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耐震とリフォームで安心・快適な住まいへ!費用や補助金のポイントを解説
監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

地震に強く暮らしやすい住まいを考えるなら、耐震補強と同時にリフォームを行うのがおすすめです。工事をまとめれば、時間もコストも効率的に行えます。補助金をうまく活用すれば、さらに費用を抑えることも可能です。

 

今回は、耐震補強とリフォームを一緒に行うメリットや、知っておきたい補助金制度のポイントをご紹介します。

 

「耐震補強やリフォーム相場が知りたい」「耐震補強とリフォームを行った実例を知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

耐震リフォームとは

耐震リフォームとは、今ある建物の耐震機能を向上させるために行うリフォームのこと。地震に対する強度を強め、建物が倒壊するリスクを抑えます。

 

地震の多い日本において耐震リフォームは、家族と財産を守る心強い味方です。

 

耐震リフォームは、専門家による耐震診断を受けてから計画を立てることが大切。建物全体のバランスを考慮し、部分的な耐震補強でも効果が得られる場合もあります。

耐震リフォームをした方がいい家って?

「私の家は耐震リフォームした方がいいのかわからない」という方も多いでしょう。

以下の条件に当てはまる家は、耐震リフォームを検討しましょう。

 

  • 1981(昭和56)年5月31日以前に建てられた家
  • 大地震を経験している家
  • 基礎や外壁にひびが入っている家
  • シロアリが発生している家
  • 増築を2回以上行った家
  • 1階に車庫があり、柱や壁が少ない家
  • 1階の南側に大きな窓がある家

耐震補強とリフォームで賢く費用を抑える

耐震補強をするなら、リフォームと同時行うことをおすすめします。

なぜなら、耐震性と住み心地の向上を同時に実現できるからです。

 

家の水道管や電気配線などを新しくするときは、壁を解体しなければなりません。しかし、同時に壁を補強すれば、耐震性もアップします。

解体・復旧工事が1回で済むため、工事の手間や足場代などのコストが削減できるのです。

 

また、耐震補強とリフォームを同時に行うことは、生活面でのメリットもあります。

一度の引っ越しや片付けですむため、荷物の移動や生活の準備も一度の作業でOK。

 

耐震補強とリフォームを同時に行えば、費用を抑えられるだけでなく生活への影響を最小限にできます。

耐震補強工事で効果的なリフォームしやすい組み合わせ

リフォームと耐震補強との組み合わせを考慮すれば、より効果的な改修が可能です。

工事が効率的に行えるだけでなく、コスト削減にもつながります。

耐震補強とリフォームを同時に行うなら、以下の組み合わせがおすすめです。

 

  • 壁の補強に合わせてクロスを張り替える
  • 柱を補強して間取りを変更する
  • 基礎を補強して床材を張り替える

壁の補強に合わせてクロスを張り替える

壁の補強を行うには、かべの内部に斜めの補強材(筋交い)を入れる「筋交い方法」が一般的ですが、壁の一部を解体する必要があります。

壁の補強を行うのと同時に、クロスを張り替えてさらに快適な空間にしましょう。

 

断熱効果のあるクロスにすれば室内の熱を逃がしにくくなるため、光熱費の削減に。防カビ・抗菌などの機能性クロスなら、アレルギーなどがあるご家族がいても安心です。

 

また、クロスの貼り替えだけでなく、壁に断熱材を追加したり、壁面収納やニッチを設置するのもおすすめ。

 

壁を解体する機会を活かしてクロスを張り替えれば、住まいの機能性とデザイン性を同時に向上させられます。

柱を補強して間取りを変更する

柱を補強するのと同時に、使いづらい間取りを変更し理想の部屋にしましょう。

残すべき柱や壁以外を撤去すれば、理想的な空間作りができます。

 

少し前の住宅は、寝る部屋と食べる部屋をわける考えが主流でしたが、今はリビング・ダイニング・キッチンを一体化させたオープンな空間が一般的です。

長年お住まいの家でも、無駄な柱をなくし広い空間を確保することで、現代の生活スタイルに合った間取りになります。

 

必要な柱を残す場合も、出窓などを取り付ければ開放的な空間に。採光や通風を考えた計画が可能です。

 

新しい間取りに合わせて最適な耐震補強を行い、快適な間取りを手に入れましょう。

基礎を補強して床材を張り替える

住宅の基礎を補強する工事では、室内の床を取り外す場合があります。基礎を補強するために床をはがしたタイミングで床材を張り替えましょう。基礎の耐震性能を向上させつつ、新しい床材により快適な居住空間を実現できます。

