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断熱するなら外壁から!外壁を断熱する方法・メリット・補助金などを紹介

「夏は暑く冬は寒い…」そんな悩みを解決するのが、外壁の断熱リフォームです。光熱費の大幅カットはもちろん、健康的で快適な住まいを実現します。この記事では外壁を断熱するメリットや方法を解説。ユニテでリノベーションした事例も紹介します。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「夏は暑く冬は寒い…」そんな悩みを解決するのが、外壁の断熱リフォームです。

光熱費の大幅カットはもちろん、結露やカビの発生も防ぎ、健康的で快適な住まいを実現します。

この記事では外壁断熱について以下のポイントを解説します。

 

  • 外壁を断熱のメリット
  • 外壁を断熱する方法
  • 費用の相場
  • 外壁を断熱リフォームする際にかかる費用と補助金活用法
  • 外壁を断熱しリノベーションしたユニテの実例

 

理想の住環境づくりのために外壁の断熱を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

外壁を断熱するメリット

外壁を断熱すると、おもに以下のようなメリットがあります。

 

  • 快適な室温を保てる
  • 光熱費が削減できる
  • 家族の健康を守れる

快適な室温を保てる

外壁を断熱すると、年間を通じて過ごしやすい室温をキープできます。

断熱性能が不十分な外壁では、夏の暑い外気が7%侵入し、冬には室内の熱の15%が逃げてしまいます。外壁を断熱すると、快適な室温を保ちやすくなるのです。

 

快適な室温を保つことは、結露による建材の腐食や劣化を防ぎます。これにより住まいの寿命が延びれば、将来にわたって安心できる住まいとなるでしょう。

外壁を断熱すれば、居心地の良い空間を持続的に支えます。

光熱費が削減できる

外壁を断熱すると、エネルギー消費を抑えて家計の負担を軽くできます。一年中快適な生活空間を保てるので、無駄な電気を使う必要がないからです。

 

断熱性能が高い家は、壁や天井の表面温度と室温の温度差が少ないため、快適な温度を保ちます。夏は涼しく冬は暖かい室内環境を作り出すので、冷暖房費を大幅に削減できるでしょう。

 

実際に、電気代は年々上昇しています。2010年と2022年の電気料金を比較すると、約1.6倍近くまで高騰しているのが現状です。
電気料金が上がっている今だからこそ、外壁をしっかり断熱して光熱費を抑えましょう。

家族の健康を守れる

外壁を断熱し快適な室内環境を手に入れると、みなさんの健康維持にもつながります。病院では感染症のリスクを低減させるために、20〜26℃を目安に室温が設定されています。室温を一定に保ち、健やかな体づくりをサポートしているのです。

 

外壁を断熱すれば、乳幼児や高齢者にとっても過ごしやすい室内環境になります。住まい全体の温度が均一に保たれるため、急激な温度変化によるヒートショックのリスクが減るでしょう。

さらに、結露やカビを防止し、アレルギー症状を軽減させます。

 

外壁を断熱し快適で過ごしやすい空間を作れば、家族の健康を守ることに繋がるのです。

外壁を断熱する方法

外壁を断熱する方法は、内断熱外張り断熱断熱塗料の3つがあります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

 

 

内断熱

外張り断熱

断熱塗料

気密性が高い

工事費用が安い

外壁の保護効果

室内スペースが変わらない

内断熱

内断熱は、部屋の室内から断熱材を取り付け、断熱効果を高める方法です。断熱材を吹き付ける工法(吹き付け工法)も内断熱になります。

 

内断熱は、リビングだけ、寝室だけといった部屋ごとの断熱施工が可能です。使用できる断熱材の種類が多く、比較的安価なものも選べます。また、工期が短いため、工事費用を抑えることも可能です。

 

木造住宅は内断熱が適しています。木材は湿気を吸収し放出する素材なので、外断熱で完全に包んでしまうと木材の調湿機能が失われるからです。また、木造住宅の壁には元々断熱材を入れるスペース(柱と柱の間)があるため、構造を活かした断熱ができます。

 

しかし、内断熱は部屋の内側から断熱材を入れるため、室内スペースが狭くなるデメリットがあります。

内断熱の一般的な施工の流れ

 

1.事前準備:現場確認と計測を行い、必要な断熱材の種類や量を決める。リフォームで行う場合は、断熱工事を行う壁をはがす

2.断熱材を設置する:柱や間柱の間に断熱材をすき間なく充填する

3.気密・防湿処理:室内側に防湿層を設け、防湿シートや気密テープで隙間をふさぐ

4.仕上げ作業:断熱材設置後、壁や天井のボードを取り付けて仕上げる

外張り断熱(外断熱)

