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回遊導線で家事をスムーズに!お悩みごと別・おすすめ導線を紹介

回遊導線について詳しくは分からない・どんな導線があるのか知りたいという方に向けて、約30年のリノベーション実績をもつユニテが家事のお悩みに合わせたおススメ導線を紹介します。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「家の導線が悪すぎるから、どうにかしたい!」

「家事のせいで、肩腰が痛い」

 

そんなお悩みを持つ方に人気なのが、回遊導線です。

生活や家事をスムーズにおこなえる導線を取り入れることで、日常のストレスを減らせます。

 

ですが、具体的にどんな工夫ができるのかイメージが沸かない方も多いでしょう。

 

そのため、ここでは次のことをお伝えします。

  • 回遊導線とは何か
  • どんなお悩みが解決できるのか
  • リノベーションで回遊導線をつくった事例
  • 回遊導線のデメリット
  • 後悔のない回遊導線のために検討すべきこと

回遊導線とは

回遊導線とは、複数の部屋をぐるりと一周できる導線のことです。

 

たとえば下の画像を見てみてください。

隣りあうスペースそれぞれに扉をつけることで、行きどまりのない間取りになりました。

 

一般的な導線だと、脱衣所からサンルームに行くためには一度廊下やリビングダイニングに出なくてはいけません。しかし図の設計であれば、洗面所から直接サンルームへとすすむことができます。

 

回遊導線は主に2つの設計に分けられます。

1つは図のようにワンフロア全体に回遊導線を取り入れる設計。

もう1つは、脱衣所からベランダやクローゼットにすすめるなど、一部の利便性を改善する導線です。

つまり、目的や解決したい悩みにあわせてデザインできるのです。

回遊導線で解決できるお悩みとは

回遊導線は、次のような悩みを持っている方におすすめです。

 

  • 「家事をぱぱっと済ませたい」
  • 「子どもの面倒をみるのが大変」
  • 「家族の人数が多くて廊下が混みあう」
  • 「来客が多いから生活感を出したくない」
  • 「帰宅したらすぐお風呂場や脱衣所に行きたい」

 

その理由と、ぜひ取り入れてほしい工夫をお伝えします。

「家事をぱぱっと済ませたい」

回遊導線を取り入れると、家事をおこなう各スペースをつなげることができます。

移動距離を短くすると時短につながるのはもちろんですが、洗濯物を運ぶときの肩や腰の負担も軽くなります。

 

そのため、脱衣所からベランダ、クローゼットもしくは寝室へとつながる導線が人気。

ほかにも、キッチンからリビングダイニングやおしいれへの導線を改善し、料理の準備・配膳・片づけをスムーズにする工夫も可能です。

 

「子どもの面倒をみるのが大変」

回遊導線は、家事と育児を両立させるのにも向いています。

 

たとえば、独立キッチンの代わりに対面式のキッチンを設置したとします。そうすると、ダイニングで遊ぶ子どもの様子をみながら料理が可能に。また、配膳もスムーズになります。

ほかにも、キッチンと脱衣所を隣あわせにして、料理をしながらお風呂の様子を気にかけられるようにした家もあります。

「家族の人数が多くて廊下が混みあう」

各部屋を移動するためのルートがひとつしかない場合、その場所が混雑しやすくなります。

この場合、隣り合う部屋をつなぎ合わせるなどの工夫を行い導線を増やすと、すれ違うことが減り、移動がスムーズになります。

「来客が多いから生活感を出したくない」

交友関係や仕事関連で来客が多い方には、ダイニングや客間を介さずに移動できる回遊導線をがおすすめです。

 

たとえば廊下で玄関から洗面所、キッチンや階段に移動できるように工夫しておくとしましょう。

料理の準備やお風呂場の掃除をするために客間を通らなくてもいいうえ、子どもが帰ってきてもお客さんと顔を合わせなくて済みます。

「帰宅したらすぐお風呂場や洗面所に行きたい」

帰ってきたら運動で汗びっしょりな方や子どもが服を泥まみれにする方もいるでしょう。そうなると、まず一直線にお風呂場や洗面所へ向かいたいところ。

 

そんなときは、玄関からクローゼット、脱衣所へと向かえる導線をつくっておくのがおすすめ。

はやく汚れを落としてすっきりできるのはもちろんですが、手や洋服についた汚れがソファやテーブルにつかないようにするためにも、おすすめです。

リノベーションで回遊導線を取り入れた事例5選

回遊導線に興味があっても、なかなか具体的な間取りがイメージできなかったり、今の家でもリノベーションできるのか不安な人もいるでしょう。

 

ここでは、リノベーションで導線を改善した例を5つ紹介します。

 

  • 【キッチン】料理料理の準備や片づけが楽になった事例
  • 【サンルーム】洗濯物の片づけを楽にした事例
  • 【クローゼット】移動も家事も楽にした事例
  • 【脱衣所】洗濯を楽にした事例
  • 【シューズクローク】玄関をすっきりさせた事例

