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マンションを断熱リフォームして快適な我が家へ!工事方法・費用相場・補助金・注意点を解説

マンションの断熱リフォームは、光熱費を削減し、快適な室内環境を実現できます。本記事では、マンションを断熱リフォームする効果とメリットと断熱方法を解説。マンション断熱リフォームで使える補助金・助成金や、成功させるポイントも紹介します。

監修者
一級建築士/O.Fumihiro
一級建築士
O.Fumihiro

株式会社ユニテ 設計部

設計部門の責任者として年間20棟以上の新築住宅設計を手掛ける。

【 保有資格 】

一級建築士 / 建築施工管理技士一級 / 宅地建物取引士 / 応急危険度判定士

「冬は寒くて暖房代がかさむ」「夏は暑くてエアコンが効かない」など、お悩みを抱えているマンションの方は多いのではないでしょうか。マンションの断熱性能を向上させる断熱リフォームは、光熱費を削減し、快適な室内環境を実現できます。

 

この記事では、マンションの断熱リフォームについて以下のポイントを解説します。

 

  • マンションを断熱リフォームする効果とメリット
  • マンションの場所別で見る断熱方法
  • マンション断熱リフォームで使える補助金・助成金
  • マンションの断熱リフォームを成功させるポイント

 

快適で省エネな住まいにしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

マンションを断熱リフォームする効果とメリット

マンションを断熱リフォームすると、冬は暖かく、夏は涼しい快適な室温を一年中維持。断熱性能により室内温度が安定するため、エアコンなどを使用する機会が減り、光熱費の削減が期待できます。

 

コンクリート構造が多いマンションは、蓄熱性が高いです。コンクリートは断熱性能が低いため、外気温の影響を受けやすく、室内温度が不安定になりがちに。

 

窓などの開口部から冬は暖房の約58%が逃げ、夏は約73%の熱が入ってくるとされています。マンションでは大きな窓が設置されていることが多いため、室温に影響するのです。

 

マンションの断熱リフォームは、住環境を快適にするだけでなく、家計の負担を軽減させる賢い選択です。

断熱リフォームするならここ!マンションの場所別断熱方法

マンションの断熱性をアップさせるなら、以下の場所をリフォームしましょう。

 

  • 天井

 

場所別のリフォーム方法や、費用相場について紹介します。

窓の断熱リフォーム

窓などの開口部は熱の出入りが激しいので、断熱リフォームによる効果が最も期待できます。窓を断熱リフォームすれば、結露を防止し、カビの発生も予防。手軽に設置できるのも嬉しいポイントです。

 

 

リフォーム箇所

方法

窓ガラスを交換

・2枚以上のガラスを合わせた複層ガラスに交換する

(3枚になっている、中間層にガスが入っているものは、さらに断熱効果が)

・コーティングが施されているタイプの窓ガラスに交換

サッシを交換

アルミ製のサッシから樹脂製や木製のサッシに交換

内窓を設置

既存の窓とサッシはそのまま残し、新たにサッシを取り付けて内窓を設置する

 

窓の断熱リフォームの費用相場

窓のリフォーム費用はご自宅の状態やリフォームしたい箇所によって異なりますが、40万円未満でできるケースが多いです。断熱リフォームをすると光熱費が削減できるので、長期的にみるとメリットが大きい投資といえます。

 

 

リフォーム例

費用相場

内窓をつける

20万円~

リビングなど大きな部屋の窓をリフォーム

 

20~40万円

複数カ所の窓をリフォーム

家の全部の窓など多数の窓をリフォーム

40万円~

壁・床・天井の断熱リフォーム

マンションなど鉄筋コンクリート造の建物では、外断熱が効果的な断熱方法とされています。しかし、マンションでは管理規約や共用部分の制約により、一戸建てのように外側からの断熱工事を自由に行えません。

そこで、壁・床・天井の断熱リフォームを行います。壁・床・天井の断熱リフォームは「乾式断熱」と「湿式断熱」2つの工法が用いられます。

 

乾式断熱:下地材の間にグラスウールやロックウールなどの断熱材をはめこむ。
湿式断熱:断熱材を直接壁面に吹き付ける。複雑な形状の箇所にも対応できる。
 

 

リフォーム場所

リフォーム方法

特徴

内張り断熱工法

(乾式)

・施工が比較的簡単で工期が短い

・材料費が安価でコストパフォーマンスが良い

吹き付け断熱工法

(湿式)

乾式断熱より施工費用がかかる

ココエコ

(ウォールインプラス)