外張り断熱は、建物の外側から断熱材を取り付ける方法です。建物の外壁全体を断熱材で覆います。

 

外張り断熱は建物全体を断熱材で包み込むので、気密性が高く結露が発生しにくいです。また、建物の外側の工事になるので、仮住まいに移る必要がなく、住みながらのリフォームが可能なケースが多く、外壁の保護にもつながります。

 

外張り断熱は鉄筋コンクリート造の住宅におすすめです。コンクリートは熱を吸収して蓄える能力が高く、熱を溜め込みやすい性質があります。この性質により鉄筋コンクリート造は結露がおきやすいデメリットがありますが、外張り断熱を施工すればリスクを大幅に低減できるのです。

 

しかし、外張り断熱は足場が必要になるので工期が長く、内断熱と比較すると工事費用が高くなるデメリットも考慮しましょう。

外張り断熱の一般的な施工の流れ

 

1.下地準備:外壁の外装材を撤去し、構造材や下地材の状態を確認。必要に応じて補修を行う

2.防湿・気密層の設置:外壁合板の外側に防湿気密シートを張る。開口部は隙間なくシートを貼り付け、気密性を確保する

3.断熱材を取り付ける:ボード状断熱材を外壁全体に隙間なく取り付ける

4.通気層を確保する:湿気が滞留しないように断熱材の上に通気胴縁を設置する

5.仕上げ材を取り付ける:通気胴縁の上から外装材を取り付けて仕上げる

 

断熱塗装

断熱塗装は、外壁に断熱性のある塗料を塗布する方法です。

 

断熱塗装は太陽から受ける熱を反射し、外壁への熱の侵入を防ぐ性質が特徴です。断熱塗装を施すと、熱の伝わりを軽減する効果や、防音性も期待できます。とくに真夏の暑さ対策として効果を発揮します。

また、壁を解体する必要がなく、塗装を塗布するだけなので工事が比較的短く、外観の変化が少ないメリットも。

 

しかし、内断熱や外張り断熱と比べると、断熱効果は限定的なので注意しましょう。

外壁を断熱する断熱材

外壁に使用される断熱材は、大きくわけると無機質繊維・天然素材・発泡プラスチック・断熱塗料の4種類あります。

 

断熱材はさまざまな種類がありそれぞれ特徴が異なります

リフォーム会社などによって使用する断熱材は決まっていることが多く、断熱材を選べる機会は少ないかもしれません。ですが、より良い住環境づくりのために、断熱材のメリットやデメリットを知っておきましょう。

 

 

種類

断熱材名

価格が安い

湿気に強い

防音性が高い

無機繊維

  • グラスウール
  • ロックウール

天然繊維

  • セルロースファイバー

発泡プラスチック

  • 硬質ウレタンフォー
  • ビーズ法ポリスチレンフォーム

断熱塗料

  • ガイナ

 

外壁を断熱リフォームするときにかかる費用

外壁を断熱リフォームするときは以下のような費用がかかります。

 

外壁を断熱するときにかかる費用
  • 断熱材料費(塗装費)
  • 壁の解体費(必要な場合)
  • 下地貼り費
  • 仕上げ材費
  • 足場代(外張り断熱の場合)
  • 洗浄代(断熱塗装の場合)
  • その他の費用

 

外壁を断熱するには、建物の構造・築年数・使用する材料・施工する面積・施工方法・施工期間によって価格は大きく変動します。

いくつかの業者から見積もりを取り、正確な費用の相場を把握しましょう。

 

また、外壁を断熱すると同時にリフォームを行えば、壁を解体する工程が共有できたり、仕上げ工事を一度に行えたりと、さまざまな面でコストダウンができるのでおすすめです。

外壁を重ね張り

「家の寒さも気になるし、劣化してきた外壁もきれいにしたい!」と、断熱性能の向上と同時に、外壁リフォームを施工される方が増えています。

 

外壁を張り替えると、外壁の解体・撤去・処分費用や手間がかかります。それに対し、外壁を重ね張りすると、今ある外壁の上から新しい外壁材を張るので、工期や工事費用を抑えられます

また、外壁材が二重になるので、壁と壁の間に空気の層が作られ、遮熱性だけでなく防音性も高くなるメリットも。

 

外壁を重ね張りすると、快適な室内空間とおうちの見た目も一新できます。

ユニテでもガルバリウム断熱サイディング重ね張り工事を実施しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

外壁を断熱リフォームするときに使える補助金

国や地方自治体の補助金制度を利用すれば、外壁を断熱した工事費用の一部を補助してもらえる可能性があります。

今回は、外壁を断熱リフォームするときに使える補助金を2つご紹介します。

 

