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回遊動線とは?日々の暮らしが変わる快適な住まいづくりの新常識

回遊動線とは何か知っていますか?本記事では、無駄な動きを減らし日々の暮らしを快適にする回遊動線のメリットやデメリットや、間取りのアイデアを解説します。 リノベーションをして回遊動線を改善させたユニテの実例も紹介しますよ。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

洗濯機と物干し場が離れていて運ぶのが大変
玄関からキッチンまで重たい買い物を運ぶのが大変

といった悩みはありませんか?無駄な動きを減らし日々の暮らしを快適にするのが、回遊動線です。


本記事では、回遊動線とは何かを解説します。メリットやデメリットをもとに回遊動線をよくする間取りのアイデアも満載です。
リノベーションをして回遊動線を改善させたユニテの実例も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

回遊動線とは何か?

動線とは、人が移動する動きの流れのことです。
家の中をスムーズに移動できる動きや流れのことを、回遊動線といいます。

回遊動線を採用した家は、各部屋をぐるりと移動できるようにつながっています。1つの部屋に多くの出入り口を設置することで行き止まりを減らし、自然な流れを作ります。

例えば、アクセスしやすいようにキッチン・ダイニング・リビングと続けて配置している間取りなどが一般的です。

回遊動線は日々の生活がより快適になると、近年注目されています。

回遊動線がある家のメリット

回遊動線がある家は、主に以下のような快適に暮らせるメリットがあります。

・家事の負担が減り効率が高まる
・開放感を得られる
・家族間のストレスが減る

家事の負担が減り効率が高まる

回遊動線を採用すると、家事の移動によるストレスが軽減されます。

例えば、収納が家の端に集中していると、反対側からアクセスしにくいですよね。家の中心に収納を設置すれば、どの部屋からもアクセスしやすく整理整頓が簡単に。玄関とキッチンをつなぐドアを設置すれば、重たい買い物を最短距離で収納できます。

回遊動線がある家は、無駄な往復や遠回りが減り、家事の効率が高まるでしょう。

開放感を得られる

回遊動線がある家は、どこからでも行き来しやすいように壁が少ない間取りとなっています。回遊動線を意識し部屋同士がつながると、目線が家の奥まで通るため開放感が生まれるでしょう。

また、各部屋のつながりがよくなると、光が家全体に広がり、家の中が明るくなるのも大きなメリットです。

回遊動線を取り入れると使いやすい動線だけでなく、広々とした雰囲気も得られます。

家族間のストレスが減る

回遊動線があると家族間のちょっとしたストレスが減り、快適に感じるでしょう。

例えば、朝の洗面所は身支度をする家族で混雑しがちですが、洗面所へのアクセススペースを2つ作るだけでスムーズに行き来できます。リビングをメインに回遊動線を取り入れれば、どこにいても家族の気配を感じ、子どもの様子を見守りやすいです。

ただし、「家族の気配が気になり、子どもが勉強に集中できない」など、回遊動線を採用したことで別のストレスが増えることも考えられます。家族の生活スタイルを尊重しながら回遊動線を採用しましょう。