【キッチン】料理の準備や片づけが楽になった事例

工夫されている点

  • ダイニングからキッチンに直接すすめる
  • キッチン奥の扉から庭やゴミ出しスペースに直接行ける
  • キッチンの後ろに収納スペースを拡充し、おしいれへの移動負担を減らしている
  • 廊下などを追加する必要がないため、家の面積が限られていても導入できる

 

おすすめの方

  • 料理のときの導線を良くしたい方
  • 生ゴミを室内にためたくない方
  • おしいれやパントリーへの移動が手間な方
  • 導線を良くしたいが家が狭いため、できる工夫が限られている方

【サンルーム】洗濯物の片づけを楽にした事例

工夫されている点

  • ウォークインクローゼット(左)とサンルーム(右)がつながっている
  • 乾いた洋服をすぐにクローゼットに片づけられる
  • ガラス扉なので光が入りやすく、湿気やカビの防止になる
  • 1階に設置されているため、脱衣所からの距離も近い

 

おすすめの方

  • 洗濯物の取り入れや片づけに負担を感じている方
  • 家事は1階で済ませたい方
  • 足腰に支障がきている方

【クローゼット】移動も家事も楽にした事例

工夫されている点

  • クローゼット(左)が脱衣所(右)とリビングにつながっている
  • 脱衣所には物干し竿があり、室内干しもできる
  • 着替えを用意して、そのまま直接脱衣所とお風呂にいける
  • 室内干しで乾かした服を、すぐにクローゼットに片づけられる

 

おすすめの方

  • 部屋干しをよくする方
  • 脱衣所やクローゼットの面積を確保できる方
  • 洗濯にまつわる負担を軽減させたい方

【シューズクローク】玄関をすっきりさせた事例

工夫されている点

  • 廊下から直接玄関に行くこともクロークを介して行くこともできる
  • 宅配ボックスが配置されているため、荷物をおいておくことも可能
  • クロークを出てすぐのところに洗面所があり手を洗える
  • 窓が2つあり換気できるため、靴の臭いがこもらない

 

おすすめな方

  • 靴が多く片づけが大変な方
  • 宅配をすぐに部屋に持ち込むのが面倒な方
  • 清潔感を大切にしたい方

回遊導線のデメリット

移動をスムーズにして家事や時間の負担を減らしてくれる回遊導線ですが、デメリットも避けられません。

間取りの変更が必要になるなど、大がかりな工事をする場合もあるので、せっかくなら後悔のないリノベーションにしたいですよね。

 

そのため、ここでは回遊導線のデメリットとして、よくある後悔事例を紹介します。

 

  • 収納機能が落ちてしまった
  • 家具を置ける場所が少なくなってしまった
  • 1人の時間が減ってしまった
  • 電気の消し忘れが多い
  • 使わない導線が発生してもったいない

収納機能が落ちてしまった

回遊導線を取り入れたときにしばしば起きるのが、収納スペースがなくなることです。

その理由として挙げられるのは2つあります。

 

1つは部屋が狭くなってしまうケースです。導線確保のために廊下をあらたにつくる分、既存の部屋が小さくなるのは避けられません。

 

もう1つは、壁をなくして部屋を広くするケースです。移動をスムーズにするためにダイニングとリビング、キッチンを分けていた壁を外すことがあります。この場合、部屋は広くなったように感じますが、壁がないため棚をおきづらいなどのデメリットが発生しかねません。

家具を置ける場所が少なくなってしまった

導線を優先しすぎると、家具の配置に迷うことがあります。

この原因も、主に2つあります。

 

1つは上記と同じく、壁を取り壊してしまうことです。壁をなくすことによって、今まで壁に面して置いていた家具をどこに置けばいいのか分からなくなってしまいます。

 

もう1つは、とびらを増やすことです。回遊導線では、1つのスペースに2つ以上のとびらを設置することで移動をスムーズにします。

しかしとびらが増えるということは家具を置ける場所が限られるということ。そのため、デッドスペースが生まれてしまいます。

1人の時間が減ってしまった

回遊導線では、廊下ではなくリビングダイニングを移動経路として活用することもあります。

 

そのため家族の誰かが移動をするたびにリビングダイニングを通ることになります。今までは夜は1人でダイニングでゆっくりできていた方も、しょっちゅう家族が通ることに。

 

そのことに、わずらわしさやストレスを感じてしまう方もいます。

電気の消し忘れが多い

クローゼットやパントリーなど、収納スペースを導線として活用している方によく起こるケースです。

入ってものを探すときは電気をつけたのに、出るときのとびらが違うため、つい電気を消し忘れてしまいがち。

 

そのまま気付かないと電気代が余分にかかってしまいます。

使わない導線が発生してもったいない

便利にしようと思ったが、結局そのスペースを使わなかったり、とびらを使わなかったりするケースもあります。

 

たとえば寝室とダイニングのあいだにクロークを設置した場合です。ほかのスペースで十分に収納ができているためクロークを使わなかったり、寝室からクロークに行く必要がなかったりします。