 

畳だった部屋をフローリングに変更するだけでなく、断熱材や床暖房を設置することも可能です。

 

また、家の基礎であるコンクリートは、湿気を吸収しやすい性質があります。家にカビが生えてお悩みの方は、基礎の補強とともに床下に炭をまいたり防湿シートを設置したりすれば、湿気対策も可能です。

 

基礎の補強を行い建物の耐震性能を向上させつつ、新しい床材に張り替えて快適な居住空間を実現させましょう。

耐震やリフォームの費用と補助金活用法

耐震やリフォームを行う上で、重要になってくるのが費用です。耐震補強にかかる費用は、建物の状態・必要な補強の程度・地域・施工業者によって変動します。

また、リフォームを行う工事内容・範囲・希望する内容によって、費用が大きく変わるでしょう。

 

耐震補強やリフォームは、予算に応じて適切な方法を選択することが大切です。

一般的な耐震補強の費用相場

耐震補強の費用は、お住いの住宅の状態や耐震診断結果によって変わります。

財団法人日本建築防災協会の「木造住宅の耐震改修費用」についての調査によると、多くの方が100〜150万円で耐震改修を実施し、187万円以下で済んだケースが半数以上です。

 

また、国や地方自治体の助成金を活用すれば、さらに費用を抑えられます。

リフォームしたい場所別の費用目安

こリフォームの費用は住宅の状態・選択する設備のグレード・材料・工事の内容や範囲によって大きく変動します。
以下はリフォームの費用相場を一覧にしたものです。
複数個所をまとめてリフォームを行えば、費用を抑えられるケースもあります。

施工箇所

施工内容と費用の目安

畳の交換:5〜12万円
畳からフローリングへ:15〜60万円
段差解消:8〜20万円
床暖房設置:50〜150万円

クロス交換:6〜30万円

間取り

2室を1室に改修:50〜80万円
和室から洋室へ:50〜200万円
リビング改修:200〜400万円
廊下の改修:20〜100万円

お風呂

システムバスの交換:50〜150万円

トイレ

温水洗浄便座設置:8〜16万円
トイレ全体改装:20〜100万円
タンクレストイレへの交換:30〜50万円

キッチン

IHコンロ交換:20〜80万円
システムキッチンの交換:40〜200万円
キッチン全体リフォーム:80〜400万円
アイランドキッチンへ改修:300〜450万円

その他

シロアリ防止処理:15〜30万円

参考:国土交通省「事業者団体を通じた適正な住宅リフォーム事業の推進に関する検討会第1回配布資料「部位別リフォーム費用一覧」
 

 

補助金・助成金を活用する

耐震診断や耐震改修の補助金制度は、国が基本的な制度を作り、各自治体が運用しています。

市区町村によって、受けられる支援の金額や条件はさまざまです。

 

耐震補強の補助金や助成金を利用するには、工事を実施する前にお住まいの市区町村に問い合わせましょう。

富山県の耐震診断・耐震改修に対する支援制度をご紹介します。
 

耐震診断:診断費用の9割(自己負担2,000円~6,000円程度)

耐震改修:工事費の5分の4を補助(100万円まで)

 

補助金が利用できる住宅の条件

築年数:1981(昭和56)年5月31日より前に着工して建てられた住宅

建物の構造:木造2階建て・平屋建て

使われている工法:軸組工法

参照:富山県庁ホームページ

 

 

富山県は築年数が古く立派で広い住宅が多いため、耐震改修費用が高額になる可能性があります。そのため、富山県は必要な場所だけ直す部分改修や、何年かに分けて少しずつ補強する場合も助成の対象です。富山県は、予算に合わせて少しずつ耐震化を進められるようになっています。

 

お住まいの耐震補強の補助金が知りたい方はこちらからご確認ください。

耐震診断からリフォーム・耐震工事の流れ

耐震診断から耐震工事、そしてリフォームの流れを紹介します。
 

1、耐震診断を依頼する:お住まいの市区町村の耐震診断・改修の相談窓口に連絡し、補助対象の木造住宅かどうかを確認する。

2、耐震診断を受ける:専門家が設計図書や増改築の有無などの情報を集める。さらに現地で建物の現況を調査する。耐震診断の所要時間は、設計図書などがあれば約1.5〜2時間程度。