回遊動線がある家のデメリット

回遊動線を取り入れると家での生活が快適になりますが、以下のようなデメリットもあります。

・通路が増え生活スペースを圧迫する
・収納スペースが減る

通路が増え生活スペースを圧迫する

回遊動線は人が通れるスペースが必要です。そのため、通路を確保するために各部屋のスペースが狭くなることがあります。

例えば、玄関に行きやすくなるように複数の移動経路を確保すると、リビングや玄関のスペースが狭くなることもあるでしょう。

坪数が少ないコンパクトな住まいの場合は、生活スペースが圧迫されないかを考えて回遊動線を取り入れましょう。

収納スペースが減る

回遊動線のために通路を増やすと、その分だけ収納に割り当てられる空間が減ります。

例えば、回遊動線をよくするためにリビングとダイニングを一体化すると、その壁に設置できた収納スペースが失われるからです。

この結果、収納スペースがないため通路をふさいで物や家具を置いてしまい、結局回遊動線が悪くなってしまうケースもあります。

回遊動線を採用すると、収納スペースが減ることがあります。収納と通路のバランスを考えて、回遊動線を採用しましょう。

回遊動線を取り入れた間取りの特徴

家の中をスムーズにアクセスできる回遊動線とは、どのような間取りが最適なのでしょうか。効率的な回遊動線を実現するポイントは以下の通りです。

・LDKを中心とした間取り
・回遊動線を意識した部屋の配置
・収納スペースを動線にする

LDKを中心とした間取り

回遊動線を採用するには、家族が集まるリビング・ダイニング・キッチンなど共用スペースをメインに配置する間取りが一般的です。

そこから、寝室や浴室などへスムーズにアクセスできるような設計が多く見られます。そして、各部屋に2つ以上のアクセススペースを設置すれば、スムーズな移動が可能です。

共用スペースを中心に回遊動線を考えれば、無駄な移動が減り、自然と家族が集まりやすい空間になります。

回遊動線を意識した部屋の配置

回遊動線を意識して部屋を配置しましょう。ご家庭のライフスタイルに合わせてアレンジすることが重要です。ご自宅の敷地の形状・方角・採光・通風なども考慮して、最適な配置にする必要があります。

例えば、ランドリールームを設置するなら一般的に日当たりのいい西や南ですが、夜に洗濯を干すなら朝に日が入る東向きもおすすめです。ライフスタイルによって最適な方角を決めると、部屋の配置も変わってきますよね。

家族がどのような生活や移動するのかを考えて部屋を配置し、回遊動線を考えましょう。

収納スペースを動線にする

収納スペース自体を動線にするのもおすすめです。

例えば、キッチンへと続く動線にパテントリーを設置すれば、収納スペースも確保しながら回遊動線も取り入れられます。隣り合った子ども部屋の間に共有クローゼットを設置すれば、収納スペースからも隣の部屋に行き来できるようになるでしょう。

収納スペースを回遊動線にしてしまえば、収納が少なくなるデメリットも改善できます。

回遊動線を改善するためのリノベーションアイデア

新築だけでなく、今の住まいに手を加えるだけで快適な回遊動線が手に入ります。リノベーションで回遊動線を取り入れるポイントを解説します。

リノベーションでできる簡単な改善策

リノベーションでは、今ある住宅の動線を活かした回遊動線を取り入れましょう。部屋の間取りを変えると、水回りの移動や電気工事などを伴う場合は費用が高くなるからです。

例えば、キッチンと洗面室の間を開放しパントリーを設置するだけで、キッチンの食品・シャンプー・洗剤などをまとめて収納できます。わざわざ遠くまで取りに行く必要がなく、家事動線も叶います。

今の間取りを活かせば、自分達のライフスタイルに合った回遊動線が手に入るでしょう。

大規模リノベーションで回遊動線の最適化

大規模なリノベーションが可能なら、最適な回遊動線を採用しましょう。キッチンを中心に水回り(浴室やトイレなど)を回遊できる間取りがおすすめです。

水回りの動線が短くなると、調理・洗濯・掃除など、水を使う家事がスムーズになります。水回りをまとめれば、リビングやダイニングをより広く使え開放的な空間になるでしょう。

さらに、玄関からリビングへつながる動線と、キッチンなど水回りへつながる動線を採用すれば、家族みんなが使いやすい回遊動線になります。

家事の負担を減らしたい」「効率的に部屋を移動したい」という方におすすめの間取りです。

よくある失敗例と対策

回遊動線を採用するなら、照明のスイッチコンセントの位置を確認しましょう。せっかく回遊動線を採用したのに、照明のスイッチやコンセントの位置を間違えると無駄な動線が増えてしまいます。

「回遊動線を取り入れ出入り口を2か所設置したのに、スイッチを1つしか採用しなかったためわざわざ照明をつける動線が増えてしまった」
「掃除道具を一か所に収納したのに、コンセントがなく掃除機の充電ができない」
という失敗もよく聞かれます。

回遊動線とともに照明のスイッチやコンセントの位置を確認し、快適な動線を叶えましょう。

今からでも試せる回遊動線改善テクニック

大規模なリノベーションをする前に、ちょっとした工夫で暮らしやすい家に生まれ変わります。今すぐ実践できるアイデアを見ていきましょう。

家具の配置を変える

まずは、家具の配置を見直しましょう。大きな家具の配置を変えるだけで回遊動線が生まれます。

「なんだか使いにくい」「通りにくいな」と感じた箇所の、家具の配置を変えましょう。ソファを壁に沿って置いているなら、少し離して配置します。壁とソファの間に通路ができ、家族が行き来しやすくなることも。