  • 子育てグリーン住宅支援事業
  • 既存住宅における断熱リフォーム支援事業

子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業は、2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、省エネ性能の高い住宅の新築やリフォームを支援する補助金制度です。

2024年の「子育てエコホーム支援事業」の後継事業として始まりました。

 

対象

  • 省エネ性の高い住宅の建築または購入
  • リフォーム(窓や断熱材の改修など)

対象者

  • 子育て世代(申請時点で18歳未満の子どもがいる)
  • 若者夫婦世帯(いずれかが39歳以下)

補助金額

  • GX志向型住宅:最大160/戸(全世帯)
  • 長期優良住宅・ZEH水準住宅:40万~100万円/戸(子育て・若者夫婦世帯)
  • リフォーム:最大60万円/戸(全世帯)

条件

  • 2024年11月22日以降に工事を着手したもの

申請方法

  • 登録事業者を通じて申請。
  • 補助金は事業者が受け取り、値引きなどで施主に還元

参照:国土交通省:子育てグリーン住宅支援事業

 

子育てグリーン住宅支援事業のホームページはこちらです。こまめに情報をチェックしましょう。

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、窓口は公益財団法人北海道環境財団ですが、環境省が行っている支援事業です。

 

対象

  • 戸建住宅および集合住宅(省エネ基準に適合しない既存住宅が対象)
  • トータル断熱:断熱材、窓、ガラスを用いた住まい全体の断熱改修

補助金額

補助率:補助対象経費の3分の1以内

上限額

戸建住宅:最大120万円/戸

集合住宅:最大15万円/戸

条件

  • 省エネ効果が15%以上見込める高性能建材を使用する
  • 外張り断熱は断熱材の厚さは50mm超〜100mm以下。防水紙や補助桟などの施工基準を満たす必要がある
  • 内張り断熱も対象とだが、適切な材料(断熱パネルや潜熱蓄熱建材など)を使用し、室内側から施工する

申請方法

  • 所有者・居住者が申請書類を作成し、北海道環境財団に提出
  • リフォーム業者による手続き代行も可能

参照:既存住宅の断熱リフォーム支援事業

 

既存住宅における断熱リフォーム支援事業の申請を検討する場合は、最新の公募情報を確認しましょう。公募期間中であっても予算額に達した時点で公募を終了します。工事完了後には、省エネ効果を証明する書類や実績報告書の提出が必要です。

 

2025年は2月14から募集がスタートしているので、こちらをチェックしましょう。

外壁を断熱しリノベーションしたユニテの事例

ユニテは古民家のリノベーションや、年間1,000件以上のリフォームを手がけています。

外壁を断熱し、快適な住まいになったユニテの事例を紹介します。

【立山町】住みやすさをデザインする 優しさの住まい

築30年の日本家屋を、母と息子夫婦の二世帯住宅として生まれ変わらせました。

木のぬくもり溢れる、現代の暮らしに合わせたリノベーションを実現しています。

 

寒さ解消を最優先に考え、壁には高い気密性を誇る発泡ウレタンを採用。さらに、外壁を金属サイディングの重ね張りで仕上げました。外壁の下地として胴縁材を取り付けてから施工したことで、高い断熱性と防水効果が期待できます。

 

見た目を一新しつつ、メンテナンスの手間やコストを抑えた住まいが完成しました。

【富山市】車庫をシンプルに暮らせる空間に

農機具小屋として使用されていた築50年の車庫を、ガレージスペースを残しながら居住空間を確保した快適な住まいへとリノベーションしました。

壁は断熱材の発砲ウレタンを使用し、暖かく過ごせるお家が完成しました。

 

物置として使用していた2階を、シンプルながらも快適な室内に。雪国には欠かせないサンルームも確保し、自然光が入り、明るく暖かい空間になりました。

外壁を断熱して快適な室内を手に入れよう

快適な室温を保つには、外壁の断熱が必要です。外壁を断熱し快適で過ごしやすい空間を作れば、光熱費を削減し、ご家族の健やかな暮らしを支えます。

 

外壁を断熱する方法と特徴

 

内断熱

外張り断熱

断熱塗料

気密性が高い

工事費用が安い

外壁の保護効果

室内スペースが変わらない

 

国や地方自治体の補助金制度を活用すれば、壁を断熱する費用を抑えられます。また、外壁断熱とリフォームを同時に実施すれば、解体や仕上げなどの作業を共同化でき、さまざまな面でコストを抑えられるのでおすすめです。

 

家の寒さでお困りなら、富山で28年間の実績があるユニテへご相談ください。

富山ならではの厳しい気象条件を熟知しているからこそ、地域性に配慮した最適な住まいづくりをご提案できます。

外壁の断熱リフォームをご検討中の方は、どんな小さなことでもお気軽にお問い合わせください。