石こうボード付きパネルによって、最短1日のスピード施工が可能

床下に断熱材を敷く

一般的で効果的な方法

置き床断熱工法

既存の床の上に断熱材付きパネルを設置

断熱材と床暖房を設置

断熱と暖房を同時に解決

断熱効果のあるフローリング材を採用

(フロア インプラス)

高性能の真空断熱材をプラスしたフローリング材

天井

天井下地断熱工法

(乾式)

一般的な方法で高い断熱効果

吹付け断熱工法

(湿式)

気密性も向上する

天井直張り断熱工法

もとある天井をいかすため、工事が簡単

 

壁・床・天井の断熱リフォームの費用相場

3LDKのマンションの場合、壁のリフォームには約40〜60万円、床のリフォームには60〜130万円程度の予算が必要です。

 

壁・床・天井の断熱リフォーム費用は、使用する断熱材の種類やグレードによって大きく変動します。断熱性能を重視するか、コストパフォーマンスを優先するかによって最適な方法を選びましょう。

 

このあと紹介する補助金制度を活用すれば実質負担を軽減できるので、高性能な断熱材を検討してはいかがでしょうか。

マンション断熱リフォームで使える補助金・助成金

マンションの断熱リフォームは、「子育てグリーン支援事業」と「先進的窓リノベ2025事業」の補助金を活用しましょう。重複しない工事なら併用も可能なので、補助金を活用してリフォーム費用を削減できます。

子育てグリーン支援事業

子育てグリーン支援事業は、窓・壁・床・天井の断熱など幅広いリフォームに対応しています。給湯器やエアコンの交換、バリアフリー化も補助されるのが特徴です。

 

 

対象工事

必須工事(2つ以上実施)

①開口部の断熱改修

②外壁・屋根・天井・床の断熱改修

③エコ住宅設備の設置

任意工事

・バリアフリー改修

・エアコン設置

・キッチン・浴室・トイレ・洗面等の改修

補助金額

・必須工事3種類すべて実施:最大60万円

・必須工事2種類実施:最大40万円

申請期間

2025年3月31日~12月31日

申請条件

・登録事業者(グリーン住宅支援事業者)による施工

・すべての世帯が対象

参照:国土交通省・子育てグリーン住宅支援事業

先進的窓リノベ2025事業

窓を断熱リフォームするなら、先進的窓リノベ2025がおすすめです。窓改修は断熱効果が最も高く、マンションでも実施しやすい内窓設置が対象。補助金額は工事費用の1/2と、非常に高い補助率が設定されているため、実質的な負担を軽減できます。

 

対象工事

内窓設置:既存窓の内側に新たに窓を設置

外窓交換:カバー工法・はつり工法による外窓の交換

ガラス交換:既存サッシのガラスのみを高性能ガラスに交換

玄関ドア交換:窓工事と同時施工の場合のみ対象

(A以上の性能に該当する製品)

補助金額

工事費用の1/2(上限額200万円)

最低申請額

5万円以上の補助金額が必要

申請期間

2025年3月31日~12月31日

申請条件

登録事業による施工

参照:国土交通省・先進的窓リノベ2025事業

自治体独自の補助金・助成金制度

多くの自治体で、独自に補助金・助成金制度を設けています。対象となる工事内容・補助金額・申請期間などが自治体ごとで異なるため、住んでいる地域の公式サイトなどで最新情報を確認しましょう。

 

富山県は、高性能住宅の新築・改修工事に対して支援する制度として「富山型高性能住宅推進事業費補助金」を行っています。
 

 

対象工事

内窓設置:既存窓の内側に新たに窓を設置

外窓交換:カバー工法・はつり工法による外窓の交換

ガラス交換:既存サッシのガラスのみを高性能ガラスに交換

玄関ドア交換:窓工事と同時施工の場合のみ対象

(A以上の性能に該当する製品)

補助金額

補助率:5分の4

・既存住宅(全体改修:200万円)

建物全体を新築住宅(アドバンス)レベルに断熱化する

・既存住宅(ゾーン改修:120万円)

限定した空間だけを断熱化する

申請期間

2025年3月31日~12月31日

申請条件

・令和7年4月15日以降に着手したものが対象

・提出期限(令和8年2月末日)までに事業を完了し、実績報告書を提出する

・国の補助金(子育てグリーン住宅支援事業など)との併用が前提の区分もある

参照:富山県・富山型高性能住宅推進事業費補助金

マンションの断熱リフォームを成功させるポイント

マンションの断熱リフォームをする際は、以下の点に注意しましょう。

 