家具の配置を変えれば、大規模な改装をせずにより快適な回遊動線が生まれます。

収納する場所を見直す

収納する場所を見直して、動線を改善させましょう。使う場所の近くに収納すれば、各部屋の動線が改善され、全体的な生活の効率が上がるからです。

例えば、玄関の壁面を利用して収納スペースを作り、上着やカバンをかければ、わざわざクローゼットまで行く手間が省けます。
キッチンとダイニングが離れているなら、ダイニングに箸などカラトリーを収納すれば食事の準備も効率がよくなるでしょう。

収納を見直すときは、家族全員の使い勝手を考えながら使いやすい場所を見つけましょう。

回遊動線を取り入れたユニテのリノベーション実例

ユニテは多くの施工を通して、多くのお客様の思いをお聞きしイメージを実現してきました。ユニテのリノベーションを通して、スムーズな回遊動線を実現したアイデアをご紹介します。

実例1,【富山市】築27年の納屋を、温かく快適な生活動線の住まいに

使用していない築27年の納屋を、住まいへとリノベーションしました。生活動線をコンパクトにすることで、水回りにアクセスしやすくリノベーションしました。

配膳しやすいように、ダイニングとキッチンは横並びのレイアウトを採用。浴室・脱衣室からサンルームへの移動も簡単です。サンルームのすぐ横にウォークインクローゼットを設けたので、乾いた洋服をそのまま収納できます。

どの部屋にも行きやすい回遊動線で、シンプルで過ごしやすい間取りを取り入れたお住まいです。

実例2、【南砺市】ペレットストーブのあるぬくもりの住まい

寒い家を暖かく過ごせるご自宅へとリノベーションしました。

日当たりのよい客間をLDKに加え、温かくすごせるリビングに。日当たりがよかった縁側は、サンルームとして活用しました。リノベーションでは取れない壁や柱がありますが、できる限り利用し動線の邪魔にならないように部屋を配置したのがポイントです。

さらに、2匹の愛犬のために広めの造作洗面台を設置しました。愛犬と散歩から帰ってきても造作洗面台に直行できる間取りを採用したので、汚れても部屋の中を汚すことはありません。

ユニテは、それぞれの思いやライフスタイルに合った回遊動線のある間取りを提案します。

実例3、【富山市】受け継いだ実家をナチュラルテイストな子育て向きの間取りに

ご実家を引き継ぎ、子育て向きの間取りや動線を取り入れたリノベーションを行いました。どの空間からも行き来しやすい回遊動線を意識しています。

リビング横にはウォークインクローゼットを採用し、子どもでも自分で片付けができます。以前はキッチンからリビングが見えませんでしたが、対面キッチンを採用し見守りながら作業ができます。

ランドリールームをかねた広めの洗面脱衣室には、衣類も収納できるように可動式の棚板を設置しました。髪の毛やほこりが目立ちにくいグレーがかった床材は、おしゃれに見えるのでおすすめです。わざわざベランダまで洗濯物を運ぶ必要がなく、動線に優れています。

回遊動線は理想の暮らしを実現する

回遊動線とは、暮らしやすさを重視した住宅設計の考え方です。回遊動線なら、家の中を自由に移動でき、無駄な往復や遠回りを減り家事の効率が高まります。

 

回遊動線のメリット
  • 家事の負担が減り効率が高まる

  • 開放感を得られる

  • 家族間のストレスが減る

 

回遊動線のデメリット
  • 通路が増え生活スペースを圧迫する
  • 収納スペースが減る


回遊動線を採用する時は、以下の点に注意して間取りを考えましょう。

・LDKを中心とした間取り
・回遊動線を意識した部屋の配置
・収納スペースを動線にする

 

今の住宅に手を加えるだけで、快適な回遊動線が手に入ります。

ユニテはリノベーションの豊富な実績と、お客様の理想を叶える最適な間取りをご提案します。使いやすい回遊動線を手に入れたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。