 

本来であれば、クロークをつくる代わりに部屋を広くできたはず。

利便性だけではなく、不要な導線をつくらないことも大切です。

後悔のない回遊導線のために検討すべきこと

回遊導線で家事の負担を減らすはずが、利便性が下がったという事態を避けるためには、まず本当に必要なものを考えておくことが大切です。

 

そのうえで、どんな導線をつくりたいのか、どんなスペースは不要なのかを、明確にしておきましょう。

 

そのためには、次の3点を整理しておくことがおすすめです。

  • 解決したい悩みを明確にする
  • 家事のながれを把握する
  • 必要な収納スペースの大きさを把握する

解決したい悩みを明確にする

回遊導線を取り入れる1番の目的は、家の利便性を高めることです。

そのため、なぜ今、回遊導線が気になっているのかをあらためて整理してみましょう。

 

おなじようにキッチンの導線を変えるとなっても、料理にかかる負担や不便性を解決したいのか、料理をしながらお子さんの様子をみたいのかによって、つくるべき導線は変わってきます。

家事のながれを把握する

回遊導線を取り入れるときに嬉しいのは、オーダーメイドで希望に沿った間取りにできることです。

そのため、自分の家事の手順を整理して、どんな導線があれば理想的か考えてみてください。

 

ベランダから直接クローゼットにすすんで服を吊っておきたい方もいれば、まずはダイニングに行って、服をたたんでから片づけたい方もいるでしょう。

 

役にたつ回遊導線にするためには、自分の家事のすすめ方に沿った案を考えることが欠かせません。

必要な収納スペースの大きさを把握する

収納スペースはあれば便利ですが、ありすぎても家のスペースを取ってしまうだけです。

 

どこに何を片づけるための収納スペースが必要なのか、どれくらいの面積だとベストなのかを事前に考えておきましょう。

 

廊下としての機能も兼ねたウォークインクローゼットやクロークが必要だと思っていても、階段下のデッドスペースやキッチンのうしろに置いた棚で十分だったということもあります。

回遊導線と一緒に取り入れたい工夫

好みや理想に合わせた回遊導線をつくるのも重要ですが、さらに利便性を高めるために、どのような工夫ができるかを知っておくことも大切です。

 

ここでは、回遊導線を取り入れるうえでの心配事や悩みにあわせた解決策を紹介していきます。

 

  • キッチンのにおいが広がりそうで不安なときは…
  • 収納スペースが確保できるか不安なときは…
  • 電気を消し忘れそうで不安なときは…
  • 家具をおく場所がなくなりそうで不安なときは…

キッチンのにおいが広がりそうで不安なときは…

回遊導線を取り入れるとき、キッチンとダイニングやリビングをつなげることがよくあります。そうなると、食材や生ごみのにおいが広がったり、煙が広がってしまうことがあります。

 

この場合、以下の方法で解決できます。

  • キッチンにレンジフードを取りつける
  • 家の外に生ごみ用のごみ箱をおく
  • 窓を増やし換気機能を高める

収納スペースが確保できるか不安なときは…

あまり家が広くないと、ウォークインクローゼットなどの設置は難しくなります。

さらに回遊導線を充実させると棚を置ける場所も減ってしまうでしょう。

 

そのときは、次のような工夫を取り入れてみてください。

  • 階段下などデッドスペースの活用
  • 床下収納をつくる
  • 柱や壁を飾り棚として利用する

電気を消し忘れそうで不安なときは…

とくにウォークインクローゼットやパントリーでの電気の消し忘れが起こりやすくなっています。

 

電気代での負担が増えないよう、次の工夫をしてみてください。

  • 各とびら横に電気スイッチを設置する
  • センサーライトをとりつける

家具をおく場所がなくなりそうで不安なときは…

回遊導線ではとびらを増やしたり、壁を取り壊したりするため、家具を置けるスペースが減ってしまいます。

まずは事前に家具の量と必要なスペースを把握し、そのあとで設計を考えることが大切。

 

そのうえで、次のような工夫もできます。

  • 高窓や天窓など家具の配置の邪魔にならない窓に変える
  • 階段下や床下のようなデッドスペース収納を活用する

回遊導線を検討している方はユニテにご相談ください!

富山県で回遊導線のためのリノベーションをお考えの方はユニテにご相談ください。

ユニテでは、予算やご要望にそってベストな解決策を一緒に考えます。

 

ぜひお気軽にご相談ください!

まとめ

今回は回遊導線についてお伝えしました。

 

  • 回遊導線とは何か
  • どんなお悩みが解決できるのか
  • リノベーションで回遊導線をいれた事例
  • 回遊導線のデメリット
  • 後悔のない回遊導線のために検討すべきこと

 

回遊導線は、利便性だけではなく実用性を考えてプラン立てしていくことが必要になります。

解決したいお悩みや取り入れたい工夫をもとに、より快適な住まいのデザインを考えていきましょう!