  • 部屋の位置によって断熱効果が変わる
  • 専有部分と共用部分を理解する
  • 管理規約の確認と管理組合への申請・承認が必要
  • 近隣住民への配慮を忘れずに

ポイント1.部屋の位置によって断熱効果が変わる

マンションの断熱リフォーム効果は、部屋の位置によって変わります。外気に接する面が多いほど断熱効果が高く、隣戸や上下階に囲まれるほど効果は穏やかになります。

 

例えば、最上階は屋根からの熱が直接伝わり、冷暖房熱も逃げやすいため、天井の断熱リフォームがおすすめです。ご自宅がマンションの1階にあるなら、地面からの湿気により結露やカビのリスクが高いので、床の断熱リフォームがよいでしょう。

 

効率的な断熱リフォームをするには、部屋の位置を把握し、効果の高い部分を優先的にリフォームすることが大切です。

ポイント2.専有部分と共用部分を理解する

マンションは専有部分と共用部分があるため、リフォームが制限される場合があります。

 

 

リフォームできるか

具体的な箇所

共用部分

・玄関ドア

・バルコニー

・窓ガラス

・インターホン

など

専有部分

部屋内部

(壁・床・天井など)

玄関扉の内側からベランダの手前まで

 

窓は共用部分として扱われるので、個人がサッシや窓ガラスを変更するのは制限される場合がほとんどです。マンションの構造や管理規約によりますが、マンションでも比較的実施しやすい断熱リフォームをご紹介します。

 

  • 壁や床に断熱材を入れる(室内側から)
  • 既存の窓はそのままに「内窓」を設置して二重窓にする

ポイント3.管理規約の確認と管理組合への申請・承認が必要

マンションでリフォーム工事を行う際は、管理規約を確認しましょう。事前に管理組合や管理会社への届出が必要なケースがあります。

 

申請のタイミングはマンションによって差がありますが、工事開始の1ヶ月前までの提出を求められるケースが多いです。マンションによっては専用の申請書類が準備されているケースもあるので、工事前に必ず確認しましょう。

 

施工業者にも管理規約を確認してもらい、リフォーム方法などを一緒に考えてもらうのがおすすめです。

ポイント4.近隣住民への配慮を忘れずに

リフォーム工事を行う際は、近隣住民への配慮が大切です。リフォームは騒音・振動・粉塵が出ることがあるので、リフォーム工事が始まる1週間前には挨拶をしましょう。

 

内窓を設置するなどリフォーム規模が小さいケースは、隣の人に声をかける程度でよいです。内壁や床を外す大がかりな工事を行うときは、隣だけでなく上下階も考慮しましょう。

 

なかなか挨拶ができないときは、ポストに工事予定の詳細(日程・時間帯・工事内容・連絡先)を記載したメモを投函する方法もあります。リフォーム工事を事前にお知らせすれば、相手の理解を得やすくトラブルになりにくいです。

ユニテで断熱リフォームした実例

ユニテで内窓を取り付け、断熱性をアップさせた実例をご紹介します。

富山県は日本の中でも積雪量が多く、富山市内でも積雪が1メートルほどになることも。
O様邸は冷暖房の効きが悪く、電気代が上がることを考え内窓を設置しました。

内間のガラスには断熱性能の高い「Low-E複層ガラス」採用。単板ガラスと比べると、窓から逃げる熱の量を約1/3に抑えられます。

窓の断熱リフォームは、先進的窓リノベ2025を活用すれば、工事費用の1/2を補助されるのでおすすめです。
 

 

工事内容:内窓取付け
リフォーム期間:1日
施工総額:50万円以下

マンションの断熱リフォームもユニテへご相談ください!

マンションの断熱リフォームは、光熱費を削減し快適な室内環境を作ります。
壁・床・天井とさまざまな断熱方法がありますが、熱の出入りが激しい開口部である「窓」の断熱リフォームがおすすめです。補助金を活用すれば、断熱リフォーム費用を抑えられます。

 

 

リフォーム箇所

方法

窓ガラスを交換

・2枚以上のガラスを合わせた複層ガラスに交換する

(3枚になっている、中間層にガスが入っているものは、さらに断熱効果が)

・コーティングが施されているタイプの窓ガラスに交換

サッシを交換

アルミ製のサッシから樹脂製や木製のサッシに交換

内窓を設置

既存の窓とサッシはそのまま残し、新たにサッシを取り付けて内窓を設置する

 

ユニテは多くのリフォーム・リノベーションを手がけています。住まいの悩みにあった断熱方法を提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。