があります。

 

【対策】

  • 余計なものは買わない・置かない
  • 毎回、調理後は簡単な拭き掃除をおこない、清潔に保つ
  • 前方に低めのカウンターを設置し手元を隠す

3. 油はねや水はねが心配

目の前に壁がないので、油や水がリビングに飛んでしまい、汚れや子どものケガに繋がってしまいます。ペニンシュラキッチンならではの視界の広さを守りながらも、リビングとのあいだに仕切りをつくれるよう、次の工夫を検討してみてください。

 

【対策】

  • コンロの前に透明のパーテーションを設置する
  • 調理台やシンクの前には低めのカウンターを設置する

4. においが広がりやすい

個室タイプのキッチンとは異なり、料理のにおいや生ごみのにおいがリビングに広がりやすいのが欠点です。特にソファ・クッション・コート・スーツなどににおいが染みつくのは避けたいところ。そのために、においを発生させない・こもらせないように気をつけましょう。

 

【対策】

  • レンジフードを設置する
  • こまめに換気をおこなう
  • 生ごみは新聞紙にくるんで、蓋つきのごみ箱に捨てる

ペニンシュラキッチンが向いている人

実際に「ペニンシュラキッチンに変えて良かった」と思う人は、次の傾向があります。

  • コミュニケーションを大切にしたい
  • お子さんがまだ小さい
  • 整理整頓が好き

1. コミュニケーションを大切にしたい人

リビングやダイニングとひと続きになっているペニンシュラキッチンの最大のメリットは、家族の様子が見える空間で料理ができることです。友人や両親が来たときも、話をはずませながら食事の準備ができます。

2. 小さいお子さんがいる人

小さいお子さんを放っておくのは怖いですが。一緒にキッチンに入るのはもっと怖い。ペニンシュラキッチンであれば、料理をしながらリビングにいる子どもの様子を気に掛けられます。また、ベビーゲートも一か所に設置しておけば、お子さんがキッチンに入ってくる心配はありません。そのため、小さいお子さんがいる家庭にとっては、安心のデザインです。

3. 整理整頓が好きな人

ペニンシュラキッチンは、基本的に空間全体がリビングやダイニングから丸見え。そのため、向いているのは、こまめに掃除をする・不要なものは置かない・見える収納が好きという人。おしゃれですっきりとした空間を、ストレスなく保てるかどうかが大切なポイントです。

一方で、

  • 1人の時間を大切にしたい
  • 料理は黙々とおこないたい
  • お子さんが成長し、家族との適度な距離感が必要な年齢にきている
  • 整理整頓が苦手で、キッチンを散らかしてしまいがち

という人は、ほかのキッチンデザインを検討してみるのも良いでしょう。

ペニンシュラキッチン設置にかかる費用と期間

ペニンシュラキッチン設置の相場は、約100万円~300万円ほど。希望によって必要な費用と期間は変わります。

 

実際に当社では、材料費や施工費をすべて含めて、以下の価格・期間で対応をしています。

 

希望

費用

期間

I型・L型をペニンシュラキッチンに変えたい

150万円~

4~7日

間取りから変えてリフォームをしたい

300万円~

10~20日

 

図に記載の価格にくわえ、オプションをつけると機能性の高いキッチンにできます。特にペニンシュラキッチンの場合は、前述したデメリットをカバーするために、次のようなオプションがおすすめ。必要におうじて、追加の設置を検討してみてください。

 

  • カウンター
  • レンジフード
  • 透明パーテーション

ペニンシュラキッチン設置の前に考えておくこと

せっかく憧れのペニンシュラキッチンにリフォームしても、必要のない施工をすると、金銭的な負担につながってしまいます。そのうえ、キッチンは毎日使う空間なので、使いやすさは日常生活の快適さにも繋がります。必要なものをそろえ、不要なものを省くことが、キッチンづくりには欠かせません。

 

コスト面も機能面も納得するためには、以下の5つが大切なポイントになります。

  • 予算を決める
  • ほしい機能には優先順位をつける
  • 冷蔵庫や食器棚の配置スペースを考える
  • リビングに合う素材やデザインを選ぶ
  • 自分に合った作業台の高さを知る

1. 予算を決める

壁材や床材にも豊富な種類があり、何を選ぶかで合計金額は変わってきます。また、レンジフードのようなオプションも、発売時期や性能の高さによって値段はさまざま。迷いだすと、きりがありません。

 

そのため、まずは予算を決め、その範囲内で選択可能なデザインやオプションを選んでいきましょう。

2. ほしい機能には優先順位をつける

レンジフードやパーテーションに加え、床下収納や食洗器などのオプションを加えてより便利なキッチンをつくれます。しかし、もし使わなければ無駄な費用がかかって、将来的に後悔するかもしれません。

 

今使っているキッチンで、あって良かったと思う機能・あれば良かったと思う機能をまずはピックアップしましょう。そして、欲しい機能のなかでもとくに譲れないものは何か明確にし、予算オーバーを防ぎましょう。

3. 冷蔵庫や食器棚の配置スペースを考える

家具・家電を設置できるじゅうぶんなスペースを先に考えることで、「家具が置けない」「導線が悪い」「むしろキッチンが狭く感じる」というストレスを避けられます。

 

そのため、リフォームを検討する際は、次の3点も含めて相談をしてみましょう。

  • 今使っている冷蔵庫や食器棚の大きさ
  • どこに置きたいか
  • どれぐらいの作業スペースが必要か

4. リビングに合う素材やデザインを選ぶ

ペニンシュラキッチンに取り換えるとき、床材・壁材・調理台のデザインや素材も変更できます。しかし好みだけで選ぶと、リビングの雰囲気と合わず、空間すべてがちぐはぐになってしまいかねません。

 

リビングにある家具のカラーや雰囲気に合うキッチンにするにはどんなデザインがいいか、事前に考えておくことがおすすめ。

 

5. 自分に合った作業台の高さを知る

今使っているキッチンだと調理しづらいという人は、高さ変更も含めて相談をしてみましょう。

 

日本工業規格(JIS)の規定にもとづいて、「80cm」「85cm」「90cm」の3段階の高さから選ぶことが一般的ですが、細かくサイズ調整をしてくれるメーカーもあります。

 

キッチンの高さを決める際、次の計算を参考にしてください。

身長÷2+5cm

ペニンシュラキッチンの設置を検討している方はユニテにご相談ください!

富山県でペニンシュラキッチンの設置を検討している方はユニテにご相談ください。

ユニテでは、予算やご要望に沿ってキッチンの取り換えから間取りの変更まで対応します。

 

ぜひお気軽にご相談ください

まとめ

今回はペニンシュラキッチンについて紹介しました。

 

  • ペニンシュラキッチンと他のキッチンの違い
  • 設置がおすすめな場合とおすすめしない場合
  • リフォームにかかる費用

 

家族全員が集まるリビングだからこそ、理想の設計をかなえられるよう一緒に考えていきましょう!