3、診断結果を分析しリフォームプランの作成:耐震診断の結果を基に、必要な補強箇所を特定し、同時に希望するリフォーム内容を組み込んだ総合的なプランを作成する。

4、見積もりの作成と調整:耐震補強とリフォーム工事の詳細な見積もりを作成する。予算に応じて工事内容を調整する。

5、補助金を利用する場合、補助金の申請を行う

6、耐震改修工事とリフォームを同時に進める

7、完了検査と引き渡し:工事完了後、耐震性能が向上したことを確認し引き渡す

 

耐震診断を依頼する場合、対象となる住宅は診断費用がかかりません。自治体が木造住宅耐震診断士を手配してくれますよ。

 

住宅が補助対象外の場合は、一般財団法人日本建築防災協会「耐震診断・改修の窓口一覧」から依頼する建築団体を探しましょう。

耐震補強とリフォーム・リノベーションを行ったユニテの実例

ユニテは多くのリフォーム・リノベーション実績があります。「耐震補強も一緒に行い、安心で快適な住まいにしたい!」という方が多いです。

ユニテが耐震補強とリフォーム・リノベーションを手がけた実例を紹介します。

1、必要な柱を残した中古戸建て住宅のリノベーション

「購入した中古住宅を理想の住まいにしたい!」と、ユニテにご依頼いただきました。

耐震性をアップさせる工事を施し、暮らしやすさと耐久性を高めた実例です。

 

広いリビングを希望されておりましたが、耐震性を保持する上で残さなければならない柱が出てきました。しかし、お部屋の雰囲気に馴染むようにリノベーションすることで、リビングのアクセントに。

 

必要な柱を残し、耐震性を保ちながらも広々とした明るい住まいとなっています。
 

2、受け継いだ実家をナチュラルテイストな子育て向きの間取りに

ご実家を引き継ぎ、子育て向きの間取りにした実例です。

 

これからも長く住み続けるために、壁には『耐震補強材』を家のあちこちに取り付けました。完成後は壁紙によって見えなくなってしまいますが、クロスを新しくするのと同時に耐震補強ができます。

 

「子供と過ごせるスペースや収納スペースを増やしたい」とご希望があったので、お子さんがのびのびと遊べる広々としたリビングとリビング横にはウォークインクローゼットを設置。

 

ご夫妻のこだわりが詰まった、長く住み続けられる子育てしやすい家になりました。

 

キッチンのbefore・afterもご覧ください。

耐震リフォームに関するよくある質問と回答

耐震リフォームを考えている方からよく寄せられる、疑問と解決策を紹介します。

工事期間中の生活はどうしてるの?

耐震リフォームは、建物の状態・耐震補強する箇所・リフォームする内容などによってさまざまです。家に住んだままリフォームできるかどうかは、どんな工事をするかで決まるのです。

 

高齢者・小さなお子さま・ペットがいるご家庭は、体調を崩してしまうことも。耐震リフォームの際は仮住まいをおすすめします。
 

住みながら耐震リフォームをするなら
  • 部分的な耐震補強
  • 外側からの耐震補強
  • 工事エリアを区切り、一部屋ずつ工事を進める
  • 1階から2階へ生活スペースを移動させる

 

仮住まいを必要な耐震リフォーム
  • キッチン・トイレ・お風呂などの水回りのリフォームを一緒に行う
  • 構造から見直すスケルトンリフォーム
  • 大規模な耐震補強が必要
  • 無筋のコンクリートに鉄筋を入れて、鉄筋コンクリートにする
  • 土台の木材が湿気やシロアリ被害を受け、全面的に部材を差し替える

耐震リフォームした方がいいタイミングは?

耐震リフォームは早めの対策が重要です。特に、2000年6月より前に建てられた家は、大規模な地震が発生すると建物が倒壊するリスクが高まります。

「あのとき耐震補強しておけばよかった……」とならないように、建物の安全性を高め地震に対する備えを強化しましょう。
 

  • 2000年6月以前に建てられた家
  • 外壁にヒビが入っている、床がギシギシ音を立てるなど、老朽化の兆候が見られる
  • 地盤の強度が低い場所だとわかった
  • リフォーム・リノベーションを検討している
  • 大規模な地震が予測されている地域に住んでいる

 

耐震とリフォームで安全・快適な住まいを実現しよう

耐震補強とリフォームを同時に行えば、工期を短縮しコストが抑えられます。補助金をうまく活用すれば、さらに費用を抑えることも可能です。